○松崎(哲)
委員 航空局から事前にいただいた資料によりますと、頭と最近だけを見てみますと、昭和五十九年、一九八四年に
管制官の数は千四百五十三人であったものが、
平成十三年には千七百九十七人と、定員ベースの話ですが一・二四倍になっている。それに対して、
航空路の
管制は、百十万機から
平成十三年では二百八万機になっている。
空港での取り扱いは、百十七万機が二百一万機になっている。その二つを単純に合計していいのかどうかわかりませんけれ
ども、単純に合計しますと、昭和五十九年、八四年から
平成十三年までの十八年間で一・八倍になっている、こういうデータをいただいてあるんです。
もちろん、機器の性能が向上したり、いろいろなことが図られていると思いますから、一・八倍に対して一・二四倍にしかなっていないのがどうだというわけじゃありませんけれ
ども、やはり安全を重視ということで考えれば、
管制官の方々が、
ミスを責めるだけではなくて、
ミスを起こさないような労働環境にあるのかどうかというようなことも、予算面のことも含めて、定員面のことも含めて御配慮をいただくべきではないか。これは、乗客の安全ということに非常に直結する
課題でもありますので、ぜひ御配慮をいただきたいというふうに思います。
時間がなくなりましたので、先ほど
玉置委員の御発言の中で
高度計の話がございましたのですが、これについてはちょっと割愛させていただきまして、まとめの質問をさせていただきたいと思います。
JR西
日本の
事故の際に、
日本人の国民性として、定時性を求め過ぎるのではないかというようなことが論評にございました。先ほどの
大臣の御答弁の中にも、社会としても、定時性を求める余り
安全性がおろそかになってはいけないということについて寛容であってほしいというような御答弁があったと思います。
そのとおりだと思いますが、一方で、では国民性としては、本当に定時性を求める、定時というのは、その時間にぴったりと電車が発車すること、電車が到着すること、
飛行機が離陸すること、到着することを求め過ぎることが問題なのかというと、やや違う面がありまして、特にJR西
日本のケースなんかを考えますと、定時性と同時に速達性ということ、早く着くということですね、早く着くということを求め過ぎるのは、私は、
安全性にかなり問題を生じるのではないか。
鉄道事故の関連でいろいろ文献とかを読んでみましたところ、例えば、
飛行機のダイヤというのは非常に大ざっぱな、大ざっぱというとあれですけれ
ども、分単位、秒単位のものじゃないわけですが、
鉄道のダイヤというのは、実は分単位よりもむしろ秒単位近くなっているわけですね。そのときに、ダイヤを編成する人たちというのは、あらかじめどこかでおくれが生じることを想定して余裕時分というのを見ておくんだと。そうすると、どこかで十五秒おくれたとしても、次の駅のところでそのおくれを取り戻せるから、百何十キロで疾走していかなくても、もともと定時性は保たれる。
ですから、速達性の問題と定時性の問題というのは、実は二つ分けた方がいいと思う。やはり定時性というのは、仕事をしている人もありますし、それから、どこかへ着いて、これは
飛行機の場合でも何でも同じですが、着いて、乗りかえがあるとかいろいろな計画があるわけですから、時間はきちんと守られた方が、
航空事業者にしても
鉄道事業者にしても、やはり定時性はなるべく
確保してほしい。これが国民の希望であって、この希望は私は余り責めてはいけないのではないかというふうに思います。
しかしながら、それに対して速達性、ともかく早くしよう、早くしようということを求め過ぎると、定時性が容易に損なわれることになる。だから
事故が起こりやすい、こういうふうにつながっていくと思うんですね。
実は、今回の法改正で、
飛行機の場合、短縮垂直
間隔ということで、利用できる高度というのがふやせる。高度をふやすということは、国民の普通の感覚で、報道なんかを見ても、高度をふやすということは過密になるんだといって、批判に向かいがちなんですね。私はそうじゃないと思うんですよ。高度がふえるということは、実は便数に使える高度がふえるというか、余裕が生まれるということなんだと思うんですね。
それからもう
一つは、これはまだこの法改正ではありませんが、東京国際
空港の円滑な運用方策に関する勉強会というのが検討して、発着の回数について、一時間にどれだけできるかということを、ヨーロッパの
空港で行われている方式に
見直していこうということがあるんだそうですが、それによると、
羽田が今一時間当たり二十九回の着陸なんですが、ロンドンのヒースロー
空港やフランクフルトのマイン
空港なんかにおけるヨーロッパ方式の発着枠の考え方によると四十三回とれる、こういうような研究の報告があるようでございます。
時間がないので、
局長から一々御答弁いただこうと思いましたのですが、
自分で今言ってしまっているんですが、こういうように二十九回が四十三回にふえるということは、これは過密になるというふうに思いがちですが、そうなんではなくて、枠がふえるから、少しドアモードの変更をゆっくりとしても、ドアモードを変更してから報告しても、発着枠があるから、発着枠があるところに同じ便数を予定していたら、またこれはきつくなるんでしょう、これは過密になると思うんです。発着枠がたくさんとれるところに便数を余裕を持って、
鉄道用語で言う余裕時分というのを置いておけば、余裕ができるから、余り焦らずに、それは安全の
確保につながる、こういうような考え方ができると思うんです。
実は、
航空管制の安全に関する研究会というのが六月十三日、つい最近ですが、
国土交通省内に設置されたということですが、これは短く、答えだけ
局長に御答弁いただきたいんですが、ヨーロッパ方式への発着回数の基準変更をお考えになっているんだと思うんですが、これはいつごろ実施されることでしょうか、結論だけ。
〔
委員長退席、望月
委員長代理着席〕