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馬淵委員 今、具体的なこともお答えをいただきましたが、その特別会計の見直し、ここでの基本的な
考え方としては、いわゆる事務
事業の見直し、そして歳入歳出構造の見直し、さらには
説明責任、アカウンタビリティーの強化、そして区分経理の要否、こういった点が基本的な
考え方として示されていると思います。しかしながら、果たしてこの特別会計の見直しが本当に離れ座敷のすき焼きを是正しているのかどうか、この部分について、私はきょうこの一時間を使って
質疑をさせていただきたいというふうに思います。
この特別会計の構図、これは、お手元の資料に、この
予算委員会では皆さんもう御案内のとおりでございますが、改めて確認をしていきたい。
本
年度の
予算案では、特別会計は、一般会計八十二・二兆円に対して四百十一・九兆円。それぞれの会計のやりくりがございます。これらを歳出純計いたしますと、一般会計が三十四・五兆円、特別会計が二百五・二兆円となります。実に六倍、かつての
予算委員会でも本当の財布と特別会計が呼ばれていたと十分に理解ができる規模であります。
そして、財政審の見直しの中では、その問題点ということで厳しくチェックをする。例えば、不要不急の
事業がないか。これは、いわゆる自己増殖的にふえる、必要でないむだな
事業がないかということ。あるいは、硬直的あるいは過大になった資源の配分がないか。また、さらには、恒常的な不用や繰り越し、あるいはあり余る過剰な余剰金、こういったものがないか。こうしたところを問題点として指摘するとしています。
こうした政府の
取り組みに対して、私たちもしっかりと監視をしていかねばならない。いや、そうだけではなく、今後民主党が政権交代を図る、その上では、この特別会計、政府の財政審に任せていくだけではなく、私たちも、メスを入れるだけではない、大なたを振るわねばならないというつもりで特別会計の見直しに
取り組みを始めました。
さて、特別会計がどのような構図を持っているかということを改めて私の方から確認をさせていただきたいんですが、一般会計は、いわゆる
予算の未消化の部分、ここに関しましては国庫に戻ります。しかし、特別会計の場合は、例えば自主的な
財源、目的税や保険料等々、こうしたもので賄われている特別会計、これに関しましては、余れば
基金や積立金などで内部留保が図られます。また、特別会計が赤字になれば、一般会計から補てんもされます。
つまり、特別会計というこのもう
一つの財布、六倍にもなんなんとするこの本当の財布の部分でいえば、三十一の省庁に連なる特別会計が今あるわけですが、一たんその特別会計に流れ込んだお金、これは、その縄張りに入ったお金は、もう一滴も漏らさず、一円も漏らさずに出さないという仕組みができ上がっている。母屋に返すことはなく、離れで自分たちのためだけに使うという構図ができ上がっている。そこに連なるOBの天下り先法人へのお金の還流や、あるいは天下りそのものといった流れが、この構図の中にあると言われています。
さて、三十一ある特別会計でありますから、きょうこの場所で、特別会計の問題についてということで、政府のその方針について私はただしていきたいというふうに申し上げましたが、三十一すべてやるわけにはまいりません。きょうは、その中でも労働保険の特別会計、これに着目をして
お話を伺っていきたい。
と申しますのは、先ほど申し上げた
平成十五年、そのときの塩川
大臣、
予算委員会の中では明言をされておられます。当時の
予算委員会の中で、ちょうど
平成十五年三月三日でありますが、
総理とも相談いたしまして、やはり
構造改革の
一つの大きい目玉として、特に自主
財源を持っておる特別会計から検討をしていきたい、このように明言されています。いわば、
総理の肝いりで
構造改革の目玉としての特別会計の
改革を進める、このように述べられているわけであります。したがいまして、きょうは、この労働保険の特別会計、これについてお伺いをしていきたい。
この労働保険は、もう皆さん方も御案内と思いますが、雇用勘定と労災勘定から成ります。徴収勘定というのももう
一つございますが、これは徴収事務を行うための勘定でして、実態的には、労災勘定、雇用勘定という二つの勘定から成り立っています。それぞれが、保険料の名目で、
事業主並びに
国民の皆さん、つまり労働をしている方々から徴収したお金を自主
財源として持っている特別会計であります。
この特別会計、財政法の十三条にありますように、いわゆる政府の行う
事業と区分経理をする必要がある、雇用の保険
事業であったりあるいは労災の保険
事業を明確にさせるためにということで特別会計となっているわけでありますが、私も今回、特別会計の
改革、見直しのための党内のワーキングチームの中で
取り組みを始めました。これは、八百ページあるんですね。この八百ページの特別会計の
予算書、これをひもといていくわけですが、大変わかりにくくなっています。
この大変わかりにくい特別会計を少し皆さん方にもわかりやすく見ていただけるように、私の方でチャートを引き直しました。お手元の資料の二枚目であります。
予算書ではわかりにくいんです。そして、それを分解いたしました。
この労働保険特別会計は一般会計からお金が流れています。これが、四千二百六十一億円、そして十三億円と、それぞれ雇用勘定、労災勘定にお金が入っている。そして、労働者あるいは
事業主の皆さん方に保険料として納めていただいたお金が三兆九千億円、これが労災勘定、雇用勘定にそれぞれ流れます。一兆五百億円と二兆八千五百億円、約でございますが。こうして、それぞれの勘定に入ったお金が労災や雇用の
事業に充てられている。そして、先ほども申し上げたように、
事業で消化されなかったもの、余ったお金、これに関しては、剰余金として、積立金として積み上がる。
これを見ておりますと、中に、
独立行政法人運営費等というお金が出てまいります。この
独立行政法人運営費等というものについて、
予算書を見ていきますと、厚労省のこの特別会計に関与するいわゆる
独立行政法人八法人にお金が流れているのが見てとれます。
八法人だけで見ますと、これは、高齢・障害者雇用
支援機構、労働者健康福祉機構、労働政策研究・
研修機構、
産業医学総合研究所、
産業安全研究所、雇用・能力開発機構、福祉医療機構、勤労者退職金共済機構と八つあるわけでありますが、名前だけ聞いたら一体何をやっているかわからないようなこの
独立行政法人機構でございますが、これらに、八つの
独立行政法人に、
平成十六
年度三千二十二億、そして今回の
予算案では二千八百五十三億が計上されております。
しかし、実態としては、関連する法人に流れているお金はこれだけにとどまりません。私は、どのようなところに、関連法人にお金が流れているのかということを何度も何度もただしていったわけでありますが、なかなかこれは、
説明していただいても、細かいところは出てこない。ようやく厚労省さんの方からお出しいただいたのが、お手元の資料の三枚目、四枚目であります。この労働保険特別会計の雇用勘定と労災勘定、それにかかわる
独立行政法人並びに認可法人、公益法人、実に労災勘定においては
三つの認可法人と二十九の公益法人、雇用勘定においては
一つの認可法人と四十の公益法人、合わせて
平成十六
年度では三千七百九十二億のお金が流れています。そして、
平成十七
年度でも三千六百八億円。
こうした法人に流れているお金、そしてこの法人数、かつてを見ますと、
平成十三年のころを見てみますと、公益法人、労災勘定、雇用勘定、これらを見ますと、合わせて十ほどがふえている。総額的には減らした減らしたとおっしゃるかもしれませんが、実態的には流す器はふえている。
これら四十にも上るような関連法人、こうしたところにお金が流れているということに対して、一般会計から四千二百七十四億円のお金が入る。これはつまり、税金から入ったお金が労働保険のそれぞれの勘定に流れている。さらには、
国民の皆さん方から、
事業主あるいは労働者の方々から保険料として徴収したお金が三兆九千億円も入っている。そこから、この三千六百億、あるいは昨
年度でいえば三千八百億弱といった関連法人に流れている状態を見て、この実態をまず谷垣
大臣はどのようにお感じでしょうか。また、所管する尾辻
大臣もどのようにお感じでしょうか。