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2005-03-30 第162回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十七年三月三十日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月二十五日     辞任         補欠選任      福本 潤一君     渡辺 孝男君  三月三十日     辞任         補欠選任      喜納 昌吉君     松下 新平君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         木俣 佳丈君     理 事                 橋本 聖子君                 脇  雅史君                 榛葉賀津也君             ツルネン マルテイ君     委 員                 秋元  司君                 泉  信也君                 魚住 汎英君                 佐藤 泰三君                 中島 啓雄君                 水落 敏栄君                 池口 修次君                 藤本 祐司君                 松下 新平君                 峰崎 直樹君                 遠山 清彦君                 渡辺 孝男君                 紙  智子君                 大田 昌秀君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策))  小池百合子君    副大臣        内閣府副大臣   七条  明君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        西銘順志郎君    事務局側        第一特別調査室        長        三田 廣行君    政府参考人        内閣府政策統括        官        武田 宗高君        内閣沖縄振興        局長       東  良信君        内閣北方対策        本部審議官    東   清君        防衛庁防衛局次        長        山内 千里君        外務大臣官房審        議官       遠藤 善久君        外務大臣官房参        事官       梅本 和義君        外務省北米局長  河相 周夫君        経済産業大臣官        房地域経済産業        審議官      薦田 康久君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法  案(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十五日、福本潤一君が委員辞任され、その補欠として渡辺孝男君が選任されました。  また、本日、喜納昌吉君が委員辞任され、その補欠として松下新平君が選任されました。     ─────────────
  3. 木俣佳丈

  4. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) 独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法案議題といたします。  本案については既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 秋元司

    秋元司君 自由民主党の秋元司でございます。  先週に引き続きまして質問させていただきます。よろしくお願いします。  今日は、沖縄科学技術研究基盤整備機構法案、大変長いタイトルになっています。この件についてまず質問させていただきたいと思います。  まず、沖縄につきましては、この本土と、また本土と格差の是正を図るために、沖縄振興特別措置法によって様々なインフラ整備又は政策を行ってまいりました。しかし、今現在、私の先般の質問でも触れさせていただきましたけれども、この自立型経済の構築は目下の課題となっているところであります。そのために何か目玉になるようなビッグプロジェクトが必要であり、当然そのビッグプロジェクト沖縄地域の特性を生かした、そういったことを忘れてはならない、そういうふうに思っております。  そういったことに、流れで登場したのが私はこの今回の大学院大学構想であると思いますし、私も大変これに期待をさせていただいているところであります。そして、そのまず第一歩が今回議題となっているこの研究基盤整備機構法案であります。私はそのように理解しておりますけれども、この法案を作るに当たって、まず目的を、大臣、ひとつよろしくお願いします。
  7. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) この独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構でございますけれども、目的につきましては法案の第三条に明確に規定をさせていただいております。すなわち、沖縄科学技術大学院大学の設置の準備、それに併せまして沖縄を拠点とする国際的に卓越した科学技術に関する研究及び開発等ということの推進とさせていただいております。沖縄における科学技術に関しましての研究開発基盤整備を図って、それによって沖縄の自立的な発展、そして世界科学技術発展に寄与するということを目的として設立されるものでございます。
  8. 秋元司

    秋元司君 今大臣がおっしゃった、正にこの大学院大学世界最高水準の国際的な大学院大学を創設するためにやるというお話ございました。そしてまた、当然この目的を達成するために、この法律内に運営委員会というものを設置されていると聞いております。この委員会役割についてお伺いしたいと思います。
  9. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) 運営委員会は、これは機構内部機関でございまして、将来、大学院大学世界最高水準のものとして開学できるよう、科学技術研究開発方向性大学院教育水準の確保など、高度な学識を必要とする機構運営に関する重要事項について議論するための委員会でございます。
  10. 秋元司

    秋元司君 済みません、これメンバーはどういった方がおなりになる予定でいらっしゃるんですか。
  11. 東良信

    政府参考人東良信君) 現在、この構想について議論をしていただいておりますボード・オブ・ガバナーズメンバー方々、これは名前を申し上げれば、有馬先生、それから黒川日本学術会議会長、それから利根川進、それからフリードマン等々のノーベル賞候補者ということでございます。そのほかに、沖縄県の関係方々、それから財界の方々も含めてメンバーになっていただければ有り難いかなというふうに思っております。  以上です。
  12. 秋元司

    秋元司君 私もリストを拝見させてもらいましたけれども、ノーベル賞を受賞したとか、私にとっては雲の上の人のようなばっかし、そういった方がこのメンバーに入ってこの計画に参画されると聞いております。そのためには、もうそれらの能力が十分に発揮されれば、我々が俗に言う、卒業したような大学とか大学院とは違った、国際的に、又は創造力あふれた大学院大学ができると私も期待させていただいているところでございます。  ただ、一方で、非常にこれは役所的な話でありましょうけれども、内閣府と文科省評価委員会がこの運営委員会決定云々に対して意見聴取を行うとされておりますけれども、この評価委員会役割というのをちょっとお伺いしたいと思います。
  13. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) 運営委員会につきましては先ほど御答弁をさせていただきました。一方、内閣独立行政法人評価委員会内閣府の機関でございます。独立行政法人通則法に基づいて、機構の業務の実績について機構の外部から事後的に評価を行うものでございます。この両者はお互い異なる役割を担うものでございまして、評価委員会評価法人自主性に配慮をして行われるものであり、その評価に当たっては、運営委員会において高度な学識を基に行われた審議内容を十分尊重するべきであるというふうに考えております。
  14. 秋元司

    秋元司君 本当に今おっしゃられたように、このボード・オブ・ガバナーズの先般の議論された、それで内閣府に出されたこの勧告の中でも、この評価委員会財政的側面に限定されるべしということを言っているようであります。運営上のトラブルが起きないように、事前に役割の分担をしっかりしていただいて議論をしていただきたい、そのように思っているところであります。  いずれにしましても、どんなカリキュラムを作って、どんな立派な大学院をつくったとしても、これを教える教授陣ですね、あとは学生、これが集まらないことにはこの大学院大学はスタートしないわけでありますが、まだ形は恐らく決まってないんでしょうけれども、おぼろげで結構でございますけれども、この正に教授学生、選定はどのような形で選定されるおつもりなのか、おぼろげで結構でございますからお願いできますか。
  15. 東良信

    政府参考人東良信君) 先生お話しのとおり、この大学院大学構想を成功に導くというのは人材が大変大切なことだというふうに考えておりまして、優秀な研究者学生を集めるということが必要不可欠だということでございます。大学院大学のこの研究者につきましては、現在、学長予定者であるブレナー博士のリーダーシップの下、また先ほど申し上げましたボードメンバー協力を得ながら、国内外から最新の研究をやっておられる方をリクルートするということでございます。  ちなみに申し上げれば、前回先行的事業研究事業をやりました。そのときには四名、四チームぐらいを公募をいたしたわけでございますけれども、百三十を超える立派な方々が集まったということでございまして、それもネーチャーだとかそういうところに広告を出しましてやっております。そういう意味で、研究者をそういう形で集めていきたいというふうに思います。  それからまた、学生につきましては、これも優秀な教授陣、優秀な研究者の下にはやはり優秀な学生が集まるということはもう自明の理でございます。したがいまして、そういうことは考えておると。  それで、ちなみにまた例を申し上げますと、現在シンポジウム的なものをやっております。ワークショップをやっております。これにつきましては、大体四十名ぐらい講習生募集するわけでございますけれども、これもネーチャーだとかそういうようなものを使ってやっております。それにつきましては、百二、三十人、三、四倍の方がおられる。ちなみに、大体日本人が十名ぐらい、海外におられる学生さんが大体その半分ぐらいと、国内が半分。残りは世界じゅうから、例えばスウェーデンだとかロシアとか、それからイスラエルの方とかアフリカの方だとか、そういうところから結構集まっていただいておりまして、それも毎回毎回テーマが違っていて、毎回毎回変わっているという状況でございますので、そういう意味で、雑駁な言い方でございますけれども、大学、いわゆる教授学生、そういう形での評判は付いておりますので、そういう形での募集の仕方、当然のことながら公募でございます。
  16. 秋元司

    秋元司君 そういった専門分野の方がお集まりなんでしょうから、我々がよく俗に言う受験して入る大学とは全く違う、そういった理解をさしていただいております。  当然、そういった専門分野の方でしょうから、年齢とかそういったものも関係ないんでしょうし、また、何というんですか、日本だったら、例えば大学に入る場合においては最低限の高等学校級の、何といいますか、学力があるとか、そういう、また大検を卒業するとか、そういったことがあると思うんですけれども、この場合はそういった何か規定なんかを設ける予定はあるんですか。
  17. 東良信

    政府参考人東良信君) この大学院大学になった場合は、やっぱり学位を授与しなきゃいけないということでございますので、どうしても一定の制約がございます。ですから、大学を卒業しなければならないということはございませんけれども、いわゆる大学卒とみなされるというような状況でないとなかなか難しいだろうと。  それから、いわゆる募集のやり方でございますけれども、基本的にはいわゆる受験をするという意味で、何といいますか、一堂に集めて入試試験をするような格好のものではなくて、やはり推薦状だとかそういう書類を出さしていただいてやるということだろうというふうに思います。いわゆるアドミッションAO入試方式でやるということだろうというふうに思います。その審査は、当然のことながら教授もなりますけれども、ここで言う運営委員会先生方もチェックをされて認められるという格好になろうかというふうに思います。  以上でございます。
  18. 秋元司

    秋元司君 ちょっとげすな話で恐縮なんですけれども、ちなみに生徒さん、これだけ立派な大学院ができるんでしょうけれども、大体どれぐらいの授業料とか考えていらっしゃるんですかね。
  19. 東良信

    政府参考人東良信君) 授業料というのはなかなか難しい部分がございます。ただ、これは外国の大学並みのことは考えたいというふうに思いますので、まあ日本のよりもちょっと高いぐらいでという感じはあるだろうというふうに思います。  なぜそういうことを申し上げるかというと、やはり大学運営するという意味においても、やはりそういう授業料といいますか、そういうものは大切な収入源でございますので、そういうことはきちっとやらざるを得ないだろうというふうに思います。  レベルは、最終的には決まりませんけれども、世界の有数の大学競争力として負けない、そういう状況だということでございます。
  20. 秋元司

    秋元司君 何といいますか、俗に言う文部科学省がやるようなテストとか偏差値とかいったような大学院じゃなくて、まさしく研究の成果を上げると、そういったことに徹した、言ってみれば、大学院というんでしょうけども、何かバイオ総合研究所、そんなニュアンスみたいな形の大学院ができることを私は期待をさしていただくところであります。  そしてまた、今ちょっとお金の話も触れさしていただきますけど、今回、これ予算措置、どのような形で捻出される予定でいらっしゃいますか。
  21. 東良信

    政府参考人東良信君) 予算措置でございますけれども、当面は内閣府の予算でということでございます。  それで、この予算の取扱いにつきましては、いわゆる我々がやっています沖縄振興計画、これの支障が生じないような形で各省庁の、関係省庁の御協力を得て手当てをしていきたいというふうに思っております。
  22. 秋元司

    秋元司君 大学院大学沖縄にできるときは、みんな誘致合戦もありまして賛成賛成だったんですけれども、決まった瞬間にみんな冷ややかになってしまうって、これが常でございまして。  やはり沖縄、年間三千億近く予算を国から出さしてもらっていると、そういったことの中で、これができれば恐らく百億とか二百億とか、それぐらいの予算掛かると思いますので、そうしますと、これが来る恩納村にとってはいいんでしょうけど、来ないところにおいては、これはある意味予算分捕り合戦になったときに、総枠の中で自分のところが削られてあっちに行くとかって、また変な話になってしまいますから、これは国家プロジェクトとして設けた新しいプロジェクトでありますから、こういう言い方をしたら怒られるかもしれませんけども、別枠としてしっかりこのプロジェクト用予算も措置していただけたらと、そのようにお願いをさしていただくところであります。  いずれにしましても、今回のこの大学院大学構想、また今回の法案を含めて、産学官連帯とそして国際連帯を軸に、ベンチャー企業等をどんどんとここの大学院の周りに集めてもらって正に知的産業クラスターを形成して、沖縄自立型経済につながる、これが私はベストであると思いますので、是非関係各位皆様の更に一層の御努力と、私もあえて応援さしていただきますことをこの場でお約束さしていただくところであります。  最後に、大臣、改めてこの件で決意をお願いできますか。
  23. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 正に世界最高水準大学院大学をつくっていこうと、そのための準備でございます。しっかりとした体制で、そして中身の──あの、聞いていますか。充実したものに進めてまいりたいと思っております。皆様のこれからも更なる御支援、よろしくお願いいたします。
  24. 秋元司

    秋元司君 別な質問に行こうと思ったんでこれまでという話でございまして。じゃ、次の点に移らしていただきたいと思います。  次は、ちょっと、まあ前回質問でも触れさしてもらいましたけども、普天間基地についてお話をさしていただきたいと思います。  とにかく、先日私が質問をして今日を迎えるまでもうすごい、メディアでいろんなことが言われておりまして、日々何かいろんなことが言われる。私も本当かなと思うこともあるし、実際、本当に現場にいないから分からないわけでありますけども、せっかくの今日は機会でございますから、何点か報道されていることについても今日は確認をさせていただきたいと思う次第であります。  まず、ちょっと普天間のこととは離れまして基本的なことの確認なんですけども、この基地管理権、これを自衛隊に移すということは日米での基地共同利用ということを行う、こういったことにつながっていくんじゃないかと思うんですが、このことについて確認をさしていただきたいと思うんですけど、防衛庁、お願いします。
  25. 山内千里

    政府参考人山内千里君) お答えいたします。  先生指摘の点は、今現在我々がアメリカとの間でいわゆる米軍の再編について議論をしている、その過程でどういう議論をしているかということだと思います。  我々としましては、これを機に、もちろん抑止力の維持というのはありますけど、もう一つは、沖縄を筆頭とする国民基地に対する負担の軽減というのが一つの柱になると思います。  そういう観点から、日本から見まして、国内に大体百三十数か所、米軍基地あるいは施設がございますけれど、それはずうっと戦後アメリカが言わば占有している状況ですが、それを少しでも日本側管理権を移す、あるいは航空の場合であれば管制権を移す。そういうことになれば、それだけ共同使用ということになれば、当然アメリカの方は人が減るでしょうし、我々から見ると自衛隊が、あるいは民間がそこに、管理することになりますから地域方々との摩擦も減る、あるいは双方の、共同で運用することになりますから共同運用体制が進むということで、非常にいいことではないかと思います。  そういうことで、これはいろいろ難しい問題がございますけれども、例えば自衛隊のそれだけの能力があるのか、体制があるかということもございますけれども、可能な限りそういうことで進められたらよろしいのではないかという、現在検討あるいは協議している最中でございます。
  26. 秋元司

    秋元司君 今の現状の説明、ありがとうございました。大体理解さしてもらいました。  次に、まさしくこの、先日の新聞なんですけど、この普天間基地の件でございまして、自衛隊移管案なんということが議論されているっていうことを報道で目にしたんですけども、その真意はいかがなものでしょうか。
  27. 山内千里

    政府参考人山内千里君) 御指摘報道について、報道があるということは承知しておりますけれど、結論を申し上げますと、報道されているような事実はございません。  普天間の問題でございますが、これはもう先生も御承知のように、平成十一年の閣議決定に従いまして、普天間飛行場の早期の返還・移設に向けまして現在政府として全力で進んでいるところであります。  言うまでもないことですけれども、普天間飛行場というのはああいう市街地にありまして、昨年もいろいろ事故がありましたけれども、一日も早く周辺の住民の方々の不安を解消したいというのが我々の目的でございます。したがいまして、それに向けて、現在、SACO最終報告の着実な実施ということで一生懸命やっている最中でございまして、したがいまして自衛隊がその代わりに、管理権を移していくとかどうとか、そういうことは全く考えてございません。  結論になります、繰り返しになりますが、その報道というのは事実ではございません。
  28. 秋元司

    秋元司君 防衛庁は当然その姿勢をずっと貫いていらっしゃると思うんですけども、最近の総理答弁の中でも、普天間も含めた総合的な米国のトランスフォーメーションの関係県外移設もあり得るというような発言をされている、そういうことを私も聞いたんですけども、これ今は完全に否定されたんですけど、この可能性なんというのはあるんですか。
  29. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) 普天間の問題につきましては、ただいま防衛庁の方から御答弁ございましたとおりでございますが、これから在日米軍兵力構成見直し議論が進んでいく中でSACO最終報告内容接点が出てくる可能性は排除されないだろうと、これは町村大臣も繰り返し御答弁しているとおりでございます。したがって、総理がおっしゃったことも、正にこれから兵力構成見直し協議の中でSACO最終報告内容接点が出てくる可能性は排除されないというような考え方をお述べになったんだというふうに理解してございます。  なお、現時点で、この兵力構成見直し協議の中で、じゃその接点が出てきているのかということでございますが、まだ議論がそこまで進んでいるわけではございませんので現時点では何ら決まっておりませんし、政府として辺野古沖への移設計画見直しというようなことについて具体的に検討しているということはございません。(発言する者あり)
  30. 秋元司

    秋元司君 いずれにしても、今待てないよという声も出ましたけれども、もう七、八年たとうとしているわけでありまして、もうそういったことの中で多分アメリカも何か勝手にいら立って、いろんなことを総理に、又は外務省にもいろんな話があるんじゃないかと私も思う次第であります。決して私はアメリカに加担するわけじゃありませんけれども、とにかくこの閉塞状況を打破しなくちゃいかぬ、この目的は変わらないわけでありますので関係各位のこの努力を更にお願いしたいと同時に、いずれにしましても、この連日連夜ですか、この報道がいろんなことが飛び交っているんですよね。だから、いつもこういう言い方になっちゃうんですけれども、これ情報管理、そういったことをしっかりやっていただいて、余り国民を惑わさない、また混同させない、そういったことに徹していただきたい、そのように改めて要請をさせていただきたいと思います。  次に、先般、ライス長官が来日されまして、いろんなことを言って帰りましたけれども、その中でこの米軍の撤退、これが地元経済に影響を与えるなんということを、もう勝手に内政干渉のようなことを言って帰りましたけれども、この発言に対して政府はどのように受け止めていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
  31. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) ライス国務長官が先般来日されたときに大野防衛庁長官との会談でそのような発言をされたという報道が出ておりますけれども、これはちょっと私自身、ライス長官大野防衛庁長官会談に同席をしていたわけではございませんので直接伺ったわけではございませんけれども、御指摘のような、正に沖縄から米軍がいなくなってもいいのかというような趣旨の、経済的効果も考えなきゃならないじゃないかという発言があったというふうには聞いておりません。  私どもが承知している限りでは、ライス長官はその会談において、同盟国における人々の支持を得ていく必要性をまず強調するという中で、ドイツにおります在独米軍兵力構成見直しとの関連で米軍撤退が地域経済に影響を与えるという声があったということに言及をされたというふうに承知をしております。  なお、ライス国務長官は、来日をされた際に上智大学においてスピーチをされておりますが、その際にも、在日米軍兵力構成見直しに関して、米軍のプレゼンスが日本の人々や日本の現状に受け入れられるようにいかにして米軍のプレゼンスを変えられるかについて議論していきたいというふうに発言をされたというふうに承知をしております。  このように、ライス国務長官を含めまして米政府関係者は、在日米軍兵力構成見直しに関しまして、米軍施設・区域所在地の住民の方々の生活に経済的側面を含め直接影響する問題であり、地元自治体を含め国民の理解なくして実行することは不可能であるということについて、そのことについては私どもと認識を共有しているというふうに理解をしております。  以上です。
  32. 秋元司

    秋元司君 どういうふうに解釈するかは外務省にお任せしますけれども、いずれにしても、やっぱりこの問題、我が国においてやっぱりアメリカに撤退ということを叫んでいるそういった声もあるわけでありますし、その辺の政府の対応、慎重な対応を今後ともお願いしたい、そのように要望をさせていただきたいと思います。  ただ、もう一つ、これアメリカに対しては、外に対してはきっぱりと言うことは言うでいいと思うんですけれども、この前の私の質問でも触れましたけれども、やっぱりこの跡地利用の問題、非常に大事な問題でありまして、国内についてはやっぱりこの経済の問題、やっぱり冷静に私は対処をしていかなくちゃならないと思う次第であります。たとえ返還するんでも地主補償、これは三年であると聞いていますから、まだこの跡地利用の計画、実際はまだでき上がっていないわけでありますので、ある意味、この地元、また地主の皆さんの本心をヒアリングしながら今後の対応を図っていただきたい、そのようにお願いをさせていただく次第であります。  次に、この有事における土地利用、基地利用、このことについて何点かお伺いしたいと思うんですが、先般ですか、閣議決定されましたこの国民の生命と財産を守るという観点から国民保護に関する基本方針、これ閣議決定されたと聞いております。具体的にはこれどうやって実効性を持たしていくかという話は、それぞれの地方自治体で国民保護計画、この中でいろいろ決めていくと思うんですけれども、やはりこのいろいろと地方事情があって、すんなり国が思っているようにはならないのが私は現状であり、その第一が私は沖縄基地問題であると思う次第であります。  先般も委員会で述べさせてもらいましたけれども、でっかいあれだけの飛行場が、また基地があるわけでありますから、例えば南にいる人が北に移動する、そういった場合においては、真っすぐ行けばいいんですけれども、基地があるとどうしてもこう迂回しなくちゃならないし、そしてまた当然有事になれば様々な軍用の何といいますか車両が走るわけでありますからね、国道にももし並んだとしたら非常にこの避難の妨げになる。  もう一つは飛行場ですね、沖縄にはあの那覇空港しかでっかい空港ないわけでありますから。島民、この沖縄からどこかに県外に避難するといったときに、果たしてその空港だけで足りるのかと、いろんな問題がある中で、そういった有事に対してこの基地を、例えば住民が移動するときに通過にこの一部開放してもらうとか、もう一つは民間航空機が緊急着陸するときには使わしてもらうとか、そういったことを考えたことをしますと、やっぱりこの土地利用を考えていかなくちゃいけないと思うんですけれども、その辺政府としてはいかがな対応を持っていらっしゃいますか。
  33. 梅本和義

    政府参考人梅本和義君) 有事の際に、例えばその沖縄県民が避難のために移動するというようなときに、例えば米軍基地の中を通過できないかというようなことでございますが、これは御案内のとおり、一般的に米国は地位協定第三条に基づきまして米軍の使用する施設・区域の管理等のために必要なすべての措置をとることが認められておりまして、当該施設・区域への立入りについても米側の同意を得て行われるというのが基本でございます。  政府としては、その武力攻撃事態等に際し、米軍の使用する施設・区域や自衛隊の施設等は、第一義的に武力攻撃等への対処のために使用されるということが想定されておりますので、これをあらかじめ避難経路として指定することや、あるいはその避難住民の受入先とするようなことはなかなか想定し難いのではないかというふうに考えております。  ただ、もちろん、その国民保護法の観点、国民保護法の概要についてアメリカ側にも説明をしておりますし、国や地方公共団体が実施する国民保護措置等について、どういう日米間で協力可能性があり得るのかということについてはアメリカ側とも話合いをしているところでございます。  これは有事でございますので、正にその施設・区域における米軍の活動というのもある意味で通常以上に錯綜しているという状態でございますので、そういう状況の中でどういう調整があり得るのかということは、よくこれから日米間で話をしていくということでございます。
  34. 秋元司

    秋元司君 なぜ今こういった話をしたかといいますと、先般この米国の軍の、米軍のヘリコプターの墜落事故がございました。今みたいな話でありますから当然日本だって警察も行くし、当然あれ大学の敷地内に落ちたわけでありますから、大学関係者だって何事かと思って見に行くわけでありますけれども、実際米軍が来ちゃうとすべて閉鎖をしてしまいましてね、全く日本関係者は中に入れてもらえなかった、こういった事実もあったわけでありますから、そういった平時であってもそのようなことが起こったわけなんで、まあ有事となればもっと米軍の孤立、独立化というのが私はあるんじゃないかということの懸念からの質問でありますから、是非こういった、そういった有事が起きてからばたばたしてもしようがないわけでありますので、事前の協議というものを、もっとこの辺を深く詰めた形でやっていただきたいなと、そのようにお願いをさしていただくところであります。  続きまして、今度は沖縄型の産業の振興について何点か御質問さしていただきたいと思う次第であります。  とにかく今、日本もそうでありますが、世界も健康ブームでありまして、私の事務所にも連日こういった健康食品がありますなんといういろんな売り込みがありまして、もらうたびにいろんなものを飲んでいるんですけれども、本当に効いているかどうか分かりませんが、まあいずれにしましても、とにかくいろんなアイテムが増えているのが現状であります。  それで、特に私は沖縄、非常にこういった健康ブームに適した私は県じゃないかと思う次第でありまして、特にウコンですかね、あとゴーヤ、こういったものは病気の予防なんかに非常に効くというふうに言われております。そういった中で、やっぱり沖縄は長寿を下支え、又は長寿の食文化というものを非常に支えてきた。そういったこともあると思いますし、又は沖縄は地理的にも、又は自然が豊かということからも療養所とか保養地、そういったことを軸に私はこの沖縄に、何といいますか、さっきは、大学院大学は知的産業でありましたけれども、こっちは健康産業クラスター、こういったものの創設に力を入れるべきだと思うんですけれども、こういったことについて行政側のバックアップ、今どのような形になっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
  35. 薦田康久

    政府参考人薦田康久君) お答えいたします。  今先生から御指摘ございましたように、沖縄は昨今の健康食品ブームを始めといたしまして長寿県としての実績もございます。また、観光・リゾート地域としてのブランド力、あるいは県民のホスピタリティーの高さ、あるいはいやしのイメージなどを背景といたしまして、健康関連産業の集積拠点として注目を集めつつあるところでございます。今後、この沖縄におきまして、健康産業、健康関連産業というのはリーディング産業の一つへと成長する可能性を有しているものと考えているところでございます。  こういうような認識の下、経済産業省におきましては、平成十三年度から推進しております産業クラスター計画の一環といたしまして、沖縄におきまして沖縄型産業振興プロジェクトというのを進行しておるところでございます。健康関連産業につきましても、産学官のネットワークの形成等、各種支援策の総合的、効果的な投入を図ることを通じまして関連する企業群の成長を促しているところでございます。  経産省といたしましては、今後ともこの沖縄型の振興プロジェクトの関連施策を積極的に推進するとともに、当省だけではこれはうまくいきませんので、内閣府であるとかあるいは関係省庁、あるいは沖縄県等とも密接に連携を取りまして沖縄の健康関連産業の成長を支援してまいりたいと、かように考えているところでございます。
  36. 秋元司

    秋元司君 一生懸命バックアップしていただくのは有り難いんですが、具体的にどういった政策をやっていらっしゃるんでしたっけ。それと同時に、何かこの前、先日、シンポジウムだったか何か会を開いたというふうに聞いているんですけれども、どの程度の規模だったものか、ちょっと分かればお願いできますか。
  37. 薦田康久

    政府参考人薦田康久君) お答え申し上げます。  この産業クラスター計画の中では、基本的に、まず企業であるとかあるいは大学あるいは地方自治体とのネットワークをつくることが第一。正にこのネットワークを通じましてここから新しい製品が、あるいは新しい創業が出ていく、こういうものを期待しておるところでございまして、具体的な施策といたしましては、一つはこのネットワークをつくるためのいろいろな補助金を用意させていただいております。それから、各企業あるいは大学が一緒になりましてある新しい製品をつくっていくと、こういうような技術開発の費用も用意をしているところでございます。  これまで沖縄に関しましては、平成十三年度から十五年度までの間でございますが、このクラスターの形成につきまして約十二億円の予算を支出してきたところでございます。また、今先生から御質問のございましたものでございますけれども、これは三月二十五日の日でございますが、健康食品産業であるとか、あるいは健康サービス産業、あるいは観光産業等の連携によります新たな健康産業クラスターの創出を目指しまして、国それから沖縄県、大学、自治体等が参画しました沖縄健康産業推進懇談会というものが開催されたところでございます。約、参加された方は百人であったというふうに聞いておりますけれども、こういうものを幾つもこれからやることによりまして先ほどのネットワークというものを形成していきたいと、かように考えているところでございます。
  38. 秋元司

    秋元司君 ありがとうございました。  おっしゃるとおり、このネットワークづくり、これはなかなか民間でやれといっても、民間が主催しますとどうしても色が付いてしまう。そういった傾向があるでしょうから、これは正に行政が中心となってまずは場の提供、これに積極的にやっていただきたいと思いますし、そして、それと同時にこれを、情報をどんどん発信してもらって、正にこの沖縄世界じゅうから観光産業を通じて人が入ってくる、こういった私は体制をつくることがある意味地域経済の振興、そういったものにつながっていくと思いますので、正に沖縄は自然、これを生かした健康をテーマにすることも沖縄一つの特徴だと思いますので、私も全面的にこれは応援させていただきますから、関係各位の皆さんの御努力をお願いさせていただきたいと思います。  いずれにしましても、沖縄、私も二週にわたっていろいろと質問させていただきましたが、様々な諸問題を抱えていると同時に非常に未来と夢がある県でもあると思いますから、すべての英知を結集して沖縄が更に発展し、そしてまた沖縄が中心となってある意味世界の平和に貢献する、そういったことの中に私も頑張っていきたいと思いますので、皆さんと一緒に努力することを最後にお誓い申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  39. 池口修次

    ○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。  本日は四十分時間をいただきましたんで、法案の中身について質問をさせていただきたいというふうに思っておりますが、一点だけちょっと大臣に、まずちょっとお聞きをしたいというふうに思っております。  多分、土曜日の朝日新聞ではないかというふうに思いますが、小池大臣の名前入りで、多分これは投稿記事ではないかというふうに思いますが、閣僚の海外出張についての大臣の思いが載っております。  最後のところがちょっと余り穏やかでなくて、「各方面からのおしかりを覚悟しつつ、現場からの報告として参考にしていただきたい。」というふうに書かれております。単なるこれは報告書じゃないというふうに思いますが。また、私もこれ中身読ませていただきました。確かに、大臣、零泊三日での出張、海外出張というのは私も大変だというふうに実は思います。  ただ、そこまでは分かるんですが、最後のところが、日本でも英国に倣った改革の一環として二〇〇一年に副大臣制度が導入されたが、その趣旨が十分に生かされているとは言えない、あくまで国会の問題であるが、何をもって国益とするか、原点に返っての議論が必要だろうというところがちょっと私にはなかなか理解がしづらいところでございますので、大臣の、何を、どういうことを言わんとしているのかというのを御説明いただければ有り難いというふうに思います。
  40. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) お目に留まってうれしゅうございます。  私も、議運、国対ずっとやっておりまして、閣僚の海外出張からいろいろな手続、法案にいつのせてというような、そういう手続を結構長い間やらせていただきました。実際、自分自身が閣僚になって初めて分かることというのはたくさんございます。何でもそうでございますけれども、先生も議会に、議員になられて、これまでとは、応援する側とされる側とでは違うというのもお気付きのこと多々おありなんじゃないかと思います。  私は今回のことで何を言いたかったかといったら、これまでできるだけ大臣は波風立たずに、立たせずに、そして無事にそつなく終了するということが多いんですけれども、ですから皆さんこういうことをやってらしても、閣僚本人は黙って耐えるというようなことが続いたわけでございます。  私は、ここを何か朝日新聞が矮小化して、体力に限界とか何か、体力の限界、体が弱いなら辞めろよと、そういう話につながるんじゃないかと思って心配もしたんですけれども、そういうことではなくて、やっぱりこれからの日本の国際的なプレゼンス、よく国会決議でも世界におけるリーダーシップを払えと言われるんでございますけれども、じゃ、その環境が十分整っているかというと甚だ問題が、問題点は多いと。  それから、副大臣制度につきましては、多分民主党の中にも今それをつくられたお仲間の方々もたくさんおられます。ポイントは、一つ、これまで総理官邸でのあれは任命という形だったのを副大臣制度になって認証官に変わったというのは、これはやっぱり大きいことなんですね、天皇、宮中での認証を受けるという形で。それだけ副大臣、そしてまた、何というんでしょうか、議員に、政治主導型に変えていくという、非常に国会改革の中でも大きなテーマとしてこれを、当時は、実際に成立したのは自自の合意ではありましたけれども、しかしながら、ずっと大きな流れとして国会改革、行政改革、そしてそれ、心は政治主導ということでやってきた。大分メンバー方々も入れ替わられたりしたので、この辺のところがよく伝わってないというか、この閣僚の海外出張も事務方が非常にテクニカルな、何というんでしょうか、スケジュールを組んでくださいますので、それをみんな言葉に出さず、何というんでしょうか、とにかくそれをしっかりとやってきているということです。  ただ、これはだれかが言わないと、みんなそれはだれも知らないまま、また池口先生大臣になられて、ああ、そういえば小池があんなことを書いておったなというふうに思われるときが来るかもしれません。そんな意味で、私は、現場からの、かつての言論人として現場からの報告もしておかなければという思いで書かせていただきました。  大体、大臣が何か外に書いたりするとおしかりを受けるものですから、あえてその前に先取りして書いたということでございますが、これは私の今回のがどうだったとか、そういうことを言っているつもりは更々ございません。今は私は行政の方におりますのでこれ以上申し上げませんけれども、かつて非常に燃えたテーマでございますけれども、何か一つ、今妙に落ち着いているけれども、是非是非その点についても考えていくに値するテーマなのではないかなというふうに思った次第でございます。  国会の制度いろいろございますけれども、今、国際会議などの現場ではこうなっていますということの御報告としてあえて出させていただいた、こういう次第でございます。
  41. 池口修次

    ○池口修次君 私はもう今は議員にさせていただきましたが、かつては小池大臣を応援する立場にいたこともありまして、ただ、今応援できないので大変残念だというふうに思いますが。  波風を立たせたいと、大変勇気あることだというふうに思いますし、ただ、いろいろ経過から見ますと、ここでいろいろ議論をしてくれというのは、その国際会議と国会の審議がどういうふうに小池大臣が思われているかということを言っていただかないと、あの一連の流れからいうと、私は何を小池大臣が言おうとしているのか理解できないんです、実は。
  42. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 国際会議をどうするかというのは、そうすると国会軽視だといって必ず議運の方から文句を付けるというのがこれまでの大体キャッチボールなんですね。ただ、それだけで国会軽視と。それから、最近の我が国の世界におけるプレゼンスを考えますと、もう少しまた新たな視点から見る必要も出てきているんじゃないかと。  明確に申し上げますと、例えば中国などは本当すごいですよ。ですから、もうそれをちゃんと考えて、彼らはもう世界じゅうにそうやって大変ハイランキングな高官を飛ばしているということでございます。ですから、そういった国際会議も大分そのメンバー表が変わってきているときもあります。  そういった中で、日本が今後も世界の中でどのような存在感を示していくのか、ただODAの額が世界一だとかといって誇っていただけの時代から、これからどのようにして運営していくのか、これも変わってきております。ですから、正に世界における日本のプレゼンス、存在感、リーダーシップ、よく国会の中でも使われますけれども、今、世の中も大きく変わってきているということと、それから、そういった中でどのような、戦略的に我が国はどのようなプレゼンスの示し方をするのか、やはり国会そしてまた行政もそういった観点から取り組んでいただく必要があるのではないか。  私は自分のことだけ言っているんじゃないんですよ。これからのことを言って、申し上げているわけでございますので、この辺り、独り騒いでいるというふうにお感じにならないでいただきたい、このように思うわけでございます。決して、だから国会軽視でいいんだなどというスタンスを取っているつもりはございません。
  43. 池口修次

    ○池口修次君 私は、やっぱり国際会議も大事ですし、国会審議も大事なんで、じゃ、かち合ったときにどうするかというのは議運の中で議論をして、じゃ、この間は大臣には国際会議行ってもらいましょう、この間は副大臣でやるのか、若しくは大臣がいなければその期間大臣の必要な審議は止めるとか、そういう判断を議運でやればいいと思っていますし、やっていると思うので、そうすると、大臣が言わんとしているのはそこから外れたところかなというふうに思っているんですが、あえて念押しで、今のものを肯定された上で言われたというふうにとらえればいいんですか。
  44. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 大体議運でお決めいただくことになります。審議が止まっちゃうと、これ予算など、日切れのときなどはそれがむしろ問題になってくるので、ここは考えるべきところでもあろうかと思うわけでございます。  また、私、今役所の大臣を務めさせていただける中で思いますのは、役所側も非常にテクニカルになっておりますので、どうすればそれをくぐり抜けられるかとか、そういう形で対応してくれているので、結局、ゼロ泊三日というような形になったり、若しくは、もうこのときは駄目だといって、事務方も含めて、もうこの時期はとにかく日本からは行けないというような、もう最初から駄目印が出るんですね、それが世界的に見て重要な会議であろうとなかろうと。ということで、最初からもう断念しているケースも多々あるということでございます。一番分かりやすい例はダボス会議ですね、ちょうど予算のど真ん中に挟まって。国際会議日本の都合で開いてくれればいいんですけれども、世の中そうなってはいないということも考えなくちゃいけないなと思っております。
  45. 池口修次

    ○池口修次君 そうしますと、我々国会に言う前に、役所の側が余りにも気を遣い過ぎて大臣の日程を組んでいるというふうに私は今受け止めましたけれども。だから議運は、それは国会が大事なのか国際会議が大事なのか、それを十分私は議運で議論をしているというふうに思っていますから、これは議運に言う。それも、なおかつちょっと、これはマスコミが尾ひれを付けてやるんでしょうが、どうも民主党が反対したからとか、そういうことに持っていく問題ではなくて、やっぱり役所の中でちゃんと整理をして、今一番どこが重いんですかということをやるべきではないかというふうに思いますけれどもね。
  46. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) それは私、違うと思いますよ。やっぱり議運、そして国会の中で御承認をいただくというところがあるわけですから、そこは全体として考えないと、これは全く前に進まない問題だというふうに思っております。これまでもそういう場面にも幾つも遭遇してきていて、そして今この場にいて思うことでございますので、だから参考にしてくださいということを申し上げている次第でございます。
  47. 池口修次

    ○池口修次君 参考にするんだけれども、今のが悪いと言っているのか、何か今ので、今でも私は議運でちゃんと大臣がどこの場にいるべきかというのは議論していると思うんですよ。してないということを大臣がおっしゃっているのかどうかというのだけちょっと確認させてください。
  48. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 役所側で自粛しているケースがあると思います。それは議論の場には入っていないと思います。だけれども、議論になってどうせ駄目になるから出さないだけなんであって、ですから、そこを遠慮してそうなっているというのが現状であるということなんで、これはお互いの問題になってくると。それぞれが承認し合ったりするわけですから。  ですから、国益というのは、出したのは、大げさな言葉のようですけれども、総合的なシステムとして日本がどうなんだということが、この日本国内の中でいろいろと議論はしますけれども、結果として世界の中におけるプレゼンスは減っていくということもあると。そのこともできるだけ知っていく必要があるんじゃないかというふうに思っておりますので、みんな大臣終わられてからはなかなか言う機会があるのかないのか分かりませんけれども、私は、辞めたときも、辞めても、この問題というのは大臣になる前から取り扱っている問題なので、これ徹底して議員になったらやろうというふうに思っておりますが。  今、だって、閣僚として会議に出ている経験は、この場ではどうか分かりませんけれども、やっぱり現場の声って聞く価値はあるんじゃないかと思っているんですね。それを整理して私自身ももっと訴えていこうと思っておりますので、またそれぞれのところで議論していく必要があるんじゃないかなと、このように考えている次第でございます。
  49. 池口修次

    ○池口修次君 余りこればっかりやるわけにいかないんですが……
  50. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) もっとやる。
  51. 池口修次

    ○池口修次君 それは、いや、いいですよ。じゃ、やりましょうか。  私は、議運は、おもんぱかって出さなかったものは議運に上がってこないんで、議運の場でどちらが重いかという議論ができないんですよね。だから、その役所の方でやっぱりこの会議は絶対大臣が行かなきゃいけないんだというのがまず上がって、で、議運が国会日程と絡めて、じゃどちらが重いかというのを審議して初めて結論が出る話だと思いますし、それは別に小池大臣も今、今がそうなってないと言ってないわけですから、言っているんですか、どこが問題なんですか。よく分かんないんですよ。何が、何を言いたいのかはっきり言った方がいいんですよ、言う場がないんでしょうから。今日ぐらいしか多分言う場がないんでしょうから。
  52. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 大臣のあれが外れればもっと過激に言いますけれども、いろいろ私も現実を抱えているもので、言えるところは言っていこうと思っておりますけれども。やっぱり、でもこの問題は本当に仕組みと問題として、行政改革、国会改革、極めて我が国のこれからのシステムの問題でございますので、一石を投じさせていただいて、そのまま沈んじゃうのかもしれませんが、先ほどの、じゃ議運でやればいいじゃないか、どこでどうだというのも、一度、じゃ役所側の方もヒアリングをしていただくとか、これまでその没になったケースは何がどうしてどうなったのか、検証に値すると私は思っております。  いずれにいたしましても、だれが悪いの、野党がどうのということではなくて、だって与党、野党はそれぞれ変わるときは変わるわけですし、あのとき出席というか、海外に行くのを認めなかったじゃないかと、だから今度政権が変わったときは、あのとき認めてくれなかったんだから今度は出してやらないというのはやめた方がいいと思っていますね、はい、それこそ日本のため、国益のためにも。というようなのがこれまでも長々とあったんです。先生が、御自身が、峰崎先生なんかも本当にこの問題にも真剣に取り組んでくださったことがあるわけです。今、そっちの方の熱がちょっと冷めているのかなと思ったりもいたしますので、あえて掘り起こした次第でございます。  また、大学院大学の方も御審議いただくとして、その点については是非ともまた別の場でも先生とも御議論させていただきたいと思っております。
  53. 池口修次

    ○池口修次君 私は、やっぱり役所が本当に大事なものであれば大事だというのを議運に伝えないとやっぱり議運でも了解はできないんで、私は、与党、野党とかそんな話は、の話じゃなくて、やっぱりいかに役所の熱意、これは国際会議というのは議運が決める話じゃないですよね。だから、国際会議大臣を送り出すかどうかというのは役所の熱意がいかにあるかの問題が第一ではないかなというふうに私は思っていますので、是非、確かに国会に一石を投じて波風立てたいというのも分かりますが、その前にやっぱり役所としての本当の姿勢を、毅然たる姿勢を示す、それも特に与党の理事に示すということが大事ではないかというふうに私は思っておりますが、いかがですか。
  54. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 役所の方も何度かトライして、もうそのぎりぎりまで頑張って駄目だったケースも幾つも抱えているんでしょうね。ですから、大体この霞が関的に言って、これは行ける、行けないというのは大体瀬踏みができちゃう状況があったりするんじゃないかなというふうに思って、結局そこで自粛したりもする。じゃ、その自粛する原因は何なんだというと、またもうぐるぐるぐるぐる話が戻ってきますので、これはだからだれがどうだこうだということではなくて、日本の、何というんでしょうか、山本七平的に言えば、これは日本の空気なんですよ。空気がこういう形でいつの間にかそうなるんですね。  その辺のところをちょっとお考え、考えていく必要が、私は現場でいろいろと経験をする中で、これではいけないと思うことは何度かございますし、ましてや、例えば環境なんかの場合は閣僚だけでなくてNGOの会議という、どっさりやっていて、そういったところには各国閣僚でも、NGOが開くからとかそういう話じゃなくて、会議、その影響力ですよね、そういうのに日本政府がやっていないものに何で行くんだみたいな話になっちゃうと。そうすると、なかなか関係者を説得するのに弱かったりするんですね。  まあ本当に言いたいこと一杯あるんですけれども、ちょっと私、そんなことで、これはむしろ現場からの声として聞いていただきたいと思ったわけで、御理解いただきたいと思います。
  55. 池口修次

    ○池口修次君 私は決しておしかりをしたわけではなくて、小池大臣の思いを聞きたかったということですから。ただ、いろいろおしかりをしたい人もいるでしょうから、また違う場で議論をしていただければいいかなというふうに思います。  法案の中身に入らせていただきます。  今回のこの法律の目的は、先ほど秋元委員の方からお聞きをしましたので私の方からあえて聞きませんが、私は、これはこの法案が通って、この法案の中身が達成できればそれで終わりという話ではない法律だというふうに思っております。ある意味壮大な国家プロジェクトの一環として、まず第一ステップでこれがあるんだというふうに受け止めております。  そういうことで、何点かちょっと確認をさせていただきたいんですが、一つは、この法案だけに限って言いますと、一つは自然科学の研究開発をするということと、それと大学院大学設置の準備ということの、この法律の中身は、この目的はこの二つではないかなというふうに思っておりますが、この二つが私は両立しなければ本当にいけないのかどうか、後ほどの質問になりますが、最終的な目標のためにはやっぱりこの二つが絶対に不可欠な要件なのかどうかということを確認をさせていただきたいというふうに思います。
  56. 東良信

    政府参考人東良信君) 二つの要素という部分でございますけれども、やはり大学として、普通の大学をつくるということであれば別でございますけれども、やっぱり世界の一流の最高水準大学をつくるということであるならば、やはりその世界的な評価みたいなものをちゃんと取った上で大学をつくらないと、なかなかうまくいかないということでございます。  そういう意味で、第一段階的に言えば、世界の有数の研究チームといいますか、研究を実施する、そういうことが、先ほどの大学説明しましたけれども、大学をつくる基盤になっていくと、それをやった上で大学をつくっていくと。そうしませんと、ゼロから百をぱんとつくるわけにはいきませんので、そこのレベルを上げるということが大切だ、ここが現実的なスタイルだろうというふうに思っております。  先生も御案内のとおり、研究状況をつくるということは、研究者が第一の部分であるのは研究環境だと、環境は設備だとかそういうものではなくて、やっぱり仲間がたくさんいて、それでお互いに切磋琢磨しながら一つのいい研究をつくっていく、特にこれは融合分野をやっておりますので、そういう融合的なものがないといけない、それを集める努力をしないと絵にかいたもちになるんだと、こういうふうに思った次第でございます。  以上でございます。
  57. 池口修次

    ○池口修次君 私がなぜお聞きしたのかというのは、研究所、個別の研究所じゃいけませんけれども、やっぱり研究所の、ある程度の総合研究所みたいなのをつくっては駄目なのかなという思いで、更にそこが今回はいろいろなテーマが入った研究開発をしながら、その後で大学院大学をつくるということが必須要件になっているんで、そこがどうしても大学院大学が必要なのかなというところをちょっと聞きたかったんですが、もう一回、ちょっとその点をもう一回お聞きしたいと思います。
  58. 東良信

    政府参考人東良信君) 大学と、いわゆる大学院大学研究所の違いというものでございますけれども、研究所というのについては、いわゆる研究員の異動、それから若手の登用、それはなかなか難しゅうございます。それからもう一つは、その新しい知識、知恵で、今いる、いろいろな影響を、若い人たちの新たな発想、大学院でいろんな大学から教わってきた人たちが集まって、それをお互いに刺激し合いながら、その古手の研究者も、それからいわゆるPIと言われる方々も含めて、そういう中でいい研究ができる、これが今の潮流でございます。先生も全く御案内だと思います。  そういう意味で、大学研究所の違い、それからもう一つは、やっぱり大学はそういう意味ではいわゆる新陳代謝も非常に早いし、刺激も高い。そして、個々の大学でいいますと、いわゆる研究ばかりとか、いわゆる学部を持っていますとどうしても教育だけを専念するような先生たちもおられると。そういうことがない形でのものとすれば大学院大学が一番いい、そこがやっぱり最高峰の、いわゆる理想型だろうということでございますので、そこに向かって私たちは進んでいっていると、こういうことでございます。
  59. 池口修次

    ○池口修次君 それと、なぜ沖縄なのかというのはあえて聞くまでもないと思うんですが、やっぱり沖縄が最終的に経済的な自立を図るというところが最終的な目的なのかなというふうに思っておりますが、どういう形でこの沖縄振興に結び付くのか。ちょっと言い方変えれば、いろいろな段階がありますから、それぞれの段階でどの程度の沖縄振興というか、この振興に役立つのかというのをちょっと確認をしたいと思います。
  60. 東良信

    政府参考人東良信君) 先生も御案内のとおり、大学院大学の、この今やっています機構から、それが大学になったとき、それから成熟した大学になったときと、いろんな段階段階で沖縄の振興に対する寄与というのは違ってくるんだろうというふうに思っております。  で、理想型でいえば、それは今いわゆるよく言われているシリコンバレーだとか、そういうところのイメージだろうと思いますし、それからもっと前段階のところでいえば、例えばつくばだとか関西の学園都市、そういうベースもあるだろうと。もっと初期の段階でいえば、いわゆる大学をつくったり、それからそこで研究を始めるというところで、やっぱりサポートインダストリーというのが相当集まってくる。そこの中で、やっぱり企業群が出てくる。そして、地元からのそういう人たちが、いわゆるそこに働く人たち、そういうものも出てくるだろうと。そして、それとともにやはり沖縄県におきまして、やっぱりこういうところがあるといい、そして、そこにそういう研究者だとかそこに集まってくる学生さんたちといわゆる地元の人たちが交流を進めるとか、そういうところでいわゆる人材の育成というものは相当違ってくるんだろうというふうに思います。  そういう意味では、いろんな、言葉換えて言いますと、いい大学だとかいい研究所みたいなところが来ると、周りのいわゆる学力も含めていろいろなことが上がっていくと、新しい刺激も受けられるということでございます。そして、それとともに、こういうところというのは比較的文化みたいなものを非常に大切にいたします。そういうところでの交流等々がございますので、そういう形での沖縄振興ということでございます。理論的、理念的に言えば、もうクラスターという形成の理論を一つずつ進めていきたい、しかし大ざっぱな面は今申し上げたような形だろうというふうに思っております。
  61. 池口修次

    ○池口修次君 そうしますと、単に大学ができて学生が集まってくるということだけではなくて、もう少し壮大なものを考えているということだというふうに思いますし、私は、いろいろレク等で聞いたのをまとめますと、まず、今回の法律は研究開発で立ち上げて、で、大学院大学準備をして、で、どこかのタイミングで大学院大学ができますと。で、大学院大学のその研究成果として、ある意味沖縄にベンチャー企業みたいなのができて、そこが一応沖縄の経済発展みたいなのが中心になって、自立的な発展に、沖縄の自立的な発展が初めて完成するのかなというふうに思っているんですが、これ結構やっぱり、かなりの大きな計画だというふうに思いますが、大体これはどのぐらいの年月とどのぐらいのお金が掛かるというふうに思っていらっしゃるのかどうかというのを。
  62. 東良信

    政府参考人東良信君) 今、どのくらいの年月が掛かるかということでございますけれども、やはりこれは外国の例で申し上げれば、やっぱり三十年から五十年のロングタームの話だろうというふうに思います。それは、あのアメリカのサンディエゴだって同じことでございますし、シリコンバレーだって最初は何もなかったところからスタートをしているわけでございます。で、そういうふうに今なっているということでございますので、二十年から三十年と。  金額につきましては、やはりどういうものをやるかということで相当違ってくるだろうというふうに思いますし、それから、世の中の状況がそういうものに非常に、いわゆる共同研究的なことをやっていくという立場のもの、のようなことが進めば金額が安くなっていきますし、スタンドアローン的に、だんだん、いわゆる一匹的に先行してという形になると相当なお金が掛かるだろうというふうに思っております。  そういう意味では、なかなか試算は難しい部分でございますので、今のところ持っておりません。
  63. 池口修次

    ○池口修次君 まあ三十年から五十年の予算を出すというのは無理な質問だったというふうに思いますが。  じゃ、ちょっと聞き方変えますが、今回はある意味国家プロジェクト、国が仕掛けてそういうのをつくろうとしているんですが、国がこういうことを仕掛けて、成功したというか、例というのは何かあるんでしょうかね。
  64. 東良信

    政府参考人東良信君) これは、まさしく国が国家プロジェクトでやっているというところでは、例えばシンガポールとかマレーシア、こういうところが国家プロジェクトとしてそういういわゆる研究所みたいになってございますけれども、立ち上げて、それで、その周りに知的クラスターを作って、それで産業の根を張っていこうということでございまして、そういう意味では、いわゆるマレーシアだとかシンガポールが非常に強くなっているというのはそういうことだろうというふうに思います。  で、一般的に言えば、従来はそういう意味ではいわゆる私立大学等々が中心でやっているというところもございます。  以上です。
  65. 池口修次

    ○池口修次君 じゃ、ちょっと質問を変えさせていただきますが、今回の法律でいうと、この大学院大学準備までがこの法律で、で、閣議の申合せですと、主任研究員が五十名に達したときぐらいが大学院大学の開学ではないかというふうに何か決めているようですが、ちょっと私は五十人の主任研究員がいれば開学になるというところのこの理屈がどうも理解できないんですが、これはなぜその五十人に達したときが開学するという、若しくは開学できるということなのかというのをちょっと説明していただきたいと思います。
  66. 東良信

    政府参考人東良信君) まず、この大学が融合分野をやっているということでございます。例えば医学だとか工学だとかコンピューターだとか生物だとか、そういうものでございます。で、やっぱり六分野ぐらいを中心にやっておりますので、それでその融合ということで考えます。それが一つでございます。  それからもう一つは、その中の分野に一人ずついればいいかと、議論は、それはうまくいかない部分で、先ほど言いました、仲間がいるということが大切だろうというふうに思います。  で、そういう意味で、その数として、世界最高水準大学に、そのスタートの時点からなれるような状況だとすると、やっぱり最低五十人程度は必要だろう、程度でございますので、五十人程度は必要だろうというのがまあ一般的な意見であったということでございます。
  67. 池口修次

    ○池口修次君 五十人必要だと。五十人程度がある程度の目安だというふうに置いた場合に、この五十名程度の主任研究員をどういう形で集めてくるのかと。ただこの五十人集めてくればいいという話じゃなくて、やっぱりまあ三十年、五十年計画国家プロジェクトが背景にあるわけですから、やっぱりそれなりの人を集めなきゃいけないし、それなりの人を集めるといっても、もうかなり実績が上がっている人を五十人集めると物すごい金が掛かるし、じゃこれから実績を上げるだろうという人をっていうのもかなり難しいというのと、もう一つは、ある意味、先ほど言った国家プロジェクトで、沖縄発展させなきゃいかぬということとともに、やっぱり日本でいえばほかのところだって発展をしたいと。  で、最近は産学、国立大学も独立法人になりましたんで、それぞれが生き残りを懸けた戦いをしているし、海外で見ても日本と同じようにやっぱりそういう考えを持っている方も相当いる、持っている国もいるんではないかというふうに思いますと、最終的な目的を達成するためのコアの人材となる五十名を集めるというのはかなり至難の業ではないかと思うんですが、これどうやって集めるんでしょうか。
  68. 東良信

    政府参考人東良信君) 五十人の主任研究員を、その質の高いということは非常にハードルの高い設定だというふうに思っております。ただ、私どもは、今この構想を進めておられる先生方考えてみますと、各分野のやはりトップクラスの先生方で、いわゆる長老と言われる方々が入っておられます。そういう人たちのネットワークというのはやはり相当なものだろうというふうに思っております。そういうルートを使いつつ、そしてまた公募を掛けつつ、五十人の主任研究員を集めたいというふうに思っております。  具体的に言いますと、ここ一、二年で大体今四名の主任研究員がおります。一チーム大体百人、あっ、失礼、五十人程度の、あっ、失礼、十人程度、済みません、十人程度でワンプロジェクトをやるわけでございますけれども、その部分でございますが、その先生たちが今度大体十二チームぐらいまでここ一、二年でやろうと。これはどうしても建物を、これがきちっとできませんと口約束ではどうにもなりません。だから、建物との関係の競争でつくり上げていくということでございます。それをこの近いうちに、五十人程度まで早くしたいというふうに思っております。  ただ、質を重んじたいということで、量だけで集めるということは是非避けたいというふうに思っています。これが生命線だというふうに思っていますもので。  以上でございます。
  69. 池口修次

    ○池口修次君 そうしますと、優秀な、核になる、コアになる人が五十人と、それと、そのチームということでいうと、一チーム十人だと五百名ぐらいが、大学院大学ができる段階ではそのぐらいの研究チームということで考えればいいかというふうに思いますが。  先ほど言った優秀な人をどうやって集めるかというところにもつながるんですが、やっぱりそういうところ、沖縄へ行ってそういうしっかり研究をしようというふうになってもらう、気持ちがなってもらうためにはそれなりの研究環境が必要ではないかなというふうに思いまして、チームとしては十名ぐらいということなんですが、その研究費とかもろもろを含めると、大体一チーム年間どのぐらいのお金を使えるんですか。
  70. 東良信

    政府参考人東良信君) 研究のいわゆる種類とか、そのいわゆる研究の段階等々でやっぱり相当金額が違ってくるだろうというふうに思っております。  ちなみに、私どもが先行的研究事業ということで募集をしたときには、アッパーリミット一件当たり二億円ということをやっておりました。現実には大体、まだ研究のいわゆる試行の時期ということでお金を使っていない研究もございますけれども、大体二億前後ほどでございます。  それから、ブレナー博士が今回十二チームまで、今四チームをあと八チーム増やそうということを言っておられますけれども、それでは大体、一件一チーム当たり研究費として一億から一億五千万ぐらいの感じで考えられないかなというようなことは発言しておりますけれども、具体的にはそういう、どういうチームが集まるかということで相当お金が違ってまいりますので、一概には言えないだろうというふうに思います。  また、いわゆる日本国内での文科省さん等々で非常に実に大切なプロジェクトですよということでございます。これは、平均でいうことはいかがかとは思いますけれども、平均でいいますと、大体一億をちょっと超えたぐらいの金額だろうと。全世界的にいうと、やっぱりそのトップクラスというのはそのくらいの金額ではないかというふうに思われます。しかし、あえて申しますと、その研究内容とか規模だとか、それからいわゆる段階で相当違ってくるというふうに思っております。  以上でございます。
  71. 池口修次

    ○池口修次君 残念ながら時間がなくなりましたんで、あと質問できませんが、私はやっぱり、一つはやっぱり三十年とか五十年ぐらい掛けてやる国家プロジェクトであるということと、これを成功させるためにはやっぱりかなりのお金が必要になる。今の二億円が、掛ける五十でいいのかどうかというのは分かりませんけれども、年間のランニングコストだけでも百億円、それだけでいえば百億円掛かるということでございますので、やっぱりこれがないと沖縄の自立的発展がないという前提でいえば、やっぱりかなり長期においての視点でこのプロジェクトに取り組むということがやっぱり内閣府として確認されていることが必要だというふうに思いますが、その点を小池大臣にちょっと、五十年小池大臣がやっているということはないと思いますが、どうやってつなげていくのかというのをちょっと決意としてお聞きしたいと思います。
  72. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 寿命延命の技術でも開発していただければ、五十年後、我が目で確かめることができるのかもしれませんけれども。  いずれにいたしましても、この世界最高水準というのがキーワードでございます。そして、それを実現することで、二十一世紀の沖縄の振興と、そして世界科学技術発展に貢献すると。これをしっかり、関係閣僚の中でもそれを確認をいたしておりますし、また、ああ、あのときにそういう芽を育てておいて良かったねと言われるような、長い時間掛かるかもしれませんけれども、そういった存在にしていきたいと、このように思います。
  73. 池口修次

    ○池口修次君 終わります。
  74. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。池口委員に続きまして、大学院大学の御質問をさせていただきます。  私は、この大学院大学に関しましては、正直申しますと沖縄でやる必然性というのはそれほど高くないと思っています。ただ、ただ、沖縄でやる必要性というのはかなり高いというふうに思っていまして、例えば、沖縄でやる、沖縄である必然性でいくと、例えば環境だとか、それこそ観光の人材育成だとか、もうそういう部分というのがあるんですけれども。これからの世界科学技術を、日本の得意分野といいますかね、その分野を進めていくという意味では、沖縄でやるというか、日本でやる必要性というのは感じているところでございまして、そういう観点から幾つか質問をさせていただきたいと思います。  先ほど来、主任研究者お話が出ていましたが、正に超一流の主任研究者がいるということで一流の研究者も集まると、学生も集まると、それが非常に理屈としては分かりやすいと思いますので、この五十人というのをどう集めるかというのが一番のまずはキーポイントになるんじゃないかなというふうに思っているところでございますが、正に研究環境だけではなくて、主任研究者が行くということになれば、その生活環境、居住環境、いろんなもろもろの環境というのをどう整備するかというところが本当に、何というか、成否の分かれ目になってくるというふうに私は思っておるんですけれども、正にこういう一流の、超、超一流ね、超一流の研究者に来てもらうということになれば当然、一流の研究者、アシスタントが付く、あるいはいわゆるポストドクトラル・フェローとか、あるいはもっといろんな人たちが入ってくるわけで、そういう人たちを、この中で生活環境をどう担保していくのかということが非常に重要なポイントなのかなと思いますが、現状で賄えるもの、そして新しく整備するもの、恐らくある。あるいは、この敷地内でできること、あるいはその近くでできること、これはいろいろあるんだろうと思いますけれども、具体的に必要である機能、規模というとなかなか難しいと思いますが、どういう機能が必要だというふうにお考えになっておるでしょうか。
  75. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) お答えを申し上げたいと思っています。  池口先生あるいは秋元先生からもいろいろお話ございましたように、一流の研究者を集めるということがもうこれは不可欠なことでございまして、今、藤本先生、超一流というような話もございました。この先生方の、例えば子弟の教育環境、あるいは住宅の環境等も、これは大変大きな要素になってくるんではないかというふうに思っておるところでございます。  また、私も沖縄県内でいろんな議論を聞かせていただいておりますが、今沖縄に欠けるものといったら、やはり交通アクセスが余り良くないんじゃないかという等の話等も聞かせていただいておるところでございまして、そういうものの整備も大変重要なことになってくるというふうに思います。  一流の研究者との交流は創造性を高める原動力となるものであり、外部との交流を促進するためにも、これは十分な旅費の支給、今申し上げました良好な交通のアクセス等々、やらなければならないことはたくさんあるというふうに思っております。大学院大学のキャンパスの設計、あるいは交通アクセスの確保については、今後、機構においてこれらを十分に踏まえて検討をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
  76. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 子弟の教育環境というお話がございましたけれども、それ以外に、割とああいうところへ行って困るのは病院なんですよね。病院というのは緊急性が必要だということもありますので、病院については今の状況で十分なのか、あるいはやはり整備しなければいけないと思っていらっしゃるんでしょうか。
  77. 東良信

    政府参考人東良信君) 病院の関係で、それを特定していえば、量的な問題で、例えば大きな大学、いわゆる大学の規模が大き過ぎたと、大きくなったというところは別といたしまして、現状でいえば、やっぱり中部病院というのが相当いい病院でございます。中部にある病院がですね。これは例えば、沖縄サミットが開かれたときにもそこを中心とやりましたし、それからハワイ大学との交流だとかということもやっております。比較的英語も使ったこともやっておられますので、そういう意味では、病院でいえば、特殊な病院とか、いわゆるなじみの医師という意味でなかなかうまくいかないと思いますけれども、そのレベルは十分にあるんだろうというふうに思っております。
  78. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 例えばお子さんが病気になったとかいうような場合、総合病院という点で高度医療ができますよということはあるんでしょうが、ふだん風邪引いたとか頭痛いとかというようなときに、例えばホームドクター制度みたいなのもアメリカなんかあるわけなんですけれども、こういうところだとなかなかそういう、いわゆる開業医とか、そういうところとのつながりというのが難しいんじゃないかなというふうにちょっと思ったりするわけなんですね。例えば頭が痛いといっても、どう痛いの、ずきずき痛いのか、例えばおなかが痛いって、しくしく痛いのか、ずきずき痛いのか、鈍痛なのかって、そういうのを説明するのって物すごく難しくて、そういう対応ができるのかどうかと。  全世界から集めようということになってくると、主任研究者は英語しゃべれるかもしれないけれども、その家族がしゃべれるかというと、なかなかその辺難しいんで、こういうところで、その主任研究者がストレスたまって、自分がわざわざ行かなきゃならないというような話になってくると、おのずと研究にも差し支えが出るだろうと。その辺というのは、私はこれ是非成功させていただきたいと思っているからこそ、その辺の細かな、きめ細やかな対応というのが本当に必要なんじゃないかなというふうに思っておるんですけれども、いかがでしょうか。
  79. 東良信

    政府参考人東良信君) 今先生の御指摘の点でございますけれども、私たちも、卑近な例として、例えば海外に勤務をいたします、そういうときにはそういう、もう家庭のそういうものが大切だと。そのためには、やっぱりこの大学、この大学にそういうことをするやっぱりアシスタントの人がいて、やはり、例えば五年とかそのくらいいてそれなりに日本語が通ずるとか、その地域になじむまでやっぱりそれをちゃんとケアする、そういう相談というんでしょうか、コンサルするという言葉はあれだと思いますけれども、そういう体制をちゃんと充実させる。  そういう意味で、例えばその職員をやる場合も英語ができる方ということを言っておりますし、少なくとも外国の方が来ていただくという形での対応をするということでございます。それを端的に言えば、そういうことをケアする担当者みたいなものを充実しなければならないということは意識しておるというところでございます。
  80. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 それで、そのほかに、やはりそれだけの世界一流の方がいらっしゃるとなれば、当然外から、外からというか海外から、その方と企業の方とか一般の方、あるいは学者同士の交流ということで、かなり国際的な会議とか打合せとか、そういうものが行われるわけなんですが、そういうものをこのキャンパスの中に設備整備しようとされているのか、あるいはその周辺のいろんな、万国津梁館とかいろいろあるわけで、ホテルもあるんですけれども、そういうもので足りるということでこの地域、選定されていると考えてよろしいんでしょうか。どちらなんでしょうね。
  81. 東良信

    政府参考人東良信君) 今先生がおっしゃいました、ゲスト用のをどうするかという議論だろうというふうに思いますけれども、そういうものについては、一定程度は大学の中でも最低限の準備はしなければならないだろうというふうには思っています。しかし、それは一定限度であって、やっぱり地元に、そういう便益といいますか、そういうものがなされるように考えなければならないんではないかと。  これは、例えば短期に来られる例えば研究員の方とか、客員研究員の方の短期の部分とか、それからいわゆる学生さんみたいに非常に低廉ないわゆる住居を提供しなきゃならないというような部分は別といたしまして、やはり地元の方に行っていただいて、そこの交流の場とか、そういうものを考えたり、地域への波及度というものを考えたら、やっぱり地域の方で何とかしていただきたいなというのが基本的な発想でございます。  これについては、沖縄県もそれから地元の恩納村もそういう体制を組もうということで、例えばアメリカとかそういうところのいわゆる学園都市がどうあるべきかということを検討とか、見学、視察、そういうことをやって検討されているというふうに聞いております。  以上です。
  82. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 前回のこの委員会で、遠山委員だったかな、国際機関を誘致する場合に、国際的な国際級のホテルがあるということ、そこに沖縄は多分これ丸が付いていたと思うんですけれども、実は国際機関で誘致すべきというのは、あれは羅列されていますけれども、プライオリティーが恐らくあって、それはあの表にはなかったんですけれどもね。  国際級のホテルがあるということは結構重要なことだと思うんですけれども、小池大臣、この間、世界のリゾートいろんなところに行かれているというお話なんですが、ここの恩納村あるいは名護周辺、そういう点ではどのように評価できますでしょうか。
  83. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 個々の名前を出す必然性はないかと思いますけれども、恩納村の近辺も非常に風光明媚でもありますし、また今回、場所を決めるに当たってもそういったことを総合的に考えられたその結果だというふうに思っております。  リゾートホテルについては、かなり国際的なクラスにも入っていますし、場合によっては、そういうただ大きいというだけじゃなくて、いわゆるコテージ風のとか、そういう意味では十分そういった環境を有しているというふうに思います。  それに関連して、例えば、環境の面で医療のお話ございましたけれども、私は食べ物も結構大きいファクターになるんじゃないかと。だから、大学大学院だから学食を作っておけといって、ただラーメンとおうどんがくるくる回るような、そういうのではまた違うと思うんですね。結構食というのも重要な要素ではないかなというふうに思います。沖縄にはすばらしいレストランなどもたくさんあちこちありますけれども、学食なんかもちょっとそういった点にも気を配るべきかなというふうに思っております。
  84. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 実は余り私、この恩納村周辺というところに行くと、ホテルはあるんだけれども、レストラン、それほど多くないなというふうに思ったりもするし、恩納村のホテルといっても、本当に国際級かというと、ちょっと甚だ私としては疑問だなというふうに思っておるんですが。  というのは、世界のリゾート地というと大体外資系のホテルがぼんぼんぼんぼんとあって、かなりアメリカなりヨーロッパの資本のホテルがあると。そうすると大体、我々もそうなんですけれども、海外に行くときに、まあ慣れている方は別なんですけれども、そうじゃないと、割と日本の資本のJALだとかANAだとかオークラだとか、何かそういうホテルがあると何となく安心して行くんだけれども、やっぱり同じように海外の方も、シェラトンだとかヒルトンだとかマリオットだとかリッツカールトンとか、そういうものがあると何となく安心して来る。ところが、沖縄って割とそういうのがないというのが非常に不思議なところで、実はそれは理由はあるんですが、ここで話してもしようがないので、また別の機会にしますが。そういうところもやっぱり考えていかないといけないなというふうに思っています。  先ほど西銘政務官お話ありましたように、交通アクセスというのが非常に重要で、研究者の活動パターンというのを考えると、国から予算をもらって研究するということだけではなくて、やはり海外に行って講演活動をするとか、逆に自分から出向いていくということも非常に多いわけです。先ほど言ったように、大勢の方が来る、研究者も来ると、そういう意味では国際線というのが物すごい重要で、あるいはそこから恩納村までのアクセスというのも非常に重要なので、そこの点はやっぱり考えないといけないと思っておるんですけれども、まずはアクセスと、交通アクセスの、まあ域内アクセスの部分で非常に渋滞が多いということでございますけれども、それについて具体的にどうしたらいいんだというような計画はありますでしょうか。それがないと恐らくこれ相当ストレスがたまる部分だろうと思うんですけれども。
  85. 東良信

    政府参考人東良信君) 交通アクセスでいえば二点あるんだろうと思います。  一点目は、空港からここまでどうなるかということでございます。現在、いわゆる沖縄の高速道路が実はまだ直結をしておりません。これを早く直結をしたいということで努力をしようということでございます。  それからもう一つは、やはり五十八号線、非常に込みます。ですから、これはまだ計画的なことで確たることは申し上げられませんけれども、やはりバイパスを造っていくということでございます。西海岸道路等々の整備を図っていくということと、それから、どうしても五十八号と高速道路とうまく結び付ける、いわゆるはしごの横つなぎ、こういうこともよく考えていかなきゃいけないだろうということで、今そういう計画も立てようということで努力をしているというところでございます。それから、大学予定地とそれから高速とを結ぶ道路、それから五十八号との結ぶ道路、そういうものについては、今後検討はしていきますけれども、アクセスは十分にうまくいくような形で取りたいというふうに思っております、確保したりしていく形でですね。  以上です。
  86. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 空港の方の、いわゆる国際線といいますかね、その辺について、今は、現状はもうアジア、マニラ、ソウル、上海、台北ぐらいしかないわけなんですけれども、それも、マニラで週四便で、ソウルで週三便、上海で一日一便で、台北で一日二便ですか、なんですけれども、ほとんどそういうアジア地域だけになっているんですが、世界各国からというような話になってくると、もっともっとそういう広いネットワークというものが必要になってくるんじゃないかなというふうに思うんですが、これ那覇空港だけで賄うのは難しくて、ソウルに飛んでソウルから、ソウルがハブ空港化してソウルから行くのか、その辺の考え方というのはこれはかなり国際戦略的な問題だと思いますけれども、その点についていかがでしょう。
  87. 東良信

    政府参考人東良信君) またこれも確たることで申し上げるのはなかなか難しい部分がございますけれども、やはりいわゆるトランジットでどううまく行くかということだろうと、最初はですね、思っております。直通の、直行便の国際線というのはなかなか難しいだろうということで、例えば関空、中部空港、それから成田、そこからうまくトランジットをして出入りができるような格好をしたいなということでございます。  これは沖縄県もそういう意識がございまして、例えば国際会議の誘致だとか、そういうところでもやっぱりその辺がネックになっているということでございますので、いわゆるトランジットの方法をまずはきちっとした形でスムーズな入り方ができると一番いいのかなというふうに思っております。
  88. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 是非、その辺を解決していかないとなかなか成功に導くことができないだろうなという思いがございますので、是非積極的にその辺を検討していただきたいと思いますが。  先ほど池口委員の方から主任研究者一人当たりの研究費ということで一億ぐらいから二億ぐらい円というお話がありましたけれども、これって、いわゆる主任研究者って大体アシスタントとかいわゆるポスドクみたいな人を全部抱えての予算になるんだろうと思うんですが、これは全部ひっくるめてチームの予算と考えるんでしょうか、それともその研究者一人の予算と考えるんでしょうか。
  89. 東良信

    政府参考人東良信君) 今はチームの予算というふうに考えております。  そこの中でいえば、その研究に従事すること、例えば汎用のコンピューターだとか資機材だとか、そういうものについては別の予算という形でつくっているということでございます。  だから、それ専用の、いわゆる研究に、研究そのものに使う、それのみに使うようなものは研究費の中に入れていただいていますけれども、汎用のものはまた別な計算という形で考えております。
  90. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 そうすると、全部人件費なんかも込みでということですか。
  91. 東良信

    政府参考人東良信君) そのとおりだというふうに考えております。
  92. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 そうすると、先ほど研究者によって、あるいはやる分野によってスタッフの数も違うし、いわゆるリソースの部分が違ってくるというお話があったんですけれども、そうなると、その額というのはどうやって決める、どこが、運営委員会が決めることになるのですか、要するに一人当たりの。要するに中身によっても相当予算というのは幅が出てくるんだろうと思う。お金掛かるものと掛からないものもあるかもしれないし、スタッフを大勢抱えるものとそうでないものもあるかもしれないわけですよね。その予算というのは、いわゆる今度、運営委員会は今度機構か、そうすると、大学院大学になったときには、それとまた別の運営委員会が横滑りして、またボードになるのかどうかちょっと分からないですけれども、そういう、何かそういう決める機関というのはできるんでしょうか。
  93. 東良信

    政府参考人東良信君) 端的に申し上げれば、そういうアカデミックコミッティーみたいなものができて、そこの中で研究審査だとか数、どういう、適正なものであるかどうかということは決めていくという、そういうものだと考えております。  もう一言申し上げれば、いわゆるそういう研究関係審査委員会だとか等、名前が、どういう名前か分かりませんけれども、それを審査したり、それから、審査というか、何といいますかね、これが適正、いわゆる採用するかしないかとかって決める、そういう委員会がつくられるというふうに思っております。
  94. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 多分これ相当高度な研究だと思うんですけれどもね。そうすると、やはり専門がちょっとでもずれると、それが本当に研究する意味があるのか、将来どう使われるのかというのが判断できないんじゃないかというふうに思うんですけれども。そうすると、それぞれの専門分野で専門委員というのをつくって、あるいは外部から招聘するのか、評価委員というのか、審査委員というんですか、そういうものをつくってやるということ、外部も巻き込んでやるという意味合いなのか、あるいは大学日本大学みたいな、教授会みたいなのありますけれども、そういうものでやるという、これ全然違うんですけれどもね。アメリカなんかは教授会ないわけですから。日本はあるわけですけれども。そこ、全然多分仕組みが違うんですけれども、どっちをイメージされているんでしょう。
  95. 東良信

    政府参考人東良信君) 今までの議論を、この推進に関与していろいろな議論をしておられる先生方議論を総括いたしますれば、やはりアメリカ型のやり方をイメージしていると。ですから、そういう意味では、従来の教授会中心の運営ではなくて、アメリカ型の運営の仕方をしていくということでございます。そういう意味では、外部からのそういう評価をする方々も含めてつくられていくんだろうというふうに思っております。
  96. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 今回、四人の先行的研究事業を採択されて、四人のまあ主任研究者ですか、と呼んでいいんですかね、が選ばれたんですけれども、それも同じようなやり方で決めたんでしょうか。
  97. 東良信

    政府参考人東良信君) これは、これを審査する、事前に、事前審査をする方々、これは日本の方と外国の方で、あれは四、ちょっと総数失念いたしましたけれども、五、六人の先生方をやった後、またこのボード・オブ・ガバナーの先生方一つ一つチェックをして、それで優劣を決めたと、採用するかしないかを決めたということでございます。それが大体の先行事例という形でこの大学院大学とともにこの機構の場合にはなされていくだろうというふうに思っております。
  98. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 先ほどのリソース、研究環境の話ですけれども、予算のことも重要ですけれども、いわゆる機器とかコンピューターとか、そういうものもあって、共有のものというのもあるだろうし、あるいは個々の研究者に合わせるものというのも多分出てくるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、素朴な疑問として、全体の仕様というかリソースというのが決まらないうちにどうやってファカルティーというのか主任研究者を集めるのか。で、卵が先か鶏が先かになるんですけれども、主任研究者が決まっていないうちにどうやってその仕様を決めるのか。どっちがどうなのかというのが非常にこれ分かりにくいんですよね。だから、それぞれによって欲しいものが、必要なものが違う。だけれども、その人たちのためにはこういう仕様でやりますよということをあらかじめ示さないと応募もしてこないかもしれない。ちょっとこの辺、どううまく整合付けているのかなと思っているんですけれども、ちょっとお聞きしたいんですけれども。
  99. 東良信

    政府参考人東良信君) 今までのこのいわゆる研究事業の採用、どうあるかということでございますけれども、やはりいわゆるハード先行ではなくてソフト先行ということで、先生方がどういうことをやられるかということでございます。  基本的には、この研究をやっていただこうということを、まずいわゆるテーマを決めた上でこの前の先行的な研究公募はやりました。そして、今回ブレナー先生がお集めしようということは、ブレナー先生が大体自分が知っている範囲の部分でどういう形でやったらいいかと、どういう先生を集めたらうまくいくかということを考えてやっておられます。やっぱりそういうふうな先行になるだろうというふうに思いますので、まずはどういう研究物があって、それで後からハードが付いてくるということが基本だろうというふうに思っております。
  100. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 そうすると、いわゆる主任研究者が替われば何年か、五年ぐらいですか、五年で替えて、希望、延長があれば七年になるわけですかね、ぐらいで替わるとしたら、またそこで新しいリソースに変わる可能性というのはあるわけですよね。
  101. 東良信

    政府参考人東良信君) はい。そこは当然、それが終わったとかうまくいっていないとかということで替われという議論が出てくるだろうというふうに思っていますし、そうすることがまたこの活性化のために必要だろうというふうに思っています。
  102. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 前回委員会で、最終的に何か二百名とか三百名という、それを、主任研究者を二百名ぐらいやっぱり必要じゃないかとか、あるいはこれをやっていく調査委員会といいますか、構想検討会とかあるいは国際顧問会議とか評議会とかボード・オブ・ガバナーズ、まあいろいろあって、これがどこがどうなるかという、ちょっと体系的な整理をした方がいいかなと思いつつも、ちょっと読ませていただいたら、まあ三百人ぐらいにしておいたらどうだろうかと、二百人が必要だけれども。三百ぐらいの予算付けておいた方がいいんじゃないかみたいな話があるんですけれどもね。最終決定は、これやっぱり五十人じゃなくて二百人ぐらいを考えていらっしゃるわけですか、これ。三十年後か五十年後か。
  103. 東良信

    政府参考人東良信君) 今先生の御指摘の部分で申し上げれば、三十年とか五十年先、そのタームははっきりいたしませんけれども、やはり二百から三百の体制は取りたいというふうに思っていますし、それを目指して動いているということでございます。
  104. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 小池大臣に最後の質問でございますが、お聞きしたいんですが、これは壮大な計画だと。普通の、普通のと言っちゃ怒られちゃうかもしれませんけれども、大学院を設置する大学、いわゆる大学院大学とはちょっと考え方が違っていて、これをモデルケースとしたいということは、日本には恐らくないものをつくろうということなんだろうと思います。  それには相当な努力と熱意と情熱とが必要なんだろうというふうに思うんですけれども、小池大臣、先ほどこれが五十年後、日の目を見るのを自分で見られるかどうかというお話ありましたけれども、当面は小池大臣にリーダーとして引っ張っていっていただかないとならないわけでございますので、これに対する思い入れといいますか、その辺りについてちょっとお聞かせください。
  105. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 全くそのとおりでございまして、というのは、これは世界最高水準研究教育活動を行う大学院大学ということで、これまで、じゃどこに匹敵するのかというと、国内でなかなか探しにくい。というか、これからつくっていくんだということでございます。非常にそれだけでもチャレンジングでございますし、またボード・オブ・ガバナーズ皆様方、ノーベル賞受賞者の皆さんがある意味、手弁当みたいな形で今やっていただいているんですね。もう頭が下がる思いをいたします。  いまだに私は何でこの先生ノーベル賞を受賞したのか、よく理由がいまだに分からないぐらいすごい先生方ばっかり並んでおられるんですけれども、その先生方がやっぱり次なる、何というんですか、世代を育てるというその使命感も持っておられるということ、これはもうすばらしいことだと思っております。  ああ、あのときにこの沖縄北方対策委員会で自分もその審議にかかわって賛成したんだよといってお孫さんたちに自慢ができるような、そういう大学院大学の設立に向けまして、目が白いうちは頑張らしていただきたいというふうに思っております。──あっ、ごめんなさい、目が黒いうちです。
  106. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) 藤本先生、国際級のホテルという話がありました。もう僕これ、国際級かどうか分かりませんが、四月一日に、これ名前を言わせていただくと、マリオットリゾートというのが地元の合弁でできるようであります。そういうことを報告させていただきます。
  107. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) 時間。
  108. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 じゃ一言だけ。
  109. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) じゃ藤本君。
  110. 藤本祐司

    ○藤本祐司君 はい、済みません。じゃ一言だけで終わります。  これ、実は、文部科学省が多分所管するようなことになると、私ちょっと心配なのは、そこら辺にあると言っちゃ怒られちゃうけど、ちまちました大学院大学になっちゃいけないなというふうに思っていまして、これはもう本当に世界最高峰のものでやるんだということで、その信念は持ち続けていただきたいというふうに思っておりますので、是非ともそのことを御理解いただきたいというふうに思います。  終わります。ありがとうございました。
  111. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法案について質問をさせていただきます。  これまでの委員の皆さんの質問で大分私が質問しようとする項目も質問をいただいたようなので、多少ダブるかもしれませんが、省略する部分もございます。  まず、基本的なことですので、最初に小池大臣に本機構の設立目的に関してちょっと質問をさせていただきますが、沖縄の自立的発展に対してこの独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構がどのような役割を果たすのか、お伺いをいたしたいと思います。
  112. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 済みません、目を白黒させて。  まず、御質問でございますけれども、二十一世紀の振興を図るという点では民間主導の自立型経済の構築が必要だと、このような考えがまずベースにございます。そのためにも科学技術の振興、それから技術革新による新たな産業の創出ということ、これがこれまで以上に重要なかぎになってくるというふうに考えております。沖振法におきましても、科学技術の振興というのが新たな柱の一つに加えられたところでございます。ですから、その核となるものとして、今回、この世界最高水準の自然科学系教育機関であります沖縄科学技術大学院大学というのを位置付けたということでございます。  そういった意味機構、それからこの、今御議論いただいているのは機構でございますけれども、その機構を引き継ぎますこの将来の大学院大学のその周りに企業の研究所であるとかベンチャー企業が進出して、そして結局沖縄知的産業クラスターができるということから新たな産業の創出など、結局は沖縄振興に十分資するという、そういったことを考えております。  もう役割はいろんな意味で大きいものがあろうと思っております。
  113. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 次に、内閣府の方にお伺いをしますけれども、本機構目的一つ大学院大学の設置の準備ということでありますけれども、この沖縄大学院大学の在り方について、これまでノーベル賞受賞者などを中心として検討されてきておりますけれども、その結果について確認意味で簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  114. 東良信

    政府参考人東良信君) お答えいたします。  大学院大学の在り方につきましては構想が十三年の六月、平成十三年の六月に提唱されたわけでございますが、それ以来、ノーベル賞受賞者を始めといたしました国内外の一流の科学者の参画を得まして検討を行ってきたところであります。  その結果、一つ世界最高水準、それから国際性、それから柔軟性、それから世界的連携、産学連携を基本コンセプトとすると。  それから二つ目は、基盤となる専門分野と既存の分野を融合した最先端の領域において世界最高水準研究と教育を行うということ。  それから三つ目でございますが、基盤分野といたしましては、物理学、コンピューター、情報科学、数学、化学、材料システム工学、生物科学として、融合分野については生命システムを当面の中心とするということ。それから、教育課程は博士課程を考えるということ等、講義、指導、そういうものはすべて英語で行うということでございます。  こういった大学院大学方向性、それから教員及び学生の採用の在り方、それから施設整備の進め方、大学運営方式の在り方など、多岐にわたって御提言をいただいておるということでございます。  以上でございます。
  115. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 先ほどからも委員質問にお答えいただいているわけですけれども、今までに日本でないような本当にすばらしい目的、理念を持った大学院大学ができるということですので、本当に期待をしたいと思います。  次に、ちょっと条文に関して質問をさせていただきたいんですが、西銘政務官、内閣府の政務官にお伺いをいたしたいと思いますが、機構の資本金は政府から出資があったものとされた金額とすると、そのようになっておりますけれども、沖縄の地元自治体の負担というのはないということでよろしいのか、また資本金の額はどれくらいを見込んでおられるのか、五条関係でございますけれども、お伺いをしたいと思います。
  116. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) 機構の設立時点の資本金につきましては、恩納村にある旧白雲荘に係る土地、建物を国から出資することとしております。設立時点では沖縄の地元負担、地元自治体に負担をしていただくことはないというふうに考えております。  当該財産につきましては、今後内閣府に設置される資産評価委員会において評価されることになっておりますが、現時点では確定はしておりませんが、来年度ベースで約四億円弱になることを見込んでおります。
  117. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 同じく西銘政務官にお伺いをしたいと思いますけれども、第三項で「政府及び沖縄の地方公共団体は、前項の規定により機構がその資本金を増加するときは、機構に出資することができる。」、このようにありますけれども、この増資の場合の沖縄の負担について今現在でどのようにお考えになっているのか、お伺いをしたいと思います。
  118. 西銘順志郎

    大臣政務官西銘順志郎君) 機構や将来の大学院大学の活動は、世界科学技術発展のみならず、今後の沖縄の振興にも寄与するものでございます。その成果が地元にも還元されていくことを私たちは期待をいたしているところでございます。また、こうした恩恵を享受される地元自治体から自主的に財産面での協力を得ることは、機構運営を円滑に進める上で有益であるというふうに考えられます。沖縄の地方公共団体から出資したいという意向があれば、それを受けることを可能としたものでございます。
  119. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 それから、先ほどもございましたけれども、運営委員会については先ほどお話がありましたのでこの質問は割愛をさせていただきますが、機構の役員と及び運営委員会メンバーは両者とも内閣総理大臣が任命するということになっておりますけれども、それぞれの役割、特にその違いについてもお答えをいただければ有り難いと思います。
  120. 東良信

    政府参考人東良信君) お答えいたします。  機構運営委員会というものは、法に書いてありますとおり、業務方法書や中期計画の作成等について議決をする、それから理事長の任命に関し総理に意見を述べる、それから機構の業務の実施状況について監視をする、それから大学院大学の在り方等重要事項について理事長に建議するという権能を有しておりまして、機構運営方向性について長期的観点に立った審議を行う機関というふうに考えております。  一方、機構の理事長、理事というものは、これは執行機関でございまして、機構の日常の運営業務について責任を負うものでございます。その業務と運営委員会における長期的視点に立った議論というのは常に連動をして、連携をしてうまく、うまく連動させながらこの運営をやっていくべきものだというふうに考えております。
  121. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 理事長の任期が四年と、一方、運営委員会メンバーの任期は三年というふうになっておりますけれども、この任期の期間の違いというものはどういうことなのか、そのことについてお伺いをいたします。
  122. 東良信

    政府参考人東良信君) 理事長の任期につきましては、やっぱり民活の思想というものを入れて機構運営を行うということでございますので、一定程度の、やっぱりそれなりの期間がないとなかなか難しいだろうということでございます。それとともに、大多数の独立行政法人見ますと、法人の長の任期が四年ということでございましたので、四年にいたしました。  それで、一方、運営委員会につきましては、この中期計画の作成とか、それから監視をしていくとかいうものがございます。そういう意味で、委員の任期を、理事長の任期も考慮しながら、委員長の任期が四年でございます、で、やっぱり監視したりいろいろするということは、新しい目で見るということも大切だろうということでございますし、そういう意味で三年ぐらいがいいだろうということでございます。これはボード・オブ・ガバナーの先生たちも大体こんな形なのかなということで御理解をいただいております。  そういう意味で、両者が違って役割に応じた働きをしていくという意味で、チェック・アンド・バランスも含めてやれれば一番いいのかなということでこういう任期になっているということでございます。  以上でございます。
  123. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 それでは、沖縄科学技術大学院大学の開学について質問をさせていただきたいと思いますが、先ほどもいろいろ議論がございました。五十人程度、主任研究者が五十人程度そろった段階で開学というような考え方であるということですけれども、やはりある程度のいつごろというのがないと、勉強したいという人も、今も勉強したいと思っている人がいるんではないかと思うんですが、それが三十年、五十年、これは完成の時期かもしれませんけれども、あるいは二十年先なのかということになると、そういう意欲を、沖縄の方がもしそこで勉強して地元のために頑張りたいというような意欲を持っていても、いつになるか分からないんではなかなか入るということを決断できないかもしれませんので、おおよその開学時期というのは示されてしかるべきかなという思いもございますが、この点はいかがでしょうか。小池大臣あるいは、はい、どうぞ東局長
  124. 東良信

    政府参考人東良信君) 大学院大学の設置の時期ということでございます。  五十人程度はなるべく確保しなければならないというふうに思っていますけれども、一方では、先ほど申し上げましたとおり、なかなか世界有数の研究者を集めるという困難性、それからもう一つは、これは物理的な問題でございますけれども、やっぱり研究施設が立ち上がっていかなければならないということがございます。そういう意味でこの時期がなかなかうまく言えない部分がございますけれども、なるべく早くしたいなということでございます。  あえて申し上げれば、この大学機構ができて、大学をどういうふうにしようかとか中期計画を立てるというときには大体どうだろうということは決まっていくんだろうというふうに思っています。それは、我々がいつまでしなさいと言うこともまたちょっと言い過ぎる部分がございまして、そういう形に考えておるところでございます。私どもとすれば、きっと、ブレナー博士は少し高齢でございますので、自分が働ける間にということはもう常に思っておられるというふうに伺っておりますし、実際私ども言っていただきます。  そういう意味で、その先生方努力とか自分の決める形でやっていただければ一番いいかなということで、我々は五十人程度という形でのことを申し上げているということでございます。  以上でございます。
  125. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 先ほど、場合によっては三十年とか五十年という期間をもって立派な大学をつくっていくというお話でしたが、その三十年とか五十年という期間というのは、先ほどの主任研究者が二百人とか三百人とか集まって完成した、完成したという期間がそのくらいということでよろしいんでしょうか。
  126. 東良信

    政府参考人東良信君) 先生がおっしゃるとおりのことでございます。  いわゆる三百とか、いわゆる成熟した大学として出てきている部分としては、二、三十年は、三十年から五十年は掛かるだろうと、こういうことでございます。
  127. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 沖縄科学技術大学院大学の建設費といいますか、先ほどからなかなかそれを計算するのは難しいというお話でございましたが、例えば施設とか、汎用のそういう機器類等、そういうものを作るというだけであれば、おおよそこのぐらいになりそうだというようなものも現在のところでは分からないということでしょうか。
  128. 東良信

    政府参考人東良信君) 単純に計算すればそれは出てくるんだろうと思いますけれども、実は具体的にどういう研究をやるか、例えば研究棟といっても、非常に高度といいますか、高度な研究室でいいのか、一般的な普通の校舎的なものでいいのかということで相当コストも違ってまいります。ですから、申し上げても、数字的に言うと非常に幅のある数字で、これは混乱の要因だというふうに思いますので、我々は今、施設の規模だとか内容等々を見ないとなかなかできないということを申し上げているということでございます。
  129. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 それでは、大学院大学研究課題について質問をさせていただきたいと思います。  現在、先行的研究事業として実施している四研究のこれまでの成果と今後の展望についてまずお伺いしたいということと、また二つの研究が、四つの中の二つの研究が脳科学に関連し、ボード・オブ・ガバナーズメンバーの一人は脳科学の世界研究者でございます利根川進ノーベル賞受賞者でございます。  そういう意味で、脳科学や心の科学に関連した研究をこの沖縄科学技術大学院大学で今後どのように推進をしていくのか、そういう方針がございましたらばお伺いをしたいと思います。小池大臣、よろしくお願いいたします。
  130. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 今御指摘ございましたように、先行的研究事業として平成十五年度に公募を行って、そのうちの四つの研究課題を採択したわけであります。そして、同じく十五年度の末からこの研究グループの立ち上げが始まっております。それから約一年たちました。既に世界的な学術雑誌でありますネーチャーにその研究の成果が発表されるといったこともございまして、正に実績が着実に重ねられているということでございます。  そしてまた、今後でありますけれども、当面は御指摘のように神経科学を含めた生命科学を中心として、先ほどより局長が御答弁させていただいているように、これはフュージョンというか融合、いろんな学問分野を融合させた、そういった先端的な領域に重点を置こうということでございます。研究事業につきましては、これにもちろん限ることございませんけれども、順調に拡大また発展していくように見守っていきたいと、このように思っております。
  131. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 政府としても、沖縄に限らず脳科学の研究というものを進めているわけですけれども、脳を知る、つくる、守る、あるいははぐくむというようなことで脳科学の研究しているわけですが、いろいろ日本においても、子供さんの心の問題とか様々な大きな課題がありますし、ある程度年配の方については認知症というようなもので、そういうものに対してどう予防あるいは治療をしていくのかと。  そういう意味では、基本的なそういう脳科学の発展というのが大変重要になってくると思いますし、利根川先生のいろんな御講演なんかの資料を見ますと、統合失調症の研究をされるとかいうようなお話もちらっと聞いておりますけれども、非常に重要な先端的な研究をされているので、日本において、特に沖縄でそういう分野で研究を進めていただければ、長寿の国で、しかも認知症みたいな症状がなく元気で長生きできるということであれば本当にすばらしいことだなと思いますので、そういう脳科学の研究等に優秀な研究者集まっていただいて、すばらしい研究がこの沖縄科学技術大学院大学で進められれば本当にすばらしいことだなと、そのように考えておるわけでございます。  次に、関連するわけでございますが、その研究テーマとして、アジアの抱えている中長期的な諸問題の中で最も大きな課題はやはり経済成長と環境問題ではないかと、また人口問題と水と食料の確保ではないかというふうに私は考えておりますけれども。まず環境問題に関していえば、OECDの国際エネルギー機関は、CO2の排出量統計二〇〇三年版において、一九九〇年から二〇〇一年までの十年間の世界のCO2排出量増加率を出しておりますけれども、世界の全体の平均が一四・六%に対して、国別では、米国が一七・六%、日本は一一・二%と低いわけでありますけれども、中国が三六・〇%、インドが七一・四%、韓国が九二・七%と、そのようにアジアで急増しているということでありまして、これからアジアの環境問題というのはますます深刻なものとなってくるのではないかと、そのように考えております。  そのようなことを踏まえますと、沖縄科学技術大学院大学において、研究課題の一つとして、アジアにおける持続可能な経済発展と環境問題について、各国の研究機関とも連携をしながら、こういうテーマについても研究をしていただければなという思いがございます。この点はいかがでしょうか。日本は環境関連の科学技術の先進国であるということも頭に入れて、そういうテーマでの研究が進められればと思っておりますが、この点はいかがでしょうか。
  132. 東良信

    政府参考人東良信君) お答えいたします。  誠に申し訳ないということでございますけれども、この大学院大学というのは、二十一世紀の沖縄振興を図るということで、科学技術の振興を進めて、科学技術による新たな産業を創出するという目的を持っているものでございます。その中で、やっぱり、今大臣からも御答弁させていただきましたとおり、融合分野をきちっとした形でやっていくということが一番いいだろうということを言っておりまして、そういう意味で、沖縄振興計画におきましても、自然科学系の研究教育を行う沖縄科学技術大学院大学をつくろうということを決めたところでございます。  研究のテーマでございますけれども、先ほど申し上げました趣旨から申し上げれば、やはり当面は、機構においては、生命科学を中心として既存の学問を融合した領域において先端的な研究というものを行っていくということだろうというふうに思っております。
  133. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 基本的な研究目的、テーマが生命システムを中心とした課題ということでございますので、基礎的な科学技術ということになれば、当然ある程度狭い範囲の研究になってしまうと思うんですけれども、やはり環境問題というのは広い意味での生態系、これもまた生命システムの、グローバルな意味での生命システムの研究になると思うんですね。そういう意味では余りテーマと懸け離れているものではないのではないかというふうに私自身は、言葉じりからとらえれば、そう考えておりますので、いろんな研究者がこれから増えてくると思うんですね。  そういう中で、こういう経済成長と環境問題と、特に日本は環境の問題の様々な科学技術を持っておるわけですから、これを発展させるというようなことでのつながりを重視していただいて、そういうテーマも研究をするという、したいという方がいらっしゃれば、それを受け入れていただいて研究を進めていただきたいなと、そのように思います。  二番目が、先ほども申し上げましたけれども、中国やインドなどを擁しているアジアにおきましては、世界の六〇%の人口を抱えているということで大変な状況でございますけれども、そういう大人口の中で重要になってくるのは水と食料の確保ということになります。こういう大人口と水と食料の確保というようなテーマは、この沖縄科学技術大学院大学では採用するようなテーマとなっているんでしょうか。その点もお伺いをしたいと思います。
  134. 東良信

    政府参考人東良信君) 先ほど御答弁いたしましたとおり、機構におきましては当面、生命科学を中心として融合分野をやっていくということでございます。ただ、この機構大学院大学研究というのは、やっぱりその研究者の自由な発想に基づいていろいろな発展をしていったり、いろいろすることがあるというふうに考えております。そういう意味で、いろいろな動きやバリエーションが出てくるということについては排除するというものではないというふうに思っております。  以上です。
  135. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 バイオテクノロジー等、特に農業関係ですと、農産物のバイオテクノロジーを利用した生産の増大というようなことは当然大人口になってくれば必要になってくることですので、そういう面でも正に生命科学の分野に入ってくるのではないかと、そのように思いますんで、そういうテーマも受け入れていただけるようにしていただきたいなと思います。  次に、これまでも課題になっておりました国連アジア本部の設置について少し最後にお伺いをしたいと思います。  国連中心主義というのは、日本外交の重要な基軸の一つであると思っております。しかも、今、日本は国連分担金も多く支払っておりますし、また現在常任理事国を目指しておるわけでございます。そういう意味で、もう一歩国連への働き掛けというものが重要になってくるのではないかと、そのように考えておりますけれども、沖縄に関して言いますと、一九九六年に設立された沖縄国連研究会がアジアの安全保障や平和の問題を検討するための国連アジア本部の沖縄への誘致ということをずっと主張をしているわけでございますが、この点、外務省の方でどのように考えておられるか、また進歩があるのかどうか、その点お伺いをしたいと思います。
  136. 遠藤善久

    政府参考人遠藤善久君) お答え申し上げます。  外務省といたしましても、国連諸機関沖縄への誘致の問題につきまして、これまでも様々な角度から検討を行ってきております。先生指摘の国連アジア本部を含め国連機関等の沖縄への誘致の可能性につきましては、昨年三月に内閣府において行った委託調査の結果がまとまったものと承知しております。現在、この調査結果を踏まえて、具体的に何ができるかにつき、内閣府において検討が行われているものと承知しております。  外務省といたしましても、このような状況を踏まえた上で、今後沖縄の歴史的、地理的特性を生かして何ができるかにつき、内閣府始め関係者と協力しつつ検討を行っていきたいと考えております。
  137. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 沖縄にとって自立型経済の構築は最も重要な課題でありまして、それを推進するための政策の一つとして科学技術の振興があるわけでございますが、そのための今回の法案の提出と、そのように理解をしておりますけれども、もう一つ重要な政策は、やはりアジア太平洋地域の国際交流の拠点づくりであると、そのように言われておるわけでありまして、私もそのように考えております。  そういう意味で、国連アジア本部あるいはもっと広く国連アジア太平洋本部を沖縄に誘致することは大変重要な課題であると、そのように考えております。科学技術の振興の基盤づくりが法案によって、本法案が成立することによって大きく前進することになることを考えますと、残ったもう一つの課題であるこのアジア太平洋地域の国際交流の拠点、これに是非とも力を入れてほしいと、そのように考えているわけであります。特に沖縄は、万国の懸け橋たらんと、そのような大きな、これまでの歴史の上からそういう目標といいますか県民性を持っておられますんで、もう一つの課題であるこのアジア太平洋の地域の国際交流の拠点に政府としても力を入れていただきたいと。外務省の方も同じく、その一員として力を入れていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
  138. 紙智子

    ○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  まず、普天間基地移設にかかわる問題です。  名護市の辺野古沖への普天間飛行場移設が国の天然記念物になっていますジュゴンに重大な影響を与えるとして、昨年の九月に日米の自然保護団体が米国の文化財保護法、NHPAに基づくジュゴンの保護を求めて訴訟を行っていました。    〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕  被告の米国防総省とラムズフェルド長官は、このNHPAの適用対象は建造物なのでジュゴンのような生物は対象になり得ないんだと、またこの代替施設は日本政府プロジェクトであって、建設行為に米政府は関与しないんだと言って却下を申し立てていました。しかし、このサンフランシスコの米連邦地裁は今月初めにこれを退ける決定を下して、実質審理に入ることになりました。今後、米国の裁判所でも、この普天間移設がジュゴンにどのような影響を及ぼすのか審理されることになります。  大臣は環境大臣も務めておられるわけですけれども、こうした動向についてどのように受け止めておられるでしょうか。
  139. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) この訴訟につきましては、先般ワシントンに参りました際に、ラムズフェルド国防長官も自ら、僕はジュゴンに訴えられていると言って認識をしておられました。  今回、この司法のまずはサンフランシスコにおける連邦地裁の御判断が出たということでございます。あくまでも、まず米国内の司法の判断ということでございますので、私としてのコメントは差し控えをさせていただきたいと思います。
  140. 紙智子

    ○紙智子君 今回のこの連邦地裁決定の重要な点というのは、沖縄のジュゴンが米国でも文化財保護法が適用される価値のあるものだと認知をされたということですね。それから、辺野古への移設日本政府の単独の行為ではなくて、これは米国政府の行政行為でもあるとしたことなんですね。  今後、アメリカ政府がこの米文化財保護法の手続を守っているかどうかが争点になってきます。審理の進展によっては、米国内でも大きな関心を呼ぶことになりますし、さらに関心の高まりということでいいますと、日本、米国にとどまらず、国際的にも注目を浴びることになると思うんです。  昨年の十一月に国際自然保護連合、IUCN世界自然保護会議が、このジュゴンなどの希少野生生物保護と環境影響評価と、この見直し日本アメリカ日米政府に求める勧告案を採択をしています。世界自然保護会議は絶滅の危機が更に進んでいると指摘をしておりまして、今後の審理は国の枠を超えて注目される問題になってきます。  大臣も、北限のジュゴンを守る立場を更に強めて発言をされるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょう。
  141. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 政府の一員といたしまして、まずは市街地に所在しております普天間飛行場の一日も早い移設そして返還という大きなテーマもございます。ですから、その辺野古の移転の部分と、それから普天間の飛行場の対応ということなどを考えまして、平成十一年の閣議決定などに基づきまして、自然環境などに著しい影響を及ぼすことのないように最大限の努力を行うという、こちらに注力をしているところでございます。  御指摘の点について、IUCNでの、バンコクで開かれましたIUCNの決議等々につきましては十分承知をしているところでございます。
  142. 紙智子

    ○紙智子君 世界に対しても恥ずかしくないように是非やっていただきたいというふうに思いますし、やはりジュゴン保護という立場を出していただきたいというふうに改めて思います。  普天間基地の辺野古への代替新基地の建設の見直しにかかわっては、様々な政府発言がされています。小泉総理は、三月二十三日の参議院の予算委員会で、なかなか進んでいないことも事実と、全体の中でそういう点も踏まえてどうすべきか検討しなければならないというふうに言っていますし、それから防衛庁長官も衆議院の審議で、針の穴みたいな小さな穴かもしれないが、もしいい案が出てくれば見直しは当然だというふうに、見直し可能性についても言っているわけですね。  これは、見直し可能性は否定していないということですよね。いかがでしょうか。
  143. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) お二方の発言でございますので、私からお答えするというわけにはいかないかと思います。言葉ではいろいろと言えると思いますが、全体としての判断ということも必要になってくるかと思っております。  御指摘のことは重々よく承知をいたしておりまして、そしてそういった中で何ができるのかということ、また日本抑止力をどのようにして確保しておくのか、そしてまた現在進行形であるであろう米軍の再編問題とどうかかわってくるのか。これは、辺野古につきましては、あくまでもSACO、そして普天間の飛行場の移転ということについての問題であると、このように認識をいたしております。
  144. 紙智子

    ○紙智子君 自民党の元大臣だった額賀議員も、移転計画がスムーズに進展していないのは明らかであると、この際きちんと現状を再検討し、その上で判断する時期に来ていると、こういうふうに言っているわけですよ。  一〇〇%可能性がないというふうに大臣としては言えるんですかね。一〇〇%可能性ないと言い切れるんでしょうか。
  145. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) お答えできません。
  146. 紙智子

    ○紙智子君 極めて、非常に大事な問題なわけで、そういう中で大臣がそういうふうに言われるということは非常に私は残念です。針の穴みたいな小さなものでも可能性があると防衛庁の長官も言っていると。そういう中で、そういうことであれば、結論が出るまでは凍結するのが当然じゃないかというふうに思うんですよ。    〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕  この委員会としても、今年一月に現地に入りまして、防衛施設庁の方から説明を受けました。実際に今ボーリング工事をやっているところの説明を、現場を見て説明を受けたわけです。そのときに、アセスのために最小限のことは必要なんだというふうな話をされているわけですけれども、その施設局でさえ、昨年十二月にこの台船設置による海底のサンゴの破壊、消失ですね、三十四か所も破壊している箇所があると公表しているわけです。それで、防衛施設庁の調査でさえもそういう話で、地元の人たちのはもっと、それどころじゃないと、もっと破壊されているということを言っているわけです。  やっぱりサンゴ礁を傷付けることは、これ避けられないわけで、少なくとも、今いろいろ考えられているという中で、結論が出るまでは計画はストップすべきだということで、大臣のリーダーシップでおっしゃるべきではないかと思うんですけれども。
  147. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) あくまでもこれは普天間の飛行場の移設・返還ということにかかわってくる問題でもございますし、環境の保全という点ではこれまでも何度も助言なども繰り返してやってまいりました。その結果、例えば作業の時間を区切るなど、そういった形で対応をしていただいているところでございます。  また、政府としても、先ほど来申し上げておりますように、我が国における抑止力の確保という大きな観点もございます。そういった点で、両方並び立たずというところもございましょうけれども、現時点でおきまして、小泉総理発言なども多々ございますけれども、現時点辺野古沖への移設計画見直しについて具体的に検討しているという事実もございません。  ですから、何というんでしょうかね、言葉でいろいろ申し上げることはできますし、いろんな思いもございます。しかしながら、そこでもって、どのようにして現在の沖縄の軽減、負担の軽減をしていくのか、それぞれ私もここで十分申し上げられないかもしれませんけれども、そういったことも踏まえて今最善の努力をしているところでございます。
  148. 紙智子

    ○紙智子君 これまでの答弁の範囲からは余り変わらない、非常に、立場としてはそういう意味では環境大臣でもある一方で沖縄北方の担当大臣ということなんですけれども、やはり本当に国際的な長い目で見たときに、必要な立場に立って必要なイニシアチブを発揮していただきたいというふうに改めて思います。  このまま工事を進めて、仮に見直しの方向になったときに、取り返しが付かない状況になると思います。結論が出るまで計画を止めるように、やっぱり私は大臣から強く言っていただきたいということを再度申し上げておきたいと思います。  次に、沖縄科学技術研究基盤整備機構法についてですけれども、基本的にこの法律については賛成であります。  沖縄科学技術大学院大学の設立については、沖縄側としても非常に高い期待を持っています。しかし、重要なことは、この大学院大学沖縄振興法の基本的な目標である沖縄の自立的発展にどのようにつながるのかと、皆さんも質問の中でもいろいろやり取りされているわけですが、大臣は衆議院で、大学を中心とした企業の研究所、ベンチャー企業が周囲に進出をし、知的産業クラスターが形成されることで沖縄における先端産業の創出や、ひいては沖縄経済の発展に寄与するというふうに答弁をされています。  問題は、この企業の研究所、ベンチャー企業が果たして沖縄に進出してくるのかどうかということだと思うんですね。今までも、沖縄振興法に基づいて特別自由貿易地域としてこの企業の誘致を促進しようということでいろいろやっているわけですけれども、なかなかこの企業が沖縄に来ない現状があるというふうに思うんです。大学院大学が設立されていく場合には、こうした企業誘致が進むのか、その見通しがあるのかということでの見解を伺いたいと思います。
  149. 東良信

    政府参考人東良信君) お答えいたします。  先生もう御案内のとおり、ベンチャー企業が集積をして知的産業クラスターが形成されていくという循環図は御理解いただけているんではないかというふうに思います。具体的にどういう形になるのかということが問われているんだろうというふうに思っております。  一つは、大学院大学の方で一体どういうことをやるのかということが大きな問題が一つあるだろうと、それから、それに向けて一般の企業がどういう反応をするだろうかと、これは予測の範囲内でしか答えられない部分がございますけれども、その二つの部分についてちょっと御説明をしたいというふうに思います。  大学院大学におきましては、基本的にやっぱりきちっとした研究成果を出すということが大切だと。そして、当然のことながら、リサーチパークの造成とか、周辺環境の整備というものがなけりゃならないと。それからもう一つは、TLO的なものでございますけれども、大学院大学の産学連携のための制度といいますか、そういうものをきちっとつくると。これは大学院大学でちゃんとやっていこうということでございますし、この機構においてもやっていく予定でございます。  そして、今度は企業側がどうかということでございます。現在、現在のことでいえば、先行研究事業が四チーム進んでいるわけでございますが、この動き、この先行的な事業を、研究を見て、例えばつくばにあります大学関係のコンピューター、おっしゃっている、最先端のメーカーが例えば名護に進出をしようという計画を今やっているとか、それから、ここはネズミを使った研究だとかそういうものを、動物実験をやっておられる方が結構ございます。そういう企業も、当然のことながら、ここで相当の研究費が投入されてやっていくということでございますので、進出の機会をねらっている。例えば熊本にあるそういう有名なマウス研究所みたいなところだとか、そういうところはやっておるところでございます。  そういう意味で、今の、現段階でいえば、サポートインダストリーという部分が相当の意欲を見せてきているということでございます。  そしてもう一つ、こういうベンチャー企業で、そういう大学の周辺とか研究所の周辺に立地しているベンチャーとか、まだ元気のいいといいますか、大手でないですけれどもそういう企業は、非常にここの話題、大学院大学研究について非常に話題を持って、いろんな会合出ますと、あれはどうなったということを聞かれるというのが今の状況でございます。  そういう意味で、企業誘致は、従来のいわゆる工業団地を造って何かそういう県知事が来てくださいと言うのではなくて、こちらでそれなりのいわゆるエンジンを持った上での周辺の波及効果としてやっていくものでございますので、やり方が全く違う方向でございますので御理解をいただければというふうに思います。
  150. 紙智子

    ○紙智子君 やっぱり期待が大きいわけですけれども、本当に現実甘いものではないという認識で、夢物語にならないように取り組んでいただきたいというふうに思います。  次に、機構研究されたこととか大学になってから蓄積される知的成果、知的財産が国や県のために使われないで外国の企業に利用されてしまうんじゃないかと、沖縄の振興のためにどう活用されていくのかというようなことが衆議院の議論でも問題になっていました。政府説明では、沖縄の経済に還元されるように地元関係者とよく相談していくんだということで御答弁がされているわけですが、もう一つこの展望が鮮明でないなと。  沖縄の産業や企業が大学院大学に大きな期待を持って見守っていくために、この研究成果と地場産業の発展、新しい沖縄での産業発展にどうかかわっていけるのかと、もう少しこれ具体的にお話しいただきたいと思います。
  151. 東良信

    政府参考人東良信君) 地元の企業と大学院大学との関係といいますか、今、機構との関係についての御質問だろうというふうに思いますので。  現在、今考えていることは、いわゆる沖縄のこういう研究、いわゆる機構にしましても大学院大学にいたしましても、そこで出されていった研究それから成果、これは一体どういうものなのか、どういうものとして使えるのかということを、やはり第一義的には、第一義というか第一番的には地元の人たちにお教えをする、インフォメーションをきちっと与えるということが大切だろうということでございます。そういう意味で、地元の研究者、現在は研究者でございますし、それから企業の関係が若干おりますけれども、集まっていただいて交流会だとかやっております。  それからもう一つ研究成果、これは先ほど大臣が、ネーチャーに論文を発表したという話もございましたけれども、いわゆるアニュアルレポートという形で、年間こんなことをしました、こういうことですよということをきちっとした形で出していこうと。それは当然沖縄の地元の方々にもつながっていくということで、いわゆる大学院大学でできているシーズ、それから何を考えているかということも含めてきちっとした情報伝達をやっていく、これが一番大切だろうと思いまして、それはずっとやっていこうというふうに思っております。
  152. 紙智子

    ○紙智子君 世界の最高水準のこの国際的な大学院大学と、アジア太平洋地域の先端的頭脳集積地域ということで発展させるというふうにありますけれども、同時にこの沖縄の経済的自立を図るということを目標にしているわけですね。したがいまして、是非この点が十分担保、保障できるように検討していただきたいというふうに思います。  あとちょっと、一、二分まだありますので、最後にもう一つ質問いたします。  小池大臣になんですけれども、実は前回、二十二日のこの委員会質問をした問題ですけれども、貝殻島の昆布漁の問題です。  領土問題が解決がしていないために高い採取料を払って操業せざるを得ないという状況について述べました。当面、採取料への支援策を検討していただきたいということで大臣質問しまして、ところが大臣は、根本的な解決に努力すると、領土返還のために努力するという答弁で、それはそれで大事なんですけれども、採取料支払への支援については答えがありませんでした。  それで、大臣は、漁民の方がやっぱり不利益を被っていると、このことについては認められた御答弁されたわけですけれども、領土問題を解決する、今すぐ解決するというふうにならないわけですけれども、その解決までの支援策を是非取っていただきたいと、検討願いたいということなんですね。水産行政の問題でも確かにそうなんですけれども、やはり北方問題という特殊な条件にあるわけですから、ここは是非担当大臣の御尽力をお願いしたいということで、そこのところ、もう一度お願いいたします。
  153. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) この御要望につきましては、せんだっても根室の方に行ってまいりまして、そして貝殻島の昆布漁の話なども直接御要請も伺っております。  ただ結論は、現時点ではやはり民間の取決めの結果に対して国として直接助成するというのはなかなか難しいものがございますので、前回もお答えしたかと思いますけれども、そもそも論になってしまって恐縮でございますけれども、そもそもそんなにそういう昆布漁に対して漁業者の方々がお金を払わなければならないというような状況に至っている根本問題である領土問題の解決ということに国としては努めるということが一番肝要なのではないかと思います。  これまでも長い、六十年という長い年月がたってしまいました。それまでも、これまでも幾つものいろんな動きがあったと、だけど現時点では全く何も変わっていないという状況であるかと思います。今年はいろいろな節目の年でもございますので、またせんだってのプーチン大統領の二島返還発言などもございます。これをどう取るかは別でございますけれども、動きがあるということだけは明確だというふうな意味でとらえていきたいというふうに思っております。  昆布漁に実際に従事されている漁業者の御苦労については、もう重々理解をしているつもりでございます。
  154. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党・護憲連合の大田でございます。最後でございますので、ひとつよろしくお願いいたします。  まず最初に、大臣にくどいようですが確認させていただきたいんですけれども、以前にこの委員会でも申し上げたと思いますが、沖縄は戦前高等教育機関のない全国で唯一の県だったわけですね。その意味から、今回のような世界的に優れた大学院大学をつくるということは、恐らく県民がもろ手を挙げて賛成し感謝するところだと思いますが、その中身についていろいろと懸念される点がございますので、改めて確認させていただきたい。  先ほど同僚議員から、沖縄にこの種の大学院大学を持ってくる必要性はあるけれども必然性は感じないという趣旨のお話がございました。私もその点についてもう少し県民に分かりやすく、そもそもこの計画がどういう発想で構想されて、そして今日、国家的なプロジェクトということを小泉首相は言われたわけですが、その過程でどのような経緯でどなたが構想を発表されて、どういう経緯を経て今日の国家的プロジェクトに至ったのか、分かりやすくごく簡単に説明していただけますか。
  155. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 経緯はむしろ大田知事、元知事として私よりも現場として御存じなのではないかと思います。  何年何月にだれがどうだったということは、また事務方の方からも御説明、御答弁させていただきたいと思いますけれども、私は日本にとっての必然性は十分にあると。そして、それは沖縄には必然性はないかもしれないけれども必要かもしれないとおっしゃいました。沖縄日本の重要な県であって、よって沖縄にある必然性は十分私はあり得るのではないかと思っております。  また、教育の向上に資するという点でも、十分それは、この大学院大学をつくることによって、そういった世界的な研究者たちが集うことによって、沖縄の皆さんがいろんな意味で刺激を受けられる、そしてまた沖縄県民の中からその中の研究者になってやろうじゃないかといってチャレンジされる方が出てくる、そういったことを大いに期待をするところでございます。  付け加える、もっと付け加えて、でも御存じだからいいでしょう。
  156. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 内閣府に確認させていただきます。  先ほども同僚議員からこのプロジェクトについてのあらましの予算運営費について質問がありまして、今の段階でよく答えられない、例えば生命科学みたいなそういう研究はどれだけ金が掛かるか前もっては測れないという趣旨の御答弁がございました。  しかし、沖縄地元の新聞では、建設費に八百億、それから年間の運営費に二百億掛かるというふうに報道していますが、これは間違いでございますか。
  157. 東良信

    政府参考人東良信君) その二百億、それから八百億という数字でございますけれども、これは概略、いろいろな話の中でそういう話が出ていたというのは事実でございます。  と申しますのは、例えば二百人としますと、例えば一人研究費が一億円であれば二百億だねとか、そして例えば、沖縄の高専で幾らぐらい掛かったからこれだとどのくらいかなとか、広さだけで単純にやっていた話でございますので、今、こういう審議の場で責任持って答えられる数字ではないということでございます。
  158. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 もう一つ確認させていただきたいんです。  先ほども同僚議員から質問がありましたけれども、この種の大学院大学沖縄の自立的発展に結び付くという点でございますが、実は、戦前一つ大学、高等学校もなかった沖縄に、現在では、短期大学を含めますと七つの大学がございます。高等研究機関がございます。特に、国立の琉球大学はもう創立以来半世紀ぐらいたちます。  それで、先ほど、この大学院大学では博士課程を基準にしていると言いましたが、琉球大学の方では、バイオなんかの研究でも博士課程もちゃんとできておりますし修士課程もできておりますが、これまで、大学ができたにもかかわらず、恐らく戦前、学問的な蓄積が非常に弱かったという点もあると思いますけれども、戦後のこの六十年間を振り返ってみて、大学ができたことによって沖縄の自立的な発展に結び付いたかというと、大変残念ながら、客観的に見て結び付いているとは思えないんですね。もちろん、促進された、いろいろ発展基盤づくりにはプラスになっておりますが、自立的発展に寄与するという言葉で表現できるほど過去五十年間を振り返ってみてもないわけです。  ですから、そういった意味で、先ほど同僚議員からも質問がございましたけれども、具体的に、この種の大学院をつくることによって沖縄の自立的発展にどう結び付くというふうにお考えでしょうか。
  159. 東良信

    政府参考人東良信君) 沖縄大学沖縄にある大学についてどういう状況かということで、これは、私の方からいわゆる批判めいた話でやるのは非常に問題かと思いますけれども、批判ではなくて、現状をどう見ているかということだけで御理解いただければというふうに思います。  沖縄大学、やっぱり文科系中心の大学でございました。そういう意味で、法学部だとか農学部とかということで、地元のそういう、その対象も地元の特性に応じたものをやっていこうということで頑張っておられたということでございます。その後、例えば工学部とか、それから工学部の中でも海洋学科とか、そういう日本で二つしかないような学科ができますと、相当その力、そこにもいろいろな形で出てきている。今先生お話しになりましたバイオの話も、工学部とかそういう海洋学科の方から生まれてきているというふうに思います。  私どもは、今、沖縄の現状を見ますときに、やっぱり大学院という部分については非常にまだ、まだまだだというふうに思っています。そこの部分に新たな部分として空白部分という形で出てくるということと、それから、今申し上げました工学部だとか、沖縄大学でも、今、TLOだということで工学部を中心にやっております。そういう部分の発展的な形として今回の大学院大学を考えております。そのモデルはカルテクだとかシリコンバレーの部分だというふうに思っておりますし、これを推進している海外の学者の先生方も、それを念頭に置いてどうあるべきかということをやっておられるということでございますので、御理解をいただければというふうに思います。
  160. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 おっしゃること分からないでもないんですが、例えば沖縄の方では特に研究者の間で、大学院大学をつくってもらうのは有り難いけれども、例えば即効的といいますか、より近未来において沖縄の自立的発展に結び付くとすれば、むしろ国立の琉球大学とか私立の大学をもっと研究施設を充実させるとか、あるいは優秀な教授政府の金でもって雇ってそして研究に励んでもらうとかという、そういう従来ある大学を強化した方がもっとプラスになるんじゃないかという意見もあるんですが、その点についてはいかがでしょうか。
  161. 東良信

    政府参考人東良信君) 今先生がおっしゃいました方法を否定するわけではなくて、やはりそれは両方並行的にいかないといけないんだろうというふうに思います。  と申しますのは、やっぱり大学院だけ、スタンドアローンだけで大きなものができるとはとても思えません。それはブレナー博士も、いわゆる学長予定者も、やはり琉球大学との連携とかそういうことをよく言っておられます。特に、大学院大学の場合には医学部がございません。そういう意味では、琉球大学の医学部とよく連携を取っていこうとか、そういうことを言っております。  そういう意味で、その地域にある今現存している大学がレベルが上がることもまた私たちの、私たちが今目指している大学院大学が大きくなり、クラスターができるという部分では大切なことだというふうに思っていますので、両者択一ではなくて、並行的にやらなきゃいけない作業だというふうに考えております。
  162. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 御承知のとおり、沖縄にはJICAの関連で沖縄国際センターというのがございまして、世界の百三十か国余りから有能な若い人たちが来て研修を受けておりますけれども、せんだって局長の御説明では、英語のできる人たちを学生にする、いわゆる教材、教科は英語で教えるということが言われておりましたけれども、県内の大学の卒業生とあるいは県外、国外の生徒の数というのは、何か例えば半々にするとか七対三にするとかという、そういう計画はお持ちでしょうか。
  163. 東良信

    政府参考人東良信君) この基本構想議論される中では、どうしても日本大学になると日本語がしゃべる率が多くなると。そうするとどうしてもナショナル的になっちゃうので、インターナショナル的なこと、国際性ということを重んずるならば、やっぱり言葉の上でもやっぱり外国語が一定の多数を持たないとなかなか定着しないだろうということもあって、半数ぐらいはやりたいという御意見が強いということでございます。ですから、そういう意味では英語でやるということだろうというふうに思います。  ただ、これはいわゆる日本国内のいろいろな大学も、今そういう英語でやる学部とかそういうものがチャレンジして大きく出てきておりますので、特異なことではないというふうに思っております。
  164. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 小泉内閣としては、沖縄科学技術大学院大学を国家的プロジェクトとして取り組むと表明なさっています。そうだとしますと、同大学の設立構想の推進のための本機構は国が責任を持って設置し運営すべきだと思うのですが、なぜ民営的手法を取り入れる独立行政法人化するのか、その理由をお聞かせください。
  165. 東良信

    政府参考人東良信君) 独立行政法人、これは国がやる仕事をやる組織でございますので、そういう意味では、国家プロジェクトの実施の部分といえば、それは基本的には独立行政法人でやってもおかしくはないということでございます。例えばロケットの発射についても機構が、独立行政法人がやったりしているわけでございますので、そういう意味ではこの独立行政法人でやることについては何ら問題はないというふうに思っています。  ただ、私たちが思っておりますのは、国が責任を持って、そして、やはり大学とかそういうものというのはやはり自由な発想の下で大きく伸ばすと、そうした方がいいシーズができる、いい研究ができる、そういうことでございます。そういう意味で、例えば運営交付金が自由にできるとか、それから、自主的に業務運営ができて、事前のチェックがなくて事後的なものしかないとか、そういう部分で非常にやりやすい体制、体質を持っているこの独立行政法人というのは、このプロジェクトの、大学院大学構想の性格にも合ったそういう組織だということでこの独立行政法人を採用させていただいているということでございます。  従来、独立行政法人というと何か行革の何か手段みたいな形を考えておられますけれども、決してそういうものではないというふうに我々は理解をしております。  以上でございます。
  166. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 本大学院大学の設立に向けた昨年十二月の関係閣僚会合で、機構整備に係る主務省は内閣府で、大学院大学の設置準備に関する業務については文部科学省との共管とすると報じられています。  そこで、沖縄担当大臣に伺いますが、この関係閣僚会議には経済産業大臣は加わっているのでしょうか。と申しますのは、国際的な最先端の技術を研究する本大学基盤をつくり上げるためには本大学の設立準備の段階から内外の関連企業の協力が欠かせないと思いますが、関連企業との連携をどのようにお取りになるつもりでしょうか。
  167. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) 閣僚会議の方に、会合で経済産業大臣現時点では入っておられません。まずこの構想の推進ということで、大学を開学するための研究基盤整備を行っている、そのための会合を開いているわけでございまして、まずこの機構の設立に踏み出そうというところでございますので、まずはこの機構において大学をオープンする、スタートするといった諸条件の整備を進めることを今最優先をさせていただいているわけでございます。  将来的には、大学院大学の周りに企業の研究所であるとかベンチャー企業を進出して、そして知的産業クラスターを形成するということを目指しているわけでございますけれども、そこに至るまでにはまだまだ時間が掛かろうかと思っております。  そういった、一日も早くつくりたいと思っておりますけれども、そういった段階の中で経済産業省の協力を仰ぐという、つまり産学連携などというのは正に経産省の得意とされる部分でございますので、そういったところで連携を仰ぐということもあろうかと思っております。  まずはこの機構を設立をして、そしてしっかりとした形にした上で大学院大学の開学に向けていくと、こういう段階を踏んでのことでございますので、御理解いただきたいと思います。
  168. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 内閣府にいま一つお伺いします。  本整備機構の主要な業務の一つは、本大学の柱となる国際的に卓越した研究を行う主任研究者を五十人ほど確保することであるとなっています。先ほども同僚議員からも似たような質問がございましたけれども、御承知のように、沖縄にはノーベルクラス級の方々研究できるような施設はまだ何もないわけなんですね、小さな島ですから。そういうところへ来られて、ノーベルクラス級の研究者となりますと日夜研究に没頭されると思うんですけれども、一体、そのクラスの方を沖縄のようなところにお招きして研究教授していただくというためには、最低どれくらいの給与をお上げしたら来ていただけるでしょうか。
  169. 東良信

    政府参考人東良信君) 非常にお答えにくい御質問でございます。  私ども二つのことを考えております。給与そのもので問題になるのか、それからもう一つは、いわゆる研究環境、それから生活環境、そういうもの、それから、給与だけではなくて、例えば社会保障的なものだとか、そういうものの整備をちゃんと図っていかなきゃいけないだろうというふうに思っております。  今の議論でいいますと、給与につきましては、やはりほかの今の研究所又は大学におられるわけでございますので、そこと競争力で負けたらそれは駄目だというふうに思っています。特に初期のときに、初期のときにきちっとした形で採っていかないとそれはなかなかうまくいかないだろうということでございます。ですから、その人の価値に応じて給与は決まっていくというふうに思います。  ですから、非常に答えにくい話で、例えば、言葉換えて言えば、一千万ぐらいで来ていただく方もいれば、例えば二千万とか三千万とか、もっと多くかもしれません、そういうふうにして出していかないと駄目だということもあろうかと思います。そういうことを全部乗り越えてやっていかなきゃいけないだろうというふうに思っています。  そういう意味で、非常に給与はお答えにくい御質問でございます。申し訳ありません。
  170. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 最後の質問になります。内閣府にお願いいたします。  この大学院大学の設立構想を受けて内閣府では欧米諸国の大学大学院を視察、調査なさったと聞いておりますが、欧米の大学あるいは大学院は、その年間運営費をどのように工面しておられる、確保しておられたのか。例えば、授業料や事業収入、国や行政機関からの運営交付金、寄附等がそれぞれどの程度になるかということを簡潔に御説明いただきます。  それともう一つ確認させてください。先ほど地方自治体は投資は歓迎するという趣旨のお話がございましたが、投資以外に県が負担したり地方自治体が負担することはございませんか。
  171. 東良信

    政府参考人東良信君) 外国の大学の財政状況ということでございますが、これは四つに大体分けられるんだろうと思うんです。授業料収入、それから知的財産を使ったいろいろな事業収入、それから企業それから同窓会等々の寄附、それから政府や地方公共団体からの援助という四つの分野で分けていただく。  例えば、ハーバード大学みたいな大学でいうと、大体四分の一ずつということでございます。それからカリフォルニア州立大学のバークレー校、ここでいいますと、政府関係からの財政支援というのが二分の一、それから授業料等々、授業料等で四分の一、それから民間からの寄附、それから同窓会の寄附、それから事業収入で四分の一ということで、大体そんな形でございます。これは実は一般の学生も入っている大学でございますので、授業料が若干うちの大学院大学とすると高いというふうに考えております。  それから、地方公共団体、沖縄の地方公共団体に負担を求めるかということでございますが、義務的に求めるということは考えておりません。これは国家プロジェクトでございますので、そういうことはしていないということでございます。  以上でございます。
  172. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  173. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  174. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  榛葉賀津也君から発言を求められておりますので、これを許します。榛葉賀津也君
  175. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私は、ただいま可決されました独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。  一、大学院大学の在り方や機構の中期計画作成などに関して、機構運営委員会が行う審議の結果については、自主性と自立性に配慮し最大限尊重されるよう、必要な措置を講じること。  二、内閣総理大臣は、運営委員会委員の任命については、運営委員会の意見(機構設立時はこれまで構想に関わってきた関係者の意見)を尊重するとともに、理事長の任命についても、運営委員会の意見を最大限尊重すること。  三、運営委員会の構成や機構運営に関しては、沖縄を代表する委員の任命等を含め、地元の意見が反映されるよう適切な措置を講じること。  四、独立行政法人評価委員会は、機構の学術的活動に関する運営委員会の意見を尊重するとともに、その評価については機構の経営的側面に重点を置いて慎重に行うこと。  五、機構の役員及び職員の任命に際しては、天下りとの批判を招くことのないよう適切な人材を広く内外から起用し、国民の納得を得られる人事を行うこと。  六、世界最高水準研究者が集う大学院大学の設置の準備については、これまで行われた大学院大学の枠組みに関する検討経緯を尊重して行うこと。  七、大学院大学の早期設置に努めるとともに、その設置については、知的クラスター形成の核となるようにし、ハード先行型にならないようにすること。また設置に際しては、沖縄県内の地方公共団体に過重な財政負担を求めないよう留意すること。  八、大学院大学の用地造成並びに建設に当たっては、沖縄らしい豊かな自然環境に恵まれているとの予定地の選定理由を十分に踏まえ、森林保全や赤土流出防止など環境配慮に万全を期すこと。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  176. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) ただいま榛葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  177. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) 全会一致と認めます。よって、榛葉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、小池大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小池大臣
  178. 小池百合子

    国務大臣小池百合子君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨に十分留意をいたしまして、適切に対処してまいります。  ありがとうございました。
  179. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  180. 木俣佳丈

    委員長木俣佳丈君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二分散会