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仁比聡平君 一部かどうかということが問題じゃないと思うんですね。それに、機体開発がずっと続けられてきたアメリカなどとは状況が違うというふうに私は思います。今の段階で何も分からないのに、これから開発に挑戦するという
メーカーに検査をゆだねるというのはこれは余りにも無責任な姿勢だということを指摘をしておきます。
私は規制緩和が何をもたらしてきたのか、
現場で何が起こっているのか、これしっかり検証する必要があると思う立場から、午前中とはまた別の角度で少し紹介をしたいと思うんですけれ
ども、例えば
日航のパイロットの皆さんの長時間乗務問題をめぐる空の安全裁判というのがあります。これは
政府も御存じかと思いますけれ
ども、
会社は三たび敗訴をしてきましたが、この三月に最高裁への上告を取り下げたというふうに報じられました。これは
会社が労働協約を一方的に破棄して、就業規則の改悪を強行して交代要員なしでアメリカ西海岸まで飛行させると、そういう世界に例のない長時間乗務への延長、これが無効とされた
事案なんですね。これは元々
航空局の通達によって乗務時間の制限が延長されたということによって起こった事件です。こうやって安全
運航より利益を優先するということが
現場に起こってきた。
客室乗務員の皆さんをめぐっても、衆議院で我が党穀田議員が明らかにしましたけれ
ども、ハーレクィンエアのように
航空会社から派遣
会社に業態を変えて労働者の条件を一方的に切り下げると、これは保安要員としての
客室乗務員の任務を阻害をすることになります。今回の
業務改善命令の理由となっています
ドアモードの
操作失念の問題で、午前中に紹介もしました
航空安全推進連絡会議の皆さんは、その
原因の
一つとして、経験の少ない新人が多数を占める編成が導入をされたと、それが専任
客室乗務員の失念をカバーできなかったという理由としてこの点を挙げられているわけです。従来は多数の経験者の中に少数の新人が混じるという編成が取られてきて、それが技術、経験の蓄積、承継にもつながっていたわけですが、
会社がこれをあえて変えた理由というのは、これは主に労務
対策にあるというふうに指摘されているんですね。
日航ではこれまで利益優先のために
安全性をと訴える労働者を敵視をし、そこに攻撃を掛けるやり方が行われてきました。最も露骨なのは、
日本航空ジャパン、旧JASの
客室乗務員の皆さんでつくるキャビンクルーユニオンという労働組合があるんですが、この組合員に対して管理職が
業務上の利益を図ることを示して、組合からの脱退を強要するという
事態が今起こっています。労働者の皆さんからは、あの山崎豊子さんの書いた「沈まぬ太陽」のその再来だと言っているわけです。今日も何人かの
委員の皆さんから
日航に労組が幾つもあるという指摘がありましたけれ
ども、これはこれまで
日航が行ってきたそういう分裂労務政策の結果であって、今それが旧JASにも持ち込まれようとしていると。こういうやり方をやるから
現場労働者が自由に物が言えなくなり、そして労働者の間の信頼関係、互いの信頼関係が傷付けられている。
会社がですよ、チームワークを自分で壊しておいて、何が安全
運航と言えるのか、ここが問われていると思うんですよ。
そこで、厚生労働省に今日来ていただいていますけれ
ども、
会社側が特定の労働組合からの脱退を強要するというのは、これは明らかに労働組合法違反だと思いますが、どうでしょうか。