○五島
委員 私は、もしそのような立場を国としておとりになるとするならば、私が財団の責任者なら、直ちに裁判を起こします。契約を一方的に廃棄されて、そして従業員に対して必要な退職金も払えないという状況に追い込まれたとするならば、そのような一方的な契約通告に対して私は裁判を起こしますね。なぜ、そういう乱暴な答弁しか用意できないような形でこの話を進めようとしているのか、そのことが私には理解できません。この点も含めて、もう一度後ほど
大臣に一括してお答えいただきたいと思います。
続きまして、今お話ございましたけれども、厚生年金病院の問題です。
お互いにごまかしの話はやめましょう。厚生年金病院が地域
医療の拠点、あるいは政策
医療を担っている、一体どこがどこでどういうのを担っているのか、一つずつ点検するならば非常に問題が出てきます。
しかし、かといって、この七つというか、三つは社会保険の方に、委託先が違うわけですが、当の厚生年金病院、これをばら売りして何ができるか。
医療機関として
存続させるのなら、
医療機関というのはそれなりの公共性を持っているのは事実です。しかし、ばら売りすることによって一体どこがどう変わるのか。これだけの病院を売るとしたら、だれが考えても、資産をまともに計算したら一つの病院が何十億、恐らく四十億から百億ぐらいの間の価格がつくでしょう。そんなもので買うところはどこもない。結局、グリーンピアのときではないけれども、どこかにたたき売りしてまとめて売るしかない。
厚生年金病院の中において、東京の厚生年金、大阪の厚生年金、あるいは湯布院や登別、それぞれ魅力のある病院です。そのほかの病院についていうと、ちょっと首をかしげるところがたくさんある。しかし、それを一体どういう機能の病院にしていくかという努力をこれまでしてこられなかったんですよね、皆さんが。
例えば独法国立病院機構をつくったときに、私は、厚生年金病院と国立病院と一緒の独法にしたらどうですか、その中で整理統合したらどうですか、その方がはるかに機能としていいでしょう、
医療ネットワークを組むについてもいいでしょうと申し上げましたが、そうはされませんでした。
今また、厚生年金三病院を入れて、五十二の社会保険庁関係の病院があります。これもいずれ何らかの形でどうするかという結論を出さないといけない。そうだとすると、社会保険病院や厚生年金病院をまとめて一つの病院としてのネットワークを組んでいくのか、それとも、もういっそのこと独法国立病院にこうした病院を全部売る。現在独法の国立病院が百四十あります。約二百の病院にして、その中で統合していって拠点病院にふさわしい病院に変えていく、そういうやり方でもって、本当の意味での政策
医療と地域拠点ができるようなやり方もあるわけです。国に売った方が、うまくいけば簿価で売れますよ。民間にたたき売るよりよっぽどいい。なぜそういう知恵を絞られないのか。
厚生年金病院の中で一番経営状況が悪いのは、私の地元である高知リハビリテーション病院です。私には、あれが単独で経営が成り立つというのは到底考えられない。私自身が
医療経営者としても、あの病院を買って単独で経営を成り立たそうなんて無理だと思います。人件費率も、大変な努力をされて、さんざんもめにもめた上でもまだ六十数%、湯布院も同じですが。そういうふうな病院が単独で成り立つはずがないんです。
しかし、例えば高知には、同じ二次
医療圏の中に高知国立病院があります。高知国立病院と統合して、何も建物は動かさなくてもいいんです、高知国立病院の分院としてこのリハビリテーション病院を位置づける。高知国立病院は四百床強の病院の中で約百五十床ぐらいの重心を持っている。そのために、一般ベッドの稼働が非常に少なくて困って、十分な機能が発揮できない。重心や回復リハはこのリハビリテーション病院に統合する。そして、このリハビリテーション病院が持っている一般病床を国立病院へ持っていって本院と分院の関係でやっていけば、まさに国立病院が拠点病院として機能できる。
そういうところは各地にいっぱいあります。いなくなったけれども、大分でもそうでしょう。別府の国立病院と湯布院と、きちっとした一つの機構の中で提携してやっていけば、あそこの病院の機能あるいは医師の質、そういうものからいえば、間違いなく非常に高度な
医療ができるようになる。これをばら売りしてごらんなさい、そのよさが全部なくなるんです。
厚生労働省も、一方においては
医療はネットワークだと言っている。そして、国立病院機構は地域の拠点病院として高度
医療を担うんだ、総長も一生懸命おっしゃっている。そういうものとこの話が全然どこにもつながってこない。これはおかしいんじゃないですか。たたき売った方が高く売れるんですか。この機能を持つことによって、国立病院機能を強化することによって、国に一たん買い取ってもらって独法の方にそれを回していく、独法の方は四十年か五十年かかけてそれを支払っていくというシステムをとった方が、実際に売却価格も高くなるんでしょう。なぜそういうふうな知恵を絞った緻密なことをしないのですか。私は、そういうことは当然考えるべきだというふうに思っています。
ついでに、時間もありませんからもう一つ言っておきます。
恐らく、近々、労安衛法も議論しなければいけない。労安衛法の中には、大きな問題として地域のそれぞれの産業保健センターの問題が出てくる。まして今の時期、メンタルヘルスや何かでいろいろな労働者の駆け込み寺として、そして大企業も派遣やいろいろ分かれてきて、中小企業と称する事業所がふえてきている中において、そういう人たちが
健康診断や
健康相談ができる、そういう役割が期待されて産保センターができた。
だけれども、できている産保センターを見てください。そのほとんどが、九割までが医師会館の中にあります。きょうお見えの皆さん方の中で、医師会館、医師会の中にある診療所に行こうと思う人は何人おられますかね。一番駆け込みにくいところにつくっているんですよ。
そうであれば、なぜそういうふうな機能、あるいは
介護保険にしてもあるいは今審議中の自立支援法にしても、いろいろな形で地域の支援センターや虐待の相談、そういうふうな便利なところに、地域に開かれたそういうふうな施設が必要になってきている。それは国がやるものもあるし市町村がやるのもあるけれども、その場所がまとまっておれば物すごく国民にとって便利だ。そうなら、こういう施設、国によって市町村に貸すなり、ワンフロアは、産保センターの金は労災保険から出ているんだろうと思いますが、そちら側から出してもらうなりして運用することができるじゃないですか。まず国が必要とする施設についてはやっていく。
私は、北海道の皆さんがおっしゃったり京都の人がおっしゃっていることについてはあえて言いません。高知にもありますが、それを残してくれというふうなことは言わない。言わないけれども、なぜ何もかも、みそもくそも一緒にして袋詰めにして、福袋ではあるまいし、たたき売らないといけないのか。そうすることによって、せっかくの年金を運営してきたものを結局チャラにするじゃないか。国に売れるものは国へ売る、国が買う以上は簿価で買いなさい、そのかわりそれは何年かかけて回収していけばいいじゃないですか、そういうことをやっていくのがやはり
大臣の役割ではないかというふうに思います。
この辺で、
大臣、どうお考えか、ひとつ御意見をちょうだいしたいと思います。