○阿部
委員 担当者にしてその程度では、これは
審議するに足らずですよ。いいかげん、本当にいいかげん。そして、患者さん
たち、そこには命がかかわっているんです。申しわけないけれ
ども、今の
塩田さんの
答弁では
答弁にならず、値することなしです。
この次きっちりと、何回、どんな論議が出て、そして論議がどこまで深まったか。さっき御紹介しましたように、県は県で不安を上げてきているわけです。患者さんも、
負担は増える、
範囲は狭まる、
自分のあすはどうなっちゃうんだろうと、本当に切実です。そして、しかしそのことを受けとめるはずの
塩田さんが、何回か覚えていない、どこだったか覚えていない、あったかもしれない、なかったかもしれないという論議では、本当にこの落差は埋めがたいのです。
私が確かに見たのは二十一回の、それも恐らく三十分くらいの論議でしょう。ほかにあれば教えてください。私のところに持ってきてくださいと、きのう私は
厚生労働省に頼んだんですから。ほんのちょっとの資料が来ました。
しかしまた、私はきょうこの場で、厚生省の資料のずさんさについて、本当にこんなことで論議ができるのかということを
お話し申し上げさせていただきたい、きょうの私のメーンテーマとしたいと思っております。
実は、
皆さんのお手元に配らせていただいているのは「
通院医療・更生医療・育成医療の件数の推移」、これは、
通院医療というのは
精神医療、それから更生医療は腎不全とかその他いろいろお体のお悪い身体
障害の方の医療、そして育成医療は十八歳までの子供
たちの医療です。ここの図は、実は私が厚生省に
お願いして後からつくっていただいたものでありますので、
皆さんが
審議会の中でお使いになった資料とはどんなものであり、何をおっしゃられたかということを、まず、
皆さんの資料の中の一番最後のページをお開きいただきたいと
思います。
皆さんがこの二十一回の
審議会に際して御
利用になった、そして主な
説明のもとになったのは「
公費負担医療に係る総
医療費、公費の推計」、これは、このままでいくと
公費負担医療はどんどんウナギ登りになって公費の
負担も大変だよということを印象づけるためにつくられた資料です。八年間で一・八倍という数値が述べられています。
これは確かにうそではありません。でも、物事を
審議するにはうそがございます。この図は、実は、
精神医療も更生医療も育成医療も全部ここにぶち込んで、そして費用が増大するということのみを強調したいがためにおつくりでございます。
一枚さかのぼっていただきますと、十というナンバリングのある資料がございます。ここには、
精神医療が平成十六年度から十七年度に五百四十七億、更生医療と育成医療が百十一億から、今度少し
自己負担を取りますので、それで減って百八億という、
改正効果と言われるものが、
自己負担をしていただければこんなに安くなりますよという図です。この二つを合わせると、
公費負担医療の政策は費用が増大するから患者
負担を取りましょうという
結論を誘導するための二つしか資料がない、これは
お話でございます。
そこで、私が
お願いいたしましたのは、さかのぼって一枚目。では、一体
医療費を押し上げている本当の原因は何であり、
精神医療、更生医療、育成医療、おのおのに見た場合にどういう
解決策が来るのか。もし
皆さんの懸念の点が費用が増大しているよという点であれば、実は
解決は幾つもありますが、少なくとも二つあると
思います。
なぜその疾患がふえて、その疾患が重症化して、かかるお金がふえていくのか。
尾辻大臣は、介護のときには予防介護、予防介護とおっしゃって、重症化を防ごうよとおっしゃったわけです。こういうときだって本当に、医療ですから、同じ、もっとそういう発想がきいてしかるべきです。
ここの一段目、
通院医療は確かに平成六年度から十五年度までを比べますと約二倍半にふえてございます。これも、もしかして入院よりは通院がふえればそれはいいことでございますし、単に数だけではこれは比較できません。
精神医療には
精神医療をどうやってよくするかという本来の
考え方と処方せんがございます。二番目の更生医療も確かにふえてございます。これが実は一番ふえている
部分で、金額では一番でございませんが、数では一番です。この更生医療を押し上げているものは、今腎透析の患者さんがふえて、これの多くの原因が糖尿病でございます。もともとの、なぜその
疾病がふえてきてそういう状態にならざるを得ないかというところに手だてして後、初めて患者さんの
負担の問題や立ち行かなくなる医療の問題が論じられてしかるべきと
思います。
でも、私はきょうの時間でこの二つを深く立ち入ることができませんので、最後の、とんでもない育成医療問題をやらせていただきます。
育成医療は、
皆さんのお手元の二枚目には、育成医療においては、何と親御さんの
負担増をすることによって総枠のかかる費用も二十八から二十二億円と減っておる。これは、ほかの
精神とか更生は、患者
負担をさせてもなおやはり少しずつ増大する。ところが、育成医療の場合は、かなりの
部分を患者
負担に持っていき、総額も抑制されています。果たして我が国は子供の育成をしなくていいのかと、私は真剣にこのことは怒り、
大臣に本日ぜひ検討していただきたいことのテーマでございます。
大臣は、内閣の開催されます少子化問題の
会議に出ておられると
思います。そこでは、果たして子供
たちの健全育成ということにおいて、厚生をつかさどる長としてどんな御発言をしておられるのか。これは、
大臣が内閣府の中でどんな発言をしてくださるかによって、子供がどのように産み育てられ、守られ、生きていけるかが決まってまいりますので、
大臣が、内閣府の少子化
対策会議でどんな御発言で、こういう子供
たちの育成のための医療あるいは小児慢性特定疾患のための必要な経費をどのように
皆さんにお伝えであるか、
お願いいたします。