○小林(千)
委員 報告書が出てこないので、私は自分で実際にモデル
事業をやっているところを見に行きました。
ちょうどこのモデル
事業、筋トレをやっている五十一の
市町村の中の
一つ、北海道江別市というところが私の地元なんですよ。ちょうどよかったんですよね。それで、実際にやっているところ、三月三十日、この
事業が終了をした日に見に行きまして、担当課長に
お話を聞いてまいりましたし、そのトレーニングをやっている現場も見せていただきました。
大臣、モデル
事業の経過につきまして、この効果につきましてはお知りになりたいと思うでしょうから、ちょっと私が、
一つの市だけです、だって、そちらから出てこないんですから、自分の知っていることだけしか言うことできませんので、ここで御報告をしたいと思います。モデル
事業、どういうふうにやっているか、どんな結果が出ているか。
その江別市というところは、人口が十二万人です。要
介護一そして要
支援の
方々は、二つ合わせて大体千五百人ぐらい市内でいるというふうにおっしゃっておりました。そういった市を
イメージしてください。そこが、七月の一日から、三期に分けてこの三月の三十一日までモデル
事業を実施いたしました。七月、八月、九月の第一期グループ、それから、十月、十一、十二の第二期グループ、一、二、三の三期グループ。
第一期、これは募集をしたんですけれ
ども、大体十五人定員ということで募集をしました。募集の方法は市の広報でした。市の広報誌に出しまして、こういった対象者の方は来てくださいというふうに募集をしたところ、広報誌で集まったのは十人しかいなかった。どれだけ自主性を引き出せるかというのも問題だと思いますね。これじゃ足りないからということなので、
在宅介護支援センターですとか、ケアマネさんですとか、デイ
サービス、そういうところを通じて、どうだい、受けてみないかいというところで、何とか第一期目十七人そろえた。第二期目も同じような状態でした。十九名でやっております。そして、第三期。第三期になると、なかなかそれだけじゃ集まり切れない。集まり切れなくて、二十一名受講したんですけれ
ども、とうとう人が集まらなかったので、二十一名中十名は一期、二期を受けた人がまた来たというような内容になっている。
実際に千五百人もいる対象者の中で、十何人、合計三十何人、四十人ぐらいしか、みずから行こうというふうに意思を持っている人はいない。(発言する者あり)そうなんですよ。それが現実。
それで、年齢も聞いてみました。そしたら、最低、一番お若い方で六十二歳。この方は、六十二で六十五より下なんですけれ
ども、要
支援に入っている方だそうです。六十二歳から、最高齢は八十五歳でした。男性が二十八名の、女性が二十九名の
利用者です。
それから、要
介護認定なんですけれ
ども、この十七と十九と二十一、これを全部足した三期の合計の数なんですが、要
支援者が二十一名、要
介護一が六名、要
介護二が二名、非認定者、つまり要
支援になっていない方が二十八名なんですよ。今回の対象は、要
支援と要
介護一ですよね。それじゃ半分にも満たなかった。半分にも満たないから、市の方でも健常者も入れて、健康な方も入れてやったということなんですよ。それで何とか
事業をやっているんです。こういう現実になっていますので、報告書が来たときに注意をなさってください。そういった内容になっております。
実際に、ここは、週二回、一回二時間、これを三カ月コースでやったという内容でした。市がやるのではなくて、民間に
委託をいたしました。幸いなことに、近くの、同じ市内にこういった老健施設が、以前から通所リハに力を入れているところがありまして、そこが全面的に協力をしてくださったそうです。そこを市の
事業として、対象として利用させてもらったということですね。
それで、これにかかった費用です。初年度、六百万かかりました。ここも器械買っているんです、例のドイツ製のコンパス。本当に立派な器械でした。普通のジムの器械とは違うんです。
高齢者の
方々、例えば背骨が曲がっているですとか、そういう
方々のために、背もたれの角度が調整できるようになっているですとか、あるいは、普通のジムだと、負荷が、例えば五キロですとか十キロからしかない。でも、もっと軽い負荷からできるように、例えば一キロという設定があるですとか、あるいは、ワイヤを使っておりますけれ
ども、それでは危険なので、ワイヤではなくてゴムのバンドで負荷のおもりの上げ下げをやっている。
そういったドイツ製のコンパスというブランドの器械、これを六台ワンセット、今回のこの
事業で購入をいたしまして、購入資金は、器械だけで税込み八百四十万でした、六台で。国庫が二分の一、北海道が四分の一、市が四分の一出しております。こういうようなお金の使い方をしているんですね。
一番気になるのは、それで一体どれだけ効果があったんだろうかということです。それで、三期はまだ私が行ったときはデータが出ていませんでしたので、一期、二期のデータをもらいました。そうすると、一期、二期、合計三十六人中、握力、改善した十五人、開眼片足立ち、改善したが十五人、前屈、これが改善十五人、ファンクショナルリーチ十六人、これは後で御
説明しますけれ
ども、タイム・アップ・アンド・ゴー、改善十八人、十メートル歩行、改善二十三人、こんな内容になっております。
では、この改善とは一体何なんだ、どういったことが改善なんだというのがありまして、皆さんに資料をお配りしております体力測定データというのを、これは六枚ですか、皆さんのお手元に具体的な数値が行っています。
これは、実際の江別市の第一期、二期を受講した三十六名の方の生データです。私、何もいじくっていません。都合のいい人だけピックアップしたりしておりません。生データですので、これをゆっくりごらんください。本当だったら、これはプロの分析の方が見て、これはどのくらい改善というふうに言えばいいのかもしれませんけれ
ども、私なりに分析をさせていただきまして、例えば、この握力何キロが何キロになったというのはどういうことなのかなというふうに考えました。
そこで、きょうは握力計が登場します。ストップウオッチも登場します。すべて健康センターからお借りをしてまいりました。そこに、例えば、一番最初の一枚目の握力、開始時、これは最初のときですね、何キロ、何キロと三十六人のデータが出ております。その後に、終了時何キロという数字が出ております。これは、具体的に握力何キロといっても想像がなかなか、数字を見てぱっと出てきませんので、私、自分の握力、今はかります。——二十九キロでした。これはきき手でやるそうです。私が二十九キロというのを覚えていてください。だれかやっていただいてもいいんですけれ
ども。
それから、もう
一つやってみたい、すぐできるのだけ体力測定しますので。十メーター歩行と一番最後にありますね、そこで、例えば五・六三秒ですとか、長い人ですと十四秒ですとかかかっていますけれ
ども、十メーターを五秒で歩くってどのぐらいなのかなと、なかなか想像できませんので、実際にはかってみます。
あらかじめ、十メーター、この会場ではかっておきました。ちょうどここから調査室の方が座っていらっしゃるそこまで、はかったらちょうど十メーターだったんですよ。済みません、ちょっと今、私、歩きます。計測していただけますか。スタートと言ってください。——到着。私、今六秒。今、早足でしたよね、ごらんになっていただいたと思います。六秒で歩くということは、計算すると時速六キロです。それを思ってください。私の握力が二十九キロ。私が十メーター今の速度で歩いて六秒です。それを念頭に置いてこの表を見ていただきたいんです。
例えば一番の方、一番上のところ、わかりやすいように一番右にも一と振っています。七十三歳の男性、この方は非認定者です。ですから、今回の対象ではありません。そういう方が受けている。握力、改善六・九%だけれ
ども、終了時二十九キロと私とほとんど一緒です。私も包丁を持てます、ほとんど料理しませんけれ
ども。
一番、続いて、開眼片足立ちというのは、目をあけて手を腰に当てて片足でどれだけ頑張れるかという体力測定です。これが、私も実際にやってみましたら一分半ぐらいです。この七十三歳男性も九十一秒で少し悪くなっている。悪くなったって三秒、八十八秒になったからといって改悪とは言えないですよね。こういう方。
それから、体前屈というのは、立ったまま前屈をするのではなくて、壁に背をつけてぺたっと座った状態で手を伸ばして何センチ前に行けるかという前屈だそうです。つまり柔軟性をはかるものなんですけれ
ども、この人は変わらなかったんですね。体がかたいおじいちゃん。
それから、ファンクショナルリーチと次にありますけれ
ども、これは垂直に手を伸ばした状態から何センチ前に頑張れるかなんです。これも私、実際にやったら三十五センチか四十センチぐらいです。七十三歳の男性とほぼ一緒。
それから、次のタイム・アップ・アンド・ゴーは、座った状態で三メーター前にある目標物、コーンでもポールでも何でもいいんですけれ
ども、これを行ってぐるっと回ってきてまた座るという体力測定。私もやってみましたけれ
ども、やはり六秒ぐらいかかります。
この一番の男性は五秒ですよ、十メーター、私が六秒かかっていたところを。これは、十メーターなるべく速歩き、走ったらいけないという規定があるんですけれ
ども。これを考えたら、この一番の男性は、ちょっと体がかたいけれ
ども、スーパーおじいちゃんになるわけなんです。
ほかにも、では、そういうところばかり上げてというのも。でも、九番の方を見ていただくと、六十九歳女性なんですけれ
ども、九番を見てください、一番右。改善率、握力変わらない。片足立ちはかえって悪くなった。それから、前屈は変わらない。ファンクショナルリーチは少しよくなった。それから、タイム・アップ・アンド・ゴー、これは一周回ってくるもの、悪くなった。歩くのも悪くなった、六秒だから私と一緒ですけれ
ども。こういうデータ。
十五番の八十五歳の男性、要
介護一、この方は、ずっと見てみればいいんですけれ
ども、よくなっているんですよね。握力九・八%。片足立ちも八三・三%改善、六秒が十一秒になった。それから、前屈も二センチ前に行った。それから、ファンクショナルリーチも三センチ改善。タイム・アップ・アンド・ゴーも二秒改善。十メーター歩行も二秒改善。
確かにそれは個人差はあるでしょう、当然。三カ月間プログラムを受けて、よくなったかもしれない、変わらないかもしれない、悪くなったかもしれない。ただ、改善率だけ見て、二十何%改善でごまかされないでほしいと思うのは、私がここからそこまで行くのに六秒だったのが五秒になったから二〇%改善なんですか。それは数字の上では改善ですよ。でも、こういうことをやって十メーター歩けたから、それが速く歩けるようになったからといって、市営住宅の四階や五階に住んでいる人が、階段を上りおりして、五百メーター先のスーパーに行って帰ってくることができるのかということなんですよ。
十メーター速く歩くのと、これで自分の生活の能力がどれだけ改善したかということがどんな因果
関係があるでしょうか。そういった効果検証をしてほしいんですよ、これだけのデータを五十一の自治体でやって分析をするというんでしたら。私がデータを分析して出してくれ、出してくれと言うのはそういった
意味なんです。
具体的な数値を見ていただくと、この理由がよくわかっていただけると思います。十四日までにデータをいただくという先ほど回答をいただきました。ですので、局長、この江別のデータの改善の中には二十八名、非該当者も含まれていますから、そういうのが入っていたらだめですよ。例のアメリカの健常者が太極拳をやって効果がありましたというのと同じになってしまいますから、そういうのはちゃんと抜いて対象者だけピックアップして、それで、どういった効果があるのか、ちゃんとこの一人一人のデータを分析した結果を出してください。
大臣、私、ここまで一人で随分しゃべりましたけれ
ども、この具体的な数字を見てどのようにお考えになったでしょうか。