○佐藤(茂)
委員 公明党の佐藤茂樹でございます。
きょうは一般質疑ということで、大きく二点、
質問をさせていただきたいと思うんですけれ
ども、第一点目は、三月の十五日の夕刻に、東京都足立区の東武伊勢崎線踏切で女性四人が列車にはねられ死傷しました事故で、先週の四月五日、東京地検は、この竹ノ塚駅の踏切保安係を業務上過失致死傷で起訴いたしました。
この問題につきましては、既に三月十六日の内閣
委員会で、我が党の太田
委員が翌日この問題を取り上げましたし、また、当
委員会でも、三月三十日に赤羽
理事が取り上げたわけでございますけれ
ども、私は、その背景にあるものにつきまして、もう少し全国に通じるような施策につきまして
質問をさせていただきたいと思うわけでございます。
もう既に当
委員会でも明らかになりましたように、全国で今、手動式の踏切というのが五十九カ所ありまして、その中で、あかずの踏切というのが六カ所であった。そのうちの
一つが当該踏切だったわけですが、そのあかずの踏切というのが、東武鉄道に三カ所、京成電鉄に二カ所、名古屋鉄道に一カ所の六カ所なんですけれ
ども、問題は、このあかずの踏切
対策を具体的にこれからどうしていくのか。私は、本当にこの事故を奇貨として、相当スピードを上げてやっていかなければいけないんじゃないのかな、そういう気がしているわけです。
この当該踏切は、特に、二〇〇三年度の国交省の
調査でも、ピーク時には一時間に五十九分間遮断機が下がった状態になるという、都内でも有数のあかずの踏切だったわけですね。これは、踏切保安係が名人芸で、電車が通らないという時間を見計らって踏切を上げたとしても五十九分間下がっておるという、ほっておけばもっと、五十九分以上に、何時間も連続して、踏切が自動化されれば下がっておらざるを得ないような、そういう踏切であるということが背景になったわけでございます。
そういう
意味でいうと、今回の直接の原因は、当然、この電車の通過まで時間があると勘違いした保安係の過失にあるといたしましても、こういうシステム上、起こるべくして起こったのが今回の事故ではないのかな、そういうふうに私は思うわけでございまして、一言で言うと、このあかずの踏切が放置されてきたということが今回の事故の背景にあることはもう明らかである、そのように私は思うわけでございます。
要は、
国土交通省または自治体も含めて、このあかずの踏切を、また、こういう危険な、利便性を損ねるようなあかずの踏切を放置しない、そういう決意があるかどうかということが私は一番大事であって、当該踏切も含めて、全国に今五百カ所あると言われておりますけれ
ども、このあかずの踏切を一掃する、そういう決意に立ってぜひ
国土交通省もこれから施策を進めていただきたいな、そのように最初に申し上げて、そういう
観点から、何点か具体的にお伺いをしたいと思うわけでございます。
特に、踏切につきましては、調べてみますと、踏切での事故というのが、六〇年度には五千四百八十二件あったのが年々減ってきまして、七〇年度には三千百八十六件、八〇年度には千二百三十三件、二〇〇〇年度には四百六十八件と激減いたしました。二〇〇三年には四百十七件、六〇年から比べると、もう十三分の一以下に下がっているわけですね。これは、要は立体交差化などの
事業によって踏切の数自体が減ってきたことによって、当然これだけ事故の数も減ってきたわけでございますので、ぜひこのあかずの踏切の解消
対策をやはりスピードアップさせてやっていただきたいな、そのように思うわけでございます。
スピードアップに資する施策として、お伺いしますと、今年度から国交省として、踏切スムーズ総合
事業という名前で、これから十七年、十八年、十九年度までの三
年間で、このあかずの踏切五百カ所のうち、とりあえずは二百カ所を何とか解消いたしましょう、具体的には、抜本
対策といいますか、立体交差
事業などによって四十カ所を解消いたしましょう、あと百六十カ所については速効
対策でやりましょうと。
具体的には、賢い踏切、新型踏切ですね、例えば特急と普通列車でおりる時間を変えるというような、そういう踏切システムの高度化による遮断時間の短縮の
対策。さらには、歩行者・自転車横断道
整備というものが
二つ目。さらに、踏切拡幅などによって、人と車が接触するのをなるべくなくしましょうというような施策。そういう、立体交差
事業ほど大規模じゃないけれ
ども、割と取りかかりやすい
事業も含めて百六十カ所。合わせて二百カ所を何とかやっていきましょう、そういうことでお伺いしているんです。
そこで、私は具体的にさらにお尋ねをしたいんですけれ
ども、こういう今回の踏切スムーズ総合
事業には入っていないんですけれ
ども、よく自治体とか住民の要望が強い駅の橋上化ですね、駅自体を橋の上にきちっと設置していくという。そういう
事業も含めてこの踏切解消などはしっかりやっていくべきではないかな、そういうことを一点思っておりまして、駅自体が橋の上にあることによって渋滞も解消されて、また利用される方の安全性、利便性という
観点からも
意味がありますし、また
都市の拠点がしっかりとできるということからも積極的活用を図っていくべきである、そのように
考えておりますけれ
ども、こういうことに対しての見解を一点伺いたい。
もう
一つは、このスムーズ総合
事業の中にも入っているんですけれ
ども、歩行者・自転車横断道
整備が行われたとしても、今もう既に
都市部でも行われているところはあるんですけれ
ども、スロープであるとか階段によって長い道をつくったとしても、高齢者であるとか障害者の
皆さんというのは、そこを重い自転車を押して上がってまた下がっていくというようなことが手間で、なかなか利用しづらい、そういう声も伺っております。大体平均一億から二億という
事業なんですけれ
ども、それに例えばエレベーターをつけるとしても、一基一億、両方につけて二億ぐらいなんですけれ
ども、そういうエレベーターな
どもしっかりとつけて、バリアフリーを考慮したような工夫というものもしっかりとあわせて
考えていくべきではないかと思いますが、まず
国土交通省の見解を伺いたいと思います。