○池坊
委員 皆様、おはようございます。公明党の池坊保子でございます。
今、次世代における
教育の危機と言われる
義務教育費国庫負担制度について、これは私、二度も
質問させていただきまして、
中山大臣からしっかりと
お答えもいただきました。お考えは十二分にわかっているつもりでございますので、私は、それも含めて、二十一世紀の
教育はどうあるべきなのか、国と
地方はどのような関係、かかわり方がいいのか、そういうことの幾つかを
質問させていただきたいと
思います。
私
ども公明党も今勉強会を重ねておりまして、先週は、百升計算で有名な陰山
先生をお招きいたしました。百升計算だけでなくて、生活改善の
改革こそが学力低下に歯どめをかけるのだという大変示唆に富んだ
お話を伺いました。また、けさ八時から東大の苅谷
先生の
お話を伺っていて、少子化と言われているから人件費が
削減されると思ったら大間違いで、四十代半ばの人たちの退職金で
財政は苦しくなるのだという
お話で、私は、これからいろいろな視点での
お話を聞くことが必要なんだなというふうに
思いました。
その中にあって、もしかしたら
文部科学省も、二十一世紀にふさわしい抜本的な発想の転換をしていかなければいけないのではないか。考えてみれば、今までいろいろな時代に合わせて、例えば、基礎が足りない、詰め込み式だと言われたら、今度はゆとり
教育になる、学力が低下したと言われたら、今度は確かな学力にと、そのたびごとに批判を受けて、そして
方向転換をしてきた。そうではなくて、
教育というのはこうあるべきだというもっと毅然とした信念というものが私は求められているのではないかと思っております。
また、いろいろな地域でやっているいいことはどんどん取り入れて、それを文科省が
地方に先駆けて発信する、そこに私は文科省の存在価値というのがあるんだと
思います。そうでないと、
地方におくれて、文科省は要らないじゃないかということになりますから、これからいろいろ学ぶべきことがあるのだなというふうに感じております。
私は、PISAの調査によってフィンランドが一位になりましたときに、早速フィンランドに視察に行ってまいりました。そして、幾つかのことを学んでまいりました。読書の時間を大変に大切にし、そして家庭においてもそれを奨励している。これがやはり読解力に結びついているのではないかと思っております。これはぜひ
大臣も奨励していただきたいと
思います。フィンランドだけでなく、
イギリス、アメリカ、フランス、どこの国も、読書をすることによって、さまざまな数学的リテラシーも科学的リテラシーも身につけることができるのだと
思いますので、これはやはり読み書き算数というのは基本だと思っております。
それからもう一つ、時間数でございます。
中山大臣は、子供たちの勉強の時間が足りない、特に自習の時間が最下位ではないかとおっしゃいました。これは嘆かわしいという感じでおっしゃいましたけれ
ども、例えばフィンランドは、前も申し上げました、九時から二時までが授業時間でございます。そして、文科省、
日本の
政府は、居場所づくりというのをいたしましたよね。ですから、
学校で過ごす時間も多いわけです。自習の時間が少なくなっていくのではないかというふうに思っております。
フィンランドの
中学校における年間授業数は五百五十五時間でございます。我が国は九百八十時間、六割私
どもの方が多いのです。にもかかわらず、きちんと、学力低下はしておりません。つまり、時間数が足りないから
日本の学力低下を呼んだのではないと私は
思います。これから時間数をふやせばふやすほど学力は上がるというのには私は反対で、かえって落ちこぼれの子供たちが出てきたりして平均値が下がるのではないかと思っておりますので、その点についてお伺いしたいと
思います。