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政府参考人(
竹谷廣之君) お答え申し上げます。
今先生から御指摘のIUU漁船の対策についてでございますが、大型のマグロはえ縄漁船につきましては、まず統計証明制度というものをそれぞれの地域の漁業
管理機関を通じまして設けております。これによりまして、大型のマグロはえ縄漁船の船籍でありますとか、どういった漁獲
状況であるかということを把握することになっております。その把握を通じまして、IUU漁船、先ほど先生から御指摘がありました、違法であり、無報告であり、また無規制のそういった漁船の動きというものを把握しているわけでございます。
この地域漁業
管理機関の推計によりますと、二〇〇〇年の時点でこうしたIUU漁船が約二百五十隻いたという実態がございます。これに対しまして、各地域漁業
管理機関が協力いたしまして、
一つは、こういったIUU漁船から、IUU漁船の、便宜置籍の船籍を与えている国からのマグロ類の輸入を禁輸しようと、入れないことにしようという
措置をそれぞれの機関で決定いたしまして、それを踏まえて
日本としても
国内的な手当てをしております。現時点では、ボリビアとグルジアといった国からのメバチの輸入というものは禁輸になっております。それから、それだけではなくて、さらに、正規に登録した船からのものでなければ
日本に輸入できないというポジティブリスト対策というものを導入しております。これは各地域漁業
管理機関共通で取り組んでいるところでございます。
そうした
措置の効果も徐々に出てきておりまして、最近時点におきます地域漁業
管理機関の資料によりますと、先ほど二百五十隻と申し上げましたが、それがもうそれの十分の一程度のIUU漁船の数字になっているというふうに推計されているところでございます。そういった形で一定の効果が出てきているところでございます。
今後ともIUU漁船の動向につきましてはしっかりと注視し、ポジティブリスト対策等を通じましてしっかりと対応してまいりたいと思っております。
このほかに、実は近年、中
西部太平洋地域におきましては大型の台湾系のマグロの巻き網漁船といったものがございます。この巻き網漁船の増隻の動きがございまして、これの資源に与える影響というものも懸念されておりますので、これらにつきましてもしっかりと注視し、また
関係国への働き掛けをしていきたいというふうに思っている次第でございます。