○辻
委員 民主党の辻惠でございます。
本日は、
裁判所職員定員法の一部を
改正する
法律案、そして
管轄をめぐる
法律案に関連して
質疑ということでありますが、
裁判所の
定員の問題ということは、結局のところ、
司法の容量をどう
考えるのか、
司法の役割をどういうふうに
考えるのかというところに帰着するものであります。そういう
意味で、現在の
司法は何が期待されていて、何を果たしていかなければいけないのか、そのためにどういうことを
考えていかなければいけないのかという観点で、率直な意見交換というか、まず、基本的な見解をめぐって
大臣、副
大臣、政務官の御意見を承っていきたいな、こういうふうに思います。
昨年の野沢
法務大臣の通常国会、そして南野
法務大臣になられて臨時国会、今回、通常国会ということでありますが、実際に
質疑等、
法案の
提出の
内容等を体験して感じるのは、本当に日本の国をどのようにしっかりと築いていくのか、いろいろな問題がたくさんある中で、どのように問題点を整理していって、二十一世紀の未来に向けて次の世代に本当に残していくものを英知を絞って協議していかなければいけない、
議論していかなければいけないというふうに
考えますけれども、そういう中期的な見通しをしっかり
議論するのではなくて、何か当面のいろいろな問題の
処理に大わらわであるというか、びほう策みたいなもの、かつ、むしろ時代に逆行するような
法案がどうも出てきているような思いが非常にあります。そういう
意味で、非常な危機感を覚えております。こんなことでいいのだろうかという思いがあります。
臨時国会のときにも刑法の重罰化の問題で、私なりに、もちろん、処罰を重罰化することによって犯罪が抑止されるということだけを
考えておられるわけではないんだろうけれども、結局、
現実に出てきた結果とその機能するものということを
考えれば、そういうふうになってしまうという懸念を非常に強く抱かざるを得ない
法案が、一年も審議されないで、要するに、法制審に上がってから一年以内に拙速的にそういうものが
法案になって通されてしまう。本当に、しっかりした
議論がなされない議会というのは何なんだろう、
委員会というのは何なんだろうという思いが非常にあります。
そういう
意味で、やはり政治家一人一人が、現在の時代についてどういう認識を持って、どういう危機感を持って、それを解決するために、本当にどういう見通しを、未来の構想を持って
議論を闘わせるのかということが問われているんだなという思いがあります。ですから、議案を
提出されている皆様方について、そういう見識が問われてくるんだということをより自覚していただきたいなというふうに思います。
私は、前の通常国会の中で自分としては非常によかったなというふうに思うのは、自民党の中でも
議論をしっかりできる議員とめぐり会えたことだというふうに思います。
前回は与謝野馨
理事に、民主党の提案の捜査の可視化の問題について、与謝野
委員は時期尚早だというふうにおっしゃいましたけれども、終わった後何日かして、やあ、辻さん、辻さんということで、二、三十分意見交換をできました。与謝野
委員は、イギリスに自分が留学している経過も含めていろいろなことをおっしゃって、自分の親友が死ぬときに、遺言で、捜査の可視化はぜひ、君、実現してくれというふうに言って死んでいったんだよと。本当かなというふうに思いましたけれども。
そういうような話もあって、アプローチの視点というか、やはり違いはあるんだなというふうに思いましたけれども、共通に語り合える基盤というのが非常にある。議員としての経験年齢からすると全然、月とスッポンではありますけれども、やはり今、ともにこの二〇〇五年の時点で議員として日本の未来のために
議論をしていくという立場に立ったときに、共通の会話が成立する
関係の議員さんが反対党にもいらっしゃるということを……(発言する者あり)まあ、永遠に反対党だと思うので、やはりうれしかったなというふうに思います。
あと、漆原議員が察知してか中座されていないのでありますが、今の公明党は、理念を喪失して自民党追随型の政治のオンパレードになっているけれども、その中で漆原議員は、独自の御意見をちゃんと持っていろいろなことをおっしゃっている。私は選挙区で公明党の人と対立しているから余り口をきくことははばかっていたのでありますが、話をしてみるとやはり共通に話し合える
関係があるということで、
法務委員会に所属して、そういう
意味では非常によかったなというふうな思いもあるんですね。
余り前置きが長くなってもよくないかもしれませんけれども、今国会で予算
委員になって、四十日間、毎日のように顔を突き合わせて、やじり合ったりしている中で、やはり予算
委員の中で自民党の議員の方々と会話ができるようになった、具体的なことで意見交換ができるようになったというのは、私にとっては非常によかったなというふうに思うんですね。
きょう言いたいことは、この
法務大臣、副
大臣、政務官との間でも、そういう今の日本の現状について、とりわけ
法務行政、
司法行政の現状について率直に意見交換をして、その中で、違った見方からの意見がいろいろあって、複合的な観点で物事を見ていかないと、もちろん提案者の側ではその上で出しているんだというふうにおっしゃるとは思うんですけれども、反対意見を本当にどこまでちゃんとそしゃくして出しておられるのかということ、本当に認識して出しておられるのかということが、やはり疑問に思う点が多々ある。それではいけないのではないかなというふうに思うんですね。
ですから、こういう
委員会の場での
質疑というのは、やはり
一つの枠があって、言えることと言えない、立場上の問題もあると思うんですけれども、民主党は先日、
法務省の方々とも懇親会を持たせていただいたし、
最高裁の方とも懇親会を持たせていただいて、そういう共通の会話ができ、
議論ができ、そういう基盤づくりということでやはり
意味があることだったと思うんですが、ぜひ
大臣、秘書官の方抜きに、一度意見交換の場を設定していただけませんか。いかがでしょう。