○
国務大臣(
谷垣禎一君) まず、
定率減税、
所得税の抜本
改革の前に
定率減税の縮減に取り組んだのはなぜかということでございます。
これも先ほど一部は
峰崎委員の御質問でも申し上げたところでございますが、
恒久的減税法というものが
小渕内閣のときできましてから、やはり将来、
所得課税、
所得税について抜本的な
改革、あるべき
所得税体系とは何なんだということを考えなきゃいけないという問題意識は私
どもずっと持っていたわけですが、そういう
流れの中で、配偶者
特別控除の
上乗せ部分の廃止であるとか、あるいはこれは昨年、昨年と申しますか
平成十六年度、今年度でございますけれ
ども、
年金税制の
見直しというものをやってまいりましたが、御承知のように、三位一体の
改革でこれは基幹税でやろうということになりまして、
所得税から
地方住民税への形でやっていこうと、こういうことになりまして、いよいよその
所得税体系の、そういうことになると、三兆円の税源移譲という規模を考えますと、それはどうしても
所得税体系の抜本的な
見直しを頭に入れてやらなきゃいけないということになってきたわけでございます。
それで、そういうことを考えますと、やはり三位一体というようなことを推し進めますと、どうしても自治体間の
財政力の差というものがあらわになってくる面があるわけですから、それをこの税の体系の中でどう
見直していくかというようなことになりますと、これはもう麻生
大臣が一生懸命これお取り組みになるところでございますが、
地方住民税に関して、
個人住民税所得割の
税率の
フラット化等々、応益課税である本質に応じたことをやって、そういうことに相即したものにしていこうという
方向を私
どもは明らかにしているわけでございまして、そういうことになると、これは今朝方の
峰崎委員との御
議論でもありますが、
所得税については
所得再
分配機能といったようなものももう一回頭に入れながら仕組んでいく必要があるんじゃないかというのが三位一体ということであらあら出てまいりました。
そうなると、その前提として、やはり
定率減税というもので一律二〇%カットして、
所得税の言わば基幹税としての
機能も薄くなっているわけでございますから、そこでやっぱり入れ込んでいく必要があると。ただ、これはいろいろ御
議論でございますけれ
ども、一発で、じゃ
平成十八年度でそれをやるからばあんと一発でぶつけるということになると、これはやっぱりいろいろ
議論が、
経済に与える影響というのを考えざるを得ないなと。そうすると、やっぱり
段階的にやることかなというような
流れの中から
平成十七年度に
定率減税の縮減をお願いするという発想が出てきたわけでございます。
もう
一つは、そうはいうけれ
ども、まだまだ
社会保障というものが非常に大きなものとして、そこをきちっとやっていくためにはどうしたらいいんだという御
議論でございますね。
これは、当然、今も進めております
社会保障全体の
見直しというものが、一体化した
見直しが必要でございますし、私の言葉で言えば、それは身の丈、国民
経済の身の丈に合ったものでなくてはいけないだろうし、それから公助と自助の線引きということも必要だろうし、あるいは、先ほ
ども、今朝方も山口
委員とも
議論をしたわけですけれ
ども、意識
改革みたいなものも必要じゃないかと。しかし、そうやってどうしても必要な
社会福祉の公共サービスというものを見ていったときに、やっぱりこれだけ自然増もある中、どう
見直していっても、やっぱりそれを公平に負担していただくにはどうするかということになると、私はそれは
消費税の
議論にならざるを得ないだろうというふうに考えているわけでございます。
そこで、山下
委員のお尋ねは、それは、じゃ
社会保障に特化した言わば
目的税みたいなものにしていくのか、それとも一般的な税と、一般財源として考えていくのかということでございますけれ
ども、ここはまだ
議論が十分ではございません。私は、どちらかというと、
消費税というものは非常に我が国の
税制の基幹的な
税制でございますから、特定財源とか
目的税化していってしまうよりも一般財源として使っていった方が考え方としてはずっとすっきりしているし、将来もいいんじゃないかと、私
個人はそのように思っております。
ただ、やはり、恐らく、その
社会保障の負担は何なんだと、それを税である
程度お願いしようということになりますと、やっぱり何でこういう負担が必要なんだということを納税者に納得していただかなきゃいけない。そういう観点からすると、
社会保障とその税との
関係、
社会保障と
消費税との
関係というのを分かりやすいように説明していく必要があるんではないかと。そこら辺りのところは実はまだ考えが十分に整理できていないところでございます。