○松島
委員 私は、
大臣が
法律のプロでないことは全く構わないことである、プロでないことのよさを生かしていただきたいとかねて思っておりまして、今の答弁には甚だ不満でございます。
使用人という言葉が世の中に定着しているとは、普通、千人に聞いて九百九十八人か九人は思わないんじゃないだろうか。私自身は、この世界に入るまで十五年弱、朝日新聞の社員、職種は記者という仕事でしたが社員をやっておりましたが、
自分で余り使用人と思ったことはございませんでしたし、もともと
商法の中にでっちとか手代という言葉がずっと残っていて、それも前近代的な
商法だということの象徴のように言われてきたんですけれ
ども、私の感覚としましては、でっち、手代はなくなったけれ
ども、
明治、大正期の言葉から、使用人はせいぜい戦前、戦後直後ぐらいまでじゃないかなと。とても平成の大
改革にはふさわしくないのではないか。
言葉が定着しているというのは、私たびたび申し上げているんですが、法曹界、弁護士さんの間に定着しているだけであるということを言わせていただきたい。次の平成の早急なる大
改革を求めたい、この点についてだけは言わせていただきたいと思っています。
この後は、この
法律の中での中小
企業についての扱い。これは、私は、先ほど
平沢委員からもお話がございましたが、
株式を上場している大
企業、大
企業でなくても
株式を上場している
会社と非公開の中小
企業というものは全く性質が違うものだと思います。それをきちっと今回の
改正ではとらえていただいていると思っております。
この点について、私は、
自分が直接聞いた話で非常に印象に残っている言葉が、二十年前に聞いたんですが、ある創業者、
自分の
会社をつくって、その
企業を上場させた人が感想を言っていました。ロイヤルホストというレストランのチェーンを全国につくっている福岡のロイヤルという
会社の江頭匡一さん、実を申しますと、おととい、この
質問をするに当たってこの人の言葉を思い出していましたら、ちょうどおととい八十二歳で亡くなられて、私はきのうの通夜ときょうの葬儀にこの
委員会質問のために行けなかったんですが、こういうことを言われていました。
自分は、食べ物屋といって一段さげすまれているような感覚があった分野を外食産業に仕立てたい、そう思って、それで上場を果たした。
株式上場をするために一生懸命
努力をして、書類も整えて提出した。やったと思う気持ちと同時に、書類を提出してその部屋を出るときに物すごく寂しさが込み上げてきた。これまでは
自分の
会社だと思っていたのがそうじゃない、公の
会社になっちゃう、寂しさを禁じ得なくて、よっぽど書類をもう一度取り戻してこようかと思ったぐらいな、そんなことがあったんだよ、松島さん。こういうことを、二十年前、私がまだ二十八歳の新聞記者
時代に聞いたことをよく覚えているんです。つまり、
上場企業と
株式の非公開
企業は明確に違うと。
法律でこういう
整備をしたというのは非常にいいなと思っております。
幾つか伺いたいと思います。
質問するに当たりまして、
商法というのは基本法でございまして、例えば
会社をつくりやすくする、そしてつくった
会社がいろいろな形態を、中小
企業に合った形態を選ぶことができるようにする、そして存続して
日本の中小
企業が生き生きできるようにするというために
商法をつくった、器でございます。それに魂を入れてそれを後押しするかどうかというのは、単に
法務省の仕事を離れて、いろいろな役所なり、もちろん政治の問題でもありますが、そのバックアップがないと、支援がないとやっていけないと思うので、きょうはいろいろな役所の方に来ていただきました。
まず、この何年か、二十年ぐらいの
日本は、
企業栄えて家業滅ぶ。親がつくった、あるいはおじいちゃん、ひいおじいちゃんがつくって、おばあちゃんでもいいですけれ
ども、つくってきた
会社を次の代にバトンタッチしようと思うときになかなかうまくいかない。そのネックが相続の
仕組みと相続税と両方あると思います。
相続の
仕組みの中で、民法の、だれでも同じように子供なら同一条件で均一に相続しなきゃいけない、まず私、この
仕組みがおかしいと思っておりますが、これはちょっとおいておきまして、今回の
法律改正によっていいことがございました。もちろん上場していない
会社ですけれ
ども、
株式の譲渡制限で、相続のときにも、定款に定めておいたら、だれには相続させていいけれ
ども、だれには譲渡していいけれ
ども、だれには譲渡しちゃいけないということを書き込めるようになった。
どういうことが考えられるかといいますと、親と一緒に
会社を経営している、例えば三人子供がいたとする。簡略にするために当該の社長の妻はもう亡くなっているとして、三人子供がいて、長男が一緒に仕事をしている。これが後継ぎです。次男はサラリーマンになっちゃった。長女はどこか遠いところへ結婚してお嫁に行った。仕事としては、長男が全部引き継がないと仕事をやっていけません。しかし、平等に相続の原則があったら、三分の一ずつ
会社の
株式を持ったとしたら、
会社に直接かかわっていない二人の方が三分の二持つわけです。この人たちが、こんな東京の中で
会社をやるよりは、
会社なんか解散してしまって、全部土地を売って山分けしてくれた方がいいと言ったら、
会社は消えちゃいます。対抗の手段がない。それを、今回の譲渡制限の定款によりまして、残る二人の子供の分を召し上げるというか
会社が買っちゃう。あげない、とにかく取り上げて買うということができる、これはいいことだと思っております。
私が考えますのに、より有効にやろうと思ったら、親が遺言をつくっておいて、それでも遺留分があるから、そうすると、遺留分を考えていくと、次男と長女の分は三分の一ずつなので買い上げるのは減らすことができるわけですけれ
ども、それでもどっちにしても買い上げることになる。このときにどういう価格で買い上げるか。その前に相続税が発生しているわけです。
主税局に申し上げたい。常に申し上げていることなんですが、相続税が発生するときに、相続税の評価というものが非常に高い。私は、事業の資産の相続の場合、これは別建てにしなければおかしいと思います。
例えばの例ですけれ
ども、田園調布に家があって、サラリーマンの子供が相続できない、それは構わないんです。どこにでも住んでいいと思います。しかしながら、事業というのは、その土地を離れて、いかに高価な土地のところでも離れて仕事はできないわけです。今の
仕組みはというと、高い評価をする。では、納められないからと言ったら、物納したいというのを認めない。物納も認めていないのに高い評価額を決める。
こういうことを続けていたら、せっかく
商法をこういうふうに変えてもとても続けていけないと思うんですけれ
ども、財務省、いかがでしょうか。