○田嶋(要)
委員 今ちょっとそういうお話が出たので申しますと、
携帯電話の
分野、これだけ
予想以上に大きく成長したわけですが、先ほどの話で会社の話が出ましたので、私がもともと会社員時代に聞いた話でも、無線、
ワイヤレス、だれもそこの職場に行きたくないような、将来性のない
分野だというふうに当時は見られていたんですね。だから、ドコモができたときも余り希望者がいなかったというふうに聞いているんです。
それは何を言いたいかというと、それぐらい、どのテクノロジーが伸びるかということに関しては
予想できないということなんですね。だからこそ、多くのリスクテーカーがベンチャーキャピタルの金を集めて、みんながリスクをとってかけをする。それが夢を持ってやるからどこかがばあんとくるというのがおもしろい民間の世界だと思うんです。
ちょっと後でRアンドDの話に入りますけれ
ども、何か今回またさらに新しい
分野に
使途を工夫して、さらに役所の役割をふやしていく。申しわけないですけれ
ども、何だか、自分たちの仕事をふやすのがやはり、それが意識的ではないにせよ、結果としてそうなっていっているのが日本官僚社会のこれまでの構造であり、今回もまたそれのやり直しじゃないかなという感じがするんですね。
ちょっと戻しますけれ
ども、インセンティブがきくきかないという話で、今回もいろいろと
料金構造を変えていますけれ
ども、やはりこの
携帯電話が
無線局だという発想は普通の人にはないわけですよ。これが
無線局だなんて思わない。これに五百円だとか四百円金を取られているということだって普通の人は知らないわけですが、一台幾らという課金方法は今回は変えませんでしたね、若干下げますけれ
ども。
そういうことをやっている限り、やはり民間には有効に
電波を使おうというインセンティブはわかない。これはいろいろなところから問題点が指摘されています。これは指摘されているんですけれ
ども、結局温存されました。日本だけですよね、こういうことをやっているのは。よそではこんな課金の仕方はしていないわけで、だからこそ、日本の
電波利用収入だけがあんなに大きくて、その八割を携帯会社が払っているわけです。つまり、
利用者が
負担している。
そういう仕組みがあると、私はうがった見方をすれば、まずインセンティブがきかない仕組みをそのまま残して、それを残すことによって収入がけた違いにふえたものだから、RアンドDを国がリードしてやって、では、ほっておくと、この
分野、どうやって有効活用して
電波を使うかということの基礎研究は民間がイニシアチブをとってなかなかやらないから国がやらざるを得ませんといって、今回のRアンドDの
分野が新たな
使途として加わってくるんじゃないか。
要するに、順序が逆になっている。インセンティブのきかない
制度を残したことによって、結果として、RアンドDを国がやらざるを得ないような仕組みにつながっていっているような感じがするんですね。それは、何というか、役所悪人説みたいなものかもしれませんけれ
ども、何だかそういう気がしてならない。
だから、要するに、これのお金を取るのをやめればいいんじゃないかと思うんですよ。やめれば、もっと民間が、どうやったら
電波の有効活用ができるかということを基礎研究しますよ。さっき言ったように、アクセスとか、みんなリスクをとって勝負しているんですよ。だから、そこが独占的にもうかるビジネスチャンスだと思えば、何十億というベンチャーの金が集まりますよ。だから、それでどうやったら、二倍、三倍、同じ
電波帯を使える、有効活用できるか。今なかなか使い勝手の悪い高周波の
部分をどうやって実用化できるかということを必死になっていろいろなところが研究すると思うんですね。
だから、そこをやらずに、何か変な
制度をそのまま中途半端、さっき中途半端じゃないとおっしゃいましたけれ
ども、私もやはり中途半端だと思います、中途半端に残して、インセンティブのきく
部分ときかない
部分が合体すればやはりきかないままなんですよ。きかないままにしておきながら、片方でお金が急にふえて、やはりRアンドDもやらなきゃいけないと。何か、役所がどんどん役割をふやしていく世界がここでも続いているなという印象を受けるんですけれ
ども、どうでしょうか。