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佐藤(錬)
分科員 自由民主党の
佐藤錬でございます。
竹中平蔵
大臣とは、昭和二十六年の同年生まれでありまして、うさぎ年生まれです。しかし、母の胎内に生命を宿したのはとら年ですから、優しく、そして、少々気が荒く激しいところもあると思います。
きょうはこれから三十分、同年のよしみで、お互いにざっくばらんに、失礼な点もあるかもしれませんが、本音で議論をさせていただきたいと存じます。
竹中
大臣は、今日まで、経済学者の道を歩かれてこられ、大学教授から小泉政権の中枢に入り、昨年の参院選には突如出馬され、数日の選挙運動で当選。今や政治家、
国会議員の一年生となられたわけであります。一方、私は、昭和四十七年、角福戦争直後に永田町にてでっち奉公を始め、秘書から県会議員と、政治一筋三十年の修行を経て、ようやく今、この場に立ち、発言をしております。時まさに戦後還暦。時代の節目、変革の時代を迎えて、政治が国民の運命を決めると思えば、政治家としての使命など、感無量なものがあります。したがって、私はきょうは真剣勝負で
質問をしますので、どうぞ
大臣にも誠意ある答弁を賜りますよう、冒頭お願いしておきます。
さて、郵政民営化については、いまだ法案は
国会に提出されておりませんが、既に基本方針が閣議決定されておりますので、
事前にこの場で議論をさせていただきたいと存じます。
小泉純一郎
内閣総理
大臣の郵政事業民営化にかける政治家としての揺るぎない情熱、信念は、まことにすさまじいものを感じます。先般は
国会の施政方針演説で、男子の本懐とまで述べられました。我が自由民主党の総裁でもある小泉総理の決断と方針に、その党員である私が逆らうわけにはいかないと思います。同志としての政党の体をなさなくなるからであります。政治家としての筋を通すということは大事なことだと思っております。
確かに、官から民へ、民でできることは民で、そして官業は民業を圧迫してはならず、あくまでも官業は民業の補完たるべしというのは正論であると思います。しかしながら、国民は不安や懸念を抱いております。国民にわかりやすく
説明をしなければなりません。限られた時間、わずか三十分、端的に数点を問いますので、要点を簡潔にお答えくださいますようお願いします。
まず、議論に入る前に、実はここに、私の地元の特定郵便
局長夫人会の会長さんからいただいたラブレターがあるわけです。なかなか日本的な美人で愛らしい奥様の率直な現場の声なので、あえてその一部を披露します。
民営化で町が元気になる、郵便局のコンビニ化で暮しが便利になるとは政府広報ですが、こちらの局は、狭くてスペースもなく、
人手もなく、物品販売はできそうにもありません。政府には自由に使える
予算があるのだとはじめて認識しました。税金を使うのはフェアではありません。自分たちの資産を投げ売ってで
もという姿勢が必要かと思います。
字で一軒しかないお店やさん、近頃品数が少なく、欲しいものが仲々手に入らなくなりました。聞けば、「売れないので、卸屋さんに頼んでもあまり置いてくれない……。店を開けておくだけで赤字だし……もう閉めようか……と
考えている」とのこと。「町を走るバスのように、村から援助してもらえないかなあ~」とは車を運転できないお年寄り。将来の民営化された郵便局の姿だなあ~と実感しています。「民でできないサービスをするのが官」だと思います。
地元で長年暮し、住民の殆どの方の顔と名前を知っている特定郵便局の「サービス力」はすごいです。安全と安心があります。
民間の経営手法があり、公共のため奉仕している公社のままで、充分将来もやっていけます。町と人々の暮しをより元気に便利にし、幸福を提供できると思います。
以上が現場の女性の声であります。
質問の第一は、いわゆる
一般的な学者と称する人の欠陥は、机上で物を
考え、室内で論議するだけで、生の本当の現場をよくわかっていないことにあると言われます。明治以来のこれだけの大
制度改革をなそうとするのであれば、その
担当大臣は忙しいとは思うが、過疎地に足を運び、過疎地の郵便局、特定局、簡易局の実態を視察し、切実な
職員の声や、お客である地域住民の不安な声を聞いて、本当に体で現場を知り尽くした上でこの法案づくりに臨んでいるのか否か。
大臣郷里の和歌山県でもいいんですが、例えば我が大分県の過疎山村には良質の温泉もわきます。四、五日ゆっくり山にこもり、英気を養いながら、改めてじっくりこの
制度設計の想を練るなんというのはいかがでしょうか。
大臣の御答弁をお願いします。