○
政府参考人(
堀江正弘君) 具体的な事務手続ないしは考え方でございますので、私の方から
説明させていただきます。
ただいまおっしゃいましたように、再免許に当たりましてはいろいろな書類を出していただくわけですけれ
ども、株の所有関係でありますとかいろいろな書類を出していただきます。
平成七年の一月に
審査基準というものを改正いたしまして、一の者が有する議決権の扱いにつきまして、名義貸しや子
会社保有の議決権についてもカウントすると。実質的にだれが持っているかと、こういう
意味ですね。そういうものもカウントするという旨の基準を定めました。
平成七年に改定したわけです。従来は明確でなかった他人名義の株式の保有や子
会社を通じた間接支配の
状況把握を可能とするということで、そういう改定をしたわけでございます。
これによりまして、放送局の再免許の際には、他人名義による議決権の保有については、一〇%を超えるおそれのある場合について、申請者より調書の提出を求め、その確認を徹底することとしたわけでございます。
しかしながら、私
どもとしては、提出された書類を基にして
審査をするということでございまして、これがちょっとおかしいじゃないかといいますともちろん聞きますけれ
ども、立入検査とかそういうことをやるという権限ございません。したがいまして、提出された資料を基にしてずっと
審査をしてきたわけでございます。
しかしながら、先ほどおっしゃいましたように、昨年十一月以来の、まあ問題になりまして再点検いたしましたところ、いろいろなルール違反の事例が出てきたということでございます。
そこで、なぜそういうことが起こったのかと、あるいは、どういう
理由で
会社の中でも徹底されていなかったのかというようなことを個別に
会社の方から事情を聴取いたしました。そうしましたところ、大体大きく三つぐらいに
理由といいますか、そうなった原因というのは分かれるかと思いますけれ
ども、
一つは、そもそもマスメディアの集中排除原則に対する正しい理解と認識が徹底されていなかったと、欠如していたということがございます。例えば、名義株と合算して判断されるということを十分認識していなかったという事例すら現れました。
それから
二つ目は、社内の管理体制に遺漏があったと。これは株の管理をしている系統と、例えば再免許等の許認可手続を担当している部門が違うといったようなことがございまして、株の管理をしている方から書類を渡してもらってそれをそのまま役所に出しているといったようなケースでありますとか、あるいは株主名簿と配当金の振込先を照合することを怠っていたとかといったようなことがございまして、
一つの
会社の中でも管理体制に遺漏があったというようなことがございます。
それから三つ目として、その名義株の存在を知ることが容易でなかったと。先生、先ほどお配りになりました資料で二枚目に付いてございますけれ
ども、
一つの
地域で、ある個人なり
会社が
二つの放送
事業者に対して議決権を有する株を持つと、まあこういう事態になると。で、放送
事業者側にとってみますと、例えば
新聞社とします、株を持つ方がですね。で、私の
会社の株をAという
新聞社が持っているけれ
ども、そのA社がほかのどこにどの程度持っているかということは実はよく分からないと。しかし、A社が別の
会社について同じ
地域で一〇%以上同じように持っていれば、一〇%を超えて持っていればそれはルール違反になってしまうというようなことがございますですね。その辺りは、
会社としても必ずしも分からないというような
状況もございます。
それから、配当がそもそも行われていないような場合には、先ほど申しましたように、チェックの仕方がなかなか十分でないといったようなこと、まあいろいろございますけれ
ども、いずれにしましても、こういうような事情でなかなか守られていなかった事例が出てきていると。
私
どもとしては、従来、そういうものを出されていた下で
審査をしてきたわけですけれ
ども、これはちょっとこういうケースがたくさん出てきたということを十分反省して、これからのやり方も改めなければいけないのじゃないかと、そういうように今は考えている次第でございます。