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国務大臣(
大野功統君) まず、
イラク・
サマワへの
自衛隊派遣の
期間をどうするんだと、こういう御
質問でございます。
私は、従来から
四つの
要素ということを申し上げておりますけれ
ども、これは
四つの
要素を総合的に
判断する、総合的に
四つの問題を
考えながら
判断していくということと、もちろん自主的に
判断していこうと、こういう
意味でございます。
それからもう
一つ、それぞれのファクター、
要素に入る前に申し上げたいのは、やはり余り明快にこの問題を規定してしまいますと、言わば
反対勢力に誤ったメッセージを与えてしまう場合もあろうかと
思います。その点を御了解の上で、まず第一に申し上げたいのは
政治プロセスの問題であります。
政治プロセスは、
国連安保理決議一五四六に書いてありますとおり、既に
憲法起草委員会ができ上がっておりまして、八月十五日までに
憲法草案を作ろう、それから十月十五日までに
国民投票をやりましょう、そして十二月十五日までに議会を選挙をやって、その後、本年内に
本格政府、
移行政府から
本格政府をつくり上げていきましょうと、こういう
政治プロセスであります。これは正に
専制国家から
民主主義国家へ生まれ変わってもらう、こういう
意味で大変重要な
プロセスであり、
国際社会としてもこの
政治プロセスを完成さしていく、このことは注意深く見守っていき、またそれを
支援していく責務があると思っております。
それから、
治安の問題であります。
治安につきましては、今
自衛隊が
人道復興支援で活動しております。また、
現地の
治安組織、
治安機関もだんだんと育成されてきております。しかしながら、
自衛隊は言わば第一
走者みたいなものでございまして、第二
走者としてやっぱり
民間の
NPOなり
民間の手で
サマワの
復興をお手伝いできるようになれるのかどうか、これがやっぱり節目の問題だと
思います。まだまだそういう
意味じゃ、
NPO、
民間の
皆様が入って
支援活動できるような
状態ではないのかなと。この点は、やはり私は第一
走者自衛隊と第二
走者民間の人々の
支援の手、これをつなぎ合わしていかなければ、せっかく
自衛隊が築き上げた
ソフトパワーによる
友好のきずなという火を消してはならないなと、こんなふうに思っております。
それから、
イラクの
復興の
進展状況でございます。これ、極めて抽象的な表現にとどまりますけれ
ども、私はやはり
自分の目で
イラクを見てみまして、これはなかなか道半ばだな、
復興という
意味じゃ道半ばだな、こんなふうに思っておるところでございます。
そして、最後に、
国際社会の
動向でございますけれ
ども、
国際社会の
動向としましては、五月の末に現在の一五四六の
マンデート見直しが行われました。その際は
マンデート変更なしということでありますけれ
ども、やはり
安保理決議というのは、まず
政治プロセスを十二月末までに完了していこう、そして多
国籍軍の
マンデートというのは
政治プロセス終了までだと、こういうふうに書いてありますので、その辺をどういうふうに
判断していくのか、この
国際社会の
動向も極めて重要だと、こういうふうに思っておるところでございます。
いずれにいたしましても、
国際社会の責任ある一員として、私
どもは、やはり
イラクが
民主国家として生まれ変わっていくことについて、
日本の
立場、つまり
人道復興支援活動を十分にやっていこう、こういう意気込みで今後とも
イラクの
復興のため効果的な
支援を継続していきたいな、こんなふうに思っているところでございます。
それから二番目の、省の問題ということでよろしいのかと
思いますけれ
ども、省の問題につきましては、私、まず
防衛庁、庁という言葉は、何だか実務をこなしていく省であって、なかなかだれかの
命令で、だれかの
意思決定で動いていくような印象を与えているし、
一つ具体的に申し上げますと、例えば
予算要求権もなければ
法律提出権もない、こういうことであります。例えば、インド洋での
給油活動を見てみますと、
内閣総理大臣が油は提供しております、しかし
防衛庁長官が
自衛隊員は活動させていると、こういうような、何となく、よく
考えてみますと、おかしいなと思うところがあるわけであります。
今、防衛問題はだんだんと幅を広げていっております。
一つ例示的に申し上げますと、例えば昨年の
防衛大綱の改正、
見直しに当たりまして、
国際活動に重点を置いていこう、これなんかも随分と
判断の幅が広がっていく。その
判断をだれが一体やるんだろうか、こういう
意思決定の問題であります。
何よりも私、ここで先生に強調したいと
思いますのは、
安心をお届けする、
国民の
皆様に安全と
安心をお届けするというのは正に
政治の
基本である、
政治の要諦である、これはやはりそういう国の
姿勢を内外に示していかなきゃいけない。
私は、そういう
意味で、この問題を引き続き、いろんな党でそういう
議論をいただいたり応援をいただいております。本当に民主党の中でも御
支援をいただいておりますけれ
ども、この問題については
国民の
理解が一層深められることが重要だし、もう潮どきだと思って私はその問題、
防衛省にしたい、こういうことを申し上げ、この
努力を、今の流れの中でちょっと遅れておりますけれ
ども、この遅れにめげずに、めげずに頑張って、是非とも省に移行していきたい、このように思っておりますので、十分御
議論いただきたいし、また御
支援をちょうだいしたい、このように思っておるところでございます。