○
村井(仁)
委員 大変残念ですけれ
ども、私、今
お尋ねしたことにお答えをいただいたとはどうも感じないんでありますが、以前、
竹中大臣とこの
あたりの
議論を党内でさせていただいたときに、
竹中大臣が、リザーブドエリアがあるから、それだから
郵便事業について要するに費用を支弁できるんだ、費用を持つことができるんだということをおっしゃったことがあります。
私は、このリザーブドエリア、つまり独占分野があるからその独占利益でやれるんだということをおっしゃったんですが、実はここでちょっと
一つだけ
指摘しておきたいと思いますのは、日本は、信書便法というものによりまして質的な区分をしているために、明確な独占分野があるんじゃないんですね。だから御案内のとおり、現在、大都市なんかではどんどんメール便なんかが出てきていまして、
郵便事業が右肩下がりで大変だということの
一つには、大変大きな利益源になるダイレクトメールのたぐいが、特に大都市などで、大都市、中都市もそうでしょう、クリームスキミングがされているという現実があるんですね。そういう環境の中で、本当に
郵便局網をちゃんと維持できるのかどうか、その財政基盤が整うかどうか、非常に私は疑問だと思っております。
アメリカなんかですと、これはもう重量で独占エリアをつくっているわけですし、USメールが持っている独占というのはこれは大変なものでありまして、例えば、各家にございますポスト、
郵便受け箱ですね、あれはUSメールのものであって、あそこに新聞をほうり込んだりなんかすることができないというようなことになっている。それから、EUの指令でさえ、重量百グラム未満で料金が基本書状の三倍未満のものというのはいまだに独占なんですね。そういうきちんとした独占があるところでも結構
郵便事業は大変だというときに、日本のように、信書便法で非常に独占部分、リザーブドエリアを緩くしちゃったところで本当に大丈夫なのか、そういう懸念だけ申し上げておきたいと存じます。
時間がだんだんなくなりましたので、もう
一つ、
郵便局会社につきまして今
竹中大臣から既にお触れがございましたけれ
ども、私、どうしてもよくわかりませんのは、
郵便局会社という形態の企業形態、これはもう既にこの
委員会でもいろいろな方がお触れになっていますが、イギリスに以前、カウンター・サービス・パブリック・リミテッド・カンパニーと言っていましたのが、今、ポストオフィス・リミテッドとこういうふうに変わっていますね。それから、オランダでポスト・カントールという会社がありまして、この二つが例といえば例、それ以外には、この
窓口会社あるいは
郵便局会社という形のビジネスモデルを使っているところはないですが、このイギリスの場合は、かなり巨額の財政支援を得ながら、私が
確認した限りではここ数年赤字でありまして、その赤字の規模もちょっと結構な規模であります。オランダは、
郵便局の数が二千なんですね。それで直営局が四百しかない。非常に小規模な国ですから、こういうところはまあいいんでしょう。しかし、相当大きな国でこういうのが本当に成り立つのか。
そこで、非常に本質的な問題なんですけれ
ども、これ、手数料を収入にして基本的には生きていく会社ですよね。その手数料を決めるというのは、本当はマーケットで決まるというのが一番望ましい形なんですけれ
ども、そのマーケットというのはなかなか成り立たないでしょう。例えば銀行なんかでしたら、銀行の代理店というのができましたら、その代理店手数料というのは大体こんなものだという相場ができます。
保険については、マーケットができていますからそれはいいです。ただ、
郵便について果たしてそういうマーケットがあるのか。
とすると、ここは、もう時間がないからちょっとはしょりますけれ
ども、簡単に言えば相対で決めることになっちゃうんですよね。相対で手数料を決めるという話になりますと、これは、非常に過大な手数料を払うというようなこともあり得る世界になる。要するに、
郵便局会社を維持するために大きな手数料を払うということになる。
ところがここで複雑なのは、恐らく民営化した場合に、このそれぞれのトップというのは、
民間企業から招聘される
民間の優秀な経営者の方々がなられるんだと思います。
生田総裁がおいでる前で申しわけないですけれ
ども、優秀な経営者というのは大体どうもうなものでありまして、できるだけ自分の利益を極大化するために頑張るんですよ。これって、本当に
郵便局会社がもつようなそんなジェネラスな手数料を払うような形になるんでしょうか。私は、これは本当にわかりにくいなというか、大丈夫かなという不安感を非常に強く持っている。
そしてさらに言いますと、移転価格の問題、トランスファープライスの問題というのがありまして、恣意的に手数料を決めるようなことがありましたら、
一つの企業体から別の企業体に利益を移すということになるわけですね。このことは、もちろん、その利益を移した企業体にとっては経営者の背任という問題も生じましょうし、それから課税上の問題も生ずるんですね。こういった問題についてどういうふうにお考えか、教えていただきたい。