○大出
委員 当時、この
調査報告が出る前でございましたから、
政府委員の
方々もいろいろおっしゃっていましたけれども、疑わしく言っていたわけですね。ですが、要するに誤報であるということで決着がついたということでございます。
ハットン
委員会の方は、結果的に、イギリスのBBCの
情報操作だということで、誇張したということで、誤報という結論を出してトップ二人がやめる、こういうことになっているわけですね。
それはそうなんですが、もう
一つ、この間のイギリスの選挙の前にダウニングストリート・メモというのが出てきまして、これは要するに、この間のハットン
委員会やバトラー
委員会に至る
情報についての、例えば
情報を捏造したとか、あるいはそういった問題について、
政府の機密文書といいますか、後で公表しますから機密じゃありませんが、暴露されたという話なんですね。
それはどういうことですかと聞くと、またちょっと長くなりますから
説明をしますが、暴露された極秘文書、ダウニングストリート・メモというようなことで、最初にイギリスのサンデータイムズが二〇〇五年の五月一日に書いたということなんです。
中身は、二〇〇二年の七月二十三日、いわゆる
イラク戦争が始まっているのが二〇〇三年の三月二十日ですから、その前の年の七月の段階で、九・一一が起こるその年の七月の段階で、MI6のディアラブという
長官が、要するに、もうそのころからアメリカは
イラクを
攻撃する気だったよ、こういう話をしているわけなんですね。
ですから、アメリカでは、そのことを受けて、重大な暴露
情報だということでブッシュ大統領の弾劾までいくんではないかというような話になっているんですが、イギリス自体は、先ほど言ったようなハットンやバトラーの
調査もやっていますから、当然あったんだろうなと思われているわけです。
そういう話なんですが、そのことについてアメリカでは、ナイトリッダー紙というのが二〇〇五年の五月六日付で一社だけ書いているということなんです。その中で重要なのは、このころブッシュさんは、当然のことながら、
イラク攻撃はしませんよというようなことを国民には言っていたわけですね。
ところが、今言ったMI6の
長官は、ブッシュ大統領の決心が固まっているのが
感じられる、軍事行動はもはや避けられない模様、メモの中で、MI6
長官は
会議中にそう発言していると。ブッシュは
テロリズムと大量破壊兵器を絡ませて軍事行動を正当化させ、サダムを排除したがっているというようなことをナイトリッダー紙が
説明しているわけなんですね。メモにはこう記されているというわけですね。
イラク侵攻の政策に合わせて
情報と事実が仕組まれつつある、訳し方はいろいろあるかもしれませんが。
その中で、もう
一つは、ある合衆国の
政府高官が匿名を条件に語ったところではというのが記事の中にありまして、メモの内容について、
英国情報部
長官がワシントンを訪問した際に発生した事実について正確に記述されているとのことだ、こういうふうになっているわけですね。
それで、その中にもう一人、イギリスの
外務大臣であるジャック・ストローさんの話もありまして、漏えいしたメモによれば、当時の国務
長官コリン・パウエルと親しかったジャック・ストローが、ブッシュは軍事行動を決心していると発言したことを記してあると書いてあるんですね。この時期に、つまり九・一一の前の、その年の七月二十三日の段階でこのことが話されているんですね。
それで、いろいろなことを質問しているんですが、当時から、二〇〇二年の七月五日にニューヨーク・タイムズが、アメリカは
イラク攻撃の計画を持っているというのをすっぱ抜いているんですね。このメモの話は七月二十三日なんですよ、イギリスで。ということは、現に
イラク攻撃が行われたわけですから、当然そのころから
イラク攻撃というシナリオができ上がっていたということなわけなんですね。だから問題になるわけですよ。
まずは、ブレアさんが公表したわけですから、このメモは事実であるということをお認めになりますよね。