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伊藤(忠)
委員 郵便事業を守らなきゃいかぬ、これで
意見は合うわけですよね。それがうまくいくように、補完的なサービスをやるために金融サービスをどのように改革するかという点になると、今の
竹中さんの発言になるわけですよね。
ところが、金融の分野にしても、だんだんこれは
縮小していかざるを得ぬじゃないですか。そういう傾向だと思うんですよ。そうしたら何も、中期計画を第二次でもうあと四年延ばして一生懸命に改革をやっていけば、サイズもだんだん縮んでいくんじゃないでしょうか。動きがそうだと思っていますよ。ところが、すぐに
民営化するものですから、全体をそれこそいろわなきゃいかぬということになる、私はそうだと思うんです。
もう時間がありませんから、私、思っていることも言わせていただきますが、例えば、
郵便局は今ワンストップサービスで広げつつありますよね、拡大していこうと。でも、これもどんどんどんどん広がるわけじゃありませんよ。それはやはり
地方自治体との
関係もありますから、行政サービスというものが中心になると、そんなに進むわけありません。しかしそれは、少しでも広げていって住民サービスを向上させようということなんでしょうが。
あとは、やはり介護拠点の
関係だって、これはこれからの時代には
社会的な要請としてあるじゃないですか。特に地域の場合は住民サービスとしてこれは要りますよね、必要だと思うんです。とりわけ防災だとかそれから防犯活動の拠点に使っていくということで、恐らくこれは
生田総裁だって念頭にあると思いますよ。
そういうサービスを
郵便局の窓口が広げていくということだと、ユニバーサルサービス、ネットワークをそのまま生かしていけるわけですよね。だからこれは非常に重要なわけですよ。そういうことが
一つ考えられますよね。
それから
郵貯の分野でいいましても、もちろん、資金がそんなに多いというのはかえって困る場合だってあるわけですよ。これは御承知のとおり、そうじゃないですか。もう規模が大きくなり過ぎてどうにもならぬ。だから、
民間銀行、一般の銀行だって、本音は言っていませんけれども、もしこれがどんと
民営化されたらおれのところ困るんだというのはありますよ、絶対。これはあります。
谷垣
大臣のところ、財務省にしてみれば、国債を買ってくれるかなという不安がある。もともと国債なんというのは、借金財政だから国債を発行するわけで、国債を多く発行しなきゃいかぬような
財政事情をつくったから問題なんで、そこの一番の大もとの原因を財政再建で縮めていくということがなければ、国債はどうしてもついて回るわけですよ。それは、一般銀行であると
郵貯であると、
一緒じゃないですか。
だから、
民間に行ってしまったら、上から威張って、君、国債を買えと言っていた
政府が、
民間になったら、済みませんがお願いしますと言わないかぬわけだ。それだけ、
民営化すると、何か余分なことまでやらないかぬ。(発言する者あり)いや、そうなんですよ。そういう手を尽くさないと、
民間は別に国債を買うためにあるわけじゃありませんから、協力してもらわないかぬわけだ。そうでしょう。財投改革というのが出てくるでしょう。だから、みんな絡むわけですよ。
だから、そういうものはお互いに知恵を生かしていけば、
肥大化した
郵貯、
簡保も、これはサイズを小さくしていこうというのは、恐らく
生田総裁も、頭の中でそういう中期計画も、言うならばこれからの努力としてはあるんじゃなかろうかと私は想像しているわけです。それを四年間の途中でどんとやるものですから、これはパニック状態です。
それで、よく言われるじゃないですか、ノウハウがないとかと。言うならば資金運用のノウハウがないと。冗談じゃないですよ。そんなこと、今のうちだから言っておれるんですよ。
民営化したら幾らでもヘッドハンティングで持ってこれます。その世界ですよ。そうでしょう。中井先生じゃないけれども、投資顧問
会社に友達がおられますけれども、百億円稼いだ人がそうですよ。ああいう優秀な人をトレードしたらいいんですよ。スケールメリットがあって、そういう優秀な人材をトレードしたら、幾らでもできます。違いますか。
それなら、これは、
竹中大臣が
民営化を強引にやったものだから我々メガバンクは大変苦労するということになりますよ。そういうふうなところへ持ち込んでいくことがあってはいかぬと私は思うんですね。
それで、
郵貯の問題について私は提案をさせてください。
今、一番
国民が困っていますのは、年金改革が進まないものですから、例えば高齢化
社会が進行しまして、サラリーマン、これは一頭立てで長年働いてきまして、OBになるでしょう、年金をもらうでしょう。二十二、三万ですよ。二十五万を超えて年金を取れる人はまず少ないです。恵まれた人です。二十二、三万なんです。
それで、両親をお持ちの場合は、もちろん片親の場合ですが、一人、施設に預けるでしょう。大体、今度介護保険料が上がりましたから、これまで五、六万で預かってくれたのが、食事から何から自分で持つようになりましたから、最低十万まで行きます。(発言する者あり)十三万。十三万かかるそうです。そこまで行くんです。すると、収入がありませんから、年金で払わなきゃいかぬ、あと退職金。退職金はとらの子です。これは、子供の教育だとか、いろいろなことで要りますが、そこはどのように融通して使われるかは別ですけれども、そういう支出が要るんです。
そうすると、年金待ったなしの改革なんだけれども、なかなかこれは与党さんも話し合いに乗ってこられないし、なかなか進んでおりませんから、これは与野党で早急にやってもらわなきゃいかぬわけですが、それをやったにしても、やはり収入、月収がどうしてもきついんですね。介護保険料をどんどん払い込まなきゃいかぬというので、厳しい家庭が最近はふえてきまして、家庭の貯蓄量が減っているじゃないですか。これはそういう反映なんです。私はそうだと思います。
そこでお願いしたいのが、リバースモーゲージを、リバースモーゲージは
日本はおくれているんです。これは全国で四百件ぐらいあるそうです、聞くところによると。ところが、開店休業状態。まず、信用がなきゃいかぬ。しかもそれは、きちっとノウハウを持っているところは
民間にありますが、それをスケールメリットを生かしてやらないと、ネットワークを持っていないとなかなかこれは世話ができない。そういう、言うならばリバースモーゲージをやっていくようなサービス、これはまさしく
郵政事業のこれからの大きなヒット商品になるんじゃないか、私はこう思っておるんです。
民営化したらできませんからね、それは。それが大事なんです。
公社のサービスとしては最適だ、こう思っているわけです。
こんな提言だって
幾つかあるわけですが、余り多くありませんで、これは非常に大事なことだと思いますよ。これをやることによって、つまり、年金や介護やそういう不十分な点を埋めていくことができるわけですよ。これは、
竹中大臣なんかはアメリカを中心に詳しいですから、結構実施されているじゃないですか。
日本はないんです。実効性がないんです。
だから、私は提言したいんですが、これは、
公社制度のままで改革するんだったら、ぜひともこの問題にメスを入れて成功させていただきたいと
生田総裁に心からお願いを申し上げたいと思うんですが、御
答弁というか、どんな御
意見でしょう、いただきたいと思います。