○副
大臣(
常田享詳君) 野村
委員の御
質問にお答えをしたいと
思います。
昨年、参議院選挙が終わりましたすぐ、
国民保護法に関する
調査団ということで超党派で、院の派遣でフランス、ドイツ、それからスイス、シンガポールの民間防衛の
調査に入らせていただきました。それらの国々はそういった民間防衛、
国民保護に対して非常に先進国と言われている国でありますが、いろいろお話が出た中で、
食料の安全保障、自給率ということについてはどの国においても大体七割以上
確保するのが常識であるということでありました。
そのときは行きませんでしたが、その前に行きましたイギリスにおいては、
日本が自給率七三%カロリーベースであった昭和四十年の時点では、イギリスは四五%まで落としていたと。しかし、イギリスは
日本と同じような海洋国家で、周りが海に囲まれている国で、いざというときに
国民の生命をしっかり守っていく
食料の
確保は大事だということで、
日本とは逆に、
日本は昭和四十年からどんどん落として今四〇%、イギリスはそれを、四五%だった自給率を今七〇%以上まで戻してきておるということがあります。そういった
食料の安全保障という点での視点が
一つ。
それから、今年の一月十五日からインドに行かせていただきました。インドが今、人口十億であります。インドの国会議員の方たちといろいろ話をさせていただきましたが、インドは近い将来十三億、そして産児制限しておりませんから中国を抜いて十五億まで人口が伸びていくということの中で、インドももうこれまでのように自国で
国民の
食料を賄うことはできない、
輸入に頼らざるを得ないということでありました。そこへあわせて、中国が御案内のとおり去年から五十五億ドルの
輸入に転じて、純
食料輸入国に転換していって、これから毎年毎年巨大な
食料輸入国に転換していくと。そういった人口問題との、そしてインド、中国がASEAN諸国も巻き込んでアジアでの
食料の安全保障にしっかり取り組んでいるという背景、その中で
日本が取り残されていくのではないかという危機感。
もう一点だけ申し上げますと、異常気象の問題であります。この異常気象が及ぼす影響というのは計り知れないわけでありまして、今後、そのことが
生産面や価格面で、今までと同じようにお金があれば買えるんだということが本当にもう言えるのかどうなのかというようなことを
考えますと、この
食料自給率の問題は極めて
我が国にとっては重要な
課題であるというふうに思っております。このたびの
食料・農業・農村
基本計画におきましては、入口のところで一番
議論したのはこのことであります。このことをしっかり踏まえて、今まではそうやって落ちてきて、四割、四〇%というところまで落ちてきているけれ
ども、ここはもうどん底だと、ここからどうやって上げていくのかということの中で
生産面と
消費面でしっかり取り組んでいこうと。
時間の関係ではしょりますけれ
ども、あわせて、もう一点だけ申し上げますと、今まで何で落ちてきた。それはもう五年に一回とかそういう
見直しのときに、振り返ってみれば、横ばいになっていたとか落ちていたということだから、今後はその
施策の工程管理を毎年毎年やって、なぜ上がらないのか、なぜ、上がらないのにはどういう
原因があるのかということを取り組んでいこうと。それから、先ほど来の
生産額ベースの自給率も併せて取り入れることによって
生産力を高めていく、
生産力と
消費力で自給率を上げていくというのがこのたびの
方針であります。
以上であります。