○直嶋正行君 どうもありがとうございます。
民主党の直嶋です。
幾つか、これまでの経過も踏まえ、私なりの
意見を申し上げさせていただきたいというふうに思います。
私ども、これまで講師の方を招く中で、
東アジア共同体ということを
一つの念頭に置きながら
議論をしてきたというふうに思います。私はやはり、いろんな問題を考えるときにそうなんですが、この
東アジア共同体ということを念頭に置く場合に、じゃ、何のために
東アジア共同体構想というものをつくっていくのかということをやはり
整理をしなければいけないんじゃないかというふうに思います。
それからもう
一つは、そのときに、今、中川さんからもいい御
意見聞いたというふうに思います。これからの
日本の
経済の再生等考えると、私も、
東アジア共同体といいますか、こういう構想を持って
日本と
外国との間での
経済関係を緊密にしていくということは不可欠のことだというふうに思っています。ただ、そのときにやはり頭に置いておかなければいけないのは、
日本にとってメリットがあるだけではなくて、当然相手の
国々にとってもそのことが国の発展を含めてメリットがあると、そういう
一つの大きな構想のようなものを、骨太なものを持ちながらこの問題をこれから
議論していくべきではないかというふうに思います。
私なりに言わせていただきますと、今、中川
委員が
日本の国内的な問題、債務の問題であるとか少子高齢化の問題であるとか、こういうことをお触れになりましたが、私は、全体的に、
世界的に見て、一九八〇年代から九〇年代ぐらいまではいわゆる
日米欧という
言葉が頻繁に言われましたが、この三極を
中心にした、どちらかというと先進国を
中心にした中での
経済あるいは国際的な
関係というものを見ていけばよかった、もちろん冷戦構造下という問題あったわけでありますが。しかし、やはり近年様相が変わってきまして、
日米欧だけではなくて、これまで
議論してきましたように、新たな
国々の
経済発展ということが非常に大きな特徴として出てきているわけでありまして、特に近隣の
中国とか
インドを含めた
アジア、それからロシア、ブラジル等のいわゆる従来途上国という位置付けになされていた
国々が
経済発展を、目覚ましい形で
経済発展をしているということでありまして、その中で、じゃ、
日本の将来を考えた場合にどういう構想を描いていくかということを考えていかざるを得ない、いかなければいけないというふうに思っています。
ですから、この点は私
自身もまだまとまったものはありませんので、いずれまた
議論する中で、今は問題意識という形で申し上げておきたいというふうに思います。
特に、企業活動でありますとか
経済活動がグローバル化していくということでありますし、その中で当然こういう
経済圏の構想というのができているわけでございますが、二つ申し上げたいのは、
一つは、グローバル化が進む中で
経済圏をつくっていくということになると、当然共通のルールとか共通の価値観ということが重要になってくるというふうに思うわけであります。
例えば
EUは、統合に向けて、
経済だけではなくて政治的な統合に向けても今着々とといいますか、あるいは遅々としてかもしれませんが、少なくとも前進をしているというふうに思うわけであります。しかし、その
背景には、やはり全体的に言うと、キリスト教社会であるとか
文化もほぼ似通っているとか、あるいは生活水準も、西欧と東欧の違いはありますが、まあそんなに大きな格差がないといいますか、粒がそろっているといいますか、そういう特徴があると思うんですが、
アジアの場合は、この数日の
中国の
状況についてさっき皆さん方から、何人かの方からもお話ありましたが、改めて思うのは、やはり共通の価値観とか共通のルールとかそういうものが全くできていないというよりも、むしろその価値観の違いとかルールの開きの大きさとかいうものを改めて痛感せざるを得ないのかなというふうに思います。
したがって、そういう大きなばらつきのある中で、じゃ、
日本がどういう構想を持っていくのかということを考えなければいけないんではないかということを申し上げておきたいというふうに思います。
それから、
中国との問題でありますが、この数日の
中国の
デモに関する受け止め、これは冒頭
世耕委員がおっしゃったように、私も全く同感であります。やはり
中国に対しては猛省を促したいというふうに思っています。
その後、これからじゃどうするかということでありますが、私は先ほど実は、言っていいのか分かりませんが、理事会で、この
中国との問題を是非、少しタイミングを見て、今じゃなくていいんで、むしろタイミングを見て冷静に
議論できるときに、是非この国際問題
調査会でも
テーマとして
議論していただくように
会長にもお願いをさせていただいたわけでありますが、冷静に
議論しなきゃいけないと思うんですが、
一つ最近私が気が付いていることをちょっとだけ申し上げたいんですが、それは
言葉の問題なんですね。
例えば、
歴史認識ということを先ほど来も
議論出ていますが、
歴史認識という
言葉を使っても、どうも
日本人が言っている
歴史認識と
中国の方が言っている
歴史認識とは
意味が違うんじゃないかと。
中国の方は我々とは違う
意味で
歴史認識という
言葉を使っているんじゃないかと。そうすると、同じ
言葉を使って
議論をしていくことができるんだろうかと。こういうところから実は
中国との付き合い方というのを我々は考え直さなきゃいけないんじゃないかと。
例えば、私最近すごく気になるのは、東シナ海の例の天然ガスの油田の話で、
日本の
マスコミ、新聞の記事に載っている地図見ると、必ず、正確に書いているところがないんじゃないかと思うんですが、いわゆる
日本が今言っている中間線、EEZと、
中国が言っている沖縄トラフ。この沖縄トラフは
中国の主張であると。
日本の主張はこのEEZであると、の中間ラインであると。
日本の主張する中間ライン、あるいは
日本の主張する排他的
経済水域のラインという
報道の仕方をほとんどの新聞がしています。そうすると、係争中の海域というのはどこなんだというのが実は大
議論なんですが、
中国は、
日本のそういう主張を踏まえて係争中の海域は沖縄トラフとEEZ中間線の間であると、こう言っているわけであります。しかし、実は
日本政府は、係争中の海域は
日本の二百海里と沖縄トラフの間すべてが係争中の海域だというのが公式の主張だと思うんです。
しかし、
日本の
国民、
マスコミも含めて、このことを正確に知っている人が一体どれぐらいいるんだろうと。テレビなんかで
評論家の話を聞いていても間違っている人多いと思うんですよ。そうすると、係争中の海域が中間ラインと沖縄トラフの間であれば、例えば共同開発する場合に、中間ラインから
日本寄りのところだけじゃ共同開発しようというのは、という
中国の主張の方が正しいわけであります、係争中の海域がそうだとすれば。しかし、昨日テレビで中川
経済産業大臣もおっしゃっていましたが、実は係争中の海域はそうじゃないんだと。あれ全体、二百海里と沖縄トラフの間がそうなんだから、今
中国がやろうとしているところも含めて共同開発やるんだったら話になり得ると、こういう
発言をされていました。だから、こういうこと
一つとらえても、私は
日本人のとらえ方が非常に雑だし、
日本政府も
国民に周知徹底さす努力をしていないと思います。
これは尖閣列島の領有権も同じです。次の世代に任そうよということで提案をしたのはトウ小平さんで、
中国ですよね。トウ小平さんが提案したんです、今回は領有権は棚上げにしておいて次の世代に任そうよと。しかし、そのトウ小平提案を
日本政府が受け入れたという記録はないと思います。
日本政府は、尖閣列島は
日本の領土であるということを公式的には一貫して言っていると思います。しかし、私は例えば同僚
議員といろいろ話をしていても、尖閣列島は今棚上げになっているんだけどと、こういう話というのがよく出てくると思いますし、
マスコミの
報道の中にも、尖閣列島は日中双方が領有権を主張していて棚上げ状態なんだと、こういうふうにおっしゃる方多いんです。ですから、
日本人のほとんどがそう思っているとすると、国際的にも棚上げ状態になってしまうんじゃないかと思うんです。
ですから、先ほど申し上げたお互いの言い分の違いとか、あるいは物の考え方の違い、あるいはそれを通じて出てくる
言葉の
意味合いの違いとか、そういうものをもっときちっと定義をしてといいますか、解釈をして
中国とやはり話をしていく。そして
日本の言い分は私は堂々と言っていけばいいと思っていますが、そういう姿勢がといいますか、ことを我々は考えなきゃいけないんじゃないかなということを申し上げまして、
意見とさせていただきます。
済みません、時間が延びまして。ありがとうございました。