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山花委員 審査の
厳格化であるとかあるいは
留意事項についてということは、それはそれとして
理解はいたします。
ただ、これは恐らく当
委員会の
委員の方なんかでも、どこか知らないところから
DMが来たとか、むしろそういう経験がない人の方が少ないのではないかと思います。私も小さい
子供がいるものですから、
幼児教育だとか、どこで調べたのだろうと思うぐらい、母親の
名前と
子供の
名前と連名で
DMが来たりするのです。
今御
答弁されたことはある
意味限界があって、あるNPOの
研究、
実態の
調査があるのですけれ
ども、特定非
営利法人情報公開クリアリングハウス、
コンピュータ合理化研究会というところが、これはいろいろな
自治体の
担当者の方から聞いたりとか、そういったものなんですけれ
ども、
市場調査とか
DMとかで大体七割を占めているということです。
DMは
営業関係ですね。その他が
調査、あるいは公用、
先ほどお話があった
弁護士からの
照会等なんでしょうけれ
ども。
ただ、この
市場調査というのも、学術的な
世論調査ということには限らないわけですし、また、それが結果的に、
法律の建前としてそれをやってはいけないとかどうとかということではなくて、
実態として、そこでとられた
名簿でまた
DMが発送されるだとか、そういうこともあり得ることだと思います。
自治体なんかでも
問題意識を持っているところは結構あって、特に、最近新聞などで報じられたのは、
東京の多摩の地域で
閲覧の
手数料を上げることで抑制しようという
動きが報じられておりますけれ
ども、聞いてみますと、
手数料が上がった
段階では
閲覧の
件数というのは一回落ちるんだそうです。ただ、また結局もとに戻っていくということで、
自治体の
担当者の方なんかは、むしろ、高いコストを払って集めた
名簿なんだからということで、これで元を回収しようというような
動きになって、業者がかえって悪質化するのではないかという懸念を持っているということです。
今御
答弁されたのは、
法律をいじらないでできることをやろうという話かと思いますけれ
ども、本来的には、
先ほど指摘をさせていただいたように、むしろ、
閲覧が
請求権ということになっていますから、これは
自治体の
担当者からすると、
法律で
権利になっているものですから、これは拒むわけにはなかなかいかない。
本人確認をせいと言われても、これはうそをつかれてしまうと、とことん、裁判所じゃありませんから、証拠を持ってこいとか
審査するというわけにもなかなかいかない。こういうことだそうですから、逆に、本来的には、この
法律の
原則と
例外を改めるべきではないかと思います。
具体的な例を一つ挙げて申し上げたいと思います。
性同一性障害に関する
特例法というものが、最近、
議員立法の形でできました。当時、
自民党側は
南野知惠子さんが
責任者ということだったと思いますし、
民主党側は私が
南野議員とやりとりをしてまとめていったという自負もあるのですが、そのときに大変多くの
当事者の方から
お話を伺うことがありました。
性同一性障害というのは、身体的なものと
精神の性とが合致しない
ケースでありまして、
日本精神神経学会の中でも疾患の一つという形で、
精神的な問題であるということで
分類をされているものであります。しばしば性的な嗜好と誤解をされる
ケースがあるのですけれ
ども、そういうものではないということであります。
こういった
方たちは
大変苦労をされておりまして、例えば、その
特例法ができましたから、最終的に、
性適合手術を受けて一定の
判定があれば、そして二十歳以上であれば、
戸籍の
変更が認められることになっております。この
住民基本台帳法も
戸籍と連動していますから、その
判定を受けてそこまでいった人については当然
性別の
変更ということがなされるのですけれ
ども、そこまでいかないで苦しんでおられる
方たちはたくさんいるわけであります。
当事者の
団体の内部ですら、今施行されています
法律については、いや、それは本当に救済されるのは一部の
人たちだけだと。また、
法律が衆議院で、
法務委員会で通ったときの
委員長からの
発言ということで、今回のこの
法律というのはいわば人権の問題としては第一歩なんだ、そういう
発言をしていただきました。
本当に苦しんでいる
実態というのは、例えば、
自分の身体的なものが、本当に心が受容していませんから、例えば、気持ちは男なんだけれ
ども外貌が女だ、女性だという方なんかは、本当にお
医者さんに行くのも嫌なわけです。つまり、見られますから。そういう
自分を受容していないとか、私の知り合いの
同一性障害の方のさらにお友達の
ケースなんですけれ
ども、お
医者さんに行くのもそういうことで嫌で嫌でしようがなくて、本当に体の調子が悪くて倒れて、病院に担ぎ込まれたら、もう末期のがんで、そのまま命を落としてしまった、そういう
ケースもあるわけです。
また、病気のこともそうですが、
就職に非常に困難を来しております。
戸籍上といいましょうか、
住民票もそうなんですけれ
ども、その
性別が外見と異なっておりますから、
就職に行っても、何か変わったやつだということではねられてしまったりとか、これはいいとか悪いという話をしているのではありません、悪いことだとは思いますけれ
ども、家が借りられない、賃借ができない。大体、
不動産屋さんぐらいのところでは
理解をしてくれる人もいて紹介してもらうんですけれ
ども、実際大家さんと会うと、何か変なやつが住むのは困るということで断られる。変なやつという言い方は適切ではないですけれ
ども、
実態としてそういうことがあるということです。
つらつらと申し上げてまいりましたけれ
ども、こういう
方たちは、
住民基本台帳法によって
閲覧されるということに、表現として少し大げさかもしれませんけれ
ども、
住民票が
閲覧されるということに、すごく恐怖におののいていると申しましょうか、例えば、そうやって本当に
理解ある店長さんなりお店の方にわかった上で雇われている人はそれはいいんでしょうけれ
ども、そうじゃなくて、
性別については必ずしも明らかにしない
状態で
雇用関係にある
方たちもいるわけです。ばれたらこれは首になるかもしれない、そういう思いの
方たちもいるわけであります。
特に、
先ほど、
住所、
氏名、
生年月日、
性別、これに限るようにしたという話でありますけれ
ども、
性別については、最近、
性同一性障害の問題に対する
認識が深まってきて、できるだけ
行政文書には
性別の
記載をしないようにしましょうという取り組みをしている
自治体もふえてきております。
つまり、
先ほど例として挙げました、家を借りるだとか、あるいは
就職をするだとか何だとかいうときに
証明書が必要ですけれ
ども、
性同一性障害の
方々が
証明書として一番重宝しているのは
運転免許証なんですよ。
運転免許証というのは
性別の
記載がありませんから。
運転免許証を持っている方でも、この話をすると、あれ、そうだっけと言う人がいるんですけれ
ども、恐らく通常は余りそういうことは意識しないんですが、
当事者からするとそういうことは非常に大事なことであります。
ですから、
住民基本台帳法については、むしろ
原則、
例外をひっくり返すのが本来的な姿であると思いますけれ
ども、特に
性別だとか、もっと言えば、
生年月日については
居住関係を明らかにするという
趣旨からすると必ずしも必須のものではありませんから、
原則と
例外の形についてはぜひ今後検討していただきたいと思います。
今こういったことを申し上げました。これを受けて検討していただく
余地があるかどうかということを御
答弁いただきたいと思います。