○伴野
委員 急な質問にもかかわらず、そのときの思いを端的にお答えいただきまして、ありがとうございます。
多分そうなんだと思うんですね。多くの方、特に、こういった
国土計画とか、あるいは学問的に何かかかわっていらっしゃらなければ、私も別に各同僚議員に聞いたわけではないんですが、私も多分、ほとんどそういう
仕事をしていなければ、というか、逆の部門で考えた場合に、そういった
計画があるといったときにも、議員になってから見る
計画が多うございますので、
大臣はそのとおりだと思いますし、それから、今
大臣がおっしゃった多極分散型のお話とか一極集中のお話、なかなか聞きなれないと、何なんだろうという思いの中で、一方で、随分前からそういう言葉というのは使われているけれ
ども、実際、じゃ、どうなっているのかという検証があるのかどうかというようなところに行くんだと思うんです。
私ごとで恐縮なんですが、私は全総に最初出会ったのは二十歳のときでございました。たまたま私は都市
計画を専攻しておりましたので、大学の先生から、夏休み、ちょっとおまえ読んでおけと言われたのが、当時の三全総の素案みたいなものでございました。そういうものを見たときに、私は正直言いまして、ああ、こういう
仕事に将来かかわれたらおもしろいな、すごく
国土の何か大きな夢をビジョンとして提示できる、これはおもしろい
仕事だなとその当時思ったのを今でも思い出します。
ただ、その自分が思っていたイメージと、今回質問に立たせていただくということで、地元の、はっきり言ってそういった
仕事にかかわっていない方に、全総というのは御存じですかと言いましたら、ほとんど御存じなかったですね。それと同時に、こういう内容なんですよと言ったところ、余りいいイメージはお持ちじゃなかった。
これは非常に私、個人的には残念なことで、私は夢とかビジョンとかを提示するものなんですよと言っても、何またこれ、政官業、まあ政官業とは使いませんでしたけれ
ども、もう少し、なかなかここでは言いづらい言葉で、いわゆる変な政治家と変な役人と変な
企業がくっついて、またやらなくてもいい
仕事をやるんじゃないのとか、そんな声が返ってきて、私はちょっと残念だな、そんなイメージで
国土計画というのをとらえられたりすると、これはやはりちょっとつらいななんて思いながらも東京に戻ってきたものでございます。
一言といいますか、今どうしても、何でイメージが悪いのかなということを考えますと、今申し上げたように、政官業癒着の汚職というのが、ある時期に残念ながら出ておりました。二つ目は、やはりむだな投資というのが、いろいろな報道もあるんでしょうけれ
ども、
国民の
皆さん方の中にはそちらの方が、よかった結果よりもむだな投資というお話の方が強うございます。さらには、これはもともと、ひもといてみると、
国土計画のはしりというのは、ナチス・ドイツが道路それから住宅
計画をやったところにこの
国土計画のはしりがあると言う学者もおります。ですから、いろいろなことでイメージが悪くなっているのかなと思うんです。
そこで、改めて
国土計画というものをひもといてみました。多分
大臣も御存じだと思いますが、我が国の
国土計画のはしりは一九四〇年の近衛文麿内閣のときでございます。
国土計画設定要綱というものがあったらしいんですが、これはいわゆる当時の日本の、多少アジアに拡大をしていくというようなときにつくられた形跡があるんですけれ
ども、満州でもつくろうという
計画がありました。
それで、御案内のような戦争の結果になった後、我が国は平和憲法のもと、やはりそういったいわゆる軍国的な発想ではなくて、最初、復興
計画というものの中から
国土計画というのは始まったんだと思うんですね。これは復興
国土計画要綱というので始まりました。そこの第一の目標は、緊急の食料、これを何とかしなけりゃいけない。場合によっては、あえいでいる地域とあえいでいない地域の人口移動まで考えたような
計画だったと記憶しております。最初はやはり経済
計画から始まったんですね。
ここへ来ていろいろな見方をされているわけですけれ
ども、もし経済
計画で始まっているならば、例えば経済
計画の行き着くところ、
計画は手段でございますから、国内総生産を上げていくという目的が最終目的だとするならば、経済
計画的な
国土計画があっても、それが目的を達成しているならば、それはそれでよしとすべきところがあるんだと思うんですね。
さらには、一全総が始まってから、多少そこに、当時の内閣の、言ってみれば総理
大臣の国家意思実現の手段に使われてまいりました。ですから、国家の意思はそこに反映されていくべきだという考えがあったんだと思うんですね。
本来、
計画がそういうものであるならば、その実現に向けて目標を達成していればよしとされなきゃいけないんですが、今申し上げたように、
国民の
皆さん方には非常にイメージが悪くなっているのが、先ほど私の個人的な感想と申し上げましたが、今、残念な
状況になっている昨今でございます。場合によっては、酷評する方は、この十年、
国土計画的なものがなかったというような酷評をされる方もいらっしゃいます。
まず、今回の法案を
審議するに当たり、過去の全総の総括について、いろいろ
大臣に質問させていただきたいと思います。
今私が申し上げた全総に対する
国民のイメージの悪さとあわせ持って、過去の全総に対して
大臣はどういう総括をされておりますか、お聞かせいただきたいと思います。