○城井
委員 ありがとうございます。
さて、そうした点も踏まえつつということになりますけれども、今回の
大学の
教員組織の
整備を行っていただく際に、同時に
考えなければならない部分があると
考えております。
それが、先ほど来取り上げさせていただいております
大学教員だけではなくて、いわゆる
教員の予備軍である、
大学院の拡充で人数が格段にふえております
若手研究者、特に
ポストドクターに対する
研究職としての
ポストあるいは財政的な
支援の
あり方、そして
教員などにかかわる人事、採用、配置転換の
流動性の
あり方、これは先ほど来御
指摘をさせていただきましたが、こういった点などがどのくらい同時に
整備をされるか、この点がとても大事だというふうに思っております。
大学院の拡充でふえている
若手研究者、特に
ポストドクターに対する部分についても、とても大事だと思っております。
実際に
大学の現場に目を向けてみますと、私の友人にもたくさんおりますが、博士号を取得したのに定職につけない、余った博士号の人々がふえております。ふえ続けていると言ってもいいかもしれません。博士号の取得者が毎年大体一万五千人、
平成十六年三月
段階では一万五千百六十人だそうですが、生まれております。しかし、それに対して、常勤の
研究職の空席は、毎年約三千人分、
平成十六年では二千五百一人分だったそうです。
それに加えて、日本学術振興会が採用しているこの
ポストドクターも含めて行っている特別
研究員
制度では、延べで六千人しか手当てをできていません。
平成十七年度の新規採用分では千八百九十六人しか手当てをできておりませんし、実際にこの特別
研究員
制度も三年間の限定で、一人一回のみしか適用ができない。
そうすると、この毎年約一万五千人生まれている博士号の取得者の中で、常勤の
研究職にありつけない一万二千人が出てくる。その中で、三年分、つまり三万六千人のポスドクの中から、この日本学術振興会の特別
研究員
制度、その手の
方々の中では学振員と呼ばれているそうですが、学振員に当たったというふうに言われる六千人を差し引いた三万人、つまり、一年で約一万人の人が
研究職からあぶれる、そういうポスドクが生まれているという結果になっている
状況でございます。
お聞きしますと、
文部科学省さんの方でも、この博士号取得者の進路を調べて分析をしていただいているというふうにも聞くわけですけれども、最近十年間で、実際にこの数自体も二倍にふえている、つまり、博士号ばかりがふえていって、その
方々が行く進路というものが実際には見えてきていない。
先ほどの約一万五千人のうちの一万人ちょっとは自然科学系の博士という
状況だそうですけれども、こういった
方々は、実際に
大学の
教員や公的な機関の
研究者という職種を希望するわけですけれども、そういう職種での採用人数は、この十年間でさほどふえていない。しかも、民間の企業の方に伺うと、博士号を持っている人は
社会的経験が乏しくて視野も狭いので使いにくいというような理由で、博士号を持っている方の採用を避けるという
傾向があるとも聞いております。
このために、実際これまでの博士の
就職率は大体五割から多くても六割ぐらいというふうにとどまっておって、しかもこの十年間で一〇ポイントぐらい下がっているということだそうでございます。となると、本来ならば高度な専門知識を生かして
社会のために
活躍すべき博士が、全体の四割も職にすらつけないという博士余りの現象が年々深刻になっていると言わざるを得ないと思います。
このことは今に始まった話ではなくて、これまでも、
科学技術・学術審議会の
人材委員会の第一次、第二次、第三次の提言、それぞれ
平成十四年、十五年、十六年というところでも同様の
指摘がなされておるところから見ても、今に始まった話ではないというのは明らかだというふうにも思うわけであります。
大臣、将来
大学教員にもと目しておるはずの博士号取得者、いわゆるポスドクと呼ばれている
方々の部分はとても深刻な
状況になっていると思います。この点について、御見解をぜひ
大臣の方からお聞かせいただきたいと思うんです。