運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
2005-03-15 第162回国会 衆議院 法務委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十七年三月十五日(火曜日) 午前十時
開議
出席委員
委員長
塩崎
恭久君
理事
園田 博之君
理事
田村
憲久
君
理事
平沢 勝栄君
理事
吉野 正芳君
理事
津川
祥吾
君
理事
伴野 豊君
理事
山内おさむ君
理事
漆原 良夫君 井上 信治君 大前 繁雄君
左藤
章君 笹川 堯君 柴山 昌彦君 谷
公一
君 早川 忠孝君
松島みどり
君 三原 朝彦君 水野 賢一君 森山 眞弓君 保岡
興治
君 加藤
公一
君
河村たかし
君
小林千代美
君
佐々木秀典
君 樽井 良和君 辻 惠君 松野 信夫君 松本 大輔君 江田 康幸君
富田
茂之
君 …………………………………
法務大臣政務官
富田
茂之
君
参考人
(
日本弁護士連合会
副
会長
)
清水
規廣
君
参考人
(
日本司法書士会連合会会長
)
中村
邦夫
君
参考人
(
日本土地家屋調査士会連合会会長
)
西本
孔昭
君
法務委員会専門員
小菅 修一君 ————————————— 本日の
会議
に付した案件
不動産登記法等
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
第三四号) ————◇—————
塩崎恭久
1
○
塩崎
委員長
これより
会議
を開きます。
内閣提出
、
不動産登記法等
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。 本日は、
本案審査
のため、
参考人
として、
日本弁護士連合会
副
会長清水規廣
君、
日本司法書士会連合会会長中村邦夫
君、
日本土地家屋調査士会連合会会長西本孔昭
君、以上三名の方々に御
出席
をいただいております。 この際、
参考人各位
に
委員会
を代表して一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、大変御多用中のところにもかかわりませず御
出席
を賜りまして、まことにありがとうございます。それぞれのお
立場
から忌憚のない御
意見
をお述べいただくよう
お願い
を申し上げたいと思います。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、
清水参考人
、
中村参考人
、
西本参考人
の順に、それぞれ十分程度御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の
質疑
に対してお答えをいただきたいと存じます。 なお、御発言の際はその都度
委員長
の許可を得て発言していただくよう
お願い
いたします。また、
参考人
から
委員
に対して
質疑
をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。 それでは、まず
清水参考人
に
お願い
をいたします。
清水規廣
2
○
清水参考人
日本弁護士連合会
副
会長
の
清水規廣
でございます。どうぞよろしく
お願い
いたします。 私は、この
法案
につきまして、
司法書士法
及び
土地家屋調査士法
の
改正部分
を含めまして反対はしないという
立場
でお話をさせていただきたいと思います。特に
土地
の
筆界特定手続
につきましては、
運用いかん
によっては、現在の
制度
より簡易迅速に
土地
の
境界
が
確定
するのではないかと期待するものであります。
土地
の
境界
が
確定
していないために困る事態というのは、よく言われますように、
土地
の売買や再開発のときだけではなくて、
遺産分割
をしたいけれ
ども
土地
の
分割
ができない、
分筆登記
ができないとか、あるいは
防災用
の
擁壁工事
の着工ができないなど、さまざまな場面でございます。しかし、
境界
の
確定作業
を円滑に行うという要請が強い反面、逆に、
土地
の
境界
をめぐる
争い
は、
国民
の
権利義務
に
影響
を及ぼす
争い事
の最たるものでありまして、昔から
裁判
の
代表格
でありますので、その
解決
に当たりましては、
国民
の
裁判
を受ける
権利
を十二分に保障したものでなければならないと考えております。
筆界
の
確定
は、公法上のもの、つまり公の
法律
のものであるから、直接、
国民
の
権利義務
に
影響
を及ぼさないという考え方もございます。しかし、
筆界
の
確定
は、
土地
の客観的な
範囲
だとか限界というものを定める、変動を生じさせるものでありまして、
所有地
の
範囲
に実質的に
影響
を与えるものであります。 わかりやすくするために、お手元に配付させていただきました
図面
をごらんいただきたいと思います。左側の一番の
土地
、甲の
所有
のものでありますけれ
ども
、それから右側の二番の
土地
、乙の
所有
の
土地
があるわけですけれ
ども
、乙から、
自分
の
土地
の二番の
筆界AB線
を越えて甲が家を建ててしまった、この
建物
の一部を撤去してくれ、こういうことで
争い
になった場合を考えてみたいと思います。 甲の方は、何を言っているんだ、あなたの
土地
と私の一番の
土地
との境は
CD線
じゃないか、こういうことをまず言うと思うんです。ですから、
裁判
の第一の
争点
というのは、
筆界
が
AB線
なのか
CD線
なのかというところが問題になります。次いで、甲は、仮に
筆界
が
AB線
であるとしても、
自分
はもう二十年以上にわたってABCDの
部分
、この
土地
の
部分
を使っているから、もう既に時効で
自分
のものになったんだ、こういうことを
主張
するようになります。 このように、
裁判
の実務だとかあるいは
国民
の
認識
では、
土地
の
筆界
問題と
所有権
の
範囲
、つまり
所有権境
の問題とは密接不可分なものであります。
法務省
の
説明
では、
筆界特定登記官
による
特定
というのは、
筆界確定
の
効果
を持つ
行政処分
ではなくて、
登記官
による
認識
の表明であるとか、あるいは
筆界
の位置についての
証明力
を有するにすぎない、
国民
を拘束しない、こういう御
説明
であります。 しかし、甲と乙との
争い
で、乙が
申請
をして
登記官
が
AB線
であるというふうに
特定
をしますと、結果として
乙側
に
登記官
の方が軍配を上げたことになります。また、
裁判
に至らなくても、ある
土地
の周囲の
筆界
がすべて
特定
されれば、
登記官
は職権で十七条
地図
を訂正したり、
地積更正登記
をすることも可能となります。 したがいまして、
筆界
の
特定
は、先ほど申しましたように、事実上、
国民
の
権利義務
に
影響
を及ぼしますので、この
手続
を行うに当たっては、
当事者
からの
主張
、
立証
を尽くさせる、
民事訴訟手続
に準じた
運用
が行われる必要があると思います。
当事者
の
主張
、
立証
を切り捨てることにならないよう配慮した適正な
手続
の詳細を
法務省令
で定める必要もあると思います。 さらに、
筆界特定登記官
に対しては研修をしまして、
手続
の
迅速性
だけではなく、
民事訴訟手続
に準じた、
当事者
の
主張
、
立証等
を尽くさせる、そういう
手続
についても教える必要があると思います。また、この適正な
手続
を進めるに当たっては、今まで
境界確定裁判
を担ってきました
弁護士
の
調査委員
の
役割
も大きいというふうに考えております。
当事者
の
主張
、
立証
を尽くさせるためには、もう
一つ
、相手方から
提出
された
証拠資料
や取り寄せた
資料等
を開示するだけではなくて、
法務局
がもともと持っていた
手持ち資料
、特にこのうち、
調査委員
が
調査
に利用した
資料
も
当事者
に開示することが必要ですので、
省令
を検討するに当たりましては、この点の
情報公開
にも御配慮いただきたいと思います。 次に、
裁判手続
との関連について申し上げたいと思います。
筆界特定
が行われた
土地
につきましては、
土地
の
境界確定訴訟
や
所有権境
に関する
裁判
の進行が早くなるものと思われます。
裁判所
へ
筆界特定手続
の記録が
提出
されることになっておりますので、
特定手続
で作成された
図面
を
裁判所
、
裁判
の
当事者
ら、それらの共通の
図面
とすることができまして、
資料
も
証拠
に利用することができますので、迅速な
争点整理手続
にも役立つと考えております。また、鑑定や検証を行うに当たりましても、
法務局
の方から来ました
資料
が有用であると思います。 従来、
訴訟手続
と
登記行政
とが
連携
していなかったということから、たまに
判決書
や
和解調書
で
地図訂正
だとか
分筆登記
ができないというような報告もありました。今後は、
筆界特定手続
を行った
土地
については、このようなことは少なくなるというふうに予想しております。 また、
特定手続
が未了の
土地
につきましてでありますけれ
ども
、
判決等
に添付する
図面
と
法務局
が要求する
図面
、データとの
統一性
を図ることや、
土地家屋調査士
の
専門委員
の
活用
の仕方などにつきまして、
裁判所
や
法務省
、
弁護士会
などとの協議をして
運用改善
を図っていく必要があると思っております。 ところで、先ほどの図の例で、甲と乙との
紛争
を
話し合い
で
解決
して、例えば、甲と乙とは一番の
土地
と二番の
土地
との
所有権境
を
CD線
で区分されることを相互に確認しましょう、こういう
和解
をすることができます。しかし、その場合に、
登記官
が
筆界
をどこと認めるかによって、その後の
手続
が変わってまいります。
CD線
が
筆界
であると
登記官
が認めたときは、一番と二番とそれぞれの
地積更正登記
を行えばいいということになりますけれ
ども
、逆に、
AB線
であると
登記官
がした場合には、二番の
土地
から
ABCD部分
を分筆する
登記
をして、さらに、乙から甲へこの
部分
の
所有権移転登記
をしなければ甲のものになりません。ですから、課税の問題も生じてまいります。 このように、
紛争解決
という
観点
からしましても、
筆界
と
所有権境
とは密接不可分であります。ですから、
筆界特定手続
が創設されたからといって、この
手続
だけで
地図混乱地域
の
筆界
問題が一気に
解決
できるというものではないと考えております。 私は、この問題の
解決策
の第一として、現在
法務局
が進めております
不動産登記法
十七条
地図
の
作成作業
をもっと推し進める必要があると申し上げたいと思います。 この
作業
を行った世田谷などの実例では、大
部分
の
地権者
が
筆界
を承諾して十七条
地図
が
整備
されたとのことであります。
作業
を行っても
地権者全員
の承諾に至らない
筆界
につきましては、
境界確定訴訟
の前の
手続
としてこの
特定手続
は有用であると考えます。特に、街区一帯の
測量等
を行う十七条
地図作成作業
と併用して、あわせて
特定手続
を行いますと
効果
を発揮すると思います。また、必ずしも
所有権
の
範囲
に
争い
はないけれ
ども
筆界
は定かでないという
土地
につきましても、この
手続
を使って簡易迅速に
特定
できる場合も多いと思います。
解決策
の第二としまして、
簡易裁判所
での
調停
や
土地家屋調査士会
が
弁護士会
との
協働
で進めております
ADR
、
境界問題相談センター
などで、
相談
、
調停等
の
話し合い
の
手続
と
筆界特定手続
との
連携
を図るということを挙げたいと思います。まず
話し合い
を進めながら
特定手続
を行った方がいい
事案
、あるいは逆に、
訴訟
を前提にまず
話し合い
をとりあえずして、
特定手続
は
訴訟手続
と並行して行った方がいい
事案
というのがあると思うんですが、その辺を、
簡裁
での
調停
や
ADR
でその後の
手続
の振り分けをする
機能
を持たせることも必要ではないのかというふうに考えております。
運用
に関しまして、
申請人
が負担すべき
費用
がどのぐらいあるのかよくわからない
部分
がありますけれ
ども
、
省令
にゆだねられている
部分
につきましては、
省令制定
の際に、また
弁護士会
として
意見
を申し上げたいと考えております。 いずれにしましても、
法務局
、
土地家屋調査士会
、
弁護士会
などが
制度
の
実施
前後を通じまして協議して、
国民
にとって使い勝手のよい
運用
にする必要があると考えております。 以上で私の
意見
を終わりにいたします。(
拍手
) 〔
委員長退席
、
田村
(憲)
委員長代理着席
〕
田村憲久
3
○
田村
(憲)
委員長代理
どうもありがとうございました。 次に、
中村参考人
に
お願い
いたします。
中村邦夫
4
○
中村参考人
日本司法書士会連合会会長
の
中村邦夫
でございます。 本日は、
不動産登記法等
の一部を改正する
法律案
に関しまして、
参考人
として
意見
を申し上げる
機会
をいただきましたことに、
法務委員会委員
の
先生方
にまずもって厚く
御礼
を申し上げます。
国民
がより利用しやすい
不動産登記制度
並びに
司法制度
、これに関連するよりよい
司法書士制度
の実現に真摯な御
努力
を重ねていただいておりますことに対しましても、心から
敬意
を表し、重ねて厚く
御礼
を申し上げます。
司法書士会
は、今日まで、
司法書士制度
を、
国民
のための、そして
国民
に愛される身近な
法律家制度
として
充実発展
させるべく、精いっぱいの
努力
をしてまいりました。さらには、本日このような
機会
をお与えいただき、
司法制度
並びに
不動産登記制度
の
充実発展
のためにも、それを担う
存在
としての
役割
を着実に果たしてまいりたいと改めて決意する次第でございます。 このような私
ども
の決意から見ますれば、本日
意見
を述べさせていただきます
不動産登記法
の一部
改正法案
並びに私
ども司法書士
の職能に関する
司法書士法
の一部
改正法案
につきましては、その
早期
の
成立
を心から願うところでございます。 まず、
不動産登記法
の一部
改正法案
の
内容
であります
筆界特定手続
の創設に関しましては、
土地
の
境界
に関しさまざまな
資料
、
情報
を有している
登記所
の
機能
とそれに関係する
専門家
を
活用
し、
筆界
に関し
信頼性
の高い
判断
を示すことにより、かかる
境界争い
を全体として迅速かつ的確に
解決
する
作用
を営むものと期待するところであります。
司法書士
は、従来より、本来
業務
として、
本人訴訟
の
支援者
として、
裁判所
に
提出
する書類作成を通じて、
土地境界紛争
においても
一定
の
役割
を果たしてまいりました。
簡裁代理権
が
付与
された後におきましては、
固定資産税評価額
が比較的少額である
地方
では、
当事者
の
代理人
として
土地境界
の
紛争解決
に当たることが少なくありません。
通常
、
一般国民
間の
境界争い
は、
地番範囲
の
争い
、つまり、何番の
土地
はどこまでか、すなわち、
隣人同士
で勝手に線を引くことのできない
筆界
の
紛争
とともに、
支配範囲
の
争い
、つまり、
自分
の
所有地
はどこまでか、すなわち、
隣人同士
で合意することのできる
所有権
の
範囲
の
紛争
が混在しております。したがって、このような事情から、
境界争い
が
訴訟
に持ち込まれた場合には、
通常
より長引く傾向があることは否めません。 このような現状にかんがみますと、今回創設されようとしておりますこの
筆界特定制度
は、
土地
の
筆界
の迅速かつ適正な
特定
を図り、
筆界
をめぐる
紛争
の
解決
に資するためのものであり、
国民
からも大きな期待が寄せられるものと考えます。私
ども司法書士
といたしましても、この
筆界特定制度
の導入により、迅速かつ的確な
証拠収集手続
が可能となり、
訴訟手続
などの
迅速化
により、
紛争解決
における
国民
の時間的、経済的な負担の軽減が図られるものと考えているところでございます。 以上の
観点
から、
不動産登記法
の一部
改正法案
に賛成する次第であります。 次に、
司法書士法
の一部
改正法案
に関しましても、これに賛成し、その
早期成立
を強く期待するところでございます。 この
司法書士法
の一部
改正法案
の要点でございますが、まず第一点が、
司法書士法
第三条二項の
司法書士
に対する
上訴提起
の
代理権付与
であります。 現在の
司法書士法
におきましては、例えば
簡易裁判所
に
代理人
として関与した
事件
の
判決
に不服がある場合、
司法書士
は
控訴審
に関する
訴訟代理権
がございませんので、
当事者
は、
控訴審
において
本人訴訟
を行うか、もしくは新たに
弁護士
に
訴訟行為
を委任するかの
選択
を迫られるわけでございます。 御
案内
のとおり、
控訴期間
は
判決書
を受け取った日から二週間と定められております。
控訴審
において
本人訴訟
を行うかどうかの決断には
一定
の時間が必要でありますし、新たに
弁護士
を選任する場合であっても、
事件
の
内容
を十分に
説明
し、今後の見通しなどについても、第一審における
訴訟代理人
であった
司法書士
の的確な
情報提供
が、
事件
を引き継ぐ
弁護士
に対して必要になるところであります。かかる
情報提供
と
当事者
の
弁護士選択
にも
一定
の時間が必要となるところであります。 また、
敗訴判決
を受けて、本当に上訴すべきか否かの
判断
を行うに当たっては、原審の
証拠調べ
が十分であったか、あるいは新
証拠
が
存在
するか否かなど、さまざまな角度から総合的に考察しなければなりません。そのような
内容
を最もよく知り得る
立場
にあるのは、
本人
よりもむしろ第一審を受任した
代理人
である
司法書士
であると言えます。その意味からも、第一審を受任した
訴訟代理人
たる
司法書士
は、上訴すべきか否かに関する
当事者
の
最終判断
に対する
アドバイス
、すなわち、
当事者
に対するみずからの見解の提示などを行うべきだと考えております。 このように、
司法書士
の
上訴提起
の
代理権
は、
当事者
が
上訴提起
に対する的確な
判断
を下すためにも、さらに、
控訴期間
の徒過を避け、
不服申し立て
の
機会
を確実なものとするためにも必要であると考えます。ぜひとも、
控訴状
の
提出
時までの
役割
を
司法書士
に果たさせていただきたく、
お願い
申し上げる次第でございます。 第二点目は、同じく
司法書士法
第三条二項の
司法書士
に対する
仲裁手続
の
代理権
の
付与
であります。
仲裁手続
は、いわゆる
仲裁法
の
整備
により、いわゆる
裁判外
の
紛争解決手続
の
一つ
として、今後、一層
充実発展
していくものと考えております。一部の専門的な
紛争事案
だけではなく、
国民
の
日常生活
において発生する
民事紛争事件
につきましても、その
活用
が期待されるところでございます。したがいまして、
国民
に最も身近な
法律家
であると自負しております私
ども司法書士
が
仲裁手続
に関与することによって、
国民
の
日常生活
において発生するさまざまな
紛争
がより迅速に
解決
することが可能になると考えるところでございます。
司法書士会
といたしましては、
裁判外
の
紛争解決機関
として、全国五十の
司法書士会
において
司法書士調停センター
を設置し、その活動を充実していくための準備を現在具体的に行っているところでございます。さらに、
仲裁法
に基づく
司法書士仲裁センター
の設置も具体的な検討を開始しておるところでございます。
司法書士
は、今回の
仲裁手続
の
代理権
の
付与
により、
国民
の身近な
紛争
を迅速かつ適切に
解決
するために重要な
役割
を果たさせていただくとともに、
仲裁手続
の
実施機関
としても、今後充実した
機能
を果たすべく真摯に
努力
してまいりたいと存じます。 第三点目は、先ほど申し上げました、
筆界特定手続
に関する
書面作成業務
及び
一定
の
代理権
の
付与
であります。この点におきましても、
国民
に身近な
境界争い
、すなわち
土地境界確定訴訟
の迅速な処理のために、
司法書士業務
にぜひとも必要であると考えておりますので、重ねての御理解を
お願い
するものでございます。 以上、るる申し述べてまいりましたが、今次の
不動産登記法等
の一部を改正する
法律案
は、
国民
の
法的生活
の安定に資する重要な事項が数多く含まれておると理解しております。ぜひとも、
早期
の
成立
を重ねて
お願い
いたしまして、私の
意見
とさせていただきます。 どうもありがとうございました。(
拍手
)
田村憲久
5
○
田村
(憲)
委員長代理
どうもありがとうございました。 次に、
西本参考人
に
お願い
をいたします。
西本孔昭
6
○
西本参考人
私は、
日本土地家屋調査士会連合会会長
で、
土地家屋調査士
の
西本孔昭
と申します。このような格調高いところへお招きいただきまして、ありがとうございます。かなり緊張しておりますが、どうぞよろしく
お願い
申し上げます。 私
たち土地家屋調査士
は、常に
現地
の
境界
と
登記簿
の
内容
、そして
登記所地図
とが安定して符合していることを願って
業務
に
努力
しています。 このたび、
参考人
として
出席
を通知いただく
書面
とともに
法律案
等同封して受領いたしましたが、この黄表紙の
衆議院調査局法務調査室
第百六十二回
国会法務参考資料
第三号を拝見しまして、多岐にわたる実情について綿密に
調査
された
内容
に驚きましたし、
司法制度改革推進本部
を中心とする
関係機関
、諸
先生方
、本
委員会
の
先生方
の偉大な業績に改めて心から
敬意
を表します。 この
資料
に記載されています、今、
土地
は、投資の対象とした
取引
から、実際にどのように利用されるかの
用途性
が重視されるようになり、例えば、
建物
を含めて、サステーナブルコンバージョンと称する
利用転換等再生
型の
高度利用
が図られつつあります。このとき、
登記所
備えつけ
地図
が
現地
とも
登記
とも一致しない場合が少なくないために障害となり、多額の
費用
と日数、時に年月を要することとなります。このことは、
公共用地
の取得や
経済再生
にもしばしば問題とされてきたところであります。 そこで、近年、
登記所
備えつけ
地図
の
緊急整備
に重点が置かれまして、この
資料
一の(七)の表のとおり、
平成
十六年度から
予算
が増加し、各
法務局
、
地方法務局
で精力的に取り組み、私
たち
も、
公共嘱託登記土地家屋調査士協会
を通して
筆界
の
調査
、
立ち会い
、
測量等作業
を進めているところであります。また、その何十倍もの
予算
の
国土調査法
に基づく
地籍事業
や、
都市再生本部
から示された民活と
各省連携
による
地籍整備
の
推進事業
に
既存地図
の
調査
という段階からお手伝いをしております。 また、
分筆登記
、
地積更正登記
などに際しまして、私
ども土地家屋調査士
の作成する
地積測量図
が
登記所
備えつけ
地図
を補う
役割
を果たしております。
土地家屋調査士制度
が昭和二十五年に
議員立法
によって誕生しましてから満五十五年になります。この間、
各地
で
実施
しています
無料相談会
に持ち込まれる
悩み事
や、私
たち
が
現地
で遭遇しますトラブルの数々を分析しまして、共通する問題から
解決策
を探りまして、広く提言していくもの、即実行できるものを考えて行動してきました。 その中の一部を申し上げますと、第一に、
境界管理
についてであります。多く
公共建物
や道路を含めまして、
工事
前には
境界標
を熱心に定められますが、
工事完了
後しばしば軽視されがちでありましたところの正しく復元する
境界
、
境界標管理
がその一であり、常にいつもだれでも復元可能となる
数値図面
、
数値資料管理
がその二であります。
境界管理
に
現地管理
と
資料管理
が重要な
紛争予防
となることを御理解いただきまして、次に重要なことは、
専門家
の適切な、しかも時を得た
アドバイス
だろうと考えますが、不幸にして、
取引
に際して、あるいは
相続等
のために
分筆等
をしようとしたり、
建物
の
工事
に当たって
筆界
が判明しないとき、あるいはもっと悪いことには判明しないまま実行してしまったことに起因する
紛争
になりかけたときには、まず客観的に
筆界
を見きわめることが重要であります。
明治時代
からの古い
資料
や
図面
、
地域
の慣習などを
調査
し、
関係者
、近隣の人の
立ち会い
と
工作物等
を含む現況の
測量
をして
筆界
を見きわめる
作業
をしながら、この
資料
六ページ四の(三)の中段にあるような状況から、合意を得て
登記所
備えつけ
地図
と
現地
の符合を図る
手続
へと移行する手段がないかと考えまして、
境界問題相談センター
とか
境界問題解決センター
といった
ADR
を立ち上げました。 御
案内
のように、
境界紛争
の原因は、まず一番に
筆界
。
筆界
といっても、大きくは県境から
市町村界
、
字界
と
地番境
が一体になっているものもあります。これが不明である。二に、
災害等自然界
の
作用
により不明となった。第三に、何代かにわたって私的に移動させたが、
手続
を経ていない、あるいは忘れてしまう。四、
工事
の不注意、アフターケアの不足。五番目に、それらのいずれかが感情的なもつれとなり、あるいは日常的に単純に感情のもつれとなり、日常的に精神的な苦痛を伴うに至っているものが多く、私
たち土地家屋調査士会
が試行してきました
境界問題相談センター
や
紛争解決センター
は、それぞれ
各地
の
弁護士会
の温かい御
支援
、御指導を賜りながら、常に
弁護士
さんとの
協働型
で立ち上げ、運営してきました。これからも市民、都民に頼りになる
存在
として発展させたいと考えております。 一方で、
法務局
のする
境界確定委員会制度
が検討され、私
たち
も大いに期待していたのでありますが、
資料
七ページ下段五(二)に
筆界特定登記官
、
筆界特定委員制度
に落ちついた経緯が記されており、残念なことと申し上げざるを得ません。
法務局職員
の中から選抜されまして、短いとはいえ約六カ月間、東京で
測量講習
を受けて
表示登記専門官
になる資格を得ます。その
表示登記専門官
から、さらに
公図等
の沿革や
資料
の分析、解析に要する能力を得て
筆界特定登記官
に指定されることになると考えられますが、将来広くそれらの能力が評価され、実績を積まれて発展されることを期待します。 その一方で、
不動産登記法等
の一部を改正する
法律案
第百二十八条に、「
筆界
調査委員
の欠格事由」の中に、突然、
司法書士
の文字を見ることができます。
測量
の能力を伴わない、
法務局
備えつけ
地図
作成にかかわらない資格名が浮上したことに、全国
土地家屋調査士
の多くの会員がとても驚いております。
代理権
に関しましてはともかく、もちろん、正しい
筆界
が不明だとして
筆界
を求める過程で訴額が本当に算定できるのかなという疑問があるにしても法の趣旨を認めますが、
筆界
調査委員
に指定されることはとても考えがたいことであり、落着している業際問題が再燃しないことを願うばかりであります。 最後に、この
法案
の
成立
を
お願い
しまして、通過、
成立
しました後も、
弁護士
協働型
の
土地家屋調査士会
の
境界問題相談センター
、
解決
センターの適切な
運用
に対する御指導と、
筆界特定登記官
制度
が本来の目的を果たすための御指導を賜りますよう
お願い
申し上げて、結びといたします。 どうもありがとうございました。(
拍手
)
田村憲久
7
○
田村
(憲)
委員長代理
どうもありがとうございました。 以上で
参考人
の方々の御
意見
の開陳は終わりました。 —————————————
田村憲久
8
○
田村
(憲)
委員長代理
これより
参考人
に対する
質疑
に入ります。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。谷
公一
君。
谷公一
9
○谷
委員
自由民主党の谷
公一
でございます。 三人の方から、大変専門的な、貴重な御
意見
を伺いまして、ありがとうございました。むしろ、それを聞いた私、詳しい仲間もたくさんいるわけでございますけれ
ども
、私自身が十分理解しているのかというのが問題かもわかりません。そうはいいましても、限られた時間、何点かお尋ねしたいというふうに思います。 まず、
清水
副
会長
の方にお尋ねしたいというふうに思います。 御
意見
を聞いて、消極的な賛成かなというふうに思いました。当初、要綱案では、日弁連の
資料
を見ますと、相当きついといいますか、反対であるということでございましたが、そういうことを踏まえたのか、あるいはパブリックコメントの
意見
も踏まえて、
法務省
の方は、
委員会
を組織しないとか、
業務
範囲
を
特定
するとか、あるいは職権
確定
はしないというような修正をされて今回の
法律案
になったかと思うんですが、それでも、反対はしないというふうに言われたと思います。 では、どういう法改正であれば積極的賛成をしたのかということについて、まずお尋ねをしたいと思います。
清水規廣
10
○
清水参考人
私が冒頭、歯切れの悪い、反対はいたしません、こう申し上げましたところ、早速そこのところを突っ込まれたわけでございますけれ
ども
。 当初の
法務省
案でやはり日弁連が一番問題としたところは、先ほ
ども
申し上げましたけれ
ども
、
所有権
の問題というのは、これは司法の問題であるわけですね。
土地
の
筆界
の
確定
の問題というのは、非訟
事件
、つまり
裁判
にあらない
事件
だ、こう言われておりましたけれ
ども
、明治の時代からずっと
裁判所
において行われてきたわけです。戦前の
法律
ではそれを
裁判所
で行うということがはっきり書いてあったようでございますけれ
ども
、戦後ではなくなったんですけれ
ども
、ずっとそれが継承されてまいりました。 密接不可分の問題だけれ
ども
理屈では別々だ、こういうことで非常に難しい問題があるわけですけれ
ども
、そうなってきますと、当初の
法務省
案の
制度
設計というのは、
登記官
によって
行政処分
として
土地
の
筆界
を
確定
しようということで、
筆界確定
処分を行ってしまう、それで文句があるのであれば被告を国にして行政
訴訟
を起こしなさいよ、こういう
制度
設計だったわけですね。 それから、隣同士で
境界争い
がない
土地
がたくさんあるわけですね。ない
土地
だけれ
ども
境界
がはっきりしていないというような場合も、
法務局
の方が職権で行うことができる、こういうことになりますと、隣同士、けんかもしていないものがけんかになっちゃうわけですね。行政の中立性といいますか、そういうものの
観点
からしますと、やはりいろいろ問題があるのではないか。 先ほ
ども
申し上げましたけれ
ども
、
地図
の混乱
地域
等があるということはよく指摘されておりますけれ
ども
、何でなんだろうかと思うと、先ほど世田谷の例を申し上げましたけれ
ども
、やはり国の方でお金をかけて十七条
地図
を
整備
するということで、付近一帯、街区一帯をずっとはかってくれば、随分と、お互いに納得して承諾印を押せるわけですね。それを、そういうものをまずやらないで、いきなりかたい
行政処分
としてがちんとやるということについてはどうだろうか、こういうことで反対をさせていただきました。 ところが、本
法案
ではその辺の障害がなくなったものですから反対はしない、しかし
運用
によってはこれは期待できるものもありますよ、こういう歯切れの悪い結論になったわけであります。 以上でございます。
谷公一
11
○谷
委員
実は、どういうやり方で
土地
の
所有権
を
確定
していくかということについては、それだけで相当の時間なり、いろいろな方の
意見
もあろうと思いますので、きょうはその点についてはおいておきまして、では次に、
司法書士
連合会の
中村
会長
の方にお尋ねしたいというふうに思います。
土地
家屋の
西本
会長
の方も今遠慮ぎみか言われておりましたが、
司法書士
がこういう
境界
確定
なり
筆界確定
について、やはり少し違うのではないか。専門的な
測量
の能力といいますか、力量というのか、そういうのが伴うような今回の
法律
改正に絡むようなことについて、余り
司法書士
の方々がかかわるのはどうかというのは少し言い過ぎかもわかりませんが、どうも、先ほどの
西本
会長
のお話を聞いて、本音はそういうところにあるのかなと思わないでもなかったんですが、反論といいますか、見解を再度、もう少しお述べいただければというふうに思います。
中村邦夫
12
○
中村参考人
私
ども司法書士
は、詳しい数字は今把握してございませんが、全国で大体年間一千万件前後の
登記
をやって、約九五%の
事件
を私
ども
が大体扱っております。その中で、
所有権
移転に関する
登記
というのは相当な
部分
を占めておるわけでございます。 そういう
所有権
移転、売買であれ、あるいは贈与であれ、あるいは相続であれ、そういう
登記
事件
を受託する際に非常に多いケースとして、
土地
の
境界
がなかなかすっきりしていないというケースがございます。そういった問題を常に私
ども
は事前に、受託する場合に
相談
を受けているということがございます。 と同時に、もう
一つ
は、私は、今回の
筆界特定
の問題というのは、先ほ
ども
ちょっと申し上げさせていただきましたけれ
ども
、いわゆる筆の境、いわゆる地番の
確定
の問題と、それからもう
一つ
は、
所有権
、
権利
そのものについて
紛争
があるという問題、この二つ、両面性がどうしても入っているというふうに思っているわけでございます。 すなわち、
筆界
を決めるということと同時に、それはどうしても一種
紛争
性といったものが前提にあるというふうに考えております。そう考えますと、私
ども
は今回、
簡易裁判所
訴訟代理権
な
ども
付与
させていただいたわけでございますけれ
ども
、そういう
観点
から申しまして、この
紛争
性といったものの
解決
に私
ども
も当然当たらなきゃならないし、当たることもできるだろうと思っております。 それともう
一つ
、
筆界
の
確定
の問題で、確かに
測量
そのものを私
ども
はするわけではございませんけれ
ども
、同じ
法務局
、
登記所
の方に年じゅう入っている、仕事をさせていただいておるという関係がございますので、おおよそ、ほとんどの場合ですけれ
ども
、
土地
の
境界
がどのような形で決められているか、どういうふうな形で
確定
しているか、また、そのための
資料
がどういうものが
存在
しているかということは承知しております。 そういった意味で、そういった承知している知識というものをもとにして、先ほど申し上げた、例えば、
権利
に関する
登記
を受託した場合の、そういう
紛争
性のある場合については、私
ども
の
立場
から今までも
意見
を申し上げていますし、考えを申し上げてきたということでございます。 そういったことでございますので、今回の問題は必ずしも
測量
技術云々という問題ではなかろうというふうに私
ども
は考えておるところでございます。
谷公一
13
○谷
委員
実は私の親戚も大阪の梅田の方で
司法書士
をずっと前から、お父さんの代から開いているんですけれ
ども
、
土地家屋調査士
も持っているんです。数字はともかく、現実に相当おられるのではないかと思うんですが、どちらの
会長
さんがいいのかどうかあれですけれ
ども
、実際には相当、両方の資格を持っておられるという方がおられるのではないですか、半数以上。もしおわかりになれば。
西本孔昭
14
○
西本参考人
具体的に兼業者の数を把握してはおりませんが、かなりの人数いることは確かでありまして、無理に
司法書士
としてやらなくてもいいのではないかと。 それから、なお、表示
登記
の件数は、やはり九八%が、
法務省
のデータによりましても
土地家屋調査士
が関与しておりまして、
筆界
というのはまさに表示
登記
の分野の仕事であるということでございます。 それから、今回の
筆界特定制度
は、
紛争
性のあるものを避けたところに落ちついたような気がしますので、あえて申し上げる次第でございます。よろしく
お願い
します。
谷公一
15
○谷
委員
それでは、少し別の
観点
から、
西本
会長
の方にお尋ねしたいと思います。 地籍
調査
がなかなか進まない。ずっと前から力を入れているんですけれ
ども
、全国で四六%、私のふるさと兵庫は一五%と恥ずかしい次第でございますが、東京でも一八%、隣の大阪、後ろに
左藤
先生おられますけれ
ども
、わずか二%、いろいろそういうことを思えば、なかなか我が国のこれからの活力の維持にとっても大きな支障になるのではないかというふうに思います。 そういう点で、地籍
調査
というのをもっと積極的に進めるべきだと私自身は思いますし、政府の方でも、二年ほど前でしたか、五年で都市部の約五割を
実施
して、十年で概成するという目標を立てているところでございますが、そういう進捗を実効あらしめるために、
会長
の方で、こういった方策をとったら有効だとか、いや、このままではとてもその目標は難しいよというようなことは、現場を掌握している
立場
で御
意見
があればお聞きをしたいと思います。
西本孔昭
16
○
西本参考人
ありがとうございます。 谷先生のおっしゃるとおりでございまして、都市部の地籍
調査
が進んでおりません。これは大阪に限らず、どこも都市部は同じでございます。これには、余り税務上の利点がなかったということが昔はございます。 というのは、郊外、田舎の方をやりますと、随分ふえている、
登記
面積から、時には何倍になるようなこともございます。そうしますと、税収アップになります。 ところが、都市部は、おおよそ
明治時代
の
地図
から面積的には大した差がないということ。それからもう
一つ
、都市部では非常に精密な
測量
を要します。同じような単価ではできないということ。それから、基準点、あるいは位置参照点といいます、非常に精密な、例えば、GPSといいまして、人工衛星から電波で計算するような、非常に高度な技術が要ります。そして、後世に残る基準点とか図根点をつくる必要があります。 そういったことで、これからも
予算
をぜひお認めいただきたい。都市再生
地域
事業等が脚光を浴びております。ぜひお力をおかしいただくよう
お願い
したいと思います。 それから、
不動産登記法
第十七条の
地図
、新法では十四条になっておりますが、この
地図
作成に
法務省
予算
にもひとつ力をつけていただきますよう
お願い
を申し上げまして、私
ども
も一生懸命お手伝いをして都市部の十七条
地図
をつくっていきたいと思っております。よろしく
お願い
します。
谷公一
17
○谷
委員
それでは、これが最後の質問になります。もう一度
清水
副
会長
の方に戻るんですけれ
ども
、今回の法改正で
筆界特定登記官
、
土地
所有権
に事実上重大な
影響
を及ぼす権限を
付与
されるということになろうかと思いますが、専門的なお
立場
から見て、現在の職員、
表示登記専門官
の中から選ばれるということになろうかと思いますが、その資格や能力について御
意見
を伺いたいというふうに思います。
清水規廣
18
○
清水参考人
従来の
登記官
というのは形式的な審査をしていただけでありますね。今度、
筆界特定登記官
というのができまして、どういう形での能力の担保措置がとられるかというのは必ずしも
法案
の中では見えません。そういうわけですから、先ほど申し上げましたような研修というのは非常に重要だと思います。 従来、
土地
の
境界確定訴訟
で
裁判
官が担っていたものを
筆界特定登記官
が丸々担えるかというと、今度の
法案
ではそういうふうにはなっておりません。最終的な処分というのは、最終的な
確定
をさせるものは
裁判所
ということになっておりますので、そういう面では、
裁判
の前の
手続
ということを考えておりますので、
筆界特定登記官
にプラス、
専門家
である
土地家屋調査士
とかあるいは
弁護士
等が
調査委員
につきますので、そういう面では、
調査委員
会という言葉は使っておりませんけれ
ども
、
調査委員
の方々の
意見
を入れて、まずそれに事実上拘束されるような
運用
がなされるのではないかというふうに私は考えております。
筆界
登記官
の能力というふうに申し上げましたけれ
ども
、アンパイア役をやるのは
筆界
登記官
でありますので、私の方としては、むしろ、先ほ
ども
申し上げましたように、適正な
手続
を確保する
役割
を担っていただきたいというふうに考えております。 以上であります。
谷公一
19
○谷
委員
どうもありがとうございました。
田村憲久
20
○
田村
(憲)
委員長代理
次に、井上信治君。
井上信治
21
○井上(信)
委員
自由民主党の井上信治でございます。よろしく
お願い
いたします。 きょうは本当に、お忙しい中、
参考人
の
先生方
、大変ありがとうございます。もうとにかく、
専門家
の三人の
参考人
の方々が、皆さん基本的には賛成ということで、大変心強く思っております。やはり我々も、この
専門家
の方々の御
意見
を真摯に受けとめて、より
国民
のためになるこの
筆界特定制度
、これをしっかり
成立
を図っていかなければいけないというふうに思っております。 お話の中にもありましたけれ
ども
、今、
境界確定訴訟
といった
制度
があるわけでありますけれ
ども
、それだとどうしても
当事者
の方々は時間的にも経済的にもなかなか難しい、そういう中で、こういった簡易であり、かつ
紛争解決
にも資するような、そんな
制度
が必要だということで、これは非常にその必要性は高いなというふうに思っております。 ただ、他方で、この
筆界特定制度
、私も考えますと、
一つ
は
紛争
の
解決
、あるいは、
紛争
がないとしても
筆界
が不明確なところをしっかり明確にしていくということで、こういった簡易な
制度
があるというのは非常に重要だと思うんですけれ
ども
、他方で、やはり、先ほど谷議員の質問にもありましたけれ
ども
、
地図
整備
の促進、これをしっかりやっていかなければいけないな。この
筆界特定制度
があることによって、またあわせて
地図
整備
の促進も進められるのではないか、そういったことにも期待をしているわけであります。 そういった意味では、本当に地籍
調査
、あるいは十七条の
地図
も含めて、全国でまだまだ四六%ということですから、これは私が思いますに、とにかく
地図
というのはもう国家のインフラ、プラットホームでありますから、これをしっかり行政が責任を持って一〇〇%
整備
していかなければいけないのかなというふうに私も思っております。 先ほど
西本
会長
の方からは御
意見
、御答弁いただきましたので、
清水
副
会長
そして
中村
会長
の方にも
地図
整備
の促進についてぜひ御
意見
をいただきたいと思います。よろしく
お願い
いたします。 〔
田村
(憲)
委員長代理
退席、吉野
委員長代理着席
〕
清水規廣
22
○
清水参考人
先ほど申し上げましたけれ
ども
、
地図
の
整備
というのはまさに国家の責任であるというふうに私は考えております。 今まで、十七条
地図
が
整備
された
部分
というのは全部、
法務省
以外の他省庁の管轄で行われてきたものであります、区画整理、
土地
収用、国土
調査
。ですから、
法務局
自体が今まで積極的にやっていなかったのか
予算
がとれなかったのか、その辺はわかりませんけれ
ども
、少なくとも、私は
測量
の
専門家
ではございませんけれ
ども
、十七条
地図
が
整備
されていなかった一番大きい原因というのは、やはりきちっと
予算
をとって
法務局
を挙げて
地域
ごとの
整備
をしてこなかったということが一番大きいというふうに考えております。 以上であります。
中村邦夫
23
○
中村参考人
私
ども
、常々
権利
に関する
登記
を行っておるわけでございますけれ
ども
、その
権利
に関する
登記
の前提となりますのは、どうしても表示に関する
部分
が
確定
している、しっかりしたものになっているということが前提でございます。そういった面から申しますと、先ほど来先生のお話の中にございましたけれ
ども
、残念ながら、まだ
土地
に関するそういった面の措置というのは十分なされていないというふうに思うところでございます。そういう意味で、
地図
の
整備
といったことが最も基本的に大事なことであろうというふうに私は思っております。 今、国家の方でもさまざまな手当て、
予算
措置とかそういったものもあるんでしょうけれ
ども
、ぜひそういうものを含めて十分充実したものにしていただきたいというふうに私
ども
は常に念願しておるところであります。
井上信治
24
○井上(信)
委員
ありがとうございました。 本当に私も、
平成
十五年の
都市再生本部
の決定によりますと、五年間で都市部の五割、そして十年間で概成しようというようなことを言っておりますけれ
ども
、これは本当にできるのかな。大変難しい、しかも
予算
もかかる、そしてマンパワーもかかることですから、これは今すぐでも本当に必死になって取り組まなければいけないと私も思っております。 続きまして、この
筆界特定制度
、これはすばらしいことではあるんですけれ
ども
、もちろん初めての
制度
を導入するということで、せっかくできたものがどの程度
活用
されるのかというのがまた
一つ
の心配事であります。 今、
境界確定訴訟
自体は大体全国で年間千件弱ぐらいということでありますけれ
ども
、これは
法務省
さんの方に伺いましたら、まあ見通しとして同じぐらいかなみたいなこともちょっと伺っております。しかし、それで十分なのかどうか。せっかくできる
制度
でありますから、これは十分に
活用
して、そして
国民
のためになる
制度
にしてもらいたい、そのように思っておりますけれ
ども
、その辺の
境界確定訴訟
との関係、先ほど
清水
副
会長
の方からは、この
境界確定訴訟
をやるに当たって、その前の段階として
筆界特定制度
を
活用
するということも、これも
一つ
の方策ではないかというようなお話もありましたけれ
ども
、それも
一つ
です。 ただ、他方で、この
境界確定訴訟
と
筆界特定制度
が常に合わせわざみたいなことになってきますと、これはこれでおかしいのかな。やはり独自の
制度
でありますから、それぞれ趣旨も目的も違うわけですから、それぞれがその
役割
に応じてたくさん
活用
されるということが私は望ましいと思っております。その辺について、
清水
副
会長
の方からお話をいただきたいと思います。
清水規廣
25
○
清水参考人
ただいま年間の
土地境界確定訴訟
千件というお話がありましたけれ
ども
、これは、
裁判所
の方のデータは
事件
の名前でとっております、
事件
名ですね。ですから、
土地
の
境界確定訴訟
事件
として申し立てがあったものが千件ということだろうと思われます。先ほど私が
図面
で具体的な例を申し上げましたけれ
ども
、
建物
を壊せ、あるいは塀を撤去しろとかという
訴訟
の中で
土地
の
境界
について争われたというのは、このデータの中にはあらわれてこないわけですね。ですから、実際、
土地
の
境界
をめぐる
裁判
というのはもっともっと多いというふうに考えております。 それで、
訴訟
とそれから
特定手続
との問題でございますけれ
ども
、例えばの話ですけれ
ども
、交通事故による損害賠償の
裁判
がございます。その場合に、例えばむち打ち症になったというような場合に、後遺症が何級であるか、何等級であるかということで賠償額が変わってまいりますけれ
ども
、後遺症の何等級かというのは非常に価値
判断
を伴うものですし、また医学的な知識も必要になるものですから、自賠責保険の中についております査定事務所の査定を受けているかどうか、後遺症十四級という査定を受けているか十二級であるかというようなことをまず
裁判所
としては聞きたがる。
裁判
の中で、その査定を受けていない場合には、一度査定を受けたらいいんじゃないですかということで、査定の結果が上がってきて、
当事者
がそれについて不服があればまた鑑定をするなり、あるいは別のお医者さんの診断書を取り寄せてやるとか、また
裁判
の中で争っていくことができるわけですけれ
ども
、同じようなものが
土地
の
境界
をめぐる
訴訟
の中で、この
特定手続
というのが使われてくるのではなかろうか。 ですから、
特定手続
をやっているところについては、まず
資料
を
法務局
からとりましょうと。それで、
特定
登記官
が行った
特定
に不服がある場合は、なぜ不服があるのかということを
当事者
から出していただいて、それを
裁判所
が判定する、こういうことになってきますので、今までは最初から、一からやっていた
作業
が、
土地
の
境界
をめぐる
訴訟
の中でも少なくとも
特定手続
である程度の水準に達していた問題については、それはそのまま
活用
できるわけですから、私としては、
裁判
自体も早くなるし、
当事者
にとっても共通した
図面
、共通した土俵の中で争うことができるようになりますので、
費用
も安くなるというふうに考えております。 以上です。
井上信治
26
○井上(信)
委員
この
筆界特定制度
でありますけれ
ども
、せっかくの
制度
ですからぜひ
活用
してもらいたいというのはあるんですけれ
ども
、では、実際本当に
活用
するニーズが非常に高かった場合に、行政の対応は十分なのかどうか。
筆界特定登記官
についても、これは
法務局
単位で設置するというふうに聞いておりますけれ
ども
、これが本当に十分なのかどうか懸念をしているわけであります。 そういった意味では、本当に最も関連の深い
西本
会長
の方からそこについて御
意見
を伺いたいと思います。
西本孔昭
27
○
西本参考人
スタート時点では、各局、
地方
局で一人、二人ということのようですが、おっしゃいますように、使いやすいシステムとして十分に
機能
を発揮すれば人数は足らないだろうと思います。ただ、予備軍としまして、申しましたように、
表示登記専門官
という方々がございます。なるべく
法務省
としてもそういう方々を指定できるような体制、
予算
的にも
お願い
したいなというふうに考えております。かなり
相談
はあるのではないかと思っております。 といいますのは、民間型の
ADR
には、例えば
裁判所
ですと、四時までに来なさいとか三時半までに来なさいとかということですが、民間型であれば、事前に
相談
を受けまして、五時からでもいいよ、あるいは六時からでもいいよというようなことでおいでになる方もございます。そういった意味で、柔軟な対応をすれば需要は多いというふうに考えます。
法務省
にもそれに対応する
努力
を
お願い
したいと思っております。よろしく
お願い
します。
井上信治
28
○井上(信)
委員
次に、
中村
会長
に伺います。 これは今回の
法案
に限らない話かもしれませんけれ
ども
、百四十万円の区分けのところであります。やはり、利用者といたしましては、
自分
の
相談
事が本当に百四十万円以下なのか、あるいはそれを超えているのかということ、これは
相談
してみないとわからないというところがありますから、そういう意味で、本当にこの金額で区分けをするということがいいのかどうか。これは利用者の利便に沿わないのではないかというようなことを考えておるんですけれ
ども
、そこについて
中村
会長
の御
意見
を伺いたいと思います。
中村邦夫
29
○
中村参考人
現在、私
ども
に
付与
されている権限というのは、今先生がおっしゃいましたように百四十万円以下ということでございます。したがいまして、私
ども
といたしましては、
相談
を受けたりあるいは
調査
した結果百四十万を超えるものであれば、これは当然のことながら
弁護士
さんの方に
お願い
する、こういうふうなシステムに今なっておるわけでございます。そういうふうなことで今やっているわけであります。 ただ、実際問題として、相当話が進んできた段階で百四十万を超えてしまうことがはっきりわかった場合に、また改めて
弁護士
さんのところに行ってもらうというのは、
相談
される方にとっては大変なことだろうなとは思いますけれ
ども
、ただ、そこのところは今の
法律
のシステムの中で
弁護士
の
先生方
の方で十分対応していただくということを我々としては考えておりますし、また、そういうことで今進んでおるところでございます。
井上信治
30
○井上(信)
委員
どうもありがとうございました。 いろいろお話を伺うと、この
法案
もさることながら、やはりこれが
成立
した場合に、それをどのように
運用
していくのか、あるいはさまざまな
手続
規定な
ども
これから設けることになると思いますから、それが非常に重要なのかなというふうに思っております。
清水
副
会長
の方からも、今後のそういったことに対する懸念ということもお話がありましたけれ
ども
、そういう意味では、本当に
専門家
の
先生方
がしっかり
法務省
と協議、調整をされて、せっかく新しくつくる
制度
でありますから、
国民
のためになる
筆界特定制度
となるように、そしてそれを最大限
運用
してもらうように
お願い
を申し上げて、私の質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。
吉野正芳
31
○吉野
委員長代理
次に、江田康幸君。
江田康幸
32
○江田
委員
公明党の江田康幸でございます。 本日は、三人の
専門家
の先生
たち
から貴重な御
意見
をいただきまして、大変私も勉強になりました。ありがとうございました。 三人のそれぞれを代表する方々からの御
意見
では、私も、今の御
意見
としては、やはり基本的にはこの
筆界特定制度
の新設においては賛成である、そのように理解をさせていただきました。 本
法律案
の取りまとめに当たりましては、皆様からの強い要望があって、まずは、
境界
確定
委員会
は組織せずに
筆界
調査委員
をもって行うものとすること、また、当該
調査委員
の
業務
の
範囲
は
所有権
に関する
調停
から
筆界特定
に限定するということにしたこと、また、
境界
確定
は職権で行うことなく、
申請
があった場合について
筆界特定
のみを行うとしたこと、さらには、当該
筆界特定
は
行政処分
とすることなく、
境界確定訴訟
は存続させる、そういうことにした、このような修正がかかった上での今回の
制度
創設であろうと思います。したがって、皆様方にとって、基本的にこれに賛意を表明されたのだと思っております。 我々も、この
制度
が
国民
のためにはやはり今の段階では一番いい
制度
の創設であろうと考えておりますので、この
成立
に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 まずは、質問でございますが、基本的なところを
一つ
お伺いさせていただきます。 従来の
境界確定訴訟
と併存することに対する考えを改めて、そのメリット、デメリットについてお伺いしたいと思います。無論、今回この
筆界特定制度
が新設されますけれ
ども
、
行政処分
でない以上、
特定
はされても
確定
はできない、結局
裁判
でしか
確定
できないということにもなるわけでございまして、とにかく、併存する場合のメリットそしてデメリットについて、
西本参考人
と
清水参考人
にお伺いいたします。
西本孔昭
33
○
西本参考人
私
ども
は、
裁判
と併存でも、例えば改正されました民事
訴訟
法でも、訴えを提起する前に
証拠
を出しなさいとか
判断
しなさいとかという項目ができましたように、前置機関としても大いに
役割
を果たすのではないかなと考えております。したがいまして、併存もある意味で現時点では当然かなという気がいたします。 ただ、簡便に済むものまですべて
裁判
を経なければならないかということも若干疑問がございます。といいますのは、
筆界
の不明なところがはっきりすればそれですべて終わるというところもございます。その意味で、この
制度
が早く
実施
されて
効果
を上げれば十分にいけるのではないか。 それから、当然、
地図
づくりのためには一々
裁判
をしておっては間に合わないので、簡便に終わるというシステムをいずれ定着させたいなと思っております。 よろしゅうございますでしょうか。
清水規廣
34
○
清水参考人
裁判
制度
とこの
特定手続
が併存するということのメリットにつきましては、先ほどお話しさせていただきました。
法務局
の方の
特定手続
記録が
裁判所
に来ることによって
裁判
自体が非常に効率よく進むというふうに見込まれるということであります。 デメリットについて申し上げたいと思いますけれ
ども
、今思いつく点は
費用
の点でございます。
申請人
が、この
特定手続
の中で
申請
費用
のほかに
測量等
の
費用
がどれだけかかるかということが
申請
時には必ずしもわかりません。民事
訴訟
の場合であれば、
測量等
を
申請
する方が負担するわけでありますけれ
ども
、この
特定手続
は、
調査委員
の決定でもって、どこの
範囲
まで何回
測量
するかというのが決められるようになるかと思います。
申請人
の方からすると、
申請
した時点でどれだけ
測量
費用
がかかるのかということが見えないのではなかろうか、また、
裁判
になった場合にそれがそのまま流用できるものかどうか必ずしもわからないという点で、
費用
が若干かかるかなという感じはしております。 では、時間はどうであろうか。
特定手続
をやってさらにまた民事
裁判
をやっていくという余分な時間がかかってしまうんじゃないかということでありますけれ
ども
、それはむしろ、時間をかけただけの
資料
が
裁判所
に来るわけですから、私としては、時間は余分にかかるということはないのではないかというふうに考えております。 なお、民事
裁判
そのものでございますけれ
ども
、昨年の四月から改正された民事
訴訟
法が施行になっておりまして、
専門委員
として
裁判
官のそばについて
当事者
や
裁判
官に専門的な知識を
説明
するという
制度
がついております。ですから、
土地
の
境界確定訴訟
の中で
土地家屋調査士
等の
専門委員
がついて
訴訟
が早くなるというようなことだとか、あるいは
争点整理手続
をきちっとやるとか、あるいは集中
証拠調べ
をやっていくとか、そういう
制度
的な改善が図られておりまして、まだ実績が出ておりませんが、
裁判
自体も早くなってきているということを申し上げたいと思います。 以上です。
江田康幸
35
○江田
委員
今、特にデメリットの点について非常に参考になりました。 私も、次の質問で
筆界特定制度
の公費
費用
負担の必要性ということをちょっと聞こうと思ったんですが、今おっしゃられるように、
費用
につきましては、
申請
費用
に加えて測定
費用
、それといわゆる
調査
費用
というのがどうなるのか。そういうような意味で、
費用
については本来これは国の責任として、いわゆる国土
調査
、地籍
調査
それから
土地
改良事業などで
筆界特定
というのは必須のことである、そういうことからすれば、国としても公費負担があってもいいのではないかというような御
意見
もあることは私も重々承知しております。 この点について一言だけ、その公費負担の必要性、それから今後の利用見込みについて、ちょうど出ましたので、
弁護士会
の
清水
先生、
お願い
します。
清水規廣
36
○
清水参考人
費用
の点につきましては、
筆界
そのものの持っている公共性といいますか、もちろん
筆界
は隣同士との間の境ですから、民民の問題だとすれば個人にもメリットがあるものですけれ
ども
、公のメリットもあるものですから、先ほど言いましたように、十七条
地図
を
整備
する、一帯を
測量
していく、その一環としてこの
特定
制度
を使うと
申請人
の方も
費用
が非常に少なく負担するということで、非常に有用かと思います。 なお、私の方は、
お願い
したいのは、
省令
の中で恐らく規定されるんでしょうけれ
ども
、官有地等の間の境がよくわからないというのがあるんですね。いわゆる畦畔、青地だとか赤道だとかと言われる
部分
。そこの点の
費用
は、官有地の方は必ずしも、役所の方で
境界
をはっきりさせたいという場面は少ないわけですね。民間の方がそこを開発したり家を建てたいという場合に役所の方へ折衝してやるということなんですけれ
ども
、その点を、この
特定
制度
ですと
申請人
の負担になってしまいますね。そこも少し御配慮いただけないかなというふうに考えております。
江田康幸
37
○江田
委員
大変参考になりました。今後の
法律
改正の中でしっかりと議論もしていきたいと思っているのがこの公費負担であり、また自己負担の程度だと思っております。 時間も最後になってきましたので、最後の一問でございますけれ
ども
、これは
西本参考人
にお伺いすることになります。
土地家屋調査士
は民間
紛争解決手続
の代理
業務
を
弁護士
と
協働
して行うことができるように今回の改正でなるわけでございますが、全国四カ所の
境界問題相談センター
、これは実績を上げられている。しかし、まだ試行的な段階で、だから大都市部四カ所に限定されて、全国に展開するまではまだまだ時間がかかる。 今回の法改正でいきますと、これはそういう問題が
解決
して全国展開ができるようになるのか。考えられる問題点としては、
弁護士
の少ない
地域
におきましては、なお問題はそのまま残るような気がいたしますが、さらには
弁護士
との
協働
の
効果
、問題、こういうことについてお考えを一度お伺いしたいと思います。
西本孔昭
38
○
西本参考人
弁護士
さんとの
協働型
ということで、私冒頭にも申し上げましたが、
境界紛争
あるいは
境界
問題というのは
境界
問題だけにとどまりませんで、近隣関係のいざこざとか、感情的なしこりというのは相当、常に一体化しております。そんなことで、
土地家屋調査士
だけが単独で事に当たるというのではなくて
協働型
を最初から考えております。 それから、今月既に宮城会を立ち上げました。それから、あす神奈川会の立ち上げでございまして、今年度中に十地区くらいを想定しております。さらに、一県でできない場合には数県のブロックででも共同しながら立ち上げるような形も考えております。 そんなことでよろしゅうございますでしょうか。
江田康幸
39
○江田
委員
ありがとうございます。
土地家屋調査士
が運営されているところのこの
境界問題相談センター
、これは
国民
のために非常に有用なセンターであると評価しておりますし、この発展拡充を将来的に進めていく上での将来構想があれば最後にお聞きしておきたいんですが、どうでしょうか。
西本孔昭
40
○
西本参考人
少なくとも、市民の方が
相談
したい場合には、最寄りの
調査
士会に行けば必ず
相談
できるようなシステムにつくっておきたいというふうに考えております。仮に常設でなくても、
相談
をお受けしておいて、そして今、ブロックという考え方がございますので、
地域
としてまとめて当たるということも考えておりますので、いずれはどこの方も
相談
いただけるように体制を整えております。よろしく
お願い
いたします。
江田康幸
41
○江田
委員
ちょっと時間がありますので、最後に
中村参考人
にお聞きしたいんですが、先ほ
ども
西本参考人
からはちょっとした批判が出ましたけれ
ども
、
司法書士業務
と
境界紛争
のこれまでやってきた経験、実情についてお伺いすると同時に、今回の
筆界特定
業務
へのかかわり方についての御
意見
をお伺いしたいと思うんです。
中村邦夫
42
○
中村参考人
私
ども
は、今回のこの
筆界特定制度
が、なぜこういう
制度
が創設されたかという趣旨を考えております。 それは、先ほど来お話が既にあると思いますけれ
ども
、
境界
に関する
紛争
というのは非常に
解決
までに時間がかかる、こういうことがございました。そういう
観点
から、最も
情報
の集積している
登記所
の方の知識、そういったものを利用して、その以前の段階かもしれませんけれ
ども
、
紛争解決
に役立つようなものをそこで取り上げたい、こういうことだろうというふうに思っております。でありますから、当然のことながら、
裁判
になりますとそれは有力な
証拠
として利用されるだろうというように前提を考えております。 ですから、そもそもそういう
制度
の趣旨から考えますと、前提として
紛争
性は当然のことながら内在しているというふうに私
ども
は考えております。であるからこそ、この
制度
を
申請
する者は、職権、すなわち
法務省
側が、
法務局
側が職権で行うのではなくて
当事者
の
申請
をもって行う、そういうシステムになっているということも、実は
紛争
性がそこにあるということの裏打ちではないかというふうに考えております。 それから、先ほど、どの程度今現在
司法書士会
がそれを扱っているかということでございますけれ
ども
、ただ、私
ども
が
簡易裁判所
訴訟代理権
を
付与
されたのはまだつい一年ちょっと前のことでございまして、その具体的な統計というのは今ここではまだ持ち合わせておりませんが、二〇〇四年度の実績で申しますと、六千名が、私
ども
の会員の中の
簡易裁判所
訴訟代理権
を
付与
された者が、約一万件の
簡易裁判所
の
訴訟
事件
を扱っているというふうな統計が出ております。その中でこの
境界
に関するものがどの程度あるかということは、まだ今のところでは定かではございません。 ただ、今後は恐らく、先ほど申し上げましたけれ
ども
、私
ども
の仕事そのものがこの
法務局
、特に前提としての
土地
あるいは
建物
、この場合は
土地
でございますけれ
ども
、
土地
の
確定
というものは重要視されるわけでありますから、私
ども
としては今後もこれについては全力を挙げて取り組む必要があるだろう、それが
国民
に最も身近なものを扱う我々の職務であろうというふうに考えているところでございます。
江田康幸
43
○江田
委員
ありがとうございました。
吉野正芳
44
○吉野
委員長代理
次に、山内おさむ君。
山内おさむ
45
○山内
委員
民主党の山内おさむでございます。 三名の
参考人
の皆様、本当に貴重な、御示唆に富む論点についてお話をしていただきましたこと、本当に心から感謝申し上げます。 こうやって、
不動産登記法
の
質疑
に与党も野党も全然入らない前に、
参考人
の皆様からこの
法案
にはこういう点をしっかりと
質疑
してほしいというような話を聞くというのは、私は非常にいいことだと思います。 今、国会で私がくだらないなと思っていることの
一つ
に、
予算
を議決するときに、公聴会の日程を入れるかどうかで
予算
がいつ通るかどうか決まるという慣行があるんですね。ところが、公聴会で選ばれた人
たち
を見ますと、それも当代の、日本の経済を左右するような高名な経済学者等が、ほんの何分間かしか話をされないで、しかも十数人を一挙に集めて公聴会をされているんですね。それは、お一人お一人の学者の
先生方
の話をたっぷり一時間、二時間聞いても損にならないくらい、大変、今の日本の経済を左右するような御
意見
を皆さん言われるんですよね。ところが、それを
予算
の採決の
取引
材料にするというのは、本当に私は、国会の慣行をそういう点からも変えていかなくちゃいけない。そのためにも、こうやって
質疑
の前に皆様方からお話が聞けて、本当によかったと思っております。 まず、
清水参考人
にお伺いしたいと思うんですが、先ほどから話に出ておりますけれ
ども
、今、
簡易裁判所
の
調停
でも、
土地
の
争い
については
解決
される場合がございます。それから、
司法書士
さんとか
土地家屋調査士
さんとか、日弁連も考えておられるのかどうかわかりませんけれ
ども
、民間の
ADR
という
法案
を私
たち
は昨年通しましたので、これからそこに
土地
の
境界争い
についての
相談
が行くということも当然考えられます。 それから、もう
一つ
は、先ほどお話しになっておられましたけれ
ども
、
西本参考人
が、日弁連と一緒になって全国に、あれは何カ所ぐらいあるんですかね。(
西本参考人
「あすで六カ所になります」と呼ぶ)六カ所ですか。六カ所ぐらいの、そういう
土地
の
境界
について
相談
あるいは
解決
の機関がある、そして今回の
筆界特定制度
がある、それから
境界確定訴訟
もあると。 たくさんの仕組みができて、市民としては、
選択
できるというメリットはあるかもしれないけれ
ども
、一方では、いっぱいあって混乱をするということもあるんじゃないかと思うんですが、その仕分けというか、先にどこに行けとかというような何か案とかでもございましたら、まずお伺いしたいと思います。
清水規廣
46
○
清水参考人
これは、隣同士のトラブルで、このトラブルがどういうふうに将来推移していくか、簡単に
話し合い
で
解決
がつくのか、それとも相当時間をかけ、あるいは
費用
をかけてやらなきゃならないのか、その辺の見立ての問題だと思うんですね。いろいろなメニューのある中で、まずどれを使ったらいいかという、これはやはり具体的に、こういう場合はこうだという、なかなかマニュアル化できない
部分
がありますので、トラブルの
解決
の経験のある
弁護士
が入った
ADR
だとかあるいは
調停
だとかで振り分け
作業
をしていくのがいいんではないか、今のところそういうふうに考えておりますけれ
ども
、まだまだ、この
特定手続
が立ち上がって、実際にどう
運用
されていくか、それによってまたその振り分け
機能
が変わっていくのかななんというふうにも考えております。 ただ、今回の
法案
の中では、
法務局
自体は
相談
窓口はつけていないわけですね。私は、やはり
法務局
が
相談
窓口をつくるということについてはどうだろうかな、それはやはり民間がやるべき問題ではないかなという
意見
は持っております。 以上です。
山内おさむ
47
○山内
委員
中村参考人
、今まで
法務局
の職員の方が
法務局
外の人と一緒に仕事をするということがなかなかなかったと思うんですね。例えば、人権
相談
で人権擁護
委員
さん
たち
と打ち合わせをするということはあったにしても、特に
筆界特定
の問題については、いや、
弁護士
さんだ、
土地家屋調査士
さんだと、全然一緒に毎日仕事をしていない人
たち
と仕事をしていくということが新たな仕組みとしてとられる。しかも、
筆界特定登記官
の方というのは、そういう
委員
さんと一緒になって、
資料
を出せとか、この日には
現地
に行くとか、それから、この
法案
の読みようによっては、
争い
になっていない
土地
の人
たち
にもその
境界
、
筆界
を
特定
するために必要があれば立ち入ることも認めるとか、
筆界特定登記官
の能力とかも随分要求される事態にもなると思うんですね。 それで、
会長
の名前で、昨年の七月五日に
法務省
の民事局の方に
意見
書を
提出
されておられます。その中で、そういう割と職権的な要素も入ってくるので、しっかりと
意見
陳述の
機会
とかそれから
資料
の
提出
の
機会
を保障してくださいよという御
意見
も当局の方に出されておられますけれ
ども
、その辺の不安みたいなもの、そして、こういうふうにしなくちゃいけないという御
意見
でもございましたら、
お願い
します。
中村邦夫
48
○
中村参考人
まず、確かに、これから実際にスタートすることでございますが、いろいろな問題があるんだろうというふうに想像はいたしておるところでございます。 昨年、私
ども
がそういう要望をお出しいたしましたのも、恐らく相当技術的な問題がそこには入ってくるだろう、
境界
の
紛争
性があるわけですから、なおのこと、そういうことになるだろうというふうに思っておるわけでございます。そういった意味では、どういうふうな
資料
、どういったものをあらかじめ用意しなきゃならないかということについては、
申請
される方、すなわち
国民
の方は相当お困りになるだろうというふうに思っております。 私
ども
は、ちょっと問題がずれるかもしれませんけれ
ども
、いわゆる総合
法律
支援
法という
法律
の中で、いわば物事にお困りになった
国民
の皆さんがどこに行ったらいいかという
相談
を受ける受け皿を、
司法書士会
では今考えておるところでございます。全国に最終的には三百カ所の
相談
窓口を設けるつもりでおります。とりあえずは百カ所でございます。そういった
相談
窓口の中で、この
筆界特定
の具体的なありようについても、私
ども
の方で具体的な方策についていろいろ
アドバイス
ができるのではないかというふうに考えております。 と同時に、そこで生じてくるさまざまな問題、こうした方がいいんではないんだろうか、こうすればより有効的な
解決
が図れるのではないかということについては、今後も、できるならば
法務省
あるいは
法務局
の方にも
意見
を申し上げていきたいというふうに思っているところでございます。
山内おさむ
49
○山内
委員
それでは、
西本参考人
にお伺いしますけれ
ども
、
土地家屋調査士
という職業が
土地
の
境界
について極めて専門的な領域を担当されていたということで、その専門的な分野については非常に活躍をされてきたと思うんですけれ
ども
、まだまだ、一般的な職業として、
土地家屋調査士
さんというのはどういうことをされるんだろうかという
部分
も
国民
は思っていると思うんです。 それで、恐縮ですけれ
ども
、
土地家屋調査士
という職業がこれまでに
土地境界
の
紛争
の
解決
にどのような形で関与してこられたのか。そして、先ほど
清水参考人
にお話をお聞きしたように、いろいろな仕組みができ上がってくる、そうすると、
土地家屋調査士
さんの仕事というのはますます繁忙をきわめると思うんですが、
通常
業務
とこの
筆界特定
の新たな仕組みとがどういうふうに今後の仕事の上で
影響
が出てくるのか、そのあたりをお聞かせいただきたいと思います。
西本孔昭
50
○
西本参考人
土地家屋調査士
は、資格名が長ったらしいということもありまして、なかなか市民の方に広く理解されていないといいますか、PRの仕方も難しいところがございますのは確かでございます。 実は、昭和二十五年に
議員立法
で
土地家屋調査士法
というのが制定されましてから誕生したわけでございますが、基本的には日常
業務
は、
土地
にかかわるものは、分筆ですとか合筆ですとか、地積更正、
地図訂正
といったような問題がございます。これは一々、すべて
筆界
を明らかにした上でないと分筆ができません。そういう意味で、日常的に
筆界
を明らかにする仕事をしておるわけでございます。これには、
証拠
の
調査
であるとか、人の
調査
であるとか、
現地
の地物の
測量
ということでございます。 きょう、お届けしてございますこの表紙の中にこういうものがございますが、例えば、この白地に黒で、墨で引いてありますのが、現在
法務局
にある公図というものでございます。
登記所
備えつけ
地図
でございます。これは
登記所
にあるだけで、こちらのカラーのものと
現地
は一体でございます。これが明治十八年ごろから
各地
でつくられた、これも名古屋の地籍字分全図の一部でございます。これには、赤道それから青地、先ほど先生がおっしゃったいろいろな
情報
が詰まっています。 これを書き直しただけでこうなっておりまして、実測してこうなったわけではない。したがいまして、地籍の宝庫は実は
法務局
にはなくて、それぞれ違ったところにあるわけです。例えば、これは愛知県公文書館にあるものでございます。 同じように、こういう薄紙を重ねた
地図
もございます。これも同じように、これがもともと
明治時代
に
各地
で一生懸命つくられた
図面
でございまして、上の半透明の用紙が今
法務局
にある
図面
でございます。重ね合わせますとおおよそ一致はしますが、全然、うそが出てまいります。例えば、横に長い線は幅四尺と書いております。縦に延びております線は幅三尺と書いてあります。これは毛筆ですから、筆圧で違います。これを墨で書きますと、あたかも、四尺と三尺、幅員が逆転しております。 このようなものを
調査
しながら、
現地
で果たして本当の
筆界
がどこまであるかといったようなことを
調査
して、正しい
筆界
がどこにあるかということを一生懸命探し出すという
業務
がかなり大きな
業務
でございます。それをもとに、隣接する方々の同意を得ながら
測量
をして
分筆登記
等をしております。したがいまして、
筆界
と
土地家屋調査士
の
業務
とは切っても切れないものだというふうに考えております。
山内おさむ
51
○山内
委員
皆様方の
意見
を参考にさせていただきまして、いい
法案
をつくり上げたいと思います。これからも引き続き御指導をよろしく
お願い
します。どうもありがとうございました。
吉野正芳
52
○吉野
委員長代理
次に、樽井良和君。
樽井良和
53
○樽井
委員
民主党の樽井良和です。 きょうは、
参考人
の皆さん、本当に朝からありがとうございました。私で最後でありますので、もう一頑張りよろしく
お願い
いたします。 まず、
土地
、個人資産といたしましても企業といたしましても、不動産というのは非常に大きな意味を持っておりまして、その
筆界
をきちんと
確定
するということは大事なことであります。むしろ、今まできっちりと
確定
できていなかったという方が私の方は驚きなんですが、ちょっと時間がありませんので質問に入らせていただきます。 まず、日弁連の
清水参考人
にお伺いしたいんですが、日弁連の方は当初の
法務省
案である新たな
土地境界
確定
制度
の創設案に対しましては反対していたというふうに伺っているんですが、なぜ本
法案
には反対されなくなったのか、その辺の所見をお伺いしたいんですが。 〔吉野
委員長代理
退席、
田村
(憲)
委員長代理着席
〕
清水規廣
54
○
清水参考人
先ほどお答えいたしましたけれ
ども
、簡単に言いますと、
法務省
の最初の案が非常にハードな
制度
設計をされて、
国民
にとりましては非常に、逆に
法務局
自体が
土地
の
境界争い
に巻き込まれてしまう、こういうような
制度
設計であったわけです。
法務局
で
土地
の
境界
問題を最終的に
確定
しよう、こういうことになりますと、それこそ
法務局
に、成田闘争じゃありませんけれ
ども
、むしろ旗が立っちゃいますよというようなことまで
法務省
さんの方には申し上げたこともあります。 そういうことであったわけですけれ
ども
、こちらでいろいろ指摘させていただいた
内容
が、今回の
法案
ではその辺が、非常に御苦労があったかと思いますけれ
ども
、非常にソフトな
制度
設計に変えていただいたということで、積極的に賛成はいたしませんけれ
ども
反対はいたしません、こういう
立場
になったわけであります。 以上です。
樽井良和
55
○樽井
委員
次に、
土地家屋調査士会
の
西本参考人
にお伺いしたいんですが、
土地家屋調査士
は
境界
の
専門家
であるとされています。
業務
の実情とか研修の実態についてちょっとお伺いしたいんですが、それとあわせまして、技術的な面でちょっと私は疑問に思うんですけれ
ども
、いろいろな
土地
の形として、例えば円があったりとか、あるいは山のように傾斜があったりとかして、そういったところを
測量
士の方々とかを見ていますと線ではかっているんですが、この辺は、
土地
の
確定
をしますと固定資産税とかにもかかわってきますので、なるべく正確な測定が必要だと思うんです。 その辺で、技術的な面でありますとか、あるいは、今の時代に合ったもっと新しい測定する技術とか、その辺の面で見出されようとしていることとか、その辺があればちょっとお伺いしたいんですが。
西本孔昭
56
○
西本参考人
測量
には確かに、昔考えたら難しいなというものがたくさんございました。今は、ありがたいことに、科学技術の発達、それから人工衛星を用いるGPSという
測量
システムがございまして、比較的楽になりました。 日常的には、今、例えば皆さん方御存じのスチールテープを当てて物の長さをはかるということは、本当に短い距離でなければほとんどございません。すべて、光波測距儀といいまして、光を発しまして、その戻る時間から距離を計算しております。したがいまして、角度と計算、座標という方法を用いれば、高低差があろうが、どんな屈曲をしていようが簡単でございます。 それから、円も、カーブ計算、ソフトの計算が非常に発達しておりまして、半径が二百五十・五メートルであるとか五百メートルであるとか、そのうちの内角が何度とかというふうに計算できます。あるいは、三点を通るカーブを求めるというようなソフトがございまして、カーブ計算も簡単にできるようになりました。したがいまして、私
ども
でも、三十年前の教科書なんというのは全く役に立ちません。 研修も常時新しい技術でやっております。それから、新しい
制度
に合うための研修もやっておりまして、今全国では、必ずしも無料研修では追っつかなくなりまして、有料研修もかなり進めてやっております。 そんなことで、これからもこの
制度
が発展していきますために、ぜひ
先生方
の御指導もお受けしたいと思います。研修には全国燃えております。よろしく
お願い
いたします。
樽井良和
57
○樽井
委員
今後、もうちょっと精度が高い
確定
の仕方等、開発等もやっていただきたいと思います。先ほど伺いました、何か墨で書いているとか、
土地
の
境界
線をそんなことでいいかげんな、あやふやな管理の仕方をしていること自体がちょっと今の時代にはそぐわないんじゃないか、そういうふうに強く感じました。 では、ちょっとお三方にお伺いしたいんですが、この
特定
制度
ができて、
土地境界確定訴訟
や
所有権
の
範囲
をめぐる
裁判
、あるいは
ADR
の実務、これができることによって実務はどう変わっていくんだろうかということをお伺いしたいんですが、それとあわせて、
裁判手続
と
登記行政
との
連携
の図り方をどういうふうにするのか、この辺をお伺いいたします。 では、
日本弁護士連合会
から
司法書士会
、そして
土地家屋調査士
、順番によろしく
お願い
いたします。
清水規廣
58
○
清水参考人
筆界
をめぐるトラブルといいますか、
筆界
をめぐる
裁判
と今回の
特定手続
との
連携
の問題につきましては先ほどお話しさせていただきましたけれ
ども
、今後は、少なくとも、
弁護士
が依頼者から
土地
の
境界
の問題について
相談
を受けて具体的に
事件
として引き受ける際には、まずこの
特定手続
を使ってみようかというのを考えるようになろうかと思います。 それは、先ほど言いましたように、共通の
図面
と申しましたけれ
ども
、
裁判
の場合は、それぞれが
主張
する
自分
の
土地
の
図面
を中心にしてその
裁判
の訴状添付
図面
というのをつくるわけですね。逆に、被告の方もその答弁書に引用するものとして
自分
の
土地
の方をつくるものですから、共通した
図面
がなかなかつくれなかった。それがこの
特定
制度
をつくることによって、
一つ
の土俵というのを
法務局
の方でつくりますので、その中で
争い事
をするようになるということで、非常に簡便になろうかと思います。
登記行政
と
裁判
との間の
連携
につきましては、従来はほとんどなされていなかったと思いますけれ
ども
、この
特定
制度
を契機にして、やはり
裁判所
、
法務局
それから我々
代理人
の
立場
で、実務的な研究だとかあるいは協議を今後進めていかなければならないと考えております。 〔
田村
(憲)
委員長代理
退席、
委員長
着席〕
中村邦夫
59
○
中村参考人
当然のことながら、この
特定
制度
は相当利用がふえるだろうというふうに予想されます。それは、そもそもこの
制度
ができた趣旨からいけば当然のことだろうと思っております。 そういった意味で申しますと、いわゆる
登記所
と
裁判所
の関係といったもの、この関係が非常に深くなってくるだろうというふうに思うわけであります。と同時に、
裁判
における適正な
証拠
の収集のための大きな力になるわけでございますので、そういった意味で、非常に厳正な、適正な
運用
が望まれるだろうというふうに思っております。 私
ども
の、
司法書士
の方の実務にどういう
影響
を与えるか、こういう御質問だったと思います。 当然のことながら、冒頭に申し上げましたけれ
ども
、私
ども
は、
所有権
移転に関する
登記
をずっと受託してまいります。今後も同じように、
土地
の
境界
をめぐる
紛争
を抱えた
事件
が
登記
の受託
事件
に関連して出てくることは、今までと同じようにあるわけでございます。今後は、そういった問題をまず、いろいろ
相談
センターであるとかあるいは
ADR
であるとか、そういったところに行くということもございますし、それと同時に、この
筆界
の
特定
制度
というものを利用するような慣習を、私
ども
としては
申請人
の方にも
お願い
することになるでしょうし、ということは、私
ども
の実務そのものについても、そういったものについてこれからより一層の研さんを積むということが必要になってくるだろうというふうに思っております。
西本孔昭
60
○
西本参考人
三月七日に施行されましたばかりの改正
不動産登記法
では、
登記官
の
地図訂正
のかかわりですとかというのは非常に明確になりました。以前は、
分筆登記
しますときにも、全体を
測量
しますと
登記
面積より大きい、そのときに、地積更正をしなきゃならない、地積訂正
登記
をしなきゃならないというときに、周辺の
所有
者の印鑑証明つきの承諾書がないとできないといったような、実務的に大きな縛りがございました。 こういう
制度
ができますと、この改正
登記
法、また今回の改正によりましても、一層
登記官
が
当事者
としてこの
筆界
を
特定
していくという問題に積極的にならざるを得ないというふうに考えまして、大変歓迎しておるところでございます。 それから、先ほど申し上げました
図面
の毛筆の件は、あれは
明治時代
からのものであります。ところが、それを墨でかきかえただけのものが今
法務局
にある。だから、
法務局
にある
図面
だけでは、短絡的に、
法務局
にある
図面
がこうだから
筆界
はこうだという
判断
をされては困るということで、
土地家屋調査士
は、時には、あなた
たち
は考古学者にでもなったつもりかと言われるぐらい、古い
資料
を実は探しまして、
土地
の由来というものを
調査
して
筆界
の確認に当たっております。 それで、この
制度
ができましたら、それぞれに長所、短所を生かしまして一生懸命
努力
したいと思っております。よろしく
お願い
いたします。
樽井良和
61
○樽井
委員
ふだん多くの
努力
をされているということに心から
敬意
をあらわします。 実際に、例えば、これは
確定
してデータ化するということを私のような若い世代の議員だったら当然思うと思うんです。紙ではなくて、将来的には、例えば不動産会社の方が
法務局
に行って閲覧する。それも、余りスピーディーにできない、見にくい書類であり、
申請
をしなければならないということでやるのではなくて、例えば、経済の発展を考えた場合であるならば、不動産会社に、あそこの
土地
はだれの持ち物だろうかというような問い合わせがあったときは、ぱっとそこでインターネットあたりを使って、パスワードでも打てば、とにかくゼンリンの
地図
みたいな形のものがあれば、そこをクリックしたら、大体、面積と
所有
者、どういった形であるか出てくるような、そういったデータの作成というものは将来的には考えていかなければならない、そういうふうに思っております。 そういった技術的な提案でありますとか、あるいは社会全体における利便性の確保みたいなものは、やはり私も、質問取りをしたり訴えたりしても、民間の皆さん方からしていただかないとなかなか改善することが難しいというふうに最近は実感しておりますので、こういった
法律
のことに
意見
を、非常にきょうはありがたかったんですが、実務の、本当にこうやった方が効率がいいぞというような、そういったこともぜひ今後とも政府にいろいろな
意見
の方を伝えていただけたらと思います。 ちょっともう時間が来ましたので、きょうは本当にありがとうございます。有意義な御
意見
、助かりました。ありがとうございました。
塩崎恭久
62
○
塩崎
委員長
これにて
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。
参考人
の方々には、貴重な御
意見
をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。
委員会
を代表いたしまして、厚く
御礼
を申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十六分散会