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参考人(
望月薫雄君) 私ども
住宅金融公庫は、実はつい先日、六月五日に五十五周年を迎えることができました。言うなれば、
公庫は、創設されて以来半世紀余にわたって、与えられた使命を全うすべく、先人も含めて頑張ってきている今日でございます。
その間に、今先生からお話ありましたような御評価もいただいているということについて、我々も本当に思いを同じくしているつもりでございますけれども、端的に言うて、戦後五十数年間の我が国の
住宅政策を担う大きな機関としてしっかりと努めさせていただいているというふうに思っております。端的に言うなれば、
財投を使っての
長期固定資金を
国民の皆さん方に提供するということによって安定的な
住宅金融を実現する。更に加えて、それによって実現する持家にしても
賃貸住宅にしても質をいかに良くするかということで、言うなれば
国民の皆さんにとって安心の実現ということを私はよく申しているんですけれども、
金融面でも質の面でも安心を実現するためにいささかの努力をさせていただいてきているつもりでございます。
それで、じゃそのまま今後ともいくかということについては、もうるるお話ありましたように、直接
融資というものについて今後どうあるべきかという大きな議論の中で私どもはどういう
役割を果たさせていただくのかなというのが最大の関心事でございますが、今般御
提案いただいている法律においては、おっしゃるようにフラット35と我々言っていますけれども、
住宅金融の支援
業務、
証券化支援業務ということに新しいビジネスというか
仕事を、
役割を担わしていただくということでございます。
先ほども
大臣から御答弁ございましたように、基本は私は
国民の皆さん方に対する安心できる
住宅ローンをいかに実現していくかと。どのような
住宅金融システムが構築されようとも、その中でやっぱりユーザーである
国民の皆さん方に安心いただけるような、そのツールとして、直接
融資からいささか変わりますけれども、
民間と手を携えながら、
民間金融機関の皆さん方が
長期固定ローンを実現、出していただけるようにというこの手段というのは、私はかなり有意なものであると思っております。
現在、私どもも大車輪でこの普及定着に努めさせていただいています。幸いにしまして、十七年度、足下等を見ましてもかなり定着してまいりました。問題は、しかしそれで十分かというと、正直言ってまだまだ道半ばという感じもいたしております。
それはどういうことかというと、まず
国民の皆さん方が十分御理解まだいただけてないんじゃないかと。あるいは、
住宅を
供給する、まあミドルユーザーと言っていいんでしょうか、業界の皆さん方もこれについてまだなじみが薄いかなというようなこともありますし、あるいはまた
金融機関それぞれの受け止め方というものも地域によって大分違うことが出てまいっています。そういった意味で、広くあまねく全国に普及定着するようにということで我々は一生懸命やらしてもらっているということで、この延長線に
支援機構の
業務機能展開があると。いずれにしても、
役割、使命はいささかも軽くないと、こういうふうに思っている次第でございます。
同時に、大事なことに、私ども
住宅金融の現場を預かっていろいろ感じさしていただいていますのは、
国民の皆さん方、非常に
金利等についてセンシティブでございますが、当然より安い
金利というのを求められますが、やっぱり
住宅金融というのは、一人一人にとってみても長いお付き合いになるわけです。十年二十年というような
ローンの期間が長いと。そうすると、いろんな意味で
長期的な意味での
リスクをどう理解するか、この
金融商品をどう理解するかということが大変大事なことだと思っておりますが、私どもは幸いにして、この五十数年の間に築いてまいりました
国民の
皆様方からの御信頼というものを踏まえますと、我々の知識、ノウハウ等も踏まえながら、やはりそういう意味での情報発信、相談
業務というものもニュートラルな
立場で大事な
仕事ではないかと、これまた
住宅政策の今後の大きな柱、
課題ではないかと、こんなふうに思って、その面でも頑張らしていただきたいと思っています。当面は、フラット35の普及定着と、それから相談、アドバイス等々についてしっかりやっていくということでございます。
なお、先生、特に具体的に御指摘いただいている質の問題でございますが、おっしゃるとおり、今までは直接
融資を通じて質を直接
審査、チェックすることができました。ただいま
住宅局長が御答弁のように、私どもはフラット35で、
民間が出していただく
債権については
公庫が買い取って
証券化すると、こういうプロセスがありますので、買い取るに当たりましては当然のように買取り
審査基準というものを持たしていただいています。これは、基本的には
公庫ローンのこれまでと同じようなというか、それの、求められていた基準を基本的にクリアするものであるということを前提にしておりまして、併せてまた、その検査、チェックのためには第三者機関、
民間でございますけども、こういったところと我々は協定を結びながら、しっかりとした
審査、チェックをさしていただきたいということで進めております。
こういったことで、質の面でもそごを来さないようにということで、今専らこの普及定着、とにかく全国津々浦々満遍なくサービスが行き届くようにということで、
金融機関の皆さん方、あるいはミドルユーザーの方、エンドユーザーの方に対する全面的な取組をさしていただいていると、今後に更に頑張っていきたいと、こう考えております。