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生田参考人 先生にはいつも御指導いただきまして、どうもありがとうございます。
お答えさせていただきます。
ちょうど、第二期といいますか、二年目の決算を発表したところでございます。
概要につきましては、第
一期、初年度に引き続きまして
改革を取り進めてまいりました結果、職員が非常に本当に努力してくれました、職員の努力によりまして、三
事業ともおおむね計画値を多少上回るという結果を得ております。
表面、数字といたしましては、三
事業とも、実は収益、収益というのは売り上げと
理解していただいたらいいんですが、売り上げが前年度を下回りまして、新聞にその辺が全部大きく出ているわけでありますが、例えば、
郵便では
Eメールとの競合なんですね。これはちょっと
競争するのも難しいわけで、先進国みんな減るわけでありますが、普通
郵便が
減少しておりますが、その
減少の幅というものは五・三%、大体想定の範囲でございます。
それで、生産性向上。JPSと言っておりますが、ジャパン・ポスト・システム、千局のモデル局をつくりまして、集配区分、そういったオペレーション関係の思い切った生産性向上運動をやっているわけでありますが、そういったものの
展開、約一〇%の合理化の成果を上げました。
それから、調達コストの削減。
原則としてすべて一般公開
競争入札ということでやっておりますが、これを
事業庁最終年度に比べて二〇%削減しようというふうなかけ声でやってまいりましたのが、第二期は二二%削減できまして、約千七百億円合理化しております。
そういったことで、三
事業とも二期連続、おかげさまで黒字を確保させていただいたというのが総括でございます。
部門別に多少見ますと、
郵便事業におきましては、当期純利益が昨年の二百六十三億をちょっと下回って二百五十二億ということなんですが、我々のやっておりますアクションプラン、
経営計画、目標の数字二百億よりは多少よくなったということです。何で伸びないのというのは、CSと言っておりますが、お客様の満足度を高めるためのいろいろな設備とか、それから研修、訓練なんかにどんどん
お金を使っております。そういったものとか、システムに対する投資、システムが極めておくれております。それから、ことし初めて、元旦に続いて正月二日も年賀状の配達をやりました。そういったような、今までないコストをのみ込んでの数字で二百五十二億ということになったわけであります。
通常
郵便物は五・三%、先ほど申したように減ったわけでありますが、これは金額換算で九百億円の減収になるわけです。それで、ゆうパックとか冊子小包、ここで一生懸命今努力しております。国際関係も今多少力を入れて、実施の
方向にあるわけでありますが、そういったものを足して、そういったところの伸びで五百億円挽回いたしまして、全般の落ち込みを三百六十七億、二・三%で食いとめたというところでございます。
貯金の方は、当期純利益が一兆二千九十五億円ということで、昨年の二兆二千七百五十五億に比べますと一兆六百六十億円減りまして、一見半減したように見えるのでありますけれども、昨年は、
公社開始時約八千円の日経平均が翌年三月末には一万二千円弱になったというところで、金銭の信託
運用益が一兆一千億出ましたので、それを足しての数字だったものですから、ことしは、株価が去年とことしと
余り変わらないということで、そっちの方を除いて考えますと、大体昨年並みの実績を上げ得たということでございます。
それから
簡保の方は、内部留保の積み増し額で大体利益を推しはかるわけでございますが、昨年四十一億円にすぎなかったのが、ことしは五千五百十七億円ということで、実は表面上大幅に改善したかに見えるんですけれども、これもよく見ていただく必要があるわけであります。
これは、
簡保が随分今縮小に向かっております。そういう全体規模の縮小に向かいまして、将来の支払いに備えるために
責任準備金というのを内部留保で積んでいるわけでありますが、それを積むべき対象の額が減ってきているので、そこまで積まなくていい、必要額が減ってきたということで、約六千億円の繰り戻しがあったわけであります。これを相殺して考えますと、やはり
簡保もほぼ昨年並みであったということで、この内部留保のところだけを見ますと、右のポケットから繰り戻してきて、左のポケットの危険
準備金と価格変動
準備金に積み増したというふうな見方をしていただいたら結構かと思います。
公社全体で、前年度利益、金銭信託
運用益一兆円強を含めまして二兆三千十八億円だったわけでありますが、今回は一兆六百七十億円の減でございまして、一兆二千三百四十七億円の当期純利益ということで、大勢観察としては、昨年とおよそ同じであったというふうにお考えいただきたいと思います。
この当期利益金は、全額を利益剰余金といたしまして、
公社法にのっとりまして、資本に積み立てることになっておりまして、評価差額金、これは証券の評価差額金ですね、一・三兆円と合わせると、
公社の資本は、
発足時は資本金といたしまして一兆二千六百八十八億円だったわけでありますが、ただいまのところ、資本といたしまして六兆一千三百六十一億円になったということであります。ちなみに、中計ではこれを約三兆円になるだろうというふうに計画していたわけでありますが、それは上回っておるということであります。
要員は、開始時三年の四月一日、二十八万六千六百人だったんですが、この三月末で二十六万二千人に調整してきております。主要なる組合、全逓の後身のJPUと全
郵政とは緊密に話し合いをしておりまして、
事業改革協議会というのをつくって、緊密な話し合いで、きちんとした
理解を得ながら取り進めているということを申し添えておきたいと思います。
資金量は、
公社開始BSでは三百五十七兆円ございました。この三月期は、
郵貯は二百三十三兆から二百十四兆に減り、
保険が百二十四兆から百十八兆に減りまして、合計三百三十二兆ということであります。
システム関係やCSを中心に先行投資も積極的に進めておりまして、そのコストを一応のみ込んだ数字ということで、
郵政事業だけを見ますと健全化に紛れもなく進んでいるわけでありますが、
市場にある同業他社と相対比較いたしますと、ビジネスモデルが非常に限られておりますのでかなり厳しい
内容でありまして、利益率は相対的には極めて低いということで、さらなる
改革を進めたい、かように思っております。