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棚橋国務大臣 科学技術政策、食品安全を担当する
内閣府
特命担当大臣並びにIT担当
大臣として
所信の
一端を申し述べさせていただきます。
科学技術は、
我が国の
経済発展は
もとより、
国民生活の質を高めるためにも極めて重要な未来を切り開くかぎであり、
科学技術創造立国の
実現を目指してその
振興に努めます。
平成十七年度
予算案では、
予算編成過程において、すべての
科学技術関係予算をチェックし、優先順位づけを実施するなどその
改革を進め、対前年度比二・六%増の
科学技術振興費を計上いたしました。また、競争的研究資金も、対前年度比二九・六%増と
重点的拡充を図ることができました。引き続き、
施策の不必要な重複の排除、
連携強化を図るため、
科学技術連携施策群を
推進するとともに、基礎研究の
推進、ライフサイエンス、
情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の四
分野への戦略的
重点化を進めます。さらに、競争的研究資金の
制度改革など
科学技術システム
改革等を進め、
科学技術の
成果の
国民への効果的な還元に努めてまいります。
十七年度内に策定する次期
科学技術基本計画の
検討に当たっては、
総合科学技術会議を
中心に、
国民の
科学技術に対する夢などの幅広い声を取り入れた上で、
国民の目線に立って取り組んでまいります。
次に、原子力
政策について申し上げます。
原子力の研究開発
利用に当たっては、安全の確保が大前提であります。原子力安全
委員会の独立的、専門的な
機能を最大限に生かすなど、原子力の安全確保に万全を期してまいります。
また、エネルギーの安定供給、二酸化炭素排出量の削減に寄与する原子力発電を基幹電源として位置づけ、引き続き
推進してまいります。原子力長期
計画については、原子力
委員会において、本年中の取りまとめを目指して新
計画の策定作業を進めます。
さらに、ITER
計画については、引き続き、国際
協力の
もと、
政府全体で積極的に
推進し、
日本への誘致を目指して
取り組みます。
次に、食品安全行政について申し上げます。
BSE問題などにより、食品の安全性の確保に対する
国民の関心が高まっており、食品の安全とそれに対する
信頼の確保は今後も
国政の重要な
課題です。
このため、食品安全
委員会においては、科学的知見に基づき、中立公正にリスク評価を実施するほか、
国民にわかりやすく
情報を発信するとともに、消費者など
関係者とのリスクコミュニケーションの積極的かつ効果的な
推進が必要です。
こうした
取り組みにより、
国民の健康の
保護を最優先に、科学に基づく、
国民から
信頼される食品安全行政の
推進に最大限努力してまいります。
IT
分野では、
我が国は二〇〇五年までに世界最先端のIT
国家になるという
目標を掲げており、ことしはその
目標年に当たります。
これまでの官民を挙げたさまざまな
取り組みの結果、
我が国のIT化は大いに進展し、世界で最も低廉で速いインターネットを
実現するとともに、例えば、個人の株式取引額に占めるインターネット取引率も約七割となるなど、
国民生活に大きな変化を与えつつあります。また、昨年秋の
臨時国会において成立させていただいたe—文書法に基づき、この四月より書類の多くが電子データで
保存できるようになり、文書
保存のコストが大幅に節減できるようになります。
本年は、これらの
成果を踏まえ、世界最先端のIT
国家に向けて、
利用者の視点でラストスパートをかけてまいります。
このため、e—Japan
重点計画二〇〇四の着実な実施を図るほか、二月末を
目途に
政策パッケージを策定し、行政サービス、医療、教育など
国民に身近な
分野におけるIT化の
取り組みをさらに
強化するとともに、
情報セキュリティー
対策を一層
推進します。
松下委員長を初め
理事、
委員各位の御
理解と御
協力をお願い申し上げます。