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国務大臣(
中山成彬君) 御指摘のように、私どもはもう
本当に必死になって
議論していたわけでございますが、一般国民はなかなかそこまで理解していただけないと、これはまあ大体すべての案件そうだと思うんですけれども、特にこの
教育の問題について三位一体というと、とても何かいいことに、
日本人はとかくスローガンに弱いといいますか、とてもいいことみたいに感じてしまうんですが、そうじゃないんだと。
先ほども言いました最後の補助金改革ということになりますと、これは去年もちょっと財務
大臣が言い出しました七、八兆円の補助金の削減、こういう方向が動き出すと思うんですよ、二年後から。そうしますと、
本当に
地方にとっては大変なことになるわけでございまして、この辺のところを
本当によく分かった上で、
自分たちがやる、
自分たちで持つんだと、この
義務教育国庫負担は、というふうに
本当に
地方の方が考えられるのか。
これはもう国民的な私はやはり関心を呼び起こしていかなきゃいけないと思うんですが、やっぱり
教育関係の
方々はもうよく分かっていまして、もう堅持の大号令でございますし、
地方六団体と言いますが、先ほども言いましたように、知事会の中にも反対といいますか、堅持派もいますし、特に市町村長、それから議会
関係者の中にはもう大半と言っていいんじゃないかと思うんですけれども、これは堅持してくれという声が実は強いんです。このことは皆さん方もよくお聞きになっていると、こう思うわけでございます。
本当に、そういう
意味では、戦後すぐの昭和二十五年から二十八年のあのこともございますし、また同じ失敗、同じ轍を踏むのかという感じもあるわけでございまして、もっともっと私どもとしてはPRをしたいということで、いろんな
教育改革のタウンミーティングとかそういったところに行きましたときにはこのことを強く強調しておりますし、
学校現場、スクールミーティング等に行きましてもこの話をします。もうスクールミーティング等に行きますと、大体もうPTAの
方々、
先生方もみんなもう堅持、堅持の一色でございますから、もっとPRには努めていきたいと、こう思っています。
それから、
地方分権の
在り方、姿、どうなんだという御指摘でございますが、今私どもが考えておりますのは、まず
義務教育の実施に当たりましては、国は全国的な
教育水準の
確保、そして
機会均等、これについての
責任はしっかりと担って、その上で
学校や地域が
創意工夫してそれぞれ独自性を発揮できるようにすることが重要だというように考えているわけです。
要するに、
役割分担の問題だろうと、こう思っているわけでございまして、現行制度におきましては、国は
基本的な制度の枠組みとかあるいは全国的な基準の設定、必要な財源の
確保等の
役割を担い、都道府県は広域で、広い地域で一定水準の人材を
確保する
役割を担う、そして市町村は
学校の設置、運営という、正に
教育の直接の実施主体としての
役割を担っていると。
これらの適切な
役割分担の下に
教育は実施されているわけでございまして、私といたしましては、これからのこの
義務教育の改革に当たりましては現場主義と、現場主義と言っていますが、この現場主義の徹底を図る必要があると、このように考えておりまして、小
中学校の設置者であります市町村の
役割や
責任の
在り方、そして
教育委員会と
学校の
関係の
在り方についても今後十分な
議論を行うことが必要であると、このように考えているわけでございます。
このように、
義務教育について財源保障も含めた国の
責任はしっかりと担いながら、今現在、都道府県が有しております教職員人事に関する権限とか、あるいは学級編制、教職員定数に関する権限をできるだけ市町村に移譲していくということなど、国と都道府県、市町村、
学校の
役割と
責任の
在り方について、ただいま
中央教育審議会で
議論していただいているわけでございまして、その結果を踏まえて必要な改革を進めてまいりたいと、このように考えております。
最後に、スクールミーティングについての
お話でございまして、三百校を目標ということです。大体三万三千校ぐらい小
中学校あるんですけれども、少なくとも一%ぐらいは、百分の一ぐらい行こうじゃないかということを目標にいたしまして、先週末で百五十二校を回っておりまして、今年の夏ごろまでには四十七都道府県を網羅する形で三百校を訪問したいと、このように考えているわけでございます。
私、いろんな仕事をする場合にはもう現場主義と言っていまして、現場に行ってまず見てこようということからいろんなこれまでも仕事をしてまいりましたが、やはり
文部科学省としてもこれまでもやっぱり行ってはいたんですけれども、むしろ
学校に行っても
説明する方が非常に強くて、向こう側からいろんな話を聞くということはどうも余りなかったんじゃないかと。
やはり謙虚になって、
自分たちの実際やっていることがどのように実施されて、それに対して
先生とか保護者がどういうふうに感じているのか、あるいはまた
教育関係者全部含めて、それらもう
本当に率直に御意見をお伺いしようと、それを基にして私は
教育改革をやっていくべきじゃないかと、このように考えておりまして、今事務方も含めて精力的に回っておりますが、やっぱり回りますと、
本当にいろいろと分かること、学ぶことも一杯あるわけでございますが、こういった場を通じていただきました御意見とか要望等につきましては、これは
中央教育審議会における検討の材料にもさせていただいておりますが、また、もう直ちに
文部科学省の施策の企画、実施に当たりましても、適切にこれはもう反映できるようにしていきたいと。そういう
意味で、スクールミーティングというのが非常に大事な私は役目を果たしているんじゃないかなと、このように考えております。