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国務大臣(
麻生太郎君) これ導入するときの経緯は御存じ、御記憶かと思いますけれ
ども、
平成十一年、極めて情勢が厳しいという情勢に、あのときに合わせてこの法律というか税率、定率減税というのは導入されたんだと思います。そのときと今と比べたら、これは
地域格差、いろいろ表現はあろうかと思いますけれ
ども、あのときに比べりゃ格段に良くなっております。
一番分かりやすいのは、ああ良くなったなと思うのは多分ボーナスなんだと思いますが、今年度に入ってボーナスは前年度比を八年ぶりに全部超えております。ボーナスの増加というのは九六年以降八年ぶりというぐらいに、ボーナスが前年度を上回ったという例は一般的には最も、おお良くなったなと思わせる、サラリーマンやっておられたら、経験者だと思いますが、それは一番分かりやすいところなんだと思っております。
それから、消費の件について
お話があっておりましたけれ
ども、昨日出ました月例経済報告会の数字を見ていただいても分かりますが、個人消費にもこれは構造変化が明らかに出ております。これは圧倒的に消費が伸びているのは六十五歳以上です。六十五歳以上の消費が伸びておるというのがこの数字でして、六十歳未満は早い話が余り、ずっと横ばい、しかし、以上はえらく伸びておるというのはいろんなことが考えられるんだと思いますが。
金はためるもんじゃないやつだ、使うもんだということがやっと分かってきた高齢者、一つの考え方ですよ。私の周りのよく老人がいるところで、ためたって大したことはねえと、やっぱりこれはおれが稼いだ金だ、使わにゃいかぬと。ところが、使いたいものがないと言うから、巣鴨のとげぬき地蔵まで、東京に行って、行ってこいと、あそこに行きゃあるぜって言って、この間行ったら、いやあ、あったと言ってえらい勢いでお土産いただきましたけれ
ども。
私は、こういったものは明らかに変わってきておると思っております。これはもう数字の上ではっきりしておりますんで、二〇〇〇年から二〇〇四年間の間の伸びだって一割以上伸びてきておりますから。
それからまた、いわゆる小売業というものに関する売上げがずっと減っております。それに比べて、サービス消費というものが一斉に上がっておるというのが形として非常にはっきりしているというような感じで、支出の
内容がかなり変わってきているということは、これは水岡先生のところも、先生、奈良じゃなかったか、兵庫県、ですから神戸やら何やら多分同じようなことになってきているんだと思いますけれ
ども、実態はかなり変わってきていると思いますので、そういった
意味からいきますと、少なくともあのころとはかなり違ったということは認めにゃいかぬところだと思っております。
私、ところで、
生活保護世帯率が極めて高いところが私
どもの選挙区ですけれ
ども、そういったところにおきましても、数字としては、少なくとも六年前に比べて、七年前に比べて
状況はかなり変わってきたと、私
どももそう認識をしておりますが。じゃ、
景気は良くなっているかということになりますと、ここから先は多分、
財務省と
意見が違うところ、若しくは
石井さんの個人的見解と
意見が違うのかもしれませんけれ
ども。
私
どもは、これは
総務省の所管ではない話するようで恐縮ですが、少なくとも、
景気が良くなったというためには、少なくとも企業が設備投資を金を借りてするというようになって初めて
景気は良くなったと経営者が判断しているんだと思う。今の機械受注とか設備投資が伸びておりますが、猛烈な勢いで伸び始めましたが、伸びておりますが、銀行貸出しは増えておりません。ということは、自分のキャッシュフローの中でやっておる、若しくは自分で間接金融、じゃなくて直接金融でやっておるということになろうと思いますので、それは明らかに、自分で
景気がいいという
意味でいきますと、やっております、その投資をしようと思っている企業家側からすると、ゼロ
金利と言われるまでにも、ほど
金利が下がっているにもかかわらず、金を借りて設備投資をしようとしないという
前提で
経済学の本が書かれていることは過去ありませんから、そういった実態が今起きておるという
状況の中にあっては、私
どもは、日銀のマネーサプライを増やしたからどうのこうのという種類のやつとは全く違うのであって、こういったところは極めて慎重にやっぱりやらにゃいかぬと。
これは前回、九七年で愚かな政策をやった経験則を、まだ記憶に残っている
加藤さん辺りも、慎重に、少なくとも半分だけというので様子見をしたのであって、もし丸々大丈夫だと思えばいきなりぼおんと来たところなんでしょうけれ
ども、そこらのところはこわごわやりつつあるというような意識なのかなと、
加藤さんの立場に立って今答弁しているような話ですけれ
ども。
基本的には、
景気、景況判断というものは、それほど行け行けどんどんで良くなっているという意識を政府で持っているというわけではないというように御理解をしていただければと存じます。