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鈴木(克)
委員 いずれにいたしましても、平民宰相と言われた原敬さんは、座右の銘が宝積というふうに言われたそうでありまして、宝積とはすなわち人に尽くして報酬を求めないということのようでございます。
まさに我々は、冒頭申し上げましたように、政治倫理の確立というのは、
国民が最も求めておるというか、当然といえば当然なんですけれ
ども、このことは本当にきちっとしていく。そして、それが結果的には政治、政治家への信頼をかち取っていく、
国民からいただいていくということになるわけでありまして、先ほどの御答弁に間違いはもちろんないと私も思っておりますけれ
ども、そういう思いの中でこの
質問をさせていただいたという真意だけはぜひひとつお酌み取りをいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
いずれにしましても、政治倫理の問題について、我々は、今後、本当に政治の場にある限りまさに身命を賭してこのことと対峙をしていかなければならない。私はもう一度そのことを申し上げて、次の
質問に入らせていただきたいと思います。政務官におかれましては、以上で御退席をいただいて結構でございます。御苦労さまでございました。
さて、それでは続いて
質問をさせていただきます。
小泉総理のもとでの改革は、聖域なき
構造改革、
構造改革なくして景気回復なしという言葉だけで、真の改革は進んでいない、私はこのように思っております。
国民は古い政治システムを根底から一変させる日本
再生の戦略としての
構造改革を求めているわけでありまして、言いかえれば、今日の危機的
状況を招いた
我が国の仕組みは何かということを明らかにする、そしてそれをもう
一つの仕組みに取ってかえるための大構想と戦略を果敢に実行することを
小泉総理に期待したんだというふうに思うんですが、現在のところ全くそうではない、私はそのように思っております。
道路特定財源がむだ遣いされているから見直すんだ、郵政民営化に伴い特定財源を見直すんだと言ってはおるわけでありますけれ
ども、まさに森全体が枯れそうなときに一本の枝を語るようなものでありまして、枝を治すには、森を知り、森を治さなくてはならないというふうに私は思うわけであります。
そこで、森である国の財政は、一般会計、特別会計、
政府関係機関という、大きく言えば三つの会計に分かれておるわけであります。その中でも、特別会計は三十一もあり、その歳出総額は一般会計の五年分の四百兆円を超えておるわけですよね。重複分を差し引いても二百兆円以上あるということであります。この巨額な会計にメスを入れずして財政
構造改革と言えるのかどうか。私は、この特別会計の整理こそ
構造改革ではないか、こういう視点で、以下具体的に財政を所管されておる谷垣
大臣に御
質問をさせていただきたい、このように思っております。
それでは、まず最初に、産業
投資特別会計の存在意義についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
産業
投資特別会計では、毎年度巨額の剰余金が計上されておるのは御案内のとおりであります。例えば、
平成十七年度の予算における前年度剰余金の受入額は二千四百八十一億円にも上っております。その歳出に占める割合は三〇五・八%にもなるわけであります。これまでも毎年度多額の剰余金が計上され、その余りの多さに財政審から
指摘を受けておりました。この剰余金は、これまで一般会計に戻されず、内部で
処理され、その会計
処理は極めて非効率であったわけであります。この巨額の剰余金体質は、電源開発促進対策特別会計、農業
経営基盤強化
措置特別会計でもまさに顕著に見られるところであります。
さて、産業
投資特別会計の産業
投資勘定を見ますると、
平成十七年度に千七百八十八億円が一般会計に繰り入れられており、これは歳出総額の六二%になるわけであります。この一般会計への繰り入れは、財政制度
審議会から剰余金について、
平成十五年十一月でありますけれ
ども、
指摘を受けて行った、このように私は理解をいたしておるわけであります。
さらに、産業
投資勘定の
投資計画表を見てみますると、出資金として、
平成十七年度は、既に廃止が決まっておる住宅
金融公庫ほか十二法人に出資金を出しております。これら出資されておる法人のうち、中小
企業金融公庫出資金と独立行政法人である鉄道建設・運輸施設
整備支援機構出資金の二法人については一般会計でも予算がつけられており、前者については一般会計からの出資金が三百八十億、後者については四十億となっております。このように特別会計からも出資されており、かつ、一般会計からも予算が計上をされておる。加えて、産業
投資勘定の事業
規模というのは、この二十年間の間、特殊要因を除いては小さくなってきておるのは御案内のとおりであります。
この例からもわかるように、非常に非効率的な資金の
流れが存在する中で、産業
投資特別会計の存在意義はいかなるものとお考えになっておるんでしょうか。産業
投資特別会計の役割は既に終了しておるのではないでしょうか。このことについて、まず
大臣の御見解を伺ってまいりたいと思います。