○菅(直)
委員 冒頭に申し上げましたように、
小泉総理は、官から民へ、効率、競争と。確かに、そういうことが重要なところもあります。しかし、特にこういう交通機関の場合には、果たしてそういう
考え方で通るのか、あるいは社会全体がそれで通るのか。
私も、飛行機で飛んでいって、車で三十分で行って、十五分しゃべって飛んで帰るような
行動を、特に代表
時代は忙しかったですから、やっておりました。その後、四国を歩いてみて、歩いているときの時間の流れというのは非常にゆっくりしています。そんなに、何時何分にどこに着くなんということを
考えてみたって始まらないんですね。ですから、自分の足に聞きながら、昼飯はどのあたりでとろうかな、夕方の暮れになる前には予定の宿に着きたいな、大体そんな時間の流れであります。そのことが私にとっては、少なくとも何か人間性を回復するような
一つの、そういう
気持ちがいたしました。
もちろん、通勤電車に長年私も揺られてきた人間ですから、一分一秒のその
気持ちがわからないわけじゃありません。しかし、そういう大きな、今、何でもかんでも効率だとか競争だとか、強いやつが強ければいいんだという社会に
小泉さんはアクセルを踏んでいるけれ
ども、そこの大きなある意味での見直しをしなければ、何のための効率なのか、何のための競争なのか。つまりは、人間のための効率であり、人間のための競争が、実は、企業の利益なり、そういうものが優先する社会になってしまう、それは私は本末転倒だと思います。
そこで、この問題についてはしっかりと
総理にも、決して他人事じゃありません、特に国交
大臣は他人事じゃありません、たくさんの権限を持っているわけですから。先ほど来
指摘したことについてしっかり取り組んでいただきたい、そう申し上げて、次の問題に移ります。
総理、私の目から見ると、今、
小泉外交は四面楚歌の
状況にあると思います。
小泉総理がことしの所信表明で
東アジア共同体ということを言われました。私も一月の
予算委員会で、そのことについてある意味で共感の
気持ちを含めながら
総理の
考え方をただしましたが、余り明確なイメージは語られませんでした。しかし、この
東アジア共同体に対して、
総理の最も頼りにしているアメリカの前国務副
長官アーミテージ氏は、
東アジア共同体には
反対だ、
アジアからアメリカを締め出すのか、そういう姿勢でこの問題に警戒心を持たれております。
もう
一つ、
小泉総理が最高の日米
関係として誇られているブッシュ
大統領との間で、先日、電話までかかりましたよね。BSEの問題で、おまえ、約束したのに何なんだ、いつになったらやるんだと。私は約束は間違いだったと思いますが、ブッシュ
大統領の選挙の前にブッシュ
大統領の地元から、アメリカにとって牛というのは
日本の米に当たるわけですから、輸入を再開してくれと。その首脳
会談があって、
総理がブッシュ
大統領に、うん、わかった、わかったと言われたんでしょう、合意となっていますよ。いよいよ、その効果もあって、ブッシュ
大統領が二期目の当選をした。いつやってくれるんだ、こう言われているんじゃないですか。
ライス
長官が来たときに、ライスとビーフなんという本当におじん臭い、そういうしゃれを言われておりましたが、大丈夫なんですか、これで日米
関係は。
東アジア共同体を所信表明で言ったら、知日派の代表だと言われている人が
反対だと言われ、ブッシュ
大統領から、おまえ、約束守れよと。そんなことは大したことないで済むんですか。
アジアについては言うまでもありません。
一九九五年、自社さ
政権でした。私も、新党さきがけの政調会長として、国会決議とあの村山談話にかかわりを持ちました。当時の自民党政調会長は加藤紘一さんです。社会党は関山さんです。そして、あの村山談話によって、私も、戦後のこの問題は、歴史問題はこれでほぼ決着がついたな。その後来日される
韓国や
中国の人も、大体、もうそれ以上のことを要求するという姿勢はありませんでした。
それが、なぜここに来て、またいろいろなことが起きるんでしょう。もちろんそれぞれの国の事情もあるでしょうが、それに対してとられた
総理のやり方は何ですか。バンドン
会議で、改めて、村山談話にほとんどなぞらえるような事実上の謝罪を国際
会議の場でわざわざもう一回みずからしたんじゃないですか。そんなことをするぐらいなら、もともと、一九九五年の村山談話に沿った
行動をとっていればいいんですよ。
小泉総理はいろいろな答弁をされますが、あなたの
行動が、単なる衆議院議員
小泉純一郎だったらそれほどじゃないでしょう。野党の党首だったら大したことないでしょう。国の代表として、
総理大臣としての
行動だから、単なる個人の信条の問題を超えたことだということは当たり前のことじゃないですか。だから、十年前の村山談話も、当時の
総理大臣の談話だから、一政治家の談話ではない、
総理大臣の談話として、自社さ
政権、自民党も含めて、大事にされているんじゃないですか。
それなのに、その談話と全然違うことをやっているんじゃないですかと
指摘されて、
小泉総理はきょうの
仙谷政調会長の質問に対しても全く答えていない。自分自身がやったことについてそういう悪影響が出ているんじゃないですかというのに、すぐ相手のことにしてしまう。相手の要素が、それは六割あるかもしれない、七割あるかもしれない、いや、四割かもしれない。しかし、あなたのやったことが、せっかく傷がいえて、かさぶたができて、もうそろそろその問題では血が流れたり不愉快な目をしないで済むようになったのに、みずから引っぱがしたんじゃないですか。
あなたの総裁選挙のときの公約じゃないですか。
国民のための公約なんですか。総裁選挙に通るためには、当時の遺族会会長の橋本龍太郎さんに勝つためには、私は、
総理がそれまでそんなに靖国に何回も行かれたということを聞いておりません。そういう人が、急に総裁選挙になってそのことを大きく取り上げる。九五年に決着したものをわざわざ大きく取り上げて、まさに成功して、今総裁・
総理を四年間も続けられている。アメリカとの
関係もよくなったと。全然よくなりません。
中国の
関係も、まともに
北京や東京を相互に訪問したことがありますか。国際
会議の席で何回か会ったというだけじゃないですか。こんなことは異常ですよ。
総理、あなたの
行動がこういう悪影響を及ぼしている。アメリカとの
関係もいよいよ行き詰まってきている。四面楚歌じゃないですか。どのようにお
感じになっていますか。