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前田武志君
衣食住の一番重要な要素というふうに言われました。
予算委員会でも
北側大臣始め
農林大臣や
総務大臣とも
議論したわけですが、関西ではよく言われる話です。
予算委員会でも申し上げましたが、何に金を掛けるか。
北側大臣の大阪は食に掛けるんですね。
食い倒れと言います。食に金を掛ける。
食い倒れ。京都は着物に、着る物に金を掛ける。着倒れですね。我が奈良県は建物に、家に金を掛ける。建て倒れと言うんですね。これは、まあまあ
風土性が非常にいいところで、余り災害もないもんですから、家に
相当金を掛けて、一説によると三代掛けて家を造るというんですね。その造った家は何百年ともつと。したがって、それだけもてばもう
公共財に近いようになるわけですね。多分、新しい
政策体系の中で、量は満たされて質と言われてもう久しいわけでございますが、多分そういったことも含めて考える必要があるのではないかと、こういうふうに思います。
それで、ほぼ締めくくりの
議論で、各論については既にもういろんな断面で切り取って論議もされているわけでございますから、なるべく重ならないようにというふうに思いながらも同じような問題になってくるわけでございますが、私としては、この
住宅の問題、もちろん一人一人のその住みかでありますし、
家族という
単位の
一つの城であります。この家を
単位に
家族のお互いの人生というものがそこで営まれるわけでありますし、またこの家が集まって
コミュニティーを構成していると。そして、その
コミュニティーという中で、先ほど来
大臣が言われた
公営住宅であり、あるいは
公団住宅であり、そういったものが特に
都市部を
中心に大きな
役割を果たしてきたわけであります。その
周りに
個人の
住宅、
持家といったようなものがあるでしょうし、
個人のマンション、
分譲集合住宅といったようなものもあるでございましょう。
ということで、イメージとしては、
国土交通省側のこの
法律説明のところにもイメージ図というものが載っておりましたが、ああいった
住宅都市というものの
コミュニティーというようなものを考えて
議論をまとめとしてやっていきたいなと、こういうふうに考えるわけでございます。
そこで、これももう既に
議論はどこかでしたように思うんですけれ
ども、
年代層ごとの、ここに
資料を配らしていただいておるんですけれ
ども、(
資料提示)ちょっと見ていただくと、
年代層ごとの
持家率ですね、何か横文字になっておるんですけれ
ども、これは三井不動産の
企画部が
総務省の
住宅・
土地統計調査から加工して作ったというふうになっているんですが、これなんかを見ておりますと、大体もう
年金世代なんというのは八〇%以上
持家を持っております。それに対して、三十代前半というのはまだ二九%ですね、結婚していない層も多いんでしょう。しかし、三十五歳以上になると急に四七%と上がっていっている。こういうのが
持家の動向ということになりますが。
その上に、この
年代ごとの、どの
程度の、質の問題になると思うんですが、質を広さで考えるならどの
程度の
住宅を持っているかということ、これはいつか
住宅局長に紹介をしていただいたことがあるように思うんですが、たしか六十歳か六十五歳以上になると百平米以上の
住宅に住んでいる割合が非常に高い。逆に、四十代、三十代ぐらい以下の
住宅というのはこれまた非常に狭隘な
住宅に住んでいるという結果なんかも出てきております。これなんかは、
住宅の広さ、質という面ではアンバランスになっている
状況ではないかと思います。もちろん、これは
所得層によってもバランスが取れていないというようなことがございます。
ということで、
コミュニティー全体ということを考えていきますと、
ライフステージに応じて住み替えを
支援していくというような
住宅政策に変わらざるを得ないのではないかと、こういうふうに思います。
先ほど
大臣が
説明された
市場、
市場にと、
市場原理を使ってと、あるいは官から民へという言い方もされたわけでございますが、それは多分、かつては、量を
確保していく時代というころにはなかなかまだ民も
市場もそれだけの
パワーがなかった。したがって、
公営住宅であり
公団住宅であり、公共的な
支援というもので
確保してきたわけでありますが、今はむしろそちらに大きな資源、
パワーというものがある。そういった中で、
公的住宅に加えて、今のこの表にもありますように、
高齢者層を
中心にもう八〇%以上
持家を持っているわけですから、そういった
持家をどのように生かしていくかということも非常に大きな
課題になってきたと思います。
あわせて、この
高齢層の
持家というものは今
資産価値が全くございません。
底地の、
土地の
担保価値しかないわけでありますけれ
ども、これをもっと住み替えという中で、この
コミュニティーの中で、
貸家ということで
市場に乗せるということができるようになると、これは
資産価値というものがきっちりと評価されるようになります。
別に、現実に
貸家に出さなくとも、貸せるということになるだけでそのオーナーの方は家のメンテナンスということについても随分と先を見て考えるでしょうし、
家族構成に応じて、
家族の
ライフステージに応じて、どの
ライフステージにおいてこの家をどういうふうに使おうかだとかいうような設計もできるでしょう。逆に、
子育て世代であれば、庭付きの広い家に本当は住んで
子育てをしたい、そういう
子育て世代に対しても、
住宅を手軽なリーズナブルな
家賃で提供することができる、そういうような
政策も打ち得るのではないか。結果としては、
高齢層の
資産価値を高めることになり、そして
ライフステージに応じて住み替えをしていくという
意味では
子育て世代の
支援にもつながっていくと、こういうふうに思います。
そんなことを含めて、
中心には
公団住宅、
公営住宅、
セーフティーネットの
確保、そしてその
周りに
持家、そういったことで構成されるこの
住宅都市の今非常に停滞し高齢化し、空き家も増えて
コミュニティーが崩壊しつつある、その
コミュニティーの
再生、
まちづくりといったものにつながっていくはずだと思うんですね。
そんな
意味で、
大臣も
指摘されているこういう
住宅政策を通じて、来年以降に想定される
住宅政策の
抜本改革というものがこの
コミュニティーの
再生というものとの関連でどういう位置付けに置いておられるか、御
見解をお聞きいたします。