○中根
委員 民主党の中根康浩でございます。
三十分の時間をいただきましたので、
時短法の
改正を中心に質問を展開してまいりたいと思います。
この
時短法の
改正なんですけれ
ども、大きな日本の
労働政策の大転換というふうに見ることができると思います。その柱は、まずこの法律名からしても、
労働時間の短縮というものを法律名からすぱんとそぎ落としていく、そして閣議決定で千八百時間という目標であったものを、この千八百という数字もなくしていく、そして閣議決定を
大臣定めという位置づけにして、
労働時間等設定改善
指針というものをつくっていく、そしてまた、そのほかにいろいろある中で、指定法人の
労働時間短縮支援センターというものを廃止していく、こういった大きな柱を持つ
時短法の
改正ということであります。
まず、その中で、
労働時間の問題についてなんですけれ
ども、
労働政策審議会建議、
平成十六年十二月十七日に、今後の
労働時間
対策のあり方についてということで取りまとめられたものの中に、皆様方のお手元に配付をさせていただきました資料の一なんですけれ
ども、年間総実
労働時間千八百時間というものが時宜に合わなくなっていると。そして、この文章の中には、今後、
労働時間が成果に直結しない働き方が一層広がるという展望に立てば数値的な目標は不要であるという意見があったというように記載をされているわけでございます。
こういったことに基づいてこの
時短法の
改正が提案をされているんだろうと思いますけれ
ども、先ほど申し上げましたように、我が国の
労働政策の大転換ということの中で、この千八百時間というものがなくなっていくということ、あるいは時短センターが廃止をされていくということや、
大臣指針がこれから定められていくというようなこと。千八百時間というものが、午前中の
質疑から出ているんですけれ
ども、働き過ぎ、ゆとりがない、そういったものを解決していくために設けられた大きな目標なんですが、これは朝からの
質疑の中で、必ずしも解消されたとは言えない、
労働時間等は二極分化して、むしろ問題は大変複雑化しているというようにもとれるわけでございます。
そして、そういった中で提案をされて、今
政府の中で検討されているのが、実は既に我が党の大島議員が二〇〇三年の六月に取り上げさせていただいて、かねてから問題視をしているところのホワイトカラーエグゼンプションという、日本経団連が提唱している働き方というものでございます。これにつきましては、簡単に言えば、
労働時間規制の適用除外の拡大を目指すというものであって、そして具体的には、将来、
平成十九年度あたりを目途として、
労働基準法を
改正してホワイトカラーエグゼンプションの導入を図る、そのことはある
意味、事実上の賃下げ、残業代カット、青天井でどこまでも働かせる、不払い残業合法化、こういうふうにも言える内容であるわけでございます。
まず、ホワイトカラーエグゼンプションについて、日本経団連がどういう形で提唱しているかということを記したのが、資料の二番目、「二〇〇五年度日本経団連規制改革要望」、内閣に対して提出したものであるわけでございます。
一枚めくっていただくと、三というところに、十八番「ホワイトカラーエグゼンプション
制度の早期導入」ということで、ごらんのとおり太字で記されているわけなんですね。太字で記されているものは、今年度の要望の重点要望項目ということで位置づけられているものでございます。その中に、同じような関連することで、二十一番の「
管理監督者に対する割増賃金支払
義務の見直し」、二十二番「
労働時間に関する規定の適用除外者の範囲拡大」、二十三番「企画業務型裁量
労働制に関する
対象業務の拡大および
手続きの簡素化」、こういったものが日本経団連から提唱をされているわけでございます。
四番の資料もごらんをいただきますと、日本経団連が提唱しているホワイトカラーエグゼンプションというのは、真ん中あたりを少し読んでみますと、業務と賃金の二要件を設定すると。ホワイトカラーについて、一定の要件のもと
労働時間規制の適用を除外するホワイトカラーエグゼンプション
制度の新設を提案する、具体的には、業務型裁量
労働制の
対象業務については、賃金要件にかかわらずホワイトカラーエグゼンプションの
対象とする、それ以外の裁量的業務については、
対象業務を
法令で定める、もしくは労使自治によって拡大できるものとして、その場合に一定の賃金要件を課して、
労働者の保護云々というようなことが書いてあるわけでございます。
新聞記事もいろいろあります。日経テレコンから引っ張ったものなんですけれ
ども、五番の資料、日本経団連は六月の二十二日、ホワイトカラー(事務職)の
労働時間規制解除に関する意見書を発表したと。下の方に、経団連の意見では、従来の十九職種は
管理職と同様、無条件で
対象外とする、そして、年収要件を設けて、年収七百万円以上の高収入層を主体とする、年収四百万円以下の低収入層には規制を残す、こういったことが提唱されているわけでございます。
六番の資料も続けて御紹介申し上げますと、
労働基準法の将来の
改正を目指して、二五%の割り増し賃金についても、これを廃止といいますか、そういったことを目標としていくというようなことがここに書かれているわけでございます。
七番の資料、
平成十七年三月二十五日に閣議決定をしたものでありますけれ
ども、規制改革・
民間開放推進三カ年計画というものの中にも、八番の資料の「新しい
労働者像に応じた
制度改革」ということの中に、「事項名」「
労働時間規制の適用除外の拡大等(
厚生労働省)」、「
措置内容」「二〇〇四年八月に
改正規則が施行された米国のホワイトカラーエグゼンプション
制度を参考」にして云々、そして続いて、「
労働時間規制の適用を除外することを検討する。」と。
この
実施予定時期としては、
平成十六年度に海外事例の
調査をして、
平成十七年度に検討するというふうに記載をされておりますので、今年度検討がなされているということであろうと思いますけれ
ども、今、このホワイトカラーエグゼンプションという日本経団連から提唱されている働き方について、
厚生労働省内で、どんな
対象業務あるいは賃金要件等、検討がなされているか、御明示をいただければと思います。