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2005-06-07 第162回国会 参議院 経済産業委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年六月七日(火曜日)    午後一時一分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤 昭郎君     理 事                 泉  信也君                 加納 時男君                 小林  温君                 藤原 正司君                 渡辺 秀央君     委 員                 魚住 汎英君                 沓掛 哲男君                 倉田 寛之君                 保坂 三蔵君                 松田 岩夫君                 松村 祥史君                 加藤 敏幸君                 木俣 佳丈君                 直嶋 正行君                 平田 健二君                 藤末 健三君                 浜田 昌良君                 松 あきら君                 鈴木 陽悦君    国務大臣        経済産業大臣   中川 昭一君    副大臣        経済産業大臣  保坂 三蔵君    大臣政務官        農林水産大臣政        務官       加治屋義人君        経済産業大臣政        務官       山本 明彦君    事務局側        常任委員会専門        員        世木 義之君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局経済取        引局取引部長   山木 康孝君        警察庁長官官房        総括審議官    片桐  裕君        法務省刑事局長  大林  宏君        農林水産大臣官        房審議官     佐久間 隆君        経済産業大臣官        房地域経済産業        審議官      薦田 康久君        経済産業大臣官        房商務流通審議        官        迎  陽一君        資源エネルギー        庁長官      小平 信因君        特許庁長官    小川  洋君        特許庁審査業務        部長       脇本 眞也君        中小企業庁長官  望月 晴文君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○連合審査会に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○商標法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付)     ─────────────
  2. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) ただいまから経済産業委員会開会いたします。  連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  会社法案及び会社法の施行に伴う関係法律整備等に関する法律案について、法務委員会に対し連合審査会開会を申し入れることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  5. 佐藤昭郎

  6. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) 商標法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 松村祥史

    松村祥史君 ありがとうございます。自由民主党の松村祥史でございます。  何か久方ぶりの経済産業委員会だなという気がいたしておりますけれども、その間、大臣におかれましては、昼夜を問わず我が国の経済発展のためにFTA交渉、このことも御尽力をいただいていると。さきの報道で、インドネシアとのFTA交渉も合意に近づいたというような報道がなされておりました。心からの敬意を表したいと思っております。  今回の商標法の一部を改正する法律案でございますが、商標法制度見直しを検討することにより、個性あるブランド、強いブランド創造を促す、いわゆる地域ブランド確立を図り支援をすることは、今なお疲弊をする地域経済にとっては大変有り難いことであると、このことについては私も大いに賛同をし、期待を寄せております。随分時間もございましたので、現地調査をする時間もたくさんございました。漁協、農協地域経済人、事あるごとにこのお話をしますと大変な期待を寄せていらっしゃいます。特に、今紛争をやられている方々輸入に関して、大変な疲弊の原因になっている、こういう方々は大変な喜びを感じていらっしゃいます。おい、早速登録できるかなんという話をされるので、いやいや、実はこれからなんですよという話をするぐらいでございます。  そういう意味では大変な期待をされるこの法案でございますけれども中川大臣の出されておりますNリポートにおいても地域再生重点政策として位置付けていただき、自ら戦略的にこの法案確立、そして環境整備に取り組んでいただいておると思っております。  そこでお伺いをいたしますが、大臣のこの法案に注がれる思いや今法案成立による地域経済再生戦略的思いをお聞かせ願えればと思います。
  9. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 改めまして、この商標法につきましては、今、松村委員が御指摘のように、昨年、委員会にも御指導いただきました新産業創造戦略の、いわゆる世界との競争の中で勝ち抜く四分野と、それからまた、やがては世界を意識しながら、しかし各地のいろいろな技術、産業あるいはまた伝統、物づくりといったものを大いに活性化をしていくためにインセンティブになればいいなという中の、地域特産品づくりというものに是非資すればいいなというふうに思っているところでございます。  今回の法律内容についてはもう繰り返しをいたしませんけれども、そうやって全国津々浦々に眠っているもの、あるいはまたそこに住んでいらっしゃる方々の知恵というものを生かす一つの大きな後押しになれればいいなというふうに思っているわけでございますし、他方、そういうものができても、きちっとした権利、いわゆる知的財産権といいましょうか、無体財産権が保護されなければインセンティブが大きく損なわれていくわけでございます。これは国内のみならず、正に日本の周りの国々で、今、知的財産に関する大きな問題がある国があるわけでございまして、そういう観点からも、今までちょっと時間が掛かり過ぎていたとか、今までの商標法では全国ブランドでなければならないとか、あるいはまたいわゆる絵とかデザインが一つの大きなポイントになるとかいろいろありましたけれども、そういうものをひとつ考え方を転換をいたしまして、とにかくそういうブランドを守っていく、ある意味では簡易に、そしてまた団体をベースとしてその地域でその同業者皆さんが協力してやっていくことに対してのインセンティブをやっていく。  他方、既にやっている方とか、あるいはその団体に加盟していない方を排除しないというような柔軟性も取り入れながら、何としても、全国津々浦々に眠っているすばらしいもの、あるいはこれから生まれてくるであろうすばらしいいろいろな工業品等の財を、大いに能力を発揮していいものができるようにするために、物づくり日本あるいはまたブランドづくり日本のために、この法律成立することによってお役に立てばいいなというふうに思っておるところでございます。
  10. 松村祥史

    松村祥史君 大臣、ありがとうございます。  地域ブランド確立し、地域経済を何とか奮起させようと思っていらっしゃる方々にとっては何よりのお言葉じゃないかなと思っております。とりわけ中小企業経営者皆様方もそのことに大変な期待をしておりますし、大臣がこのように御理解があって、なおかつどんどんどんどん進めていただいていることに共感を持たれているんじゃないかなと思っております。  そこで、特許庁に御質問をさせていただきますけれども冒頭に申し上げました地域ブランド、今まであってなかったような商標登録でございます。それが今回、法を整理することで、今例えば紛争をしている海外からの輸入物であったり、まあまがいものという言い方は大変失礼かもしれませんけれども、こういったものを水際で食い止めることは可能であるのかどうか。  実は、これは私の県のことで大変恐縮でございますけれども、我が県は、私の地元熊本でございますが、イグサにおいては全国作付面積の約九割を占める日本一の産地でございまして、それこそ十年前は日本一ということで大変な活気がありました。残念ながら、近年、中国からの畳表の輸入増加により作付面積も減りましたし、それに伴う生産農家も激減をいたしております。農家経営地域経済に深刻な影響を与えるのはこれはもう事実です。  本県では、昨年ですか、今、開発されました「ひのみどり」という商品を柱に構造改革を今進めて、何とか経済活性化を図っていらっしゃるところでございますけれども、昨年、平成十六年十二月の二十五日に長崎税関八代税関支署が行った輸入検査におきまして、中国産の「ひのみどり原草が発見、摘発され、平成十七年三月一日、関税法違反熊本地方検察庁輸入業者を告発したことが公表されております。このような事実が実際起きているわけですね。  しかし、ペーパーで読むのは簡単でございますけれども、この間に多大な費用と多大な尽力をされ、その間に疲弊していった農家もたくさんあると思うんですね。でありますから、今回の法律というのは大変な期待をされております。早速、このイグサ農家皆さん農協方々登録をしたいと、法案成立を待って登録をしたいと喜んでいらっしゃるところでございます。  こういったことを観点に置いて、特許庁においては、この法案成立後、こういった水際での食い止めが可能であるかどうか、その辺の御所見をお伺いしたいと思っております。
  11. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 地域団体商標に基づきます輸入とそれから販売段階におきます差止めについてのお尋ねでございます。  まず、商標法上、第三者が商標権者の許諾がなくて、登録商標あるいは類似商標を付した指定商品また類似商品輸入したり販売したりする行為は商標権の侵害に当たりまして、民事上の差止め措置とともに刑事罰対象となるところでございます。また、先ほど御指摘の中にもございましたが、商標権を侵害する物品は関税定率法において輸入禁制品というふうになってございますので、税関輸入差止め手続が取られることになります。  したがいまして、今回、地域団体商標という制度が発足いたしまして、この制度の下で団体商標登録がなされますと、先ほど御指摘のありました水際あるいは販売での、そういったケースの場合、他者が海外生産した商品に勝手に国内地域ブランドの表示をして輸入をしたり販売をしたりしようとするときは水際で止められるということでございますし、また同様に、国内での商品販売につきましても差止めを請求することが可能となるわけでございます。
  12. 松村祥史

    松村祥史君 よく分かりました。  けれども、実情は、やはりなりわいとしてこのことをやっていらっしゃる方々は、正にイタチごっこと一緒でして、その法の網をどうかいくぐろうかということでいろんな手を打ってこられます。そういう点では、是非そういった啓発や確固たる姿勢をもってこのことには対処をしていただきたいなと思っております。  続きまして、地域団体商標登録に当たりでございますけれども、このことは、それぞれの団体や個人、地域ブランド確立されたい方々がそれぞれ自分たちの志向の中で登録をされるということでありますが、その手続等については弁理士皆さんに限定して代行業務を委託というような形になるんでしょうか。このことについてお尋ねをいたします。
  13. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 特許庁に対しまして、商標出願手続につきましては、現在行われております他の商標と同様でございまして、商品の適切な指定でありますとか、審査官から、審査の結果、いろんな拒絶理由とか通知がございます、それに対して適切な対応をしなければならないと。そういったことから、商標法それ自身あるいは審査の基準、そういったものについて十分な知識と経験、能力が必要であると、そういうことから弁理士さんに限って行っていただくということになってございます。
  14. 松村祥史

    松村祥史君 弁理士さんについては専門性もございますし、そのことについては特段、私もいいのかなと思っておりますけれども、ただ、地域的偏在を見ますと大変な偏りがございます。私も調べてまいりましたけれども、あえてここで申しませんけれども、その点においては若干配慮が必要ではないかなと。  そもそも、地域ブランド確立したいと思われる方々は、当然のごとく自分でやられるのが当たり前なんですけれども、しかし、それができない方々小規模事業者であったりする方々はその方策さえ分かりません。  でありますから、そのことをやはり指導していただく、アドバイスをいただく。手続のための費用も掛かりますでしょうし、その点においてはいろんな御配慮が必要じゃないかなと。特に、地域をしっかりと経済団体としてコーディネートしている商工会商工会議所、こういったところの利用も必要ではないのかなと思っておりますけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。
  15. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 先生御指摘のとおりでございまして、弁理士につきましては、現在のところ全体で六千人ほどいらっしゃいますけれども大都市に集中しているという現状でございます。地域展開が十分でないという御指摘は当たっているところがございまして、現在、私ども日本弁理士会と協力しながら、弁理士地方での活動の強化というものを急速に進めようとしているところでございます。  今御指摘のありました商工会議所商工会でございますけれども地域団体商標制度というものが商品生産、役務の提供を行います同業者構成員とする団体登録主体というふうになってございますので、そういった地域経済団体登録主体にはなれませんですけれども、今までその地域の中で、事業者活動にも非常に詳しい、またいろんな形で支援をなさってきておられます。  したがいまして、地域ブランドをどうやってつくっていくか、それをどうやって市場で定着させていくか、周知度を上げていくか、それからまた、権利を取りまして、それをどうやって活用するか、そういったいろんな各段階におきまして、これらの地域経済団体商工会商工会議所は非常に重要な役割を果たされるのではないか期待もしているところでございます。
  16. 松村祥史

    松村祥史君 正にそのとおりであると思っておりますので、是非代行業務に関しましては、手続業務代行に関しては弁理士さんの皆様方是非率先して頑張っていただきますように奨励もしていただきたいし、また業としての手続だけでなく、是非地域コーディネーターとしての、地域経済活性化させるためが目的でありますから、そのことも是非充実していただくような御指導をいただきますようにお願いをしたいなと。  また、商工会商工会議所においても、実際業務としてその地域方々ビジネスチャンスをしっかり理解できる立場にあられると思うんですね。でありますから、そのことを、是非業務としてではなく、しっかりと指導していただいて、その業務を担えるような、将来的には、指導もしていただきたいなと思っております。  このことは、どうしてこういうことを申しますかというと、やはり地域経済を担っていらっしゃる中小零細方々というのは、なかなかその思いはあっても行動が伴わないと、こういうことがございます。それはなぜかというと、やはり、例えば零細企業方々従業員数も少ない。そうなると、社長が自ら営業マンをやり、社長をやり、経理部長をやり、すべての業務をこなすと。こういった段階で手が届かないわけですね。でありますから、いろんなアドバイザーの方々の御意見が大変なビジネスチャンスを生むことがございます。是非このことは御理解いただき、また今後の指針の一つに加えていただければなと思っております。  地域ブランドに取り組む事業者の中には、登録の際に組合加入せず、同じ商標を使用している事業者もいると想定されます。いわゆるアウトサイダーという方々ですね。こういう方々は不当な排除を受けるようなことはないんでしょうか。また、その逆はないんでしょうか。例えば、アウトサイダー方々が先に地域ブランドを使っていて、こういう法律ができたから、じゃ組合としてもやろう、こういう業としてもやろうと、そうなったときに地域の中での争い事が起きないか、こういうことを心配しております。この点についてはいかがお考えでしょうか。
  17. 小川洋

    政府参考人小川洋君) まず、アウトサイダーについてお答え申し上げたいと思います。  地域団体商標出願の前から、不正競争目的ではなく、継続的にその商標を使用していた事業者につきましては、登録を受けた団体加入していない場合でありましても、先使用権に基づき、引き続きその商標自分のために使うことはできます。  それから、地域団体商標登録主体としまして、設立根拠法上、構成員たるべき資格を有する者の加入を不当に制限はしてはならないと、そういった旨の規定がそれぞれの法律に置かれている法人に限定して今回登録主体になってございますので、かつ、そのそれぞれの法律によりまして、そのことが罰則あるいは所管行政庁による検査、命令と、そういった措置によって担保されてございます。したがいまして、その加入を不当に制限しないということが担保されるわけでございますので、組合への加入を希望される方が不当に排除をされるということはないものと考えてございます。  それから、第二点のお尋ねの、アウトサイダー的な人が商標を使っていて先に登録申請をされて、別途またやろうとされた。それは、アウトサイダーかどうか分かりませんが、似たような商標を同じ地域で同じものについてやれば、競願ということが起こり得るわけですね。その場合は、似たようなものがあるかないかということで商標登録するかしないか決まりますから、同じような周知度を持っているようなものであれば両方登録されないという場合になります、ことが普通でございます。したがいまして、願わくば地域の中で大同団結と申しますか、その地域団体同士で話し合って、関係者同士で話し合って、より大きな強い地域ブランドをつくるという観点から、一本にして出していただくとか共同で出していただくと、そういうことが方法としては考えられると思います。
  18. 松村祥史

    松村祥史君 正にそのとおりであると思うんですが、元々アウトサイダーというのは意が合わないんでアウトサイダーなわけでございますから、そこがやはりこの法案を整備することによって地域一体感を持ち、地域再生をしっかりとやっていくと。本当に地域のもめ事で終わらしちゃいけないことでございます。しかし、地域には地域の事情がございます。そのことをしっかりと御認識をいただいて、そのことには是非指導を含めて当たっていただきますようにお願いをしたいなと思っております。  また、この制度の導入に当たり混在を生じないように、また対象となる商品等の品質の維持すると同時に、制度趣旨内容周知徹底、このことについてどのような方法をお考えであるのか、お伺いしたいと思いますが、私がちょっと調べたところによりますと、経済産業省では既に地域経済産業政策課で、これは六月の二十一日、「地域ブランドフォーラムin九州」と、九州には元気の源があふれているということで既に開催を予定されておられます。大変有り難いことだなと。法案成立する前から既にある地域ブランド、また法案成立後もすぐ取り掛かれるようにこういったことも積極的に取り組んでいただける。  ただ、この周知の仕方によっては、なかなかその徹底できない部分もたくさんあるかと思います。どうかそのことについて、今後の周知の仕方、どのような方法考えていらっしゃるか、お尋ねをいたしたいと思います。
  19. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 新しい制度十分理解をしていただきまして、大いに地域で活用していただくと。そのためには、制度内容をよりよく理解をしていただくということが大事だと思います。我々としましては、新しい制度趣旨目的、それからその利用方法、それらにつきましてきめ細かく周知徹底を図りたいと思います。  一つには、私どもホームページを持っておりますので、ホームページでそれを細かく説明をする、あるいは経済産業局ブロック単位で持ってございますので、そこと連携をしまして、地域でこの新しい制度説明会をやらせていただくと。それから、先ほど御指摘のありましたフォーラム、そういった中でも私ども説明をさせていただいたり資料提供をさせていただくと。そういった形で、ありとあらゆる機会を使って周知徹底を図っていきたいと考えております。  それから、いろんな相談事地域方々から寄せられると思います。そういう場合には、経済産業局の、あるいは日本弁理士会、あるいは地方自治体の知財センター、そういったものと連携をしながら、常時そういった相談事対応できるきめ細かな対応体制というものも構築していきたいというふうに考えてございます。
  20. 松村祥史

    松村祥史君 地域経済というのは、やはり三大都市圏以外は私はいずれも一次産業が主産業ではないかと思っております。そういう意味では、農業、漁業、水産、林業、こういったところにも積極的に御周知いただき、商工業、こういったところにも商工会商工会議所を通して、ありとあらゆるところに、受け身ではなくこちらからの発信をしっかりと仕掛けていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  今法律案についてでございますけれども、いろいろと勉強してみますと、若干保護法の感が強いのかなと私自身理解をしております。ただ、冒頭大臣お尋ねしましたように、このことを基にいろんなものをやはり、日本のいいものを生かして地域経済再生に当たるべきだと。そういう意味では、先般成立しました中小企業支援法についてもこのこととリンクしてまいるでしょうし、ジャパンブランド、このことにも大きなきっかけになるんじゃないかなと。  実は私、私の友人が先般、ジャパンブランドを使いまして昨年いろんな成果を上げさせていただきました。このことの報告も兼ねてでございますけれども、これは京都の和束町というところがございまして、宇治の隣でございます。宇治茶に隠れた茶業をやっていらっしゃる若い方々なんですが、従業員三名から八名ぐらい、六社で「ほっこりサークル」というのをつくっていらっしゃって、零細が固まってしっかりやろうじゃないかと、宇治茶の中に埋もれている和束茶を元気にしようと。で、今回ジャパンブランドに挑戦をされ、フランスとヨーロッパ諸国を回らせていただいたんですよ。  で、何をやったかといいますと、お茶の販売業者ですね、ここにデモンストレーションを仕掛けて、もちろん見本市にも出店されましたけれども、和菓子屋さん、レストラン、料理学校、ありとあらゆるところに出向いていって、常にローラー作戦を主体としてデモンストレーションをやる、このことによって非常な成果を上げることができました。数社からいろんな、いいお茶だなと、日本の文化というのはすごいなという評価を基に、いろんなアポが来ているそうです。そのことを基にまた次のステップに進みたいと、非常に意欲的でございますけども。  その報告がここにもございますけれども、成果として私は一番これ良かったことは、何より経営者の自覚が芽生えたと。三人の茶業工場をやりながらヨーロッパで勝負しようなんて、こんな大それたこと、なかなか思っていても行動にできない。じゃ、行った間、だれが工場をやるんだと。休まなきゃいけない。こんな実情を目の前にして、これだけ厳しい現状ではやはり現状にすがるしかないと。これが零細業者の零細業者たるゆえんなんですね。しかし、今回、サークルを基にこういったチャンスをいただいて挑戦をしたと。そして帰ってきて何ておっしゃったか。やっぱり行って良かったと、勝負をしてきて良かったと。もちろん、直接の業にはなかなかつなげることができなかったけども、その可能性というものには十二分な期待ができたと。何より自分商品に自信が持てたと。英語やフランス語でパンフレットを作ることで和束茶というのを和束町の方々が見直したと。  ただ、ここに大きな貢献者がいらっしゃるんですよ。これは商工会指導員の方です。恐らく一人ではできなかったと。しかし、いろんな地域アドバイザーとしての意見をいただいて、やっぱりやる気を啓発していただいたと。そのことで行ってみようと。行って経験をして、そして経営者にしっかりなられて帰ってきたと。もう次の目標は決まっているわけですね。でありますから、今やられていることが、京都の市内のホテルに営業を掛けまして、和束茶とフランス料理のコラボレートをやっていただいて、一か月間フェアを打っていただいている。こんなことも取り組まれている。それから、問屋の見直し、ただロットで商売をするんじゃなくて、いろんな可能性がないか、和菓子屋さんや洋菓子屋さん、パテシエさんとのコラボレーションはできないか、こんな発想。何より経営者をつくったということにおいては、このジャパンブランドというのは大変な成果があったと思っております。  逆に言うと、地域ブランドからこういった商品が出てきて、ジャパンブランドを活用し伸びていく。このことが大臣が一番冒頭にお話しされたような中身であろうと思うわけですけども、この逆パターンですよね。ジャパンブランド海外に出て、国外に出たことで日本がよく見え、自分の足下がしっかり見えたと。非常にいい傾向であったと思っております。こういった若い経営者がやはりどんどん育つことを大変な期待を寄せておりますし、そのためには、今回の地域ブランド、私は冒頭保護法に近いというお話をしましたが、今本当に争っていらっしゃる方々にとっては大変な喜びがございましたが、これから創造をしようという方々にとってはまだまだ手探りの状態でございます。そういう意味では、今後こういう方々を伸ばすことが本当の地域経済活性化につながると。  何より地域経済というのは私は経営者をつくることだと、こう考えております。人材です。そのためにはいい経験、いい失敗をしていく。しかし、零細企業にとっては一回の失敗が命取りになることもたまたまございます。でありますから、是非その点はいろんな施策をもって支援をしていただきたいと思っておりますけれども、この点について、中小企業庁ではジャパンブランドも含めて大変な御尽力をいただいておりますが、望月長官にお伺いをしたいと思っております。
  21. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 地域中小企業が集まって地域ブランド確立を目指した取組を行うということは、先生おっしゃいますように、地域経済活性化観点からは大変重要なことでございますし、そのために、小さな活動ではございますけれどもジャパンブランドというものを十六年度から全国皆様方の意欲をくみ上げる形で発足をいたしまして、ただいま少しずつ成果が上がりつつあるということだろうと思います。  この事業の中で、商工会商工会議所地域中小企業のコーディネーター役になって実施していくというブランド戦略でございます。この戦略の策定や製品開発、あるいは今おっしゃいました展示会への出店だとかいうことを通じまして、全国あるいは世界に取り組んでいくということが、この私どもの施策を足掛かりにしてブランド確立がされていくということは非常にうれしいことでもございますし、私どもはそういったことが他の地域への波及をするということも大いに期待をしているところでございます。  このブランドジャパンブランド政策につきましては、十七年度も同様に実施をすることにいたしまして、こういったものを積み重ねることによって地域におけるブランド確立のための活動の重要性というものが浸透していくことを願っているところでございます。  どうもありがとうございました。
  22. 松村祥史

    松村祥史君 長官、ありがとうございました。是非きめ細やかな支援策を打っていただきたいと思っております。  そのためにも、何といいますか、地域経済コーディネーター、こういった方々をたくさんつくる必要があると思います。地域経済人をつくっていくには、こういった知恵のある方々、若しくはマッチングをしっかりとアドバイスしてくれる方々、こういう制度も必要かと思いますので、是非今後御検討もいただきたいなと思っております。その役割というのは商工会商工会議所、中央会、いろんな組織がございますから、こういったところが既にやってはおりますけれども、今まで以上にこのことは取り組まなければ、地域はいまだに疲弊感をぬぐうことができませんし、今後、発展という何より若い方々の夢や希望がございません。でありますから、是非このことはまたこの法案と併せて実施していただきますように心からお願いを申し上げたいと思っております。  時間も参りましたので、私の質問をこれで終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  23. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 大臣、御苦労さまでございます。また、農水省からも加治屋政務官、御苦労さまでございます。ありがとうございました。  今ほど同僚、松村議員からも質問あるいはまた意見が述べられておりましたが、今回のこの商標法改正案に対して、私どもまずもって民主党としては賛成をさせていただくことを意思を表明させていただきながら、質疑をあるいはまた意見交換をさせていただきたいと思っております。  この商標法そのものについての法律の中身についての質疑そのものも大事ではありますが、これと関連する、今の松村議員のお話もございましたが、いわゆる地域経済との関連性というのは欠くことのできない、またある意味においては経済産業省としても、あるいはまた関連する農水、各いろんな製品、商品、あるいは農産物等々を作っておられる、その所管する役所としても大いにそういうことも期待している法律であろうというふうに思うんですね。  ジャパンブランドの問題もありましたが、これは国際的な方向へ向けた一つ中小企業庁のある意味におけるヒットだろうと思いますし、この地域ブランド法律ということを私が、昨年でしたか、ちょっと聞いた段階において、これは絶対に法案法律を作るべきだと、大賛成だと、頑張れよと言って実は督励した一人でもあります。そういう意味においては、この地域ブランドという法律を背景にした新しい特許庁の新たな仕事の展開分野というか、これはまた非常に期待されるものでもあろうというふうに思うんですね。  とりわけ、私はかつて、別に自慢するわけでもないし、何もないですが、特許庁特別会計を仕立て上げたりしてきた一人として、歴史を刻んできた中の一人として、この特許庁が言うならば受け身の形でいつまでもあってはいかぬぞということも当時も言ってまいりましたし、数年前でしたかな、特許に関する法律改正もあったと思うんですが、そのときも、私は特許庁の果たす役割というのは、もう今や弁理士さんを通じて、そしてその申請されてくる発明、特許、実案、こういうものを審査するだけのそういう受け身の役所であってはならぬよと。この特別会計をつくり、あるいはまた機能的、機動的、近代的な特許庁に仕立ててきたその段階において、今知事として全国知事会長になっている麻生君も、そういう意味ではその正に転換期にこの特許庁長官を数年、長い間、本当に長い間この特許行政というのを軌道に乗せるために彼はそこに、こう言ってはおかしいけれども、僕は当時与党ですからあえて言わしていただきますが、甘んじてその役職に座って特許政策というのを軌道に乗せたと。  そういうことを考えてみると、この特許政策というのは、特許行政というのは非常にその国の、特に我が国のように技術立国、あるいはまた資源の乏しい我が国としての中における占める役割というのは極めて大きい、また重大であるというふうに思うわけでございまして、その中で大臣が今回こういう案を閣法として提出されたことに対してまずもって敬意を表しながら、この特許行政というものについて、そしてこの法案の出てきたいわゆる真意、大臣の所信表明にもありましたが、もう一度、端的に言って期待するところというところを極めて手短に御披露いただければと思っております。  特許庁のこの地域ブランド権利として、地域ブランド権利と認める今回の商標法の改正によって、その対象生産地から生産者、販売者、消費者と幅広い層を相手として私が今申し上げたような能動的なものに特許行政が変わっていく、いわゆる門戸を国民のところに親しみやすいものとして広がっていく、その中で我が国の生産あるいはまた製造、あるいはそういう新しい発明、そういうものの意欲創出、意欲、生産が更に大きくなっていくだろう、つかさ的なものから開放的、国民的なものにと大きくその役割が変化することを期待をいたしているわけであります。  技術的に独自性のある奨励品が生産され、地域ブランドとして認められることで地域経済活性化につながっていく。後半の質問を地域経済との関連について質疑を交わしたいと思っておりますが、そういう意味においては、こういった法律ができ上がる、そのでき上がることによる波及効果というのが、今私が申し上げたような特許庁においてもしかり、あるいはまた地域における若い人たちがそこにおいての経済活動、あるいはまた製造活動、あるいはまた農業においては生産活動、そういうものの意欲につながっていくことでなければ法律というのは意味がないねと。これは、取り締まることが法律じゃない、奨励する、経済産業省法律というのは、大臣、言うまでもなく、これは奨励するための法律経済を自由経済社会の中で発展させるための法律であるということが主体だと思うんですね。  そういう意味で、この生産意欲、更に拡大されるために大いに私は期待いたしている一人でありますが、後ほど多少の細部にわたって質問をさせていただきますけれども、私の今申し上げたようなことに関して大臣のお考えもお聞きして、質疑を進めたいと思います。
  24. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 渡辺先生には、もう本当にいつも私よりもはるかにこの経済産業行政、特許行政、精通されておられますので、改めて今も拝聴させていただきましたけれども、やはり日本がこの先、国家として発展をしていくというためには、やはり最後は、先ほどの松村委員じゃございませんけれども、人材ということであり、その人材の能力を発揮できるようにするために、先ほどの御指摘のありました中小企業三法の統合と同時に、連携強化とかあるいはネットワークづくりとかといったもの、あるいは産学官の連携とか、いろんなところをみんなで力を合わせてやっていこう、その大きな柱が地域だというふうに考えております。  と同時に、こういうスピード化の時代であり、また日本の周りでもどんどんどんどん産業が高度化していくという中で、その競争に勝ち抜いていくために、我々も一生懸命負けないように努力をしていかなければなりません。そのために行政が何とかお手伝いができるようにしていく、主役は地域であり、それぞれの人のネットワーク、協力だと思いますけれども。  他方、今、渡辺先生がおっしゃられたように、ただ守るべきでは駄目だ、松村委員もおっしゃいましたが。実は、その守るということは、ある意味では、排除ではなくて、これをある意味ではみんなできちっとしたルールの下で使っていこうということが表裏一体であると同時に、やっぱりある程度そういう前提で守っていくということも、その人たちの御努力、知恵によって価値というものが新しくできたわけでございますから、それを保護していくということも大事だろうと思っております。  そういう意味で、最近はこの広い意味知的財産が一部の、しかも発展をしている大きな国を中心に大変この貴重な知的財産権が侵害されて、いわゆる海賊品、模造品というものの影響が、これは日本だけではなくて、アメリカやEU等々とも大きな問題になってきているところでございます。先週は、ちょっと私、夜中に行って朝一番で帰ってまいりましたけれども、アメリカのUSTRの代表とも夜じっくり話しましたが、やっぱり知的財産権確立というものを世界でみんなで一緒にやっていこうということを改めて確認をしたところでございます。  そういう意味で、我々は、特に地方の、先ほどから地方中小企業、あるいはまた、ともすれば、それだけのコストが払いにくいような分野の方々に頑張っていただけるための一つの大きなインセンティブとしての位置付けとしてこの商標法の改正、地域団体商標という新しい、ある意味ではスピード感を持って対応できるように、北海道で夕張メロンというのがこれは商標登録になりましたけれども、三十数年間掛かったという話でございまして、しかし登録された以上は、私の十勝というところでは夕張メロンという名前を使うことができないという。地元は若干困っておりますけれども、しかしそれだけのブランド力がもう既に三十数年の間に確立をし、保護されなければいけないわけでございますから、渡辺先生の御地元でも、また先生方の御地元でも、そういうブランドをつくる努力、そして守られることによるプラス、そして他への刺激というものが、よりこの日本がこれから頑張っていくために、この法律の成果によってそういう目的に達成できればいいなということで、また渡辺先生始め、委員会の先生方の御指導をいただきながら、成立したならばそれをうまく活用して目的達成できるように、特許庁を中心に我々努力をしていかなければいけないというふうに思っております。
  25. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 ありがとうございました。  大体思いは一致いたしておると思います。  そこで、法律に関してのことをちょっと二、三、気掛かりな点だけ先に個別に質問をいたしておきます。  質問しながら演説やるといつも時間がなくなっちゃうので、申し訳ないですけれども、少しメモをしてきましたから、大臣あるいはまた現場の責任者、特許庁長官是非端的に答えていただきたい。  四月の一日、来年の、この法律の施行ということになりますね。その時点で地域ブランドの申請をすると、審査期間に七か月近く掛かると想定かあるいは推測なんですね。登録は来年の秋ごろになる、そうすると。できるだけ早く地域団体商標として認められることが地域活性化につながると。今、大臣が言われたような、いわゆるスピード感、行政のスピード感、かつそのための効果の具体性を早く出していく。  特に、こういう、中川大臣は閣僚の一人だから、小泉内閣全体を批判するみたいなことで、僕は中川大臣の政策は間違っていないと思うけれども、全体としてはどう考えたって地方経済活性化されていない、これはもうこの委員会共通している、与野党共通の話なんだ、認識の中で話し合っているわけですから。  そういう点からすると、是非早くこれやってもらうのに、現在、商標登録件数が年間約十二万件である、商標審査官が百四十八人だと。これは、長官、どうか、僕の調べであるから分かりませんよ。平成十四年度以降増えていませんな。こういう体制をやろうというのに、この今年度予算でもその準備ができていないと私は言わざるを得ない。だから、そこのところはどういうふうに考えるか。  加えて、今後は多くの地域から地域ブランドの申請が出されることが予想されるため、今申し上げたような私は懸念をするわけであります。処理件数が一層増大すると思われる。商標審査官の定員を徐々に増やし、審査処理期間の短縮を図り、この法律趣旨が生かされるよう努めてもらいたいと。これは、せっかく法律作るんですから効果を出さなきゃいけません。この審査官定数で大丈夫なのかどうかという、私は与党の質問みたいなことを言うけれども、心配をいたしているわけであります。  そういう意味では、現場の責任者として長官の考えはどこにあるか、端的にちょっと報告をしてください。
  26. 小川洋

    政府参考人小川洋君) それでは、現場から報告をさせていただきます。  これまで商標審査官、御指摘の百四十八名、この二年間増えておりませんけれども、それまでは少しずつ増やしてまいりました。それから、その間、紙を離れていわゆるペーパーレス化ということを大いに進めてまいりました。それから、文献調査といった調査について外注を進めたと、そういうことから、平成十三年末、商標審査十一か月掛かっておりましたが、昨年末でございますが、六・四か月というところまで今持ってくることができました。これを今年度末は六か月以内ということで我々目標を立てて努力をしているところでございます。この期間はほかの国と比べても遜色がない商標審査期間になってございます。それをまず御報告申し上げたいと思います。  それから、制度的には早期審査の申立て制度というのがございまして、模倣品が発生している場合でありますとか、そういった場合には緊急性があるということで早期審査の申立てを受け付ける制度がございまして、その場合は大体二か月以内で審査を終わっております。  そういう形で、一般的に申しますと、商標審査についてはその審査の短縮に一定の成果を上げていると思ってございますが、今後、これは新しい制度で新しくまた出願が増えるわけでございます。私どもの見通しとしましては、今回、いわゆる商標を使い込むことによって実績がある程度上がったところの地域商標登録されることになりますので、極端に大量なものは当初出てこないのではないかと思ってございますが、それでも数百件のオーダーで最初は出てくるのではないか思います。  いろんな形で、現行の体制の下でいろんな形で工夫をしましてやっていけば、この増加に対応して急速に抜本的な体制強化は直ちに必要だということではないんではないかと思ってございますが、いろんな知恵を出したいということで、まずは審査に当たりましては電子情報システムを使いまして、審査官がいながらにしてパソコンで、今まで紙でいろんな出入りがあったわけですが、それを全部パソコンでいながらにしていろんなものにアクセスをしてまとめ上げていくと、起案まで書いていくと、そういった手続を進めております。これを一層研ぎ澄ませていきたい。それから、明確な審査基準を作る、それから熟練度を高めるための共通のいろんな研修をやっておく、それからベテランの審査官を最初充てていく、それから審査官同士でいろいろ話合いをしながら審査を進めていく、そういった現場でできるあらゆる工夫をしながら急いで審査を、できるだけ早く審査をしていきたいというふうに考えております。
  27. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 是非、そういうふうに、しかしそんなに遠慮しないで、審査官が足りなきゃ足りないと言ったらいいと思う。  それからもう一つは、私は、この登録に対して出願書類ですね、この書類の提出が事務的に難しかったらこれ何にもならぬと思うんだね。極端に言うなら、松村君のところじゃないけれども商工会を通じて申請できるぐらいな、そういうものに本来的にあるべきではないかというふうに思いますよ。  これは、今日、弁理士の諸君たちも傍聴に見えているけれども、僕は弁理士の協会の皆さんにも申し上げた。弁理士皆さん自身の仕事というのは、その仕事の範囲の拡大も大事。しかし問題は、我が国の、資源の乏しい我が国において一番大事なことは、特許あるいはまた発明、発明、特許、こういうことを開拓する、あるいは啓蒙する、それも弁理士さんたちの仕事の一つだよと。  昔は発明協会なんていうのがありまして、私が通産大臣秘書官やっているころ、その発明協会の話、よくよく聞かされたことがあり、いまだに覚えているね、若いころというのは。年取って、物を聞いてもすぐ忘れるけれどもね。だから、そういう意味では物すごい意欲がありましたよ、発明ということにね。ちまたの発明だ、しかもそれは。大企業のいわゆる研究所でやるなんていうのは、そんな当たり前の話だよ。だけれども、いわゆる町にある、発明家がやっているそのものにヒントが起こって、そこから大きな企業あるいは産業に行く。正に松下幸之助先生、その一つだね。だから、そういう意味出願手続ということを余り難しくすべきじゃないということを私は申し上げたい。その点に関しての意見を、長官の考えを聞かせてください。  もう一つは、ついでですから、二点目は、さっき大臣、夕張メロンの話された。我が県もコシヒカリというのがあるんだよね。これは、加治屋政務官来てもらって有り難いんですが、これ、コシヒカリというのはみんなどこでも使っている。しかも魚沼コシヒカリというのが有名なんです。ところが、魚沼という名前付いたところ全部使っている、新潟の中でも。で、町村合併をしますと、本来的な魚沼というのは三つぐらいできる。これ、どういうふうに処理する。まあ、農協の問題でもあるかも分からぬが。しかし、このブランドは正に、具体的に言いますと、私のかつての衆議院時代の選挙区のことだから、南魚沼郡塩沢町という、ここのコシヒカリが実は一番うまいと言われている。自主流通米のプライスリーダーだ、これは今でも。ね、加治屋君、そういうことなんだ。プライスリーダーの、自主流通米の。これがそういう魚沼でも塩沢コシヒカリという、塩沢コシヒカリというのが一番うまいんです。この袋を、かつて長野県で農協がこの袋を製造したことがある。あれ中川農林大臣のときだと思わぬけれども。しかし、それぐらいのことですよ。非常にいいことだと、僕は怒ることよりも喜べと言ったんだね、地元に。誇りに思えと、そう言ったんです。  だから、しかし、そうはいっても、これ、例えばこの場合に、この商標登録する場合に魚沼コシヒカリというのをどこからどこまでの範囲としてやるか。あるいは、申請する方に、そこは指導をするのか。それは特許庁であれ、あるいは農林省もそういうことが言えると思うんですが、そういう難しさがあることが一つありますね。そういう点が非常に、さっきのお話じゃありませんけれども、混乱するおそれがあるなと。消費者との関係はどうするかというようなこと。しかし、コシヒカリは全国でも、北陸でもコシヒカリだからね。ですから、なかなか難しいと思います。  桃、桃でも岡山の桃は一番うまいと言われてきた。ところが、我が新潟県の白根の白桃なんていうのは、これは余りできないんですよ、数は少ないですけれども、食べると一年舌に味が残るというぐらいの、宣伝するわけじゃないんだ、いや、本当に。余りできない、数が。しかし、そういうものもあるわけね。  これ、例えばそういう数量で考えるのか、どういうことなのか、そこら辺のところも問題だけれども、ちょっと心配だから、併せて、今の段階で、今の段階でどういう感じを持ちますか。もし特許庁長官、答えられるなら、あるいは農林省もそういうものが、もし答弁用意してきたのなら、感じを聞かせてください。
  28. 小川洋

    政府参考人小川洋君) コシヒカリについては、商標法と種苗法、二つの法律がございますが、種苗法で品種登録をされた場合には商標登録はできないということになってございます。この場合、コシヒカリというのは、種苗法上登録をされている品種ではないということで、普通のいわゆる味のおいしいウルチ米ということではないかと私は理解をしております。その場合に、普通名詞の物の名前でございますので、それを生産をするある地域の名前と結び付いた地域ブランド商標というのはあり得るわけでございます。
  29. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 あり得る。
  30. 小川洋

    政府参考人小川洋君) あり得ます。あり得ます。ですから、法律上の要件が満たされれば登録することは可能だと思います。  その場合に、どの地域の広がりを何とか産と言えるかどうか、何とかコシヒカリと言えるかどうかと、これは先生もおっしゃいましたけれども、なかなか現場、実態のところでは、がありまして、市場の中でその商標がどういう使われ方をしていて、その商標対象となっているものが、どのものがどんなふうに商標が付されているかと、そういった実態を見ながらやっていくということと、これはあくまでも地域団体登録主体で申請してまいりますので、彼らが地域ブランドの戦略あるいは商標戦略というものをどうやって構築していく中で、地域の中で、ということと両方から見て、どんな形で出てくるか。そのとき法律に照らして、またその商標がどういう形で周知性を得ているのかと、まずそういったことを総合的に判断をしていくということになるというふうに今の段階ではお答えさせていただきたいと思います。
  31. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 農林省、まだそこまで検討してない、農林省。
  32. 加治屋義人

    大臣政務官加治屋義人君) 農水産品の地域ブランドの効果はどうなっているかと、こういうふうにとらえさせていただいておりますが、御承知のとおり、我が国の地形、南北に大変長うございまして、もちろん地形もですけれども、気候条件が非常に多様でございまして、そういう意味では多様な、たくさんの地域ブランドが生まれていると、こういうふうに思っております。  ちなみに、今先生、魚沼のお米の話出ましたけれども、そのほかにも鹿児島県の黒豚、正にそのとおりでございまして、長い間の生産者の努力によって今では鹿児島黒豚として流通しておりまして、普通の豚肉の一・八倍の高価取引をされているということがあります。また、お話ありました夕張メロン、これもそうでございまして、炭鉱の斜陽化によって地域皆さんが大変やる気を出して夕張メロンの生産に取り組んでおられる、そういうことでございます。そのほかにも、佐賀関のアジ、サバとか、あるいは吉野くず、三輪のそうめんなど代表的なものだと思っております。  実は、私は昨日、山古志村にお伺いをして、災害の調査行ったんですが、魚沼のお米をおいしいなといって食べさせていただきました。お代わりを三つさせていただいたところでして、そういう意味では、農林水産省としてはこの地域ブランドの振興にこれからも努めてまいりたいと、そういうふうに思っております。
  33. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 ありがとうございました。  加治屋政務官のところも、鹿児島、正に黒豚もあるけれども、芋しょうちゅうも私の大好物でありまして、なかなか地域ブランドというのは大変だろうと思いますけれども。しかし、農産物の地域ブランドというのが私はむしろ、経済産業省でやっている、この今ここで審議しているこの法律は、場合によったら、むしろ農産物の方で物すごく生かされる可能性があると、あるいはまたもっとそこに効果が現れてくる可能性が大いにあると思うので、是非経済産業省特許庁と十分これから連携を取っていただいて、この効果の波及、普及、波及、そして効果あらしめるような宣伝を是非やっていただきたいと。いたずらに農協の縄張、まあ農協もこのごろ合併をやっているからその心配はないと思うけれども生産地の縄張争いとかそういうことにならぬように、やっぱりいいものができたのは、さっき私は白根の白桃の話をしましたけど、少品種であっても、そういうものは少品種であって価値が高ければなおさらそれを奨励していくというぐらいなこと、これは産業分野における製造も同じだと思うんですね。まだ全国的に余り普及度が足りないなと、だからこれはどうかなということではないんであって、逆にこれを普及させる、あるいはまたこれを奨励していく、そのための法律でもあるんだから。そういう意味では、生産量あるいはまた今までの何十年の間どうだとかということだけにとらわれない、前向きの、そして積極的な行政指導ということを期待をいたしておきたいというふうに思うわけであります。  この地域ブランドについてもっと実は私は幾つかの質問点を用意してまいりましたけれども、時間がだんだんしゃべっている間になくなってしまいまして、これの波及する地域経済について若干ちょっと意見を申し述べながら大臣考えもお聞きしておきたい、あるいは中小企業庁長官考えもお聞きしておきたいというふうに思うんです。  農水省の方、ありがとうございました。政務官、結構です、ありがとうございました。どうぞよろしく連携を取って頑張ってください。
  34. 加治屋義人

    大臣政務官加治屋義人君) はい。
  35. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 この法律目的大臣が言われ、私が申し上げたとおりで、地域経済活性化ということに底辺はあるということを考えていきますと、最近の景気及び地域経済の動向というのは、産地の振興対策あるいは伝統工芸品産業の振興対策、中心市街地・商店街活性化対策などの問題がやっぱり併用されて考えられていかなきゃいかぬと思うんですね。  そういう意味では、景気の現状の今後の見通しということの中で私が大臣考えもお聞きしたいのは、先月の十七日に内閣府が発表した一—三月のGDPの速報値によると、実質五・三%成長で二期連続プラスとなる。これに対して竹中大臣は、景気の踊り場は年央に、年の中央ですね、年央には脱却すると楽観的な見通しを述べたことで、実は僕はあの時点で、大臣、こう言ったんですよ、我々仲間での話の中で。政治家が経済の、景気の踊り場なんという言葉を私はいかがなものかと、こんなものは経済学者が言う話と経済評論家の言う話であって、いやしくも景気対策をつかさどっている国務大臣、担当大臣がそんな踊り場なんという無責任な話ないと思うんだ。踊り場というのは階段の踊り場でしょうが。上がるところと下がるところでしょう。こんなばかな表現を、大臣、あなた、先輩としてあれに注意したらいいよ、閣議で。こんな、もうちゃんちゃらおかしい話だと思うね。ですから、そういう意味では、僕は非常にその表現に対して怒りを覚えました。  しかし、今回のデジタル景気は、中国経済の高成長による鉄鋼、化学などの素材製品の需要が急拡大したほか、鉄鋼、輸送機械などが過剰設備の廃棄を進めてきた結果でもあって、今後を考えると必ずしも楽観視できない面もあると私は思っています。  例えば、一九九〇年代の終わりころから始まった業界再編成や企業のリストラの結果、企業収益は平成十三年ごろから回復傾向にあり、全産業全体でこの五年間に二十兆円以上も拡大している。これは日本総研が出していますね。これに対して、勤労者所得は全体で同じく十五兆円近くも減っているんですね。これは大臣が専門だからよくお分かりだと思う。  企業収益との格差がこの五年間で更に拡大しているということの現実、このような勤労者所得が前年に比べて年々マイナス傾向になるということは、国内需要の約六割近くを占める個人消費の拡大、今後余り期待できないということであると。したがって、景気はどういうこと、我々かつてこの経済産業政策に携わったときには、個人消費を年じゅう見ていたものですね、その経済動向の中で。そういう意味ではこれちょっとおかしいんじゃないかと、今の中川中川さんというんだっけ、竹中、竹中さんだ、ごめんなさい、竹中さん。中川大臣は尊敬する中川大臣。  最近の個人消費の増加は貯蓄の取崩しが支えているのであって、特に六十歳以上の高齢者の貯蓄率はこの三年間で二〇%から一三%近くに低下している。いつまでも貯蓄の取崩しで消費が支えられるものでもない。これは私は、この正に今の郵便貯金の問題とも兼ね合わせて申し上げたいけど、時間がなくなってきて、演説やったら十五分ほど掛かっちゃうからやめますけれども、しかし実際には、実際には日本が、中川大臣、貯蓄率が減ったという歴史はあると思いますか。ないんですよ。日本の国、戦後、貯蓄率が下がったということはいまだかつてないんです、どんな景気が悪いときでも。調べてみてください。本当にここ一、二年なんです。これは本当に、僕は大変恐縮だが、小泉政治がうまくいっているなんてことお世辞にも言えないというのは、そういう点からも申し上げたいんですよ。  まあ、閣僚の皆さんが全部努力しているのは認めているんですよ。しかし、小泉政治という、代表されることについて、彼は、いわゆる行政改革が実が実ってきている、成功しているんだと、こう胸張るけれども、全くそれは国民にツケを回したことであって、しかも数字の中身を見たら、この勤労者の所得とそういう対比をしてみれば、決して善政であるということは言えないということを申し上げておきたいのでございます。  最近の個人消費の増加は貯蓄の取崩しが支えている、特に六十歳以上の高齢者の貯蓄はこの三年間で二〇パーから一三%と、今ほど申し上げたとおりです。非常に老人、高齢者は不安を感じている。こうした状況を見ると、今年一—三月のGDP速報値が五・三%という高い成長を示したのは一時的であって、景気が本格的な回復軌道に乗るのはまだなかなか難しいのではないか。  あわせて、日中間の問題もこれあり。あるいは対東南アジアとの関係も、中川大臣がFTAの問題、努力しておられながら、なかなかその全体の、それを包む、中川大臣が努力しているその環境と条件というのが、国全体の外交だ、あるいはまたその総理の姿勢だというものの中でなかなかその成果が出てこない、あるいはまた促進されていかないということのもどかしさというのは大臣も感じておられるでしょうし、我々も客観的に野党ながら見ておって極めて心配をいたしているところであります。  そういう点について、私の考え方、中川大臣の所見がありましたら、お伺いをいたしたいと思います。
  36. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) おなかの中でどう思っているかは別にいたしまして、ちょっと言葉を選びながら言わないと内閣不一致と、こう言われますんで。  確かに踊り場という言葉は、私は二つの意味で誤解を招きやすい言葉である。私も実は、渡辺先生のその表現を盗んだわけではございませんけれども、よくそういう表現を実は私も使います。踊り場というのは下の踊り場もあるでしょうと。これが、もう半年近くそういう表現が使われているということは、一体いつまで、どっち向いた踊り場なんだという誤解を与えますというふうに私は思っております、決してこれは内閣不一致ではないという前提で。  それから二点目は、不安定要素が今後出てくるということを今、先生も御指摘になりました。原油価格等の問題、あるいはまたアメリカ経済、ヨーロッパ、ヨーロッパが今、憲法問題でがたがたしておりますけれども、そういった外的な要因で、本当に踊り場ということは要するに少なくとも力強くない状態を指すわけですから非常に不安があって、この石油、特に中東の我々直接関係ある石油がここのところ大変高騰してきているということも影響を及ぼす。文字どおり、内需あるいはまた中小企業に影響があると思っております。  そういう意味で、トータルとしては確かに瞬間的には実質GDPあるいは雇用情勢等が数字が良くなっている、有効求人倍率も全体としてはいいんでしょうけれども、我々、特に経済産業省はミクロを見る立場でございますので、地域、業種あるいはまた規模等できちっと見なければいけないんで、全体として年率五・三というのが直近の数字でございますけれども。  昨日、私、万博、ナショナルデーへ行ってまいりましたけれども、大変あの地域は元気がいいわけですが、北海道とか東北とか、あるいは南九州といった地域はまだまだ厳しいですし、特に中小企業、渡辺先生の御地元の中越地震の影響もまだまだ残っていると思いますし、災害等々が常に中小企業に真っ先に影響が来るという影響を考えますと、我々としては引き続き注意深くこの状況を見守り、迅速に対応すべきところはしていかなければならないというふうに考えております。
  37. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 是非、画一的、金太郎あめ的政策でない施策をやっぱりやっていかないと、時代が非常に難しくなっていますね。昔のように単調じゃありませんわね。特に、ここのところ中央と地方との格差が出てきている、今の勤労者の所得だけではなくとも。  かつて私は、情報というのは、どんなに地方で生活しておって、どんなに地方経済活動をやっても中央の情報は入る、世界の情報は入る、だから情報時代というのは中央と地方との格差の是正の大きな役割を果たすんだということを言った記憶がありますけれども、しかし、現実にはなかなかそうはいかないですな、これは。本当にどんどんこのままでいくと格差ができますね。  そこで、時間がなくなってきましたから、私、また実は明後日か、一般質問の時間もいただいているようですので、そこで少し、今日の質問の大方は実は、地域経済に対する大方の質疑を実はまだこれだけ残っているんですよ。やっぱり自分でしゃべっちゃって駄目なんですね。  それで、続きはそっちの方にもやりますけれども、言うならば、経済産業省産業、業界に対する政策と地域における地域経済政策ということを、大臣のときに思い切ってひとつ大胆な分割展開というかな、そういうものを一回お考えになって諮問されてみたらどうかと思うんです。  というのは、私は前から中小企業政策、これ私も中小企業と言いましたけど、中小企業というのは中小企業さらには零細企業と入るのが本当なんですね。大企業、中小企業で終わっているんですね。だから、中小企業基本法を見直して、是非零細企業小規模事業者というものに対する視点の、観点からの政策というのをつくってほしい、そうでないと地域経済につながりませんよと、五年前、六年前にこの委員会に私はおりましたときに、党は違いましたけれども、私は、当時あれ、与謝野君だったか、大臣が、そういうことを僕は話をしたことがあります。そのときは受けてはくれるんだけれども、なかなか法律改正のところまで入っていかない。  それはいいとしても、しかし具体的な政策として、私はもう今の段階で、沖縄は沖縄の中小企業政策、小規模事業政策、九州九州中小企業・小規模事業政策、北海道は北海道として九州にない小規模事業政策ということを、基本的にはやっぱり地域特異な、独特なその地域ブランド、正にそういうもの等生かし合いながら、地域の特徴のある経済力というのを引き出していくという政策があってしかるべきではないかということを私は今日、いずれ一般質問のときにもちょっと申し上げたいんですが、かつてそういうことを中小企業庁の皆さんにも、本格的に考えられないかねということを申し上げたことがあるんです。  それには、いわゆるちまちました政策でなくて、いや、今現在やっていることも承知しているんですよ。承知しているんですけど、思い切った政策で、あるいは援助政策、例えば具体的に一つのアイデアで、これ単なるアイデアですよ、アイデアで、何だそんなちんけな話ということになると思うんですけど、電源立地の地域があります。ここに対しては、そこから出てくる電源立地交付金というのがあるわけですね。これを思い切ってその地域にぶち込んでみる、その地域活性化のためにですよ。電力を安くするとかそんなつまらぬ話じゃなくて、もっと大胆に骨太にやってみろというようなことで、財源だってあるじゃないかと、経済産業省として。ということを、それはしかも電源立地市町村に対しての交付金というのは制度としてあるわけです。あるわけですね、制度として。そういうものも生かしながら、骨太の政策を考えたらどうだ。  原子力発電所を持っている県がその交付金だけ持って、道路や橋やそんなものを直すところまで銭やるんじゃなくて、いわゆる産業を興す、あるいは人を育てる、そういう地域経済活性化のために資するような交付金を役立てていくようなことは考えられないものかねと。これは単なるアイデアかも分かりません。しかし、やれないことではないなという感じ、私のささやかな経験上も、一回勉強していただけるような機会があったら大変有り難い。中小企業政策と、中小企業庁なんかだって、年じゅう、年がら年じゅう、前の予算から比べて見て、望月長官に何も嫌みを言うわけじゃないけど、まるで惰性とマンネリの予算化みたいな話じゃ、そんな駄目ですよ、これ。  思い切ったことを一回やってみろとこの間もハッパ掛けたんですけど、一回是非大臣、来年度予算、概算はまだ先ですけど、ちょっと一回特徴ある政策を中川大臣の当時の政策として、これも立派なものであります、ブランド商標も、商標法ブランドのあれは大変立派な政策ですけど、是非考えをしていただけると非常に地域において期待感が出るなと思うんですけど、いかがでしょう。
  38. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 御指摘はそのとおりで、正に政治家ですから、新潟県の、あるいは熊本県の、あるいは北海道のということになると必ずオーダーメードということになってくるわけで、中小企業零細企業がその九九・七%を占めているわけですから、ですから、そこに対してどういうふうに、よりその政策が実効性が上がるようにということは、私自身、常日ごろ漠然とは考えているんですけれども、具体的なところ、決定打といいましょうか、戦略がまだ見付かっておりませんので、近々お伺いして渡辺先生にじっくり御指導いただきたいと思います。よろしくお願いします。
  39. 渡辺秀央

    ○渡辺秀央君 ありがとうございました。残りはまだ山積みされていますけれども質疑は。今日はこれで一応、次の質問者に渡したいと思います。  ありがとうございました。
  40. 松あきら

    ○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。  渡辺先生の格調高い御質問の後で、ちょっと細かい質問になるかもしれません。それと、かなり通告いたしましたのも重なっておりまして、カット、カットというところもありますので、ちょっとその辺も御承知おきいただきたいというふうに思います。  今回の商標法改正案では、地名入り商標について、商標の使用により一定程度の周知性を獲得した段階で、一定の要件を満たす団体団体商標として登録を認めようとするものであるわけでございます。私の地元の神奈川県でも、例えば鎌倉彫ですとか、それから小田原漆器、小田原かまぼこ、これ有名なんですけれども、そうした地域ブランドがございます。  先ほど大臣が、地域ブランド確立のために、あるいはブランドづくり日本のお役に立ちたいといううれしいお言葉いただきましたけれども、その地域団体商標登録するには具体的にどのような要件を満たす必要があるんでしょうか。また、小田原かまぼこのように、現在、図形を組み合わせて商標登録しているんですね。今後、図形を組み合わせないで例えば文字のみで商標登録する場合、どのように地域団体商標登録することができるのでしょうか、お伺いをしたいと思います。
  41. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 今回の地域団体商標登録に際しましては、その要件といたしまして、まず出願団体が要件に適合している適格団体であるか、それから商標周知性の要件を満たしているか、それから当該商品、役務と地域とが密接な関連性を有しているか、こういった法律上の要件について具体的な審査を行うことになるわけでございます。現在、地名入り商標については原則登録が認められておりませんが、今御指摘のありましたように、図形入りで文字と組み合わせて商標登録をしている小田原かまぼこといったケースがございます。  今回の制度は、文字商標につきまして、一定の周知性を獲得したと、それでもって初めて登録をするという制度でございますので、既に図形入り商標登録を受けた団体であったとしても、改めて文字のみの商標について商標出願をしていただくことになります。
  42. 松あきら

    ○松あきら君 そうした場合、周知徹底されているから認めるというような状況になるんだというふうに思います。  今の周知性の要件を満たすという話がありましたけれども、正にそうなんですけれども、例えば周知性というのはどのように判断されるのかなと思うんですね。もちろん隣接都道府県に及ぶ程度の範囲における浸透性とかあるんですけれども、その地域ブランド確立するには一般に長年の努力と多額の金額が必要なのかなというふうに思いますけれども、近年、インターネットを活用した宣伝、広告宣伝ですね、これが活発に行われております。比較的短期間に、しかもお金を掛けずに周知性を獲得することも考えられるわけですね。  こうしたインターネットを活用した場合についての周知性の判断というのはどのようになるのでしょうか。お尋ねいたします。
  43. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 今回の制度の下で、周知性につきましては、商品、役務の特性にもよりますが、私どもは、例えば隣接都道府県に及ぶ程度の範囲における浸透、そういったものが必要であるというふうに考えております。  これを具体的に判断するに当たりましては、例えば、その商標をどれぐらいの期間使っておられるか、どういう地域でそれを使っておられるか。あるいは、その商品、役務の生産販売の数量、これは先ほどの渡辺先生の御指摘がありますんでいろいろ考えますが。それから、営業地域がどの広がりになるのか。それから、広告宣伝の方法、回数、内容といったもの。それから、自らではなくて、そういった地元の努力が一般紙、業界紙によって記事として取り上げられる、取材をされる、そういったものの回数、内容。それらを総合的に判断をして審査をすることにいたしております。  今御指摘のインターネットでございますが、昨今の技術革新の成果、これを使ってビジネスに生かしていくというのは当然のことではございます。インターネットを使いまして、地域がその地域の特性を有している商品、役務につきまして、宣伝広告あるいは販売をしたりするということがどんどん増えております。  これは、私どもはこう考えてございます。従来の新聞、テレビ等によっていろんな広告宣伝、あるいはパンフレットを使った通信販売といった販売もございます。そういった広告宣伝、あるいは販売方法の一形態ということでとらえまして、周知性の判断に当たりまして総合判断の際の考慮要因にしたいというふうに考えてございます。  具体的な手法につきましては、いろんな関係者の御意見も踏まえながら審査基準を定めて、これをまた対外的にも明らかにしていきたいというふうに思ってございます。
  44. 松あきら

    ○松あきら君 インターネットというのは、新しいというか、最近、近年なわけで、これがもうずっと続いてきていないので、これからこれに対してはいろいろ対処なさるのだというふうに思いますけれども、インターネットで広告宣伝をしても、それが例えば販売につながっている、生産量につながっている、あるいは広告内容も、すばらしい記事もたくさん出しているなんということになると認められるというふうに解釈していいのかなというふうに思うわけでございますけれども、やはりこうしたインターネットなどを活用するやり方というのもこれから増えてくると思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  一口に地域との関連性といいましても、その当該地域商品生産している場合もあれば、その地域では生産していないものの、その当該地域の原材料を商品に使用しているという場合があるわけですね。  これは、例えば伝統的工芸品産業の振興に関する法律、伝産法と言うんですかね、これ、で指定されております南部鉄器、これは岩手県の南部藩、盛岡市だけでなく、伊達藩の水沢市でも製造されているそうなんですね。これを地域団体商標とする場合、伊達藩の水沢市における製造事業者対象とするのかどうか、お伺いしたいなと思います。  先ほど、魚沼産のコシヒカリ、実はちょっと調べましたら、コシヒカリというのは実は福井県が原産地なんだそうでございましてね。そうすると、魚沼産は新潟県。でも、ここで申し上げるわけじゃないんですけれども、実は塩沢のコシヒカリというのを私も、とあるところからちょうだいして、いただきました。そして、たくさんあったもんですから私の姉にもおすそ分けしましたら、とにかくおいしいと。それで、取ったんです、姉は、わざわざここの袋を、捨てていた袋を、どこだったかしらということで。  先生、渡辺先生、確かに塩沢産のコシヒカリというのは、これはたまたま私もいただいておいしいなと思うんですけれども、これで考えると、福井県となっているわけだから、これどうなるのかなというふうに、この二点、ちょっとお伺いをしたいと思います。
  45. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 商品、役務と地域との関連性の御指摘でございます。  地域団体商標におきます地域名というものにつきましては、私どもは、今の都道府県や市町村名というだけではありませんで、御指摘のような南部とか歴史的な地域名も含まれるというふうに考えてございます。  御指摘のように、確かに水沢市は旧伊達藩に属する地域でございますが、例えば水沢市で生産される鉄器の製法、作り方が南部地域に由来している、まあ技術交流をやっていたということのようでございますが。あるいは、主要な原材料、砂鉄、銑鉄といったものを南部地域から昔調達していたとか、そういった地域との関連性があれば地域団体商標登録が可能であるというふうに考えております。  現に、委員御指摘の伝統的工芸品産業の振興に関する法律におきましては、水沢市は盛岡市と並びまして南部鉄器の製造地域ということで告示もされているところでございます。
  46. 松あきら

    ○松あきら君 それでは次に、地域ブランドの保護について、商標法以外の法律との関係でお伺いをいたしたいと思います。  今回の商標法改正案では、地域ブランドの便乗使用に対し適切な対策を講ずることができるようにすることによりまして、その地場産業競争力の強化や地域活性化支援ということが目指されているものというふうに私は思います。  しかし、その地域ブランドの取組につきましても、例えば有名な関サバなんですけれども、文字で表示するのだけではなくて、単に言葉だけで販売するような場合には商標法では保護されないというか、それは困難だと思うんですね。  この場合の生産者や消費者の保護については、公正取引委員会の不当景品類及び不当表示防止法の対象になるのか、あるいは刑法の詐欺罪の対象になるのか。どのような保護が与えられるんでしょうか。
  47. 山木康孝

    政府参考人山木康孝君) 景品表示法の規制の対象となる表示につきましては、口頭の表示も対象ということで規制の対象になるわけでございますので、先生の御質問については対象になるということでございます。  ただ、口頭の場合には、その証拠の問題もございますので、なかなか文字に残らない場合には規制しにくいというか、事実上の問題はあろうかと存じますけれども、口頭についても法的には対象になるということでございます。
  48. 松あきら

    ○松あきら君 じゃ、口で言っていれば消えちゃうからいいやいいやということでどんどんやってしまったらいけないということですね。分かりました。これはしっかりと皆さん、よく聞いておいていただきたいなというふうに思うわけでございますけれども。  それから次に、地域ブランドの品質確保についてお伺いしたいと思います。  地域団体商標制度は、一定の商標を使用した商品の出どころの識別を目的とするものでありまして、地域団体商標を使用している商品の品質を保証するもんじゃないわけですね。しかしながら、消費者にとっては地域団体商標付きの商品を品質の高いものとやっぱり、いいものというふうにやっぱり判断するんですね。私などは、特に女性はそうかなというふうに思います。南部鉄器の話もありましたけれども、やはり普通の鉄器よりはいいのかな、品質もいいんだなというふうに、こう思うわけですね。それで一般的には商品を購入することになるというふうに思うんです。やはり、その地域ブランド商標権として保護するだけじゃなくて、商品の品質を確保する取組、これも併せて実施していただきたいと。  商品の品質を確保するために政府はどのように取り組んでいらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
  49. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 御指摘ありましたとおり、今回の地域団体商標制度というのは、地域名と商品名から成ります一定の周知性を獲得した商標、これを保護をするということが目的でございまして、その商標を使用した商品の品質を直接保証するものではないわけでございます。こういった商品の品質あるいは産地というものが正しく表示されているかどうかにつきましては、JAS法でありますとか景表法、こういった法律によりまして規制をされているわけでございます。これらの法律は、商標登録を受けるか受けないかにかかわらず、事業者方々は守らなければならないルールであるわけでございます。  今回の商標改正法の中では、地域団体商標として登録を受けるために、地域名が地域との密接関連性と、商品地域との密接関連性というのを問うておりまして、具体的には商品の産地でありますとか、先ほど来議論になっておりますが、役務の提供地、それから原材料の産地、そういった商品と密接な関連性を有するものであるということが要件になってございますので、我が商標法の中でも関連性を失った場合には無効審判の対象にさしていただいているところでございます。  以上、申し上げましたように、直接今回の法律商品、役務の品質を保証するものではございませんが、事業者方々団体方々が規制法を守りながら、また今回の地域名と商品名の密接な関連性を守りながら、地域団体商標登録を受けた方々が第三者による不正なただ乗り、フリーライダー、これを止めることができるようになるわけです。したがいまして、安心して自らの商品や役務の品質向上に向けての努力あるいは投資、そういったものがやりやすくなるということが言えると思います。それができますと、全体として品質の向上あるいはブランドイメージの一層の向上というものが期待されるわけでございます。  いずれにしましても、私どもは関係省庁とも連絡取りながら、各関係省庁の制度が役割分担に応じまして的確に運用されるように意見交換等を進めていきたいと思ってございます。
  50. 松あきら

    ○松あきら君 非常にうれしい今の御答弁であるというふうに思います。やはり、登録はしたものの品質が非常に落ちてしまったりしたらこれは無効になりますよと、だからいい加減なことしちゃ駄目ですよということを併せてしっかりと見ていくという御答弁だったと思いますけれども、これは非常にうれしいことでございまして、是非よろしくお願いをいたします。  あともう少し。  ブランド品という話も出ました。私も、まあやっぱり女性は皆ブランド品が好きなんですね。余りブランドブランドしたものは好きじゃないなんて言いながら、実はやっぱり何となくブランドが付いていると安心感があるかななんて実は思ったりなんかしちゃうんですけれども。偽ブランドと知りつつ買う方もいるわけですね、正規品よりも随分安いとか、そっくりだから安くてうれしいとか。だけれども、また反対に、それは全然知らなくてだまされちゃって買う人もやっぱりいると思うんです。  やっぱり偽ブランドを持つと、あるいは身に付けるということは、これは良くないことだというやっぱり消費者側の意識も私は目覚めさせていかなきゃいけないのかなというふうに思うんですけれども、これに対する取組というのは何かしていらっしゃるんでしょうか。
  51. 保坂三蔵

    ○副大臣保坂三蔵君) この件は私どもの方から御答弁申し上げます。  昨年の十月から経済産業省が各省と連携いたしまして、模造品や海賊版の撲滅キャンペーン、これやってまいりました。官邸にあります知財対策本部、そこには政府の模造品・海賊版対策総合窓口というのを設けまして、いろいろ、あらゆる手だてをやってまいりました。今年に入りましてからでも、実はその窓口に来ました相談が百二十二件、そのうち国内だけでも六十九件のやはり模造品や海賊版の届出があったわけですね。結局、売る側が絶えないといいますけれども、買う方も絶えないという実情で、意識の変革をしていかないとどうしようもないんです。  我々としても、世論調査を昨年やってみたところでは、これは内閣府ですが、模造品を買うのも仕方ないとか、あるいは買ってもいいという答えをした人が四七%、それから、買っちゃまずいんじゃないかというのが三九・六といってですね、買ってもいいという許容範囲内に置いている国民の意識がまだあるわけですね。いわゆる良い物を安く買いたいというのは賢い消費者の知恵と言われますけど、悪い物を安く買いたいというのはちょっとおかしいといいますけど、その範囲の意識はどうしても改革できない。そこで、経済産業省もあらゆる、例えばインターネットのオークションサイトのホームページにもやりましたり、あるいはもうテレビ、雑誌、キャンペーン、いろいろやってまいりました。でっかいポスターも作りました。それから、文科省はとにかく教育からも入ってもらおう、警視庁は取締りですね、それ全部やってみました。  そろそろ効果も出てくるように期待をいたしますが、どうぞまた国会サイドからも御支援のほどをお願いして、国民の、悪い物、あるいは模倣品、海賊版を買うと結局はその業者を育てて日本産業が将来的にわたって悪い方向に行くと、あるいは育たない、こういうことを自ら認識していかなくてはいけない、このように考えておりますので、御協力のほどをお願い申し上げます。
  52. 松あきら

    ○松あきら君 すべて私は小さいときからの教育が大事かなというふうに思います。そういうこともしっかりと教育の中に入れていくべきだというふうに思います。  もう時間が参りました。  最後に、先ほどからお話出ておりますけれども商標法改正の趣旨及び内容というものをしっかりと周知徹底をしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
  53. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 きりたんぽ、稲庭うどん、比内地鶏、最近、秋田の食材は非常に全国的に売れております。秋田には、秋田名物、八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ、アーソレソレ、能代春慶、檜山納豆、大館曲げわっぱ。これ、民謡の秋田音頭なんですが、こうしたPRソングもかなり浸透しております。こうしたPRというのは地場産を大いにアピールするには大変必要だし、有り難いこの歌声が地元には残っている。これ是非御披露したくて、ちょっとPRでございました。  さて本題に入ります。  今回の改正が地域ブランド確立地域活性化を目指している、これは大変有意義でありまして、委員の皆さんから何度も出ますが、大変期待されるべき面が多いんではないか思います。一方では、ちょっと注文付けますが、全体の枠組みと申しますか、その基準があいまいな部分がちょっと多いんじゃないかという感じもいたします。  行政の区画名、それから旧地名、ということは、さっき南部の話が出ました。南部というのは岩手県が中心ですが、奥南部といいますと青森県、さらには秋田県にも一部南部の地域がございます。で、この旧地名、それから海域名、山岳・河川名、広く対象としているとしておりますけれども、ここもちょっと漠然とした感じがいたします。この部分だけ質問しちゃいますと、時間、あっという間になくなってしまいます。  そこで、これはまたお答えいただければいいんですが、百四十八人の審査官のその審査の部分にこれ絡めていきたいんですが、審査官がどのような範囲でどんな判断を下すのか。いろいろ気になるんですが、どんどんどんどん特産品、それから地域ブランド、申込みが来ると思いますが、これを判断する段階で専門分野の方の導入というのも、先ほど外注というお話が長官から出ましたが、外注ではなくて、その専門部員の皆さん、専門的な目を持った人たちがこの百四十八人の審査皆さんの中に加わる可能性はあるのかないのか、その辺ちょっとお考え、伺いたいと思います。
  54. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 今回の地域団体商標審査につきましては、通常の商標審査と同じように、特許庁審査官が当たります。  今回、従来の商標審査事項に加えまして、団体適格性、あるいは商標周知性、地域との関連性と、そういったものが新たな要件に加わってございますので、この新しい制度の導入に当たりましては審査基準をきちっと作りたいというふうに考えてございますし、その審査基準の策定に当たりまして、いろんな専門家を含めた関係団体、関係省庁の意見のほか、広くパブリックコメントで意見も求めたいと、それから審議会にも御意見を伺いたいというふうに思ってございます。  そういった基準をまず持ちまして、さらにはいろんな分野が出てくることが考えられますので、それに必要な研修を柔軟、機動的にやっていきたいと。それで、熟練度の高い審査官、ベテラン審査官をまず初期の地域団体商標審査に充てていきたいというふうに考えてございます。  それから、こういうのは情報交流がまた大事なものですから、審査官同士でこういうケースがあった、こういうことだったよと言って情報交流、意見交換をしていくといった、そういった仕組みも中ではつくっていきたいと思います。それから、元々商標制度では外部の専門家の意見を審査官は求めることが制度上はできておりますので、そういったものが必要であれば活用さしていただきたいと思いますが、関係省庁もいろいろかかわってまいりますので、まずは基準作りのところ、それから審査運用に当たって我々こういう運用をしているということについて情報提供し、また意見交換をしていきたいと思ってございます。
  55. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 ありがとうございました。  農業分野の多分申込みがかなり多くなると思いますので、その部分をちょっと専門分野という表現をさしていただきました。  秋になりますと、リンゴの収穫期なんか、農家組合の方では目ぞろえ会といいまして、目をそろえる、その判定基準を一緒にしましょうという、そういう会も開かれたりしますので、審査官皆さん、そうした目線というのも私は必要じゃないか思いましてあえて申し上げました。ありがとうございました。  次に地域ブランド、一朝一夕にして確立できるものではございません。そこに消費者に対する信頼、生産者の自信の関係、自信を持つ、これが不可欠だと思います。その積み重ねこそがブランドであると私考えますが、今回の法改正、認証まずありきという形でその後の展開ちょっとはっきり見えないんですが、新産業創造戦略の中でもブランド確立とデザインの戦略的活用をうたっていて、地域ブランド支援を打ち出しておりますけれども、ちょっと大枠でとらえて、この新産業創造戦略の中での、この立場から見た具体的な支援、どういった方策なのか、伺いたいと思います。
  56. 保坂三蔵

    ○副大臣保坂三蔵君) 先生お話しになった地域ブランドを育てることは、一方では消費者のためにも大変役に立つ、それからまた、地域経済へじかに好影響を及ぼすわけですね。しかし、問題は、お話もございましたように、地域方々が、やはり意識が高揚していって、そういう中から生まれてこないと、せっかくブランドが生まれようとしても芽を摘んでしまう。  そういうことで、我が省といたしましては、地域ブランドのアドバイザーズフォーラムというのを事業として発足いたしまして、こういう成功例があるとか、とにかく取組に促進してもらおうということで新しいシステムを構築いたしました。  それからもう一つ、個別ブランドですね。これはかねてからお話に出ておりましたジャパンブランドのように、とにかく商品の開発から販路開拓まで全部支援をしていこうということで、地域に育てるブランド世界に羽ばたくまで育てると、こういうことをやっております。これは既にやっておりまして、十億円以上の予算を付けております。  それから、今年新規に付けましたのがサービス産業創出支援事業。これは三十五億もおかげさまで付けていただきまして、地域のサービス産業考えて創出して育てようという、これも非常に期待をされております。  もう一つは、地域に埋もれている潜在的能力のある輸出有望銘柄。この案件を探して、発掘して、支援、育成していこうというんで、やはり一億円以上の予算を付けることができました。  いずれにいたしましても、とにかくきめ細かにやることが地域ブランドを育てる一つの要件だと、こういうように考えております。
  57. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 どうも、副大臣、ありがとうございました。  ちょっと細かい点で、今、日本ブランドジャパンブランドのお話が出ましたが、ちょっと、都道府県単位でもブランドの認証制度を行っているところがあるんですけれども、こうした単位の認証と今回の法改正との連関性、関連性というのは、これどのように持たせていかれるか、その辺ちょっと伺いたいんですが。
  58. 小川洋

    政府参考人小川洋君) 先生御指摘のとおりでございまして、都道府県や市町村の中には地域の産品に係るブランドを認証する制度を持っているところがございます。このブランド認証制度の下で認証を受けることによって、その産品あるいはその品質、その産地を需要者にアピールしていくということがうまく進むようになっているわけでございますけれども、その制度との関係を申しますと、そのブランド認証制度を受けたからといって今回の地域団体商標商標登録ができるということではありません。  ただ、こうした地域におきますブランド認証制度の下で、事業者方々が品質を向上させながらブランドの知名度を高めていかれる、そういった努力をされること自体が私どもの新しい地域団体商標制度の需要者における一定の周知性の獲得と、それにつながっていくという意味で非常に有効な手段の一つではないかとは思ってございます。  地域団体商標として登録をされますと、先ほどもお答え申し上げましたが、ただ乗り防止できますし、これまた排除ができるようになりますので、安心して自らの商品、役務の品質向上に向けた努力、投資というものができる。それから、ブランドイメージが地域全体でまた上がっていくということで、両々相まって進んでいくのではないかというふうに思ってございます。
  59. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 今年度から経産省で始めました地域ブランドフォーラムについて伺いたいと思いましたが、先ほど冒頭松村議員からも、九州元気があふれているとお話が出ました。今月の二十一日からずっと行われまして、北海道から九州支部まで随時行われることになっております。  ただ、ちょっと定員数が、九州は百五十人、東京が三百人、地域によっては二十人とか五十人と、規模がまだちいちゃいものですから、これは今年度からスタート、もっともっとつなげていただいて、その規模もどんどん広めていただきたい。  それから、ちょっと注文ですが、後援、協力には、やっぱり地元のマスコミ関係、新聞、テレビ、ラジオ等をフルに使うともっともっと情報の共有というのが、地域皆さん、そして県民の皆さん、都道府県の皆さん、広がっていかれると思いますので、これを是非要望として付け加えさせていただきます。  せっかく今日はおいでいただきましたので、この経産省の地域ブランドフォーラムとともに、農水省では今年度から地域生産者と食品産業を含む産学官が連携する食料産業クラスターの形成への支援、それから地域ブランドの開発、市場開拓への支援などを実施するというふうにうたっておりますが、農水省の方から是非この具体的な内容について御紹介いただいて、私の質問を終わらさせていただきます。
  60. 佐久間隆

    政府参考人佐久間隆君) 農林水産省としての産業クラスター、地域ブランドへの取組ということで御質問でございますが、産業クラスターの形成の手法は、地域の食品産業と農林水産業活性化を図る上で有効な手法と考えております。農林水産省といたしましても、積極的にその推進を図ろうとしております。  具体的には、地域の資源、人材、技術を有機的に結び付けます食料産業クラスター、これの協議会を設立するなど、異業種間の関係者の連携づくりを推進しております。また、このような場を活用いたしまして、原料取引等におきます食品産業と農業者等との連携でございますとか、地域の農産物を使いまして新製品を開発するあるいは販路を開拓すると、こういったようなこと。それから、議員地元の秋田では、稲庭うどん、大変な名産でございますが、こうした地域伝統食品につきまして規格化でありますとかブランドといった知的財産要素の保護、こういったことについて地域の取組がいろいろございますので、これを支援してまいりたいと考えております。  以上でございます。  どうもありがとうございました。
  61. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 中川大臣に質問する予定でございましたけれども、もし簡単に意気込みを最後にまとめとしてお話しいただければ幸いでございます。
  62. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 先ほどから各先生のお話を聞いていて、やっぱり地元に誇りを持ちながら、こういうすばらしいものがあるんだといういろいろなお話を聞いて、是非そういうすばらしいものを国としてもお手伝いしたいなという気持ちをますます強くしております。  ブランドという言葉は、私が前に聞いた話では、牛の焼きごてから、識別するところからスタートしたというふうに聞いておりますけれども、正にブランドという、今日、言葉が何回も出てまいりました。ジャパンブランドあるいは地域ブランド。誇りを持って、そしてまた自信を持って消費者に供給できる。消費者もまた、そういうブランド、魚沼塩沢のコシヒカリだったら多少高くてもおいしいんだと、ほっぺたが落ちるぐらいにおいしいんだということによって初めてブランドの価値というものが確立されて、そしてそれは守られなければいけないということだと思いますので、今日の先生方のいろんな御意見踏まえて、これから、まだ、さっき長官も何回か言っていましたけれども、実は細かいところ、確かにまだまだこれから議論するところが多々ございますので、またいろいろと御指導いただきながら、いいブランドづくり、そしてまたいいものを消費者に供給できるように、我々もバックアップさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  63. 鈴木陽悦

    ○鈴木陽悦君 時間を超過してしまいました。大変申し訳ございません。おわび申し上げます。  私の質問、終わらせていただきます。ありがとうございました。
  64. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  商標法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  65. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、藤原正司君から発言を求められておりますので、これを許します。藤原正司君。
  66. 藤原正司

    ○藤原正司君 私は、ただいま可決されました商標法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会及び公明党の各派並びに各派に属しない議員鈴木陽悦君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     商標法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、地場産業競争力強化及び地域経済活性化に資するため、事業者団体等の商品開発意欲を助長し、地域ブランド化を促進するための支援策を講ずべきである。    右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  67. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) ただいま藤原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  68. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) 全会一致と認めます。よって、藤原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川経済産業大臣
  69. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案の実施に努めてまいりたいと考えております。  ありがとうございました。
  70. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 佐藤昭郎

    委員長佐藤昭郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十一分散会