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西岡参考人 今私
たちは、残念ながら、
めぐみさん
たちや
るみ子さんや八重子さんや修一さん
たちが今この瞬間、
北朝鮮のどこにいるか、確実な
情報を持っていないんです。しかし、生きていると信じて今救出を図っておりますけれども、彼らの、彼女らの身辺の安全をどう守るのか、このことも、今先生がおっしゃった、
日本の
国家意思を厳しくしっかりと示すということと関係があると思っております。
北朝鮮では、
日本が
拉致問題にこだわっている、
日本国民は怒っているということを、対日謀略機関の三
号庁舎それから外交部はわかってきていると思います。それ以外の
人たちはどれくらいわかっているのか。
北朝鮮では、先ほど安
参考人も少し話をしましたけれども、経済的にも大変苦しいところにあり、
国民の不満も高まっていて、いつ政変が起きるかどうか、だれも予測ができません。
あるいは、彼らは、
日本と
国交正常化してお金が欲しいわけです。その場合に、
日本国民がこれらの
人たちが帰ってこなければ絶対怒りを解かないんだということを、
メッセージを発すれば、
めぐみさんが例えば病気になったらば、最高の治療をします、そうでなければ
日本国民は怒ってしまうと。
あるいは、我々がまだ
名前のわかっていない
人たちも全部助けるんだ、それが明らかにならない限り援助はしない、
国交正常化はしない、
国民が全然意識が冷めない、世論が冷たくならないということを
北朝鮮が骨身にしみてわかれば、すべての
被害者はどこにいるんだ、大切に扱っておけよ、いつか人質としてお金と交換するときが来るかもしれないと思うわけです。
実は、ここに傍聴にも来ていらっしゃる
家族の
人たちが、九七年に
家族会をつくったときに悩まれたわけです。
名前を出して訴えたらば、北にいる
人たちの身の上に何か危険が来るのではないか。そのときに私などが申し上げたのは、いや、逆だと思う、
名前を出して世論が覚えて、
横田めぐみという
名前は
日本国民が全部覚えているわけです。その人に手をかけたとすれば
日本国民は永久に
北朝鮮の現政権を許さない、支えること、支援することはないんだ、それくらい
日本国民はこの問題に関心があり、怒りが解けないんだということを示し続ける、
国家意思を示し続けること以外に、今我々が、直接助けに行けない、どこにいるかわからない
人たちの安全を図る方法はない。
蓮池薫さんは、
北朝鮮にいたときに実は
日本の新聞を時々読むことができたと言っています。しかし、
日本の新聞の
拉致問題に関係するようなところは切り抜かれていた。ただし、時々その切り抜きのミスがあって、
北朝鮮当局が読ませてはならない部分も入っていることがあった。そこで、
家族会、救う会が結成された、お父さんの写真を見たと言っています。ああ、私を助けるために
日本で
家族が立ち上がってくれたということがわかったと言っていました。
地村さんは、
北朝鮮の労働新聞で、福井県の小浜市で
日本の反動がけしからぬ集会をやった、ありもしない
拉致問題で集会をやったという記事が出た、小浜市といったら
自分のこと以外にないだろうと思った、こういう形で、実は向こうにいる
人たちと、我々が立ち上がったことによってコミュニケーションもできたんです。それも
国家意思を示すということです。
彼らが意識すればするほど安全は図られる。そして、政変が起きたときに、最初に放送局を占拠したりするでしょうけれども、その後、
拉致被害者はどこにいるんだ、捜せ、流れ弾に当たるようなことをするなよ、後で
日本と
交渉するんだと軍の幹部や政治警察の幹部が思わなければいけないぐらい
日本国民の怒りを伝えておく。これ以外に、今
北朝鮮にとらわれている
人たちの安全を図る方法はない。
そのためにも、
制裁の予告を十二月二十四日に
日本政府はしたんですから、それを守るべきだ。それをしなければ、
日本政府はオオカミ少年になって、
日本はこの問題を重視していない、世論もそのうち忘れるだろうという誤解をさせることになってしまうと思っています。