○園田(康)
委員 民主党の園田康博でございます。
引き続きまして、この
集中審議であります
アスベスト問題につきまして取り上げさせていただきたいと
思います。
それで、きょうは
厚生労働委員会ということでございますけれ
ども、先ほどから御
答弁をいただいております
環境省の皆さん、それから国土交通省、文部科学省ということで、各省庁にわたりましてお越しをいただいておりますので、それだけ、先ほどから
お話がありますように、関係省庁がきちっと連携をとってこの問題に
対応していくということでは、やはり各省庁の皆さん方が主体的になって頑張っていただきたいというふうに思っておるところでございます。
そこで、先ほどから少しいろいろお伺いをしておりまして、各省庁、いろいろな面からこの問題に対して対処をしていただいているわけでありますけれ
ども、いわば
厚生労働省におかれましては労働安全
衛生法における
労災認定という形、それから、
環境省においては大気汚染防止法等々のさまざまな公害という観点からでございます。さまざまの各省庁の所管というのは私も一応
一定の理解をさせていただいておりますし、それ以上のことを求めるつもりはないわけでありますけれ
ども、しかしながら、今回のこの問題の広がり方を見ますと、やはりもう少し柔軟な
対応といいますか、広範な
対応が必要になってくるのではないのかな。
先ほど副
大臣もくしくもおっしゃったわけでありますけれ
ども、所管の範囲内でということでありました。確かにそれは当然のことだろうと思うんです。したがって、であるならば、私は、実はきょう
環境省の方に来ていただいているわけでありますけれ
ども、この問題の本当の主たるといいますか、中心となって取り組んでいかなければいけない省庁といいますと、本当だったら
環境省ではないのかなと。
環境省そのものの性格からしますと、一つのものに対してではなくて、いろいろな省庁のいわば横断的なこの
日本の国土における公害やあらゆる面での
環境行政をつかさどっていくということであるならば、やはり私は、
環境省さんにもっと中心的な役割を示していただけないのかな。
なおかつ、それをもって、例えば
厚生労働省さんにはこの分野をきちっと、人に対する補償をきちっとやっていただきたいですよ、あるいは学校教育に関して、学校のところに関しましては、文部科学省さん、ちゃんとやってくださいね、あるいは民間の建物に関して、あるいは公共物に関しましては、国土交通省さん、あなたがちゃんとやってくださいねというような形で、
環境省がイニシアチブをとってやっていただけないのかなという
思いがしてならないわけであります。
したがって、この関係省庁の
会議の中で、本来ならば内閣の官房がしっかりとこの
部分をハンドリングをして行っていくんだろうなと思うんですけれ
ども、残念ながら、ここの
会議においては事務局という形で入っておられるということでありました。したがって、これからのこの
会議の体制の見直しと、どこが主管となってやっていくのかということをもう一度この
議論の中を通じて整理していただきたいなというふうに
考えているところであります。
それからもう一つは、このたびのさまざまな省庁の姿勢を見させていただきますと、ちょっと耳の痛い話かもしれませんけれ
ども、旧厚生省の
対応において、皆さんも御承知のとおりだと思うんですが、実は私が生まれる前の話でありました、熊本あるいは鹿児島においてのチッソの水俣病の問題でありました。
このときには、
昭和三十一年に、既に熊本大学の研究班、ここにおいて、本
疾病は伝染病疾患ではなく、一種の中毒症であり、その
原因は水俣湾産の魚介類の摂取によるものであるという報告がまずなされていたわけなんですね。三十一年でございます。
それにおくれること一年たった次に、
厚生労働省としては、熊本県の照会に対して、水俣湾内の
特定地域の魚介類のすべてが有毒化しているという明らかな根拠が認められないので、水俣湾内の
特定地域において捕獲された魚介類のすべてに対し食品
衛生法四条二号を適用することはできないものと
考えるというような、まだこの時点において当時の厚生省としては把握をしていなかったようであります。
その後おくれること二年、
昭和三十四年の十一月十二日に、時の厚生省の食品
衛生調査会水俣食中毒特別部会という中で、水俣病の
原因究明の結果についての答申ということで、水俣病は水俣湾及びその周辺に生息する魚介類を大量に摂取することによって起きる、主として中枢神経系統の障害される中毒性疾患であり、その主因をなすものはある種の有機水銀化合物であるという形でしっかりと答申がなされたわけであります。
しかしながらでございますが、明くる日、
昭和三十四年の十一月十三日、閣議において、時の厚生
大臣でありました渡辺厚生
大臣からその報告を閣議でされたわけであります。それに対しまして、時の通産
大臣でありました池田勇人さんでありますけれ
ども、翌年の総理
大臣でございますが、水俣病の
原因が
企業の公害であると断定するのは早計であるという異例の
発言をされていたわけでございます。そこで、そのチッソに対する、水俣病に対する
対策がしばらくの間とまってしまっておりまして、最終的に公害病として認定されたのは、おくれること九年、そこから数えてですよ、九年の
昭和四十三年の九月の二十六日でありました。
そして、この一連の流れを見ますと、何か今回の
アスベストに
対応するものと、僕はどちらかというと、リンクさせてはいけないのかもしれませんし、リンクしてほしくないですし、この問題に関しましては、もう二度とこういうような国の
対策としておくれをとったということなく、先ほどの
委員からの
指摘もありましたように、早急かつ緊急に、そして広範に重要課題として取り組んでいただきたいということをまず最初に申し上げておきたいというふうに思っております。
それでは、大体、午前中から今までの
議論がなされておりましたので、少しポイントを絞って、事前にお伝えをさせていただいている質問に基づいて御質問させていただきたいと思うわけであります。
まず、中
皮腫による
死亡者数の総数としまして、
平成七年、一九九五年からの統計によりますと、六千六十人の方が
死亡者数の総数として出ているわけであります。さらに
アスベストが
原因による
肺がんの
死亡者数というものを把握されているのかどうかということも含めて、
厚生労働省が今回のさまざまな各社の自主発表を受けて
死亡者数を実態としてどこまで把握されているのかと同時に、どういう
原因に基づいてそれが死亡
原因となっているのかということをあわせてお答えいただければと
思います。