○松本(大)
委員 できればいいなという頼りない
答弁だったんですけれ
ども、普通の人は
法律の範囲内で
生活をされている。ところが、政治家というものは、
法律の方が逆に間違っているんだと思えば、その
法律を
改正することができるし、ある
法律の不在によって、不備によって人権が侵害されていると思えば、新たに
法律をつくり出すことができる、これがやはり政治のだいご味じゃないかと思うんですね。その立法を現実的に担保するために先立つもの、つまり予算の後づけもできる、これがやはり政治家のだいご味だと思うんですよ。
だから、本来持っている権能を十分に使えば、あるべき未来により近づけることができるというのが僕は政治家の仕事だと思いますけれ
ども、今のお話だと、できればいいなと思うけれ
ども、何かいろいろ仕組みがあってと言うばかりで、どうあるべきか、そのためにどういう手順で検討していきたいとか、そういう前向きなお考えは全く聞き取れなかったんですね。私は大変残念であります。
たしか所信表明でも、人権の擁護なんだということをおっしゃっていたはずです。「私は、
法務大臣を拝命以来、人権の擁護など、その職責の重大さに改めて思いをいたし、よりよき
法務行政の
実現に向け、国民の目線に立った、真に国民に信頼される
法務行政の推進に取り組んでまいりました。」と書いてありますが、人権の擁護ということをおっしゃるのであれば、現状の法の枠内にぜひ思考を狭めないでいただきたいなというふうに思います。ちょっと前向きな
答弁がいただけなかったので、これはまたいつか取り上げたいと思います。
私が思うに、この
刑務作業の収入、国庫納入金の七十二億であるとか財団法人
矯正協会の管理
運営費の
部分は
犯罪被害者の救済に充てるべきだというふうに思うんですけれ
ども、それが仮に
実現されたとしても、だからといって、今の作業がそれでいいんだというふうに考えているわけでもありません。実際、
行刑改革会議の
提言でも、一日八時間の
刑務作業時間を確保しなきゃいけないというわけではないんだという趣旨のこともおっしゃっていらっしゃいます。
刑法が定める懲役だからやらせなきゃいけないんだという
理由もわからなくもないですし、就業能力向上を図る前に、きちっとした規律ある
生活習慣を身につけさせるんだという必要もわからなくはないんですが、ただ、
行刑改革会議も
提言しているとおり、やはりその作業時間を一部
教育的
処遇の
充実に充てていくということも行われてしかるべきですし、現に試行的に行われている。それで、四月からは七十四庁全庁で実施ということなんですが、実際どうなのかというお話をしたいと思います。
刑事施設の全職員のうちに占める
教育専門官の割合、
平成十七年四月一日現在で結構ですので教えてください。それからもう一点、
平成十七年度の職員純増分二百七十三名のうち、
教育関係業務に従事する職員の数を教えてください。——済みません、ちょっと
質問取りのときに細かくブレークダウンしていなかった私が悪いのかもしれませんので、
お答えしておきます。だから、確認をさせてください。
教育専門官は、レクリエーション及び
生活指導に当たる刑務官及び幹部職員を加えても、全体に占める割合は二・八%、純粋な
教育専門官としては百四名で、〇・六%にすぎない。しかも、ただでさえこれだけ少ないのに、十七年度の純増分二百七十三名には
教育担当職員の純増はゼロというふうになっているわけです。
まずこれを確認したいんですが、その上で最後に聞きたいんですけれ
ども、これまでも、薬物依存者向けのプログラムが間もなくまとまるし、性
犯罪者向けの
処遇プログラムも今年度中にまとまるし、今回の
法改正によって
教育を受けることに関する
根拠規定も盛り込まれる、だからこれから変わるんだというふうにおっしゃってきたんですが、今のような状態だと、この
法案で適切な
処遇というのをうたってはいらっしゃるものの、肝心の、それを担保するための人的手当てが全くなされていないんじゃないか、ということはこの
処遇プログラムは絵にかいたもちに終わってしまうんじゃないかというおそれがあると思うんですが、これについてのお考えを最後にお聞かせください。