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国務大臣(
中川昭一君) 失礼しました。
もう直嶋委員御
指摘の、結論的にはとおりだと思います。
先ほど申し上げた
お話、やり取りさしていただいたように、チリだとかあるいは中東やアフリカの国の方と
お話ししても、
日本とFTAやりたいなんてこう言われるぐらいに、有り難いことではありますけれ
ども、やっぱり
日本は戦略を持ってやっている以上は、その戦略の第一はやっぱり隣近所という、まあ親しみを込めた意味で隣近所から、しかも中国にしても韓国にしても、中国はあれだけの国、韓国はOECDに加盟をしている先進国の一つの国であるというところが隣にいるわけですから、ここと経済
連携をしないで、やれ中南米だ、あるいはまた南西アジアだ、あるいはASEANだと言うのは、何か地元、隣近所と仲よくしないで何か隣の町の人と仲よくしても、これはやっぱりいろんな意味で不安定なことになるだろうと思います。今御
指摘のように、
貿易額が日中間が日米間を抜いた、それだけ中国の
発展がすごいし、何といってもお隣同士だということもあります。
それから、もう一つ重要なポイントは、先日の、先週の全人代の後に温家宝総理が記者会見を二時間余にわたったやつを私、詳細にちょっと読んでみたんですけれ
ども、温家宝首相は、経済
関係だけではなくて年間四百万人の
人たちがお互い行き来をしているんだと、やっぱりこの人の移動、まあ人の移動というか人の行き来の意味というものも非常に大きいわけでございますから、そういう意味で
関係をもっともっと
強化をしていきましょうと。また、王毅大使とも私も長時間一度
お話ししたことございますけれ
ども、彼も、彼というのは、私と同い年だそうでございますけれ
ども、王毅大使も非常にそういうようなことをおっしゃっております。
それから、よくASEANなんかに行くときに、我々日中韓が参加をしてASEANプラス3という会合をやるんですけれ
ども、そのときに、中韓日で三か国のマルチといいましょうか三か国会合と、お互い、バイを三つ、よくやります。そのときに必ず出てくるのが、日中韓のEPAをやりましょうと、こういうことでございまして、世の中見られているような
中川昭一ではございますけれ
ども、決してそのことを私は頭から排除をしてノーと言ってはおりません。是非、できるものならやりたいですねと。
ただ、これはお互いにとってメリットにしなければいけないわけでございますから、中国にとって
日本とやるメリット、あるいはまた
日本から見て中国とやることによるメリットというものがもちろん合致して初めてスタートするわけでありますが、今ちょっと直嶋委員からも御
指摘がありましたように、中国は二〇〇一年の十一月にWTOに加盟をして、そして加盟時の約束がまだ実行されていない部分もあるわけでございますし、何よりもこれはお互いに主権国家同士がある意味では主権を制限してでも約束をしようということで、その約束をすることの重要性、つまりそのバックグラウンドにはお互いの法制度の安定性というものが大前提にないと、この主権を乗り越えた、例えば関税を撤廃しましょうとか、お互いに、認証制度をお互いに任せ合いましょうとか、ある
程度、かなり譲り合う、お互いに譲り合うことでありますから、お互いの法的安定性なり、あるいはまたそれに従事する
人たちの
レベルなりというものが要求されるわけでございますので、そういう意味では日韓というのはその最低限を超えているわけでありますが、中国は今の段階では、今御
指摘ありましたように、法制度そのものの安定性、あるいはまた
知的財産権、あるいは投資ルールなんかが代表的でございますけれ
ども、その辺のことを早くやってくださいと。
冒頭の
予算説明でも申し上げましたが、模造品・
海賊版対策なんというのは、正直言って中国が最もその分野で大きな、大きな存在というか、悪い意味で大きな存在に現になっているわけでございますから、去年、薄熙来
大臣とお会いしたときには、それを撲滅するために五十万人を動員して今
対策を取っておりますと、五十万人とはさすがすごいなと、けたがやっぱり一つ違うんだなと思いましたけれ
ども、それにしても早く成果を見せていただかないとお互い、真の意味の経済
連携にならないので、その辺は我々としても一刻も早くやっていただきたい。そして、真の意味の経済
連携、そして、その後、
東アジア全体をどうしていくかということになっていくんだろうと思います。
現状は韓国、そしてまた、まあASEANの中にももちろんベトナムのように今WTO加盟申請中というような国もあるわけでありますけれ
ども、ASEAN全体としては一つのまとまり、お互いにルールを持ち合って、共有しているわけでありますから、そういう意味で四月からはASEAN全体ともこの問題をスタートさせようということになっておりますので、点と点を結んで一つの大きな
東アジアの面として、みんなでこの十か国プラス三で十三か国がお互いに、さっき分業という言葉を使いましたけれ
ども、それぞれの国の特性を生かして、トータルとしてこの
地域が
発展できるように是非したいというふうに思っております。