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中根委員 それで、改めて、この筋トレを提唱している都老研、恐らく今後、かなり有力な方式として、
厚生労働省も選択肢の
一つとして入れていくであろう都老研方式について言及していきたいと思います。
この東京都老人総合
研究所の中に、
介護予防緊急対策室というものが設けられた。そして、そこの室長が大渕修一
先生という北里大学の講師などを御経歴された方である。この大渕修一
先生というのは、やはりここでも
一つ特許を持っておられまして、
転倒予防訓練に使うウオーキングマシンのようなものを、日立製作所と共同出願人として特許を取得しておられる、こういった方です。
この大渕
先生が、まさか自分のこの
トレーニングマシンを全国に
普及して特許料とか何かで稼ごうとしてやっておられるというふうには言いませんけれども、大渕
先生が提唱しておられる
トレーニングのやり方が、コンプリヘンシブ・ジェリアトリック・
トレーニング、CGTというものを大渕
先生は開発されておられる。
それで、大渕
先生は、セラバンドとか太極拳とか体操よりも、マシンがいいんだと。なぜかといえば、マシンは座って、しかもおもりや何かを自由に調節できる、姿勢を崩さないで、一定の固定した姿勢で、低負荷から始めて自分の思うような重さでできるから、マシンがいいんだというふうにおっしゃっているんですね。だから、ダンベルとかセラバンドとか太極拳とか体操とか、そういったものじゃなくて、やはり筋トレマシンを導入したい人なんですよ。
それで、この人は、決して
厚生労働省と無縁では当然ないわけで、皆さんもよく知っておられて、かなり影響力のある方であろうというふうに思っております。
平成十二年に国の補助事業で、札幌市の外郭団体である財団法人札幌市健康づくり事業団というところが、老人保健健康増進等事業、すなわち
医療的
トレーニングによる
介護予防推進調査
研究事業を、
厚生労働省から千三百六十八万円の補助を受けて行ったわけであります。その事業を行うのに際して大きく協力したのが、北里大学の
医療衛生学部の大渕修一チームということであるわけであります。
事実、この大渕
先生と財団法人札幌市健康づくり事業団の佐竹恵治さんという健康運動指導士の方は、
幾つも
幾つも共著で本をたくさん書いておられて、CGT、包括的
トレーニングというものを
普及しておられるわけですね。そういった
意味で、佐竹さんと大渕さんはじっこんの間柄にあって、そこは
厚生労働省の補助事業で行われていた事業である。
それで、この財団法人札幌市健康づくり事業団は、
平成五年に設立されたわけなんですけれども、
平成四年から
平成八年の間に、我々のところにいつも
介護保険の
改正法案について御
説明に来ていただける老健局の山崎総務課長が、北海道の成人保健課に出向しておられて、そのときに、山崎総務課長は、北海道にある渓仁会という
社会福祉法人においてケアプランの導入のテストのようなことをやっておられるわけなんです。
山崎さんが北海道におられた、それで札幌の健康づくり事業団で
厚生労働省は
研究調査を行った、そのことについては都老研の大渕
先生が全面的にかかわっていたということを見ると、やはり
厚生労働省はこの都老研のCGTという方式を導入しようとしているのではないかというふうに考えても、むしろそれが自然なことであろうというふうに思っております。
それで、この都老研のCGTという方式によれば、先ほども申し上げましたけれども、指導者三人に対して八人の
利用者、
利用者八人に対して三人の指導員がつくべきであるという考え方なんですよ。その三人というのは、医師、保健師それから看護師、こういった
方々の
医療関係者、それから理学療法士、それからもう
一つは、いろいろな名前があるんですけれども、この佐竹恵治さんが持っておられる資格の
一つである健康運動指導士のような運動関係の指導員ということになるわけで、やはりマシンを買う、それからたくさんの人件費が必要になる。この都老研方式、恐らく、パワー
リハビリテーションであっても、あるいは筑波大学の
先生であっても、こういう方式はそんなに大差はないんだろうと思いますけれども、いずれにいたしましても、マシンを買うお金、それから人件費がたくさんかかるということ、この
費用対
効果が果たして今度の
改正法案、
国民に納得してもらえるものかどうか、そのことをきちんと検証すべきだということを申し上げておるわけであります。
マシンを買う、これは各自治体あるいは事業所が買うということになりますけれども、例えば、一体どこでどんなマシンを売っているんですかということを自治体の担当者が考えたときに、わからない、わからないときに
厚生労働省に電話をする、電話をしたら、またあのカワグチ技研のときに起こったように、実はこれこれこういう、別に
厚生労働省としてこれを押しつけるわけじゃありませんけれども、こういう会社がありますよという形で誘導的に特定の業者の方に利益が行くようになってしまうということも、今の段階からそういうおそれがある。あればこそ、そのことを今から防止するそういった心がけでいてもらいたいということを
指摘しておきたいというふうに思います。
なぜそういうことを言うかといえば、都老研のCGTにまるっきり賛同して、それを推進して、そのCGT方式をまさにマシンとして具現化しておるグループがあるわけであります。それが日本
介護予防普及協会というところであります。
この日本
介護予防普及協会というのは、インターリハ株式会社、オージー技研株式会社、それからセノー株式会社、竹井機器工業株式会社、日本メディックス株式会社、ミナト医科学株式会社という、
トレーニングマシンを製造販売しているこの六社で日本
介護予防普及協会というものを設立して、まさにCGTを全国に広めたいというふうに考えておられるわけであります。
ちなみに、このうちのセノー株式会社というところからは、ペアーレとかああいう年金
保険料でつくられた保養
施設あるいは
トレーニング施設、こういったところに、全国で四十七カ所、
トレーニングマシンを納入しております。それから、竹井機器からは
社会保険庁関係に二十一カ所、オージー技研からも一カ所等々、もう既に
厚生労働省と
トレーニングマシンの売買においてかかわりのある会社がCGTという方式を
普及しようとして日本
介護予防普及協会というものをつくっておられるということも
一つ指摘をしておきたいと思います。
それから、資格ビジネスについても申し上げなければいけませんが、もう時間がありませんので
一つだけ取り上げたいと思います。
介護予防指導士という資格を認定しようとしている。要するに、運動員の方を三人の中に盛り込まなきゃいけないという、
厚生労働省からのある
程度そういったものが見えてきた。見えてきたことによって、いろいろな団体とか会社とかそういったものが資格を認定する。その資格を認定する作業において講座を開いて受講料を取ったりあるいは認定料をいただく。あるいは、五年ごとに更新料とか登録料とかそういったものを受け取る。そういう資格ビジネスがまたここではびころうとしている、その兆候があるということを申し上げたいというふうに思うわけであります。
その中で、
介護予防指導士というものを認定しようとしているNPO法人があるというふうに聞きました。これは高田馬場にあるものですから、私はそこに行きました。行きましたんですけれども、確かに看板はかかっていました。それで、NPOというふうに書いてあったものですから、果たして本当にNPOの認証を受けているかどうか、東京都のホームページとか、あるいは法務局へ行って登記簿をとってみましたけれども、この
介護予防指導士というものを認定しようとしているNPO法人とみずから称している日本
介護予防協会というところは、少なくとも三月三十一日までの間にはNPO法人を取得しておらないんです。
おらないにもかかわらず、こういう立派なパンフレットをつくって、みずからNPO法人だと称して、そして、もう既にこの間の四月一日から
介護予防指導士の資格を与える講座を始めて、受講料が四万三千円ということであるようです。これが一回だけではなくて何回ももう既に設定をされていて、この担当の方は、おかげさまで満員盛況ですというふうに喜んでおられたわけなんです。
まずここで問題なのは、NPOを取っていないにもかかわらず、NPO法人だといって、
介護予防指導士という
厚生労働省の認めた資格でもない単なる任意団体の資格、こういったものを発行して
国民を惑わす、こういう詐欺商法のようなことが既に始まっているということをきちんと
厚生労働省は自覚していただいて行政に取り組んでいただきたいということなんです。
この
部分だけちょっと、この資格ビジネスが横行しようとしているということについて、御見解を伺いたいと思います。