○小林正夫君 私は、今までホームヘルパーの方やホームヘルプを経験した方、あるいは
介護施設を訪問して働いている
人たちといろいろ懇談をしてきました。そこで訴えられることは、ホームヘルパーの方の訴え、あるいは
介護施設を運営している会社の方の悩みというのが、大体まとめると私は次のようなことになると思うんです。
訪問
介護ですから、相手のお宅に入って仕事をやると、こういう条件にまずなります。利用する側は一時間幾らという
サービス料金を払っているので、一時間人を雇った、こういう感覚で家政婦さん的な仕事を求めるということが非常に多いということが多くの方から
お話がされました。契約するときはもちろん、こういうことがルールですよと、こういうものを、資料を使っていろいろ
説明して御理解をいただくんだけれども、すぐその後から家政婦さん的な仕事になってしまっているのが
実態だと、こういう訴えがありました。それと、家族の人から庭掃除だとかガラスふき、こういう仕事をやってほしいと、このように指示される場合もあるということも言われます。
それと、このホームヘルパーの
サービスというのは本人に対して
サービスを行うということがこれはもう大原則ですけれども、連れ合い二人の方でお過ごしの
家庭に行くと、こちらのおじいちゃんの分あるいは奥さんの分まで、例えば掃除をしてくれとか、あるいは食事作りをしてくれと、こういうふうに言われることが非常に多いと。
その場合に、Aさん、Bさん、Cさんがホームヘルパーでお宅に訪ねると、そういうことを受けてちゃんと、ちゃんとというか、そういうことを受けて
サービスを提供したホームヘルプさんはいいホームヘルパーさんだという評判になるんですよ。ところが、規定、基準に基づいてそれはできませんと、こういうふうに言うと悪いホームヘルパーさんになっちゃうんです。こういう
実態があって、いろいろトラブルがあるというふうに聞いております。
訪問
介護員、ホームヘルパーさんの数は全国で二百三十五万人の方がそういう資格を得ていると、このように聞いておりまして、実際に訪問
介護員として活躍されている方は二十六万人ぐらいだと、このように聞いております。私は、こういう
人たちの共通した悩みが今私が言ったようなところにあるんじゃないかというふうに思うんです。
会社の方、派遣する会社の方としても、あそこの会社は余りよくやってくれないよと、こういう評判が立っちゃうとその会社が成り立たないということで、なかなか会社としても難しいんだけど、会社の幹部の気持ちの中には何となくホームヘルパーさんの人にうまくやってくれねえかなと、こう思っているのが会社の
実態だと私は思うんです。
これから先、私たちの近い将来見ていくと、やはり六十五歳以上の高齢の方たちが非常に多くなっていきます。国立社会保障・
人口問題研究所の日本の将来推計
人口というのを見ると、現在六十五歳の方が二千五百三十九万人いるというふうに書いてありました。これが二〇二五年、ちょうど団塊の世代の
人たちが七十五歳ぐらいになる年ですね、この年には三千四百七十三万人、約九百万人も六十五歳以上の
高齢者が増えていくということになっていきますから、当然このホームヘルパーさんの活躍が更に期待されるという時代に私は入っていくと思います。
ですから、このホームヘルパーさんのやる仕事を
国民の人が、みんなが理解しないとホームヘルパーさんもなかなか言いにくい、そこを運営している会社も自分の会社の評判が悪くなってしまうといけないなと思ってなかなか言い切れない、こういうところが私ははざまの問題だと思うんです。ですから、このホームヘルパーさんの仕事はどういう仕事なんだということを理解をさせていくということが、私たちにとって大きな責任じゃないかというふうに思います。
そこで、ホームヘルパーさんが個人の家に入って仕事をやるわけですから、働きやすい環境あるいは働きがいのあるこういう環境をつくってあげないといけないというふうに思います。そのために
法律の世界でのみその基準を定めるのじゃなくて、国や自治体がテレビ、新聞、ポスター、あるいはあらゆる手段でホームヘルパーさんの仕事はこういうものだということを周知していくことが私は必要だというふうに感じました。
そこで、今までどのような啓発活動をどのぐらいのお金を使ってやってきたか教えてください。