○
白須政府参考人 ただいまの
委員の御指摘でございます。
委員のお話のとおり、脱脂粉乳、大変に在庫がたまってきておりまして、その過剰在庫の解消に向けまして、それぞれ生産者の皆様方も大変なお取り組みをしていただいているわけでございます。
そこでまず最初に、第一点、
委員からのお尋ねの、脱脂粉乳の在庫解消に向けまして新規需要の開拓ということでどんなことをしておるのか、その効果は上がっているのかというふうなお尋ねがあったわけでございます。
お話しのとおり、この脱脂粉乳の新規需要開拓を図りますために、十六年度から
国産生乳の需要拡大定着化事業、こういった中で、脱脂粉乳を利用いたしましたいわば機能性ヨーグルト、例えば微量成分でございまして、それの免疫力の増強でございますとか、あるいはまた、一方では花粉症に効くとか、そういった機能性のヨーグルトの開発、あるいはまた乳飲料の開発、それから、そういったものを活用いたしまして、乳業者が
実施をいたします新たな製造技術の研究、あるいはまた新商品開発ということに対しまして支援を
実施しているわけでございます。
この対策の
実施によりまして、既にメーカーにおきましては試作品はできているわけでございますが、まだ新商品の販売といった段階までには至っておらないというふうなことでございますので、私
どもとしましても、今後、できるだけ早期にこういった形での開発、実用化が行われますよう指導に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
それから、二点目のお尋ねのチーズの
関係でございます。
お話しのとおり、近年、
我が国のチーズ消費量、増加をいたしてきているわけでございます。逐年、一貫して消費は増加してきているわけでございますが、ヨーロッパと比べますと、その消費量はまだ十分の一という段階でございます。チーズの消費量を数字的に見てみますと、平成五年度十八万三千トンに対しまして、平成十五年度には二十五万六千トンというふうなことで、一四〇%の伸びになっているわけでございます。
こうした中で、ただいま
委員からも御指摘ございましたが、生産量、
輸入量ともに増加しているわけでございますが、とりわけ
輸入量の方が、平成五年度の十三万八千トンに対しまして、平成十五年度には二十万四千トンというふうなことで、一・五倍の伸びになっているわけでございます。
実は、チーズにつきましては、脱脂粉乳やあるいはバターと比べますと、内外価格差が比較的少ないわけでございます。ちなみに、申し上げますと、チーズの
輸入価格はキログラム当たり三百三十円でございますが、
国産のチーズはキログラム当たり五百四十円というふうなことでございまして、一・六倍というふうな内外価格差ということでございます。したがいまして、私
ども、こういった内外価格差の面あるいは品質面というふうなところから見まして、
輸入品に対しまして、
国産品としても十分に対抗できるのではないかというふうに考えているわけでございます。
ただ、
委員がお話しのように、
輸入の方が増加しておるというのは、やはり消費の増大に
国内生産の増加が必ずしも十分に追いついていないということによるのではないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、チーズは今後ともさらに消費量の増加が期待できるというふうに考えているわけでございまして、私
ども、生産者に対しましても、チーズ向け生乳の供給拡大ということについて促進をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
それから、三点目のお尋ねの飲用牛乳の消費拡大の
関係でございます。
この点につきまして、やはり
委員からもお話しございましたが、
国産生乳の主要な仕向け先でございます。したがいまして、消費拡大を図ります上で、この飲用消費の拡大に取り組んでいくということは基本であろうというふうに考えているわけでございます。
しかしながら、
委員も御案内のとおり、昨年夏、大変な猛暑であったわけでございます。通常、猛暑でございますと、牛乳消費も伸びますというふうに言われておったわけでございますが、昨年は大変な猛暑であったにもかかわらず飲用牛乳の消費が伸びなかった。この原因をいろいろ考えてみますと、やはり豆乳でありますとか、あるいは緑茶飲料、そういった茶系飲料、こういうことの競合の中で、カルシウムに富む、大変健康にもよろしいこの牛乳のよさが必ずしも十分に
理解されていないのではないかというふうに考えているわけでございます。
また一方、私
ども、消費の実態を見ましても、小学校、中学校は給食がございますので、牛乳も飲みますのですが、給食が終了いたします中学校卒業後に消費が急に減少しておる。特に十六歳以上の女性を見てみますと、大変に牛乳の消費量が減っておるというふうな状況も見られるわけでございます。
したがいまして、私
どもといたしましては、今後、主としてそういった中学校卒業後の若年層を主たる対象といたしまして、ただいま申し上げました牛乳のカルシウム源、そういった健康面での特性というふうなところに着目をいたしまして、そういう効用、それの普及啓発といったところに重点を置きまして、しっかりと消費拡大、需要拡大というものを展開してまいりたいというふうに考えている次第でございます。