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2005-03-08 第162回国会 参議院 財政金融委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十七年三月八日(火曜日) 午後零時十分開会 ─────────────
委員
の
異動
二月八日
辞任
補欠選任
主濱 了君
尾立
源幸
君 二月九日
辞任
補欠選任
谷合
正明
君
西田
実
仁君
─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
浅尾慶一郎
君 理 事 愛知 治郎君 中島 啓雄君 山下 英利君 平野 達男君
若林
秀樹君 委 員 金田 勝年君
田村耕太郎
君
段本
幸男君
野上浩太郎
君 舛添 要一君 溝手 顕正君
若林
正俊君 大塚 耕平君
富岡由紀夫
君 広田 一君
広野ただし
君
峰崎
直樹君
西田
実
仁君
山口那津男
君
大門実紀史
君 糸数 慶子君
国務大臣
財務大臣
谷垣
禎一
君
国務大臣
(
内閣
府
特命担
当
大臣
(
金融
) )
伊藤
達也
君 副
大臣
内閣
府副
大臣
七条 明君
財務
副
大臣
上田 勇君
大臣政務官
内閣
府
大臣政務
官
西銘順志郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 藤澤 進君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
財政
及び
金融等
に関する
調査
(
財政政策等
の
基本施策
に関する件) (
金融行政
に関する件) ─────────────
浅尾慶一郎
1
○
委員長
(
浅尾慶一郎
君) ただいまから
財政金融委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 去る二月八日、主
濱了
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
尾立源幸
君が選任されました。 また、去る二月九日、
谷合正明
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
西田実仁
君が選任されました。 ─────────────
浅尾慶一郎
2
○
委員長
(
浅尾慶一郎
君)
財政
及び
金融等
に関する
調査
を議題といたします。
財政政策等
の
基本施策
について、
谷垣財務大臣
から
所信
を聴取いたします。
谷垣財務大臣
。
谷垣禎一
3
○
国務大臣
(
谷垣禎一
君) 今後の
財政政策等
の基本的な
考え方
につきましては先般の
財政演説
において
所信
を申し述べたところでありますが、本
委員会
において、重ねて
所信
の
一端
として、今後取り組むべき
課題等
について申し述べます。
委員各位
の御
理解
と御協力を
お願い
申し上げます。
財政
の
現状
は、
平成
十七年度末の
公債残高
が五百三十八兆円
程度
に達する見込みであるなど、非常に厳しい
状況
にあります。こうした
状況
が続きますと、
経済
の成長を阻害することになりかねません。 このため、持続可能な
財政
を構築することが重要な
課題
であります。今後とも、二〇一〇年代初頭の
基礎的財政収支
の
黒字化
を目指し、
歳出歳入両面
からバランスの取れた
財政構造改革
を進めていく必要がありますが、これに取り組むに当たっては、次の三つの点を踏まえる必要があると考えております。 第一に、
歳出面
において、特に
社会保障制度
の
見直し
が不可欠です。
社会保障
の
給付
と
負担
は、このままでは
経済
の伸びを大きく上回って増大していくと見込まれます。将来にわたり持続可能な
制度
を構築するには、
年金
、医療、
介護等
を総合的にとらえ、
給付
と
負担
の
規模
を
国民経済
の身の丈に合ったものとすることを目指す必要があります。あわせて、自助と
公助
の
役割分担
の
見直し
のほか、次世代の
国民
を育てていくことの大切さの再
認識
や
高齢者
を一律に弱者ととらえる
考え方
の
見直し
といった
意識改革
が重要であると考えております。 第二に、
歳入面
において、
少子高齢化
や
グローバル化等
の大きな
構造変化
に
対応
し、あるべき
税制
を構築していかなければなりません。このため、これまでの
政府
・与党の
方針
を踏まえ、
景気低迷
時に講じた
措置
の
見直し
を含め、
社会共通
の費用を広く公平に分かち合うとともに、持続的な
経済社会
の
活性化
を実現するため、
税制改革
の
具体化
に取り組んでまいります。 第三に、持続的な
財政
の構築には、国、
地方
を通じて取り組んでいく必要があります。こうした
観点
から、国と
地方
のいわゆる
三位一体
の
改革
については、
地方
の権限と
責任
を拡大し、必要な
行政サービス
を
地方
自らの
責任
で選択できる幅を拡大するとともに、国、
地方
を通じた
行政
の
スリム化
を図ることが重要と考えております。 こうした
財政構造改革
の
取組
に対して
国民
の御
理解
を得るに当たっては、
財政
の
現状
を分かりやすく説明するとともに、
行政改革
を
推進
しつつ、徹底した
歳出
の
見直し
や
予算
の質の
改善
に取り組まなければならないと考えております。
平成
十七年度
予算
及び
税制改正
におきましては、以上の
認識
の下、
歳出歳入両面
の
改革
に取り組むこととしております。
歳出面
については、
歳出改革路線
を
堅持
、
強化
する
方針
の下、聖域なき
改革
を行っております。 これにより、
一般会計
全体の
予算規模
は八十二兆千八百二十九億円、
一般歳出
の
規模
は四十七兆二千八百二十九億円となり、
一般歳出
は三年
ぶり
に前年度の水準以下に抑制いたしました。
特別会計
については、
事務事業
の
見直し等
の視点から、着実な
改革
を進めております。また、
政策評価
や決算の反映など、
予算
の質の向上に取り組んでおります。
歳入面
については、
三位一体
の
改革
との
関係
で、
平成
十八年度に国、
地方
を通ずる
個人所得課税
の
抜本的見直し
が必要となることを展望しつつ、
平成
十一年以降、
景気対策
のための
臨時異例
の
措置
として継続されてきた
定率減税
について、
導入
時と比較した
経済状況
の
改善
を踏まえ、その
規模
を二分の一に縮減することとしております。あわせて、
住宅税制
、
金融
・
証券税制
、
国際課税
、
中小企業関係税制等
について適切な
措置
を講じることとしております。 これにより、
租税等
の
収入
は四十四兆七十億円を見込んでおります。また、その他
収入
は三兆七千八百五十九億円を見込んでおります。 以上、
歳出歳入両面
における
取組
の結果、
新規国債
については、
発行予定額
を四年
ぶり
に前年度よりも減額し、三十四兆三千九百億円となり、
一般会計
の
基礎的財政収支
も昨年度に続き
改善
するなど、
財政規律堅持
の姿勢を明確にすることができました。 また、
国債残高
が多額に上り、今後も
大量発行
が見込まれる中、
国債管理政策
を
財政運営
と
一体
として適切に運営していく
重要性
がますます高まってきております。これまでも
国債市場特別参加者制度
の
導入等各種施策
の実施に鋭意取り組んでまいりましたが、今後とも、
国債
の確実かつ円滑な消化、中長期的な
調達コスト
の抑制を図るため、
市場
のニーズや
動向等
を踏まえた
国債
の
発行等
、
国債管理政策
の一層の充実に努めてまいります。 さらに、
財政投融資
については、すべての
財投事業
について、
財務
の
健全性等
の総点検を行い、
財政投融資残高
において大きなウエートを占める住宅
金融
公庫、
都市再生機構
についての
見直し等
を実施しております。これにより、将来の
財務
上の懸念を解消し、
財投事業
の
健全性
を一層確かなものとしております。
平成
十七年度
財政投融資計画
については、
特殊法人等整理合理化計画等
を反映しつつ、
事業
の
重点化
、
効率化
に努め、総額を十七兆千五百十八億円に抑制しております。 これらとともに、
国際機関
やG7、
アジア諸国等
と協力し、
世界経済
の安定と発展に貢献してまいります。特に、
我が国
と密接な
関係
を有する
アジア
において、
通貨危機
の予防、対処のための域内の枠組みであるチェンマイ・
イニシアチブ
の
見直し
や
アジア債券市場育成イニシアチブ
の
推進等
に取り組んでまいります。また、
租税条約
の改定に取り組んでまいります。
為替相場
については、
経済
の
基礎的条件
を反映し、安定的に推移することが重要であり、今後とも、その
動向
を注視し、必要に応じて適切に対処してまいります。 さらに、WTO新
ラウンド交渉
や
経済連携交渉
に努力してまいります。こうした
交渉
においては、
税関手続
の
簡素化
や
国際的調和
を含む
貿易円滑化
にも取り組んでまいります。 最後に、今
国会
に提出しております
財務
省の
法律案
について御説明いたします。 第一に、
平成
十七年度における
公債
の
発行
の
特例措置
及び
年金事業等
の
事務費
に係る
負担
の
特例措置
を定める
平成
十七年度における
財政運営
のための
公債
の
発行
の
特例等
に関する
法律案
でございます。 第二に、先ほど御説明いたしました
平成
十七年度
税制改正
における諸
措置
を盛り込んだ
所得税法等
の一部を改正する
法律案
でございます。 第三に、
税関
における
水際取締り
の
強化
と
通関手続
の一層の
迅速化等
を
内容
とする
関税定率法等
の一部を改正する
法律案
でございます。 第四に、
国際開発協会
への
追加出資
を
内容
とする
国際開発協会
への加盟に伴う
措置
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
でございます。 今後、御審議のほどよろしく
お願い
申し上げます。 以上、
財政政策等
に関する私の
所信
の
一端
を申し述べました。今後とも、
皆様
のお力添えを得て
政策運営
に最善を尽くしてまいる所存でございますので、
浅尾委員長
を始め
委員各位
におかれましては何とぞよろしく
お願い
申し上げます。
浅尾慶一郎
4
○
委員長
(
浅尾慶一郎
君) 次に、
金融行政
について、
伊藤内閣
府
特命担当大臣
から
所信
を聴取いたします。
伊藤内閣
府
特命担当大臣
。
伊藤達也
5
○
国務大臣
(
伊藤達也
君)
金融担当大臣
の
伊藤
でございます。引き続きよろしく
お願い
を申し上げます。 本日は現下の
金融行政
について一言申し述べさせていただきたいと思います。 最近の
経済情勢
を見ますと、
景気
は一部に弱い動きが続いており、
回復
が緩やかになっているものの、先行きについては、
企業部門
の好調さが持続しており、
世界経済
の着実な
回復
に伴って、
景気回復
は底堅く推移すると見込まれております。 こうした
状況
の下、
政府
としては、日本銀行と
一体
になって
金融
・
資本市場
の安定を目指し、引き続き強力かつ総合的な
取組
を行うとともに、
集中調整期間終了
後におけるデフレからの脱却を確実なものとするため、
政策努力
を更に
強化
することとしております。特に、
金融行政
においては、引き続き
金融システム
の
安定強化
、
金融
・
資本市場
の
構造改革
と
活性化
に強力に取り組んでいるところです。 まず、
金融システム
の
安定強化
に関しては、
構造改革
を支えるより強固な
金融システム
を構築する
観点
から、
金融再生プログラム
の諸
施策
の
推進
に全力を尽くしているところです。
主要行
に関しては、
不良債権比率
が十四年三月期の八・四%から十六年九月期には四・七%に低下し、
主要行
の
不良債権比率
を本年度末までに十四年三月期の半分
程度
に低下させるとの目標の達成に向けて、順調に低下しております。 また、
中小
・
地域金融機関
に関しては、
中小企業
の
再生
と
地域経済
の
活性化
を図ることで不良債権問題も同時に解決していくことを目指し、
平成
十五年三月に公表したリレーションシップバンキングの
機能強化
に関する
アクションプログラム
の諸
施策
を
推進
しております。
金融庁
としては、本年三月末までに不良債権問題を正常化できるよう、手綱を緩めることなく、
金融システム
の
安定強化
に一層注力するとともに、四月からは
予定どおりペイオフ解禁拡大
を実施することとしております。 次に、
金融
・
資本市場
の
構造改革
と
活性化
について御説明いたします。
我が国金融
をめぐる
局面
は、ただいま申し上げたとおり、不良債権問題への
緊急対応
から、将来の望ましい
金融システム
を目指す
未来志向
の
局面
に展開しつつあります。こうした
状況
の下、
金融庁
では昨年末に「
金融改革プログラム
金融サービス立国
への挑戦」を策定したところです。 この
プログラム
にもあるとおり、今後の
金融行政
においては、健全な競争の促進と
利用者保護
を図り、多様な
金融商品
や
サービス
を
国民
が身近に利用できる
金融サービス立国
を、官の主導ではなく、民の活力で目指す必要があると考えます。 また、
金融
・
資本市場
の
構造改革
を促進する
観点
から、
銀行等
の
代理店制度
について、
規制改革
・
民間開放推進
三か年
計画
を踏まえ、
金融サービス
を提供する
チャネル機能
として柔軟に活用でき、新たな
ビジネスモデル
に資するよう、所要の
制度整備等
を行うほか、
根拠法
のない共済について
契約者保護ルール
を適用するとともに、
保険会社
の
セーフティーネット
の必要な
見直し
を行うこととしております。さらに、
証券市場
の
国際化
の
動向
に的確に
対応
しつつ、最近の
証券市場
をめぐる
状況
の
変化等
を踏まえ、
証券市場
に対する
信頼性
を確保するため、最大限の
対応
を取ってまいります。 ただいま申し上げた
施策
を実現するため、本
国会
においては、
銀行法等
の一部を改正する
法律案
、
保険業法等
の一部を改正する
法律案
及び
証券取引法
の一部を改正する
法律案
の提出を予定しております。
法律案
の詳しい
内容
につきましては、今後、改めて御説明させていただきますが、当
委員会
の
浅尾委員長
及び
委員
の
皆様方
におかれましては、よろしく
お願い
を申し上げます。
浅尾慶一郎
6
○
委員長
(
浅尾慶一郎
君) 以上で
所信
の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十三分散会