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津川委員 共通ライセンスなり、
日本で働く以上は
日本で働けるだけのルールにのっとっていただきたいというのは当然あり得ると思いますし、
日本語が絶対必要な
職業であれば
日本語も相当堪能でなければいけない、そういうのはあり得ると思いますが、専門的な方とか
技術的に
能力を持っていらっしゃる
方々の話だけするなら楽なんですが、実際は、現在、
日本の
社会がそうじゃないという話だと思うんですよ。
単純労働と言われる
人たち、そういう
分野の
人たちが相当入ってこられている。その中には
日本語ができない方も実は相当いらっしゃる。
先ほど、冒頭私は申し上げましたけれども、要するに、
日本に来て働いているけれども、ある
意味で
日本の
社会には溶け込んでいない。彼らだけの
社会をつくっている。しかも、家族を連れてきて、子供を連れてきて、その家族、子供に対する
社会保障制度が不十分であったりとか、これは厚生労働省の方から話をいただければいいんですが、それも、
外国人であってもできるだけしっかりとそういった保障ができるようにやっていただく、あるいは子供であれば
外国人であっても
教育はしっかり受けられるようにする。
外国人の
教育ですから、
日本人の
教育とは
条件が若干違う
部分がたくさんありますので、その辺の
制度はしっかりつくっていかなきゃいけない。
特に、
外国人労働者の多い自治体なんかでは、積極的にその
問題点を
認識して取り組みをしようということを相当やっているわけです。ただ、
日本の国の
認識として、
日本には
単純労働者はいないんだ、そういう
認識を持たれているんじゃないのかなと思うんです。そういうのはいないから、そういう
人たちについての
働き方、生活の仕方についての
システムについて十分に
検討されてこなかった。
だから、水面下ではそういう
人たちはたくさんいるけれども、ある
意味で、いろいろなところで弊害、問題が出てきてしまって、彼らはこっそりと自分たちの
社会、
コミュニティーをつくって、多少お金を稼いだら自分の国に帰っていく。あるいは、帰っていこうと思ったけれども、長年住んでいるうちに、子供は、
日本語はできるけれども母国語ができなくなっちゃったとか、こんな話も幾らでもあるわけです。それはもう世界的には、例えば
ドイツとか、ヨーロッパの各国ではそういう例が幾らでもあって、何年間か来るつもり、あるいは何年間か
受け入れるつもりだったけれども、自然発生的に
外国人集落というものがどんどんできてしまう。そういった
社会が国の中にできてしまう。それも、そもそも
余り想定しなかったので、安い賃金で働いていて、その国の
人たちと非常に大きな問題を起こしてしまう。
今
大臣がちらっと触れていただいたように、
条件を同じにして、
外国人であっても
日本人と同じような
条件で働いていただく、高い賃金で働いていただく。彼らにとってはプラスだし、雇用者側としては厳しい話かもしれませんけれども、
日本の労働市場というものを
考えたときにはそれが
一つ必要な対策じゃないかなということが言われているんだと思うんです。
大臣、これを読んで私が感じたのは、まさに、現場ではそうなっているのに、現場ではそういう
人たちがいろいろ入ってきていろいろな問題が起きているのに、政治の場、特に政治家、
大臣がその
状況を認めようとしない、政治的な判断をしようとしない。
日本には
技術的な、専門的な
方々が入ってくる、それについてどうするかという話しかしなくて、
単純労働で入ってこられている
方々の現状をある
意味で無視してきている、あるいは目をつぶってきている。それが問題であって、いや、もう持ちこたえられませんということがここに書いてあるんだと思うんですよ。
法務省がここまで書くのは、私はすごいなと思いますよ。「着実に
検討していく。」というところまで書いているんですから、
単純労働者まで。そうですよね。私は、やはりそこを政治的に判断しなきゃいけないと思うんです。
これを、とにかくにっちもさっちもいかなくなってからどうするかという話ではなくて、まさにそういった
方々を
受け入れるのか、あるいは
受け入れない
社会にするのか。これはもう選択ですから、政治がどう判断するのか、あるいは
国民世論がどう判断するのかというところだと思います。そこの
議論をもうとにかくしてくださいという、これは現場の、役所の
方々の悲鳴だと思うんですよ。入管だけじゃこたえられませんよ、一生懸命抑えていたけれどもばんばん入ってきて、中でどんどん住んでいるじゃないかと。いないことになっているので、どうなっているんだと言われても、我々どうしようもありませんという現場の悲鳴だと思いますよ。ですから、これをどう
考えるのか。
それからもう
一つ、そういった
方々を本当に
受け入れていくという、ある
意味で現状を追認していくときに非常に心配になるのが、やはり
外国人に対する差別、偏見です。これも、話の中にも、例えばそういった方を
受け入れていくときには、その
受け入れが
我が国の
産業及び
国民生活に与える影響を十分に勘案する必要があり、その中には例えばと、四つ出ているんですが……(
南野国務大臣「何ページですか」と呼ぶ)ごめんなさい、十三ページなんですけれども、その上から五行目ですけれども、「例えば
国内の治安に与える影響、
国内労働市場に与える影響、
産業の
発展・構造転換に与える影響、
社会的コスト等」と。一番最初に出てきているのが治安に与える影響なんですよ、
大臣。一番最初に例えばで出てきたのが治安だというんです。
外国人がたくさん入ってくると治安が悪くなると言っているんですよ、ここは。そういう
認識でいいんですか、
大臣。
大臣の
認識を
伺います。