○
田村(謙)
委員 私も大変勉強になりました。ありがとうございます。
まさに今
岩國委員がおっしゃったように、人材というものは非常に大きいというふうに
思います。
アメリカの
SECの初代のトップにそのような大抜てきをする、そこはなかなか今の
日本の政権では望むべくもないというふうに
思いますけれ
ども、人材と組織論というのは当然絡んでくるわけでありまして、先ほど
大臣がおっしゃったような金融のコングロマリット化が進んできて一元的にやっていく必要があると、確かにそこは、例えばイギリスは、私もまだ不勉強でありますけれ
ども、イギリスはそのような
体制でやっている、そしてそれなりの成果を上げているということも私は聞いているわけでございます。
しかしながら、先ほど
平岡委員からも話がありましたけれ
ども、そもそも金融監督庁ができた際には、企画と検査監督を分離する検査監督分離論というものが主流というか採用されて、金融の企画部門は大蔵省に残って、検査監督
機能については独立をして金融監督庁になったはずであったのが、中央省庁再編という大きな
議論になったら、いつの間にかそれは忘れられて、金融
制度の企画立案
機能は大蔵省と切り離して、もともと切り離すという
議論が採用されたはずだったのに、結局、検査監督部門と一緒になって
金融庁になったという経緯があります。それを証明するように、まさに当時の政権、当時の
大臣を初めとする与党の方々が、しっかりと
認識を持っていなかったというのがそれに端的にあらわれていると私は思っているんです。
そこで、まさに人材という話になるわけですが、現在の
証券取引等監視委員会の幹部——課長補佐には
金融庁のプロパー、いわゆるベテラン、ノンキャリアと言われている方々が係員からずっと上がってきて課長補佐になる、そういう方ももちろんある程度いらっしゃいますけれ
ども、課長以上あるいは課長のすぐ下の筆頭補佐に当たる幹部の方々というのは、ほとんどの方がいわゆるキャリア、それも財務省のキャリアで占められているという
状況にあるのは、
大臣はもちろんよく知っていらっしゃると
思いますし、私も、私の知っている人がたくさん行っていますので、よく知っていることではあります。全く関係ない、それも金融と全く別のところからいきなり
証券取引等監視委員会に来て、もう目の前にある課題に手いっぱいになってしまって、まさに中長期的に
証券市場をどういうふうに
活性化していくかという視点からどういう
対策を講じていくのかということも余り考える余裕もないまま、一年、二年が終わって、またすぐローテーションがあってほかの部署に移っていく。
それが、そもそも財務省と
金融庁で分離するというときにも、ある程度金融の専門性、人材という
意味で金融の専門性が必要だから、ある程度幹部のレベルでは人間を切り離す、もともとは大蔵省出身であっても、
金融庁に行ったらずっと
金融庁にいるというふうに、切り離すということが相当
議論されてそういうふうになったはずが、最近は人事、ローテーションに関してもどんどん
形骸化をしてしまっていて、金融の専門性のためには
金融庁にずっと長く幹部もいなければいけない、幹部に限らず実践部隊である課長補佐もいなければいけないという
議論がすっかりおざなりになってしまっているという現状を私も小耳に挟んでいるわけであります。そういった現状で、結局、今の組織では、先ほど
岩國委員から話がありましたような、本当の専門性、まさに鋭く、早く、深く対応する、そういった人材というのは育たないというふうに私も考えるわけであります。
そこはしっかりと人材の面でも独立をさせる、それを別機関にして、財務省から一人も入れるな、あるいは
金融庁から一人も入れるなと言うつもりは私はもちろんありませんけれ
ども、しっかりと人材を育成するとともに、もう既に現場での経験を積んでいるような方をどんどん入れていく、そういった機関を、
金融庁と独立した機関をつくる必要があるというふうに私も強く
認識する次第なんですけれ
ども、そこで、同じ
質問になってしまいますけれ
ども、そういった
観点を踏まえて
大臣はいかがお考えになるでしょうか、改めてお
伺いをさせていただきます。