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参考人(
藻谷浩介君) こんにちは。
藻谷と申します。よろしくお願いします。
私は、本来こういうところに出るような立場の者ではございませんで、昭和三十九年生まれのまだ部下なし課長のような身分でございますが、たまたま今御発言もいただきました政策投資銀行という会社に多年身を置いておりまして、
地域振興をしなければいけない会社でございまして、私はたまたま大変ローカルなことが好きなものですから、そこで日々、融資のはるか手前の
地域の
方々の認識のすり合わせですとかプロジェクトの種まき、胞子まきのようなことをしております。
この一週間だけで十九の府県を回りながら十七ほどの講演や
議論のセッションをして歩いておりまして、その最中にこちらに呼ばれ戻ってまいりました。昨日はたまたま福島におりましたが、明日はまた全然違う兵庫の方に参りますが、そういう、行くたびにその
地域の地元の
状況、まあ手前みそながら、実は市町村で行ったことないところは
二つしかございませんで、必ず、どういうところか一応事前には分かっているんですが、
状況の
データを詳細に分析しまして、場合によっては四、五時間掛けてプレゼン資料を作りまして、それを地元の人と
議論をしてまいります。
今日は、そのほんの一端をお見せしながら
お話をします。私の申し上げることは今の二先生のおっしゃったことと実は全く矛盾しないんですが、ただ
地域問題は大変広いので、お聞きいただくと違うことをおっしゃっているようにお聞きになるかもしれませんが、ちょうどその
二つの中間のようなところを申し上げさせていただきます。
私も経験のない人間ですが、現場を回っている者として、お二人のおっしゃったことはそれぞれ私はごもっともであると思います。
黒川先生のおっしゃったことが、実は申し上げたいこともあるんですが、そうではなく、やはり現場で今こうなっているということについてちょっと
お話をします。
こちらの画面が動きますので、できればごらんください。(
資料映写)
これは、今、
日本で起きている問題の基本は何なのかということを
地域の方に御
説明するときに使う表です。皆様方の生きていらした時代はどういう時代だったのか、これからどうなるのか。一番分かりやすいのは実は
人口でございます。御存じのとおり、現在、
日本の
人口はピークを迎えました。ちょうど今朝の新聞にも載っていましたけれども、正に伸びが完全に止まりました。
ところで、比較的意識されていないのは、戦後五十年間に
日本人は八割増えたということです。終戦直後には七千二百万人、朝鮮、台湾の方を除きまして実は七千二百万人でございました。そこから五千五百万人増えた、五十五年間で。実は毎年百万人
人口が増えたのが戦後の
日本でございます。このことを比較的意識していないと、これから
人口が減るということについての認識がちょっと変わってまいります。
実は、百万人増えておりましたのが、国立研究所の中位推計によれば、毎年六十万人のペースで減っていくということになります。ですから、六十万の減少じゃなくて毎年百六十万の減少と、体感的にはそういうことになるわけです。そこのところのインパクトの認識が実は違うもので、いろんなところでちょっと
対応が後手後手に回りがちであります。毎年百万人増えるということは、さいたま市が一年に一個できるということですから、空前の建設投資、インフラ投資、そして家電製品も車も医療も食料もその分余計に売れるということが起きるわけです。それが、逆に毎年六十万、人がもし減るということになりますと、これは一年に一個岡山市が無人になるということでございます。そのような
経済にはっきり影響を与え、マクロ的には実は何とか影響を与えずに済むという
議論はあり得るんですが、ミクロレベルでは明らかに影響の出る現象が実は起きていると。ちょうど今私どもは今年その曲がり角に立ちました。
さて、ところで、その中で
東京だけは
人口が増えてまいりました。そこで、これは全国どこへ行ってもそうなんですが、
東京だけは成長し続けるというふうに思っている方が、
東京だけでなく全国にいらっしゃいます。それもそのはず、ここに書きましたとおり、実は、昭和二十五年を一〇〇としますと、平成十二年までの間に、五十年間に、一都三県、首都圏の
人口は二・六倍でございます。大阪、名古屋も入れたその他の
地域は実は一・三倍しか増えておりません。ですから、
人口面でいうと全くあたかも
東京の独り勝ちでございまして、その結果、過去、
東京に特にお暮らしの方は、
東京だけは永遠に伸び続けるという想定を持って
お話しになる。逆に
地方の方は、その伸び続ける
東京に比べて不利であるという比較をされる。ですが、果たして国際的に見てみるとどうなんだろうか、あるいは本当に今後とも
東京は伸びるのでしょうか。実は、予測の前に、実績として既にそうではないという数字が出ております。
次の紙をごらんください。
これは国勢
調査における就業者です。
雇用を見る場合に、どうしても有効求人倍率や失業率を見るのですが、それ以前に、全員に聞いている
調査である国勢
調査というものが実はございます。国勢
調査は仕事を求めていない人も含めた数でございますので、本当の実態が出てまいります。ちなみに、定住されている
外国人の方も入りますので、
日本が国際的に力があって
外国の方がたくさんお住まいであれば、国勢
調査上は当然反映されるわけです。
ところで、国勢
調査上は、昭和六十年、平成二年、平成七年と連続して、全国的にも就業者、仕事をお持ちの方は増えておりました。ところが、全国ほぼ同時に、平成七年をピークに、平成十二年には働いている方が減り始めているんです。このグラフの中には福岡と札幌と仙台、例外的に働いている方がまだ増えている場所を三つ載っています。ですが、ほとんどの方が御認識になられてないんですが、
東京も、そして
経済絶好調と言われる名古屋も、既に十年前から
雇用が減少に転じております。全く世間で言われていることと合わないと思いますが、現場を歩く実感としてはこちらの方が正しいと思います。事実、全員に聞いている
調査ですので、こちらの方が正しいです。
では、なぜ
雇用が減っているのか。理由は非常に簡単でございます。リストラではございません。国際
競争でもございません。定年退職です。
東京や、特に昭和二十年代に一番
日本で
産業の栄えた大阪、そしてそのころ繊維が絶好調だった名古屋、いずれも昭和二十年代に就職された方の方が、今就職されている方より圧倒的に数が多うございます。その結果、二十年代に就職された方が退職され始めたこの五年間に、どのように
産業が栄えても退職される方の方が多いんです。これは全く
失業者にはカウントされませんので、名古屋の失業率は低いですが、実は仕事を持っている方は絶対数として下がっている。
何が起きるか。可処分所得が下がります。ですから、その分消費が下がります。逆に、企業の方は、退職者が増えますと当然人件費の負担がなくなっていくので、一般的には企業収益は向上していきます、コストダウンによってですね。その結果、消費不況なんだけれども企業収益は好調と、景気指標上は景気がいいという現象が起きます。これが、今世の中で景気がいいと言われているのに実感がないというものの
一つの大きな理由であります。ほかにも要因はあるんですけれども。
どちらが正しいのか。実は、景気はいいし、
雇用は減っているんです。つまり、
二つの矛盾すると思うものを矛盾すると考えることが実は間違っています。逆に言うと、景気がどんなに良くても、
失業者じゃなくて退職者が増えて
地域の
経済、消費が細っていくのをどう対策するかということを景気とは別に考えなくてはいけないという、非常に明らかな問題が起きてまいります。御存じのとおり、六十歳というのは全く元気でございまして、
日本の平均、八十五歳まで平均余命が団塊の世代はあると言われておりますが、その後二十五年どう過ごされるかということが若い人の
雇用をどうつくるかというのと同じように重要になるということです。
さて、ところで、それが
一つ典型的に表れているのがこれでございます。
これは
日本のメーカーさんで働いている方の
人口なんですが、余りこういう年齢で物を見るということはしないんですが、国勢
調査には実は
データがありまして、簡単に取れます。メーカーさんで働いている方の数を五歳刻みに取ってみます。全国合計ですが、ごらんのとおり、メーカーさんで働いている方は石油ショック以前に採用された方が極めて多いです。その結果、平成十二年、五年前で四十五歳以上の方がとても多いです。
ということは、どうなるでしょう。実は、
日本のメーカーがどんどん空洞化するという御懸念もあるかもしれませんが、この数字を見る限り、若い方はちゃんとコンスタントに採用されております。ただ、石油ショック以前の、そして円高不況以前の採用レベルから一段下がっているわけです。したがいまして、この
方々が今後十五年ぐらいの間に定年退職されていきますので、その間、
日本の製造業は仮に絶好調でも年々
雇用を減らすという、そういうことになるんです。
もちろん、そこにこの
方々の持つ技術の継承といった話もあるんですが、私が申し上げたいのは、
地域経済全体にとっては、製造業はもうこの現象を見込んでおりまして、優れた会社は対策を立てております。ですが、
地域経済についてはこれだけの数の方が具体的に可処分所得が減るということになるわけなので、実は絶好調と言われている名古屋などの
経済に大きな影響が出てまいります。
さて、更にそれに加えまして、今後の高齢化という問題なんでございますが、仕事を退職しましても皆さんお元気でございます。ですが、さすがに七十を超えると約一割の方がいろんな
意味で不自由になりまして、人の助けが必要になります。わずか一割でございますけれども、七十歳以上の方の
人口が増えれば、歩けない一割の方も増えます。
ところで、
日本ではどこで七十歳以上の方が増えるのでしょうか。この話、私、四、五年前から申し上げておりましたが、最近別の方が本にも書かれまして割に有名になってまいりました。
日本では、今、田舎と言われている、私の故郷、例えば
山口県などは非常に高齢化が今後進むわけですが、そういうところと、今、都会と言われている
地域があります。全く別の動きをします。今、
地方と言われているところでは、今後もうますますお年寄りが増えるんですが、その結果、
人口に占める七十歳以上の比率がもう軒並み四人に一人の世界へ入ってまいります。
ところで、今、
日本で一番高齢化しておりますのは島根県でございますが、まだ一七・八%、
人口に占める七十歳の比率は一七・八でございますので、その水準を大きく超えることになります。ですが、よく見ますと、二〇二〇年には首都圏、
大阪圏、愛知圏のそれぞれの圏も、いずれも二割前後まで七十歳以上の方が増えます。いずれも今の島根県の水準を向こう十五年の間に上回ってしまいます。
ところで、
大都市圏と
地方圏の中間にある、福島も一部そこの辺りなんですが、あるいは宮城、栃木、群馬といった辺りはその中間ぐらいなんですけれども、比較的お年寄りが増えない割に高齢化もそんなに進まない、まだ恵まれた
地域と言われております。
ですが、例えば埼玉県をごらんください。この予測は市販のパソコンで作った予測をそのままコピーしたもので、細かく
議論すればできますが、大きなトレンドはだれがやっても変わりません。埼玉県では、七十歳以上の方が十二年から三十二年にかけて二・五倍に増えます。
東京周辺の五都県百二十四市町村の合計、
東京都市圏で見まして二・二倍でございます。
つまり、このことに対する変化を織り込まずに
地域構造を
議論しておりますと、これ足下をすくわれることになります。何分、今、埼玉は
日本で一番お年寄りが少ない県です。
人口の八%しか七十歳以上の方ございません。これが一気に二〇%になる。なぜですか。この間に団塊の世代が七十代を超えるからです。
日本で一番団塊の世代を
地方から集めたのは
東京でした。そして、
東京に出てきた団塊の世代が一番たくさん家を買われたのは埼玉県でした。その次が千葉県であります。それから神奈川県であります。それから多摩
地域であります。いずれも
日本で最もお年寄りの増える
地域になるわけです。これは既に過去、ニューヨークや
ロンドンの近郊で起きたことです。これが
日本でも同じように起きる。そして、これからしばらく後に
上海で起きます。
さて、
東京大都市圏ではそのようなことでございますので、これはだれが、アバウトな予測というか、他人様のやられたものをただコピーしただけですけれども、七十歳以上の
人口が首都圏五都県三千万の世界
最大の
人口の
都市圏で約三百二十万人ぐらい今後、二〇年ぐらいまでに増えるだろうと。二・二倍増。
もう
一つ実は問題があります。極めて少子化が進んでおりまして、赤ちゃんが少ないですから、実は今、子供を産むべき年齢の方の半分ぐらいしか赤ん坊おりません。出生率も一・〇ですが。
地方から今までのように、同じように若者を集められたとしまして、何が起きるか。十五歳から三十四歳に限っていいますと、二百五十万人減るであろうと。三割減でございます。面白いもので、
方向だけで物をしゃべる方は首都圏は田舎から人を集めるから大丈夫だとおっしゃるんですが、田舎から埋めて埋まるレベルの少子化ではございません。激しい少子化でございますので埋まりません。さらに、長男長女が増えているので、この予測どおり過去のように人が入ってくることはないと思いますので、もっと厳しくなると思います。七十歳以上の比率が一九%、首都圏全体で今の北海道北端の礼文島並みの数字になります。十五年後でございます。
というふうなことでございますが、しかしこれも踏まえた上で、じゃ
地方はましかと申しますと、決してそんなことはありません。
地方では、
東京ほどお年寄りは増えませんし、若者も実は
東京と同じぐらいのペースでしか減りません、子供が生まれていますので。ですが、元々財政基盤が弱い上に、言わば
東京からの所得移転で成り立っている
地域が多いわけでございますので、当然、
東京で集めたお年寄りを養うための公共投資が必要になるわけでございますから、
地方に配分する財源の捻出が非常に苦労されるということになります。
ところで、ここから先は、いや、この話にはしかしちゃんと
対応策はあると私は思っておりまして、そのことを各地で話して歩いておるんですが、その前に
対応策は何かということです。それは国際
競争力のある
産業を育てることなんでしょうか。明らかにそうでありまして、手前どもの銀行もその
一つの大戦略部門としてそういうことをやっております。ですが、それだけでは足りないために、ほかの分野として
地域という分野を立てております。
その象徴がこちらでございます。国際
競争力に勝っている一部上場企業の本社だけで七、八個あると言われておりますある
地方都市、
大都市圏ですが、A市の
中心市街地です。三十五年に完工したアーケード。そして、一時間に二十四本電車が来、一日に六万人が利用すると言われている駅前。昭和四十年代まで、通る人の肩がぶつかったと言われる昔のアーケード街の跡。そして、
中心街にあった地場デパート及び大手スーパーの跡。いずれも未舗装の更地状態若しくは建物がない状態になっております。そして、大変な工員さんの町で、極めて高齢化していません。
日本でも有数に
人口が流れ込んでいる
地域でありまして、慢性的な人手不足で、有効求人倍率はもうとっくに一を超えておりますが、飲み屋街というものがほとんどございません。これは、この町についてあげつらおうということではなく、
日本で
産業が進んだ町というのは大なり小なり、私のふるさとの
山口県の工場
都市もそうですが、大なり小なりこういう傾向に向かって進んでいます。
実は、外部から工場が所得を稼いでいるということが
地域に循環するかというと、しません。
別の例で、ちょっと極端な例ですが、主要
産業が非常に退潮に退潮を重ね、次から次へと
産業が後退していって、大きな企業が経営危機に直面しているある
地方のB市、くしくも先ほどのA市と商圏
人口はほとんど同じ規模なんですが、
中心街に最近このようにおしゃれなコーヒー店ができたり、はたまた、昔数十戸あった空き店舗が長さ一キロのアーケードで一けたになってしまったり、遠くの町に高速バスが二十分置きに出ているんですけれども、
中心街はたくさんの若い人が歩いている。郊外に大型店が建っているにもかかわらず、
中心街に同じ会社の大型店が残っているといった
ケースが実は起きております。
これは正に町の大きさでいうと、
人口二十万台の町、
都市圏合わせて三十万ぐらいの町ですが、何が申し上げたいかというと、実は所得でいうと、このA市とB市では一・八倍の差があります。A市の方が一・八倍所得が高いです、一人当たり。ですけれども、低い所得といえど、世界的に見ると極めて金持ちなんです、
日本というのは。企業がリストラされましても、実は流れ込む企業年金でも大したものがあります。そういうものをきちんと
地域内での消費に振り向けていることができれば、これだけの見掛けの違いが出てまいります。実際はこのB市、
失業者が大変多く、
経済は不振を窮めております。倒産も相次いでおります。極めて調子が悪いのでありますが、しかし、行った者には元気と活気を与え、また具体的に、開業しようしようと思った若者が、例えば飲食店や芸術関係の仕事をしようと思った場合に気軽に開業できる
環境がそろっております。それに対して、A市の場合には、例えば市内にファストフードはもちろん、ラーメン屋らしきものもありません。ショッピングセンターの敷金が払えなければ開業できないという
状況です。
このような違いはどこから出てくるのか。ここにちょっとA市、B市の数字を具体的にお示ししていますが、A市は
雇用が極めて増え、B市は減っているというような数字が出ております。A市は足下、実は出生率が非常に高いために、本州の
大都市圏ですが、沖縄県並みに
人口自然増加率が高い。少子化問題に
日本で最も対処に成功している町の
一つであります。それに対してB市は、もはや生まれる方と亡くなる方とんとんでありまして、早晩自然減少です。
よろしいでしょうか。この非常に所得が高く、
雇用が増え、
人口が流入し、子供がたくさん生まれていらっしゃるA市の市街地がこちらです。そして、もはや出生と死亡がとんとんで、極めて
雇用の減少が著しいB市の市街地がこちらでございます。実は郊外に行っても同じような感じで、A市は郊外も静かです。
これはどういうことなのか。実は中国との
競争に勝利した超貿易黒字
都市であっても
地域経済にお金が回るかどうかは限らない。出生率が幾らすばらしくても、子供が実際町を歩かないところでは実感できない。そして、
中心がなくてもだれも困らないと言っていましても、実は購買力が多大に流出する。
問題は四つあります。
所得相応の豊かさが実感できない。通勤者、出張者といった集客
交流人口がほとんど地元で消費をせずに帰っている。工場が仮に五十年後になくなっていたようなことが万が一あれば、実は郊外の道路、上下水道が大変なお金を掛かり、そして、実は市街地で上がっていた固定資産税は現状でもう極めて激減しています。そして何よりも、
地域で、
日本で、これは有数に、トップクラスに高い所得をサラリーマンの方も上げているし企業も上げているんですが、企業は工場にちゃんと投資をしていますが、
地域の住民の方はほとんど建物やお店といったものにお金を回していません。
つまり、これはA市の問題ではなく
日本全体の問題ではないでしょうか。つまり、
日本国全体では経常収支が史上最高に黒字でございます。御存じのとおり、いろんな問題はありますけれども、国際的に所得収支、貿易収支、いずれをとりましても大変黒字で、赤字を窮めておった観光収支ですら若干改善の基調にあります。ですが、そのことによって稼いだお金が、結果的にこのとおり、
日本人の所得相応に
地域に落とされない限り、実は
地域内における主な大企業に勤めていない普通の庶民にとっては仕事もなければ豊かさを実感できる空間もない、これが
日本の置かれている現状でございます。これは、私は都会も
地域も関係ない。
逆に言いますと、今後、非常に貯蓄は持ちながら退職される六十代の
方々が、こういう状態を改善するためにマイクロビジネス及びそこでの消費に回るかどうかということが、実は
地域経済を決定的に重要にするわけです。それを私どもは
地域の循環器系の再構築と申し上げております、大変偉そうなんですが。
そして、それに、さらにその中には、
都市化
地域内に機能を再集中して、後々高齢化してもお金の掛からない
地域構造にしなきゃいけないという
二つの問題、これが実はA市に象徴される
日本に出ております。
時間もなくなりましたので、この後に実は資料がありまして、具体的にこうだということがあるんですが、一体、私ども政策銀行、偉そうにこんな大所高所なことを言って、おまえら何やっているんだと。
一つは、このように世の中は、おたくの町では具体的にこう変わりましたと、実はこの前まではこうで今はこうなんですということをマクロ
データではなくミクロ
データで大変な作業をもって作りまして、順番に
お話をして、同じところに何回も行きましてありとあらゆる方に御
説明をしています。
そして、その世の中が変わったことに関して具体的にどういう手を打つか。まずは本当にラーメン屋のようなマイクロビジネスを起こすしかありません。で、それは実は私どもの融資対象にならないんですけれども、そういうふうなものをひたすら起こし、あるいはNPO
活動をどんどん
連携させていくということに、国の機関として人件費をいただいている、皆さんから、出資から人件費を払われている会社として闘うということでございます。
その中から、いずれ将来的には私どもが御融資できるような
事例が出てくるかもしれませんが、決して逃げではなく、いずれそういうことになるだろうという思いを込め、今は全く融資を受けるクレジットまでは至らないけども、いずれそうなるに違いない様々な
活動を支援する部隊というのをつくっております。まあ、ごく私どもの会社の一部ではございますけれども、今日はそちらから参りまして、ついでにそちらで最近まとめました本も一冊ちょっと置かせていただいています。
こんなことをやって本来の仕事から逃げているかということではなく、企業、
日本全国、全体の収支をきちんと黒字を維持するという仕事とは別に、傍ら、
地域の毛細血管を一から補修しようということを、こちらの地銀さんなんかに、あるいは信金様に教えを請いながら、一緒にやらせていただいています。
そういうふうないろんなビラなんかも幸い付けていただいていますけども、今後とも是非御指導をよろしくお願いいたします。
失礼いたしました。