○田島一成君 民主党の田島一成でございます。
私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま
議題となりました
地球温暖化対策の
推進に関する
法律の一部を改正する
法律案につきまして質問をさせていただきます。(
拍手)
現在、地球温暖化を初めとして、オゾン層の破壊、砂漠化、酸性雨など、地球規模の
環境問題が発生をしております。また、開発行為による自然破壊や、化学物質汚染等による問題も後を絶ちません。とりわけ地球温暖化により、今
世紀末までに地球の平均気温は最大五・八度上昇し、平均海面水位は最大八十八センチ上昇するとの予測もあります。
地球温暖化の進展を食いとめるためにも、
世界の温室効果ガスのおよそ五%を排出している
日本の
責任は、非常に重いと言わざるを得ません。
民主党は、地球
環境の保全に関する施策の総合的かつ
計画的な
推進を図るために、地球
環境基本
計画を策定すべきだと訴えてまいりました。国内における人為的排出の削減を原則として、エネルギーの需要抑制、省エネの
推進、再生可能エネルギーの普及促進のために、
地球温暖化対策税等の経済的
措置の導入による実効性のある
地球温暖化対策を行うべきと考えております。
民主党は、
環境意識の向上、市民参加、情報公開、公正な市場の構築、そして、良好な自然の保全、NGOを中心とする国際貢献などの施策を
推進し、持続可能な社会を構築するための具体策を提示することが、
環境先進国としての地位を確立することにつながると考えております。
そのような観点から、以下、具体的に質問をさせていただきます。
今回の法改正で、温室効果ガスの算定、
報告、公表
制度を導入するとしています。
公表
制度は、事業者みずからが排出削減の取り組みを進め、特に
努力をしている事業者が正当に評価されるためには重要な
制度であると考えます。しかし、これは当たり前のことであり、今まで手つかずであったことがむしろ問題であると考えます。
排出量の多い大口事業者については温室効果ガスごとの排出量を、エネルギー起源CO2については燃料ごとの排出量を、HFCとPFCについては物質ごとの排出量をそれぞれすべて公表すべきであると考えますが、
環境大臣のお考えをお示しください。
また、算定、公表
制度のカバー率は、現段階ではおよそ五〇%程度を想定していらっしゃるようでありますが、果たしてこの程度のカバー率で十分だとお考えなのかどうかについてもあわせてお答え願います。
さらに、これを徹底させるためには、企業秘密を認めず、排出量の開示が重要だと考えますが、なぜこれほどまでに企業におもねる必要があるのでしょうか。
政府の考える企業秘密の基準を明確にし、厳格に運用する仕組みをどのように構築すべきとお考えか、お答えください。(
拍手)
ことし二月、COP3で、先進国に対して温室効果ガスの排出削減を義務づけた京都議定書が発効いたしました。
温暖化対策の究極の目標は、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることであります。そのために温室効果ガス排出量の大幅削減が必要不可欠であり、京都議定書は温暖化対策の第一歩にすぎないことをいま一度確認しなければなりません。
また、産業革命以降に放出された二酸化炭素が原因で起こった温度上昇のおよそ七七%は、欧米や
日本などの先進国に原因があるとされています。まずは先進国が、京都議定書で課せられた温室効果ガスの削減義務を果たすべきだと考えます。
ところが、
世界最大の温室効果ガス排出国である米国は、京都議定書からの離脱を表明し、温室効果ガス削減の
責任を放棄しており、先進国としての見識を疑わざるを得ません。
イラクへの自衛隊派遣、BSE問題に揺れる米国産牛肉の輸入再開など、これまで米国の圧力に屈して言われるがままの
日本の外交姿勢に批判が集まっていますが、
日本政府こそ、米
国政府に対して京都議定書への復帰を強く働きかけるべきではないでしょうか。(
拍手)
そこで、ブッシュ大統領再選後、小泉総理みずからが大統領に京都議定書復帰について働きかけをされたことがあるのかどうか。また、米国への働きかけについて、EUとの連携はどのように進めておられるのか、
外務大臣、お答えをお願いいたします。
日本国内では、二〇〇二年度における温室効果ガスの排出量は、一九九〇年に比べて七・六%増加となっており、京都議定書で
日本に課せられた削減目標であるマイナス六%達成が極めて厳しい
状況にあります。温暖化対策の究極の目標が十分に認識されないまま、場当たり的な拘束力のない対策しか講じなかった
政府の
責任は極めて重大であります。
民主党は、これまでも、産業競争力の維持
強化に配慮した温暖化対策税や再生可能エネルギー買電への国の補助導入など、経済的
措置の早期導入で温暖化対策が可能だと主張してまいりました。
政府の対策のおくれは一層の経済の混乱を招くことにもなりかねず、温暖化対策税の早期導入を強く求めるとともに、ライフスタイルの転換や市民の意識
改革のための
環境教育のさらなる
推進を図るべきだと考えます。
そこで、具体的に
環境大臣にお尋ねいたします。
二〇〇二年度の段階で既に温室効果ガスが七・六%も増加をしているわけですが、二〇一〇年までに現状から一二%もの温室効果ガスを削減することが、今回の京都議定書目標達成
計画案で本当に
実現できるのでしょうか。
私は、残念ながら、これまでの
地球温暖化対策推進大綱は失敗だったと考えますが、大臣はどのように評価をされているでしょうか。
また、
計画案を見ると、京都メカニズムによる削減目標がマイナス一・六%とされていますが、共同実施、クリーン開発メカニズム、国際排出量取引によって、それぞれどれだけの削減を考えているのか、内訳についてもお答え願います。
京都議定書で定められた削減目標は、温暖化対策の第一歩にすぎません。
気候変動に関する
政府間パネル、IPCCによれば、どのような安定化水準を想定しても、温室効果ガス排出量の五〇%から八〇%の大幅削減が必要と言われており、
日本国内における人為的な温室効果ガスの削減をこれ以上に進めなければならないと考えます。
そのためには、
地球温暖化対策税の早期導入と
環境負荷低減のための
技術開発、
技術や商品の普及への補助を拡大するなどの
措置を講ずることにより、経済に与える影響をできる限り回避しながら、温暖化対策を強力に
推進するべきだと考えます。
民主党は、既にマニフェストの中で、化石燃料の使用抑制、効率化と、省エネルギー、新エネルギーの
技術開発や
環境関連投資促進に資する
環境税を創設することを公約しております。
そして、具体的に「二〇〇五年度税制改正に対する考え方」の中で、炭素一トン当たり三千円程度の
地球温暖化対策税を導入することを明確に示してまいりました。
環境大臣、
政府は
環境税等を導入することを断言できますか。もし導入を検討されているようであるならば、いつごろ、どのような形で導入をするのか、お考えをお示しください。
また、
政府内での足並みの乱れが漏れ聞こえておりますが、
環境税等を導入することについてどのようにお考えか、経済産業大臣、お答えをお願いいたします。
次に、京都議定書目標達成
計画案について、
環境大臣にお尋ねをいたします。
これは、二月の京都議定書の発効に伴い、これまでの
地球温暖化対策推進大綱にかわる極めて重要な目標達成
計画であります。にもかかわらず、きのうまで行われていたパブリックコメントは、意見募集期間がわずか二週間と極めて短く、
国民の意見を真摯に反映しようとする姿勢が全く感じられません。
このような重要な
計画に対して、なぜこんな短い意見募集期間しか設けなかったのか、お答えをお願いいたします。
本来、新しい政策を策定する際には、まずそれまでの政策を分析、評価し、その
課題を踏まえて進めていくべきであり、それが本来のPDCAサイクルであります。しかし、この
計画案には、一九九〇年の行動
計画策定以降も排出が増加をし続けていることへの分析や総括、反省が全くなく、同じ失敗を繰り返さないために何が必要であるのか示されておりません。
PDCAの重視は言うまでもありませんが、単に
計画に盛り込まれた施策の進捗
状況を評価するのではなく、盛り込まれなかった施策の必要性を検証するものでなければなりません。
あらゆる政策手段を総動員して目標を確実に達成するために、二〇〇七年度になって初めて総合的な評価をするのではなく、不断に目標及び施策そのものの妥当性を検証、分析、見直しをするべきであると考えますが、
政府の見解をお示しください。
これまでの
地球温暖化対策推進大綱で進めてきた取り組みの中で、各部門別の温室効果ガスの排出量は、民生部門では一九九〇年に比べて三三%の増加、運輸部門では二〇%も増加をしています。なぜここまで増加をしてしまったのか、大臣もこの大綱が失敗であったとお認めになられるのか、その反省点と
責任についてどのようにお考えなのか、お答えをお願いいたします。
また、京都議定書目標達成
計画案では今後どのように取り組むつもりなのか、あわせてお答えをお願いいたします。
日本は二度のオイルショックを経験し、
世界最先端の
環境技術、省エネにより
環境負荷を低減しつつ、経済の発展を図ってまいりました。こうした経験も踏まえて、温暖化対策を強力に
推進することにより、
日本を
世界一の
環境技術立国へと導き、
環境と経済を統合させた持続可能な社会を構築できるものと確信しております。
そして、民主党は、温暖化対策を初めとする
環境問題に対して積極的な政策提言を行い、
環境と経済の統合、
環境と雇用の両立を図ることができる、そんな社会を目指して、今後も全力を尽くしていくことを
国民の
皆様にお約束申し上げたいと思います。(
拍手)
最後に、この際、竹中大臣の過日の総務
委員会への直前の出席拒否、いわゆるドタキャン事件について一言申し上げます。
けさの総務
委員会で、竹中大臣は、情報収集、伝達について私どもに不十分な点があったと認められましたが、竹中大臣が御自分の
責任を部下に押しつけ、まるで自分は全く悪くないんだと言わんばかりのこの姿勢は、従来と全く同じ陳述であり、欠席した
責任をとったとは言えません。
私たち民主党は、引き続きこの竹中大臣の辞任を求めていく考えをここで表明し、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(
拍手)
〔国務大臣小池百合子君
登壇〕