○小林(千)
委員 実際に法が施行されるとする四月一日、そこから都道府県も運営に、これが通れば参加するということになるんですけれ
ども、もちろん市町村
国保というのは、市町村ごとで哲学を持って
国保というものを各
自治体で運営しているわけなんですね。
老人医療費をどうしようですとか、あるいは乳児医療費をどうしようですとか、あるいは障害者に対して、あるいは母子家庭、父子家庭といったところに対してどのようなケアをしようというような哲学を持って実際にやっているわけでございまして、そこで、都道府県が条例をつくる、その配分方法を、都道府県ももちろんそれぞれの哲学を持って各
自治体にそれを配分しようということになるんでしょうから、ぜひともこれは、ガイドラインに縛られることはないと思うんですけれ
ども、やはりお早目に示していただかないと、実際に四月一日からどうなるんだろうかということは、これは市町村もあるいは都道府県も大きな関心事だと思いますので、ぜひこのガイドラインにつきましては、早い時期に
方向性を示していただきたいというふうにお願いを申し上げます。
もしガイドラインができても、実際にどういうふうに配分をするかというものは、多分これは、都道府県も頭を悩ます問題になってくると思うんですけれ
ども、各
自治体とも、市町村
国保も運営が大変厳しい、その中で、今まで国から来ていたものをどういうふうに配分するか。何も考えないところはと言っては都道府県に対して大変失礼なんですけれ
ども、今までの七%と四分の三の削減をする
部分を、そのままひょっとしたら行っちゃうんじゃないかなということも想像してしまうんですけれ
ども、では、それが本当に
地方分権なのかということは疑問を抱かざるを得ないわけなんですよ。ですので、本当にこの法案が
分権に資するものなのかということをやはり申し上げておきたいと思います。
具体的に、
国保の今の現状、
中身についてお話をさせていただきたいと思います。
国保というのは本当に、各市町村が運営しておりますけれ
ども、脆弱な財政基盤の上に成っています。ほとんどの市町村
国保は、一般会計から繰り入れをされて、赤字経営を補てんしながら運営をしているのが現在の状況であります。何でこのような状況になったかというと、やはり今の
国保の現状、
中身というものが、制定当時の昭和三十三年、実行された三十六年時代からは、大きく
社会が変化してしまったことにより、加入者も変化をしてきた、
社会の状況も変化をしてきたことがこの原因に挙げられているわけなんですね。
当時の昭和三十六年現在、
日本の産業構造というものは今と全く違っておりました。この
国保というのは、そもそもは第一次産業従事者と、そして自営業者のための
制度だったわけなんですけれ
ども、もちろん今それは大きく変化をしているわけなんです。
当時、第一次産業従事者は、
国保加入者のうちに四四・七%だった。それが現在は、
平成十四年の
数字ですけれ
ども、四・九%になっている。それはもちろん、今の
日本の
社会を見て、一次産業従事者が少なくなっているからだということが言えるでしょう。自営業者も、当時二四・二%から、今は一七・三%までになっている。かわりにふえたのは何かといいますと、無職者が九・四%から現在は五一%、
国保加入者の、被保険者の半分以上は無職者。そして、被用者というのもふえているんですね。被用者は一三・九%だった当時から、二四・一%までふえているというような現在の
国保の加入者の状況になっております。
無職者が何で今半分、五一%を占めているか。これは、今これだけ失業率が高くなってしまっている。今までは社保ですとか組合健保ですとか政管健保に加入をした
人たちが、リストラをされ職を失うことにより
国保に入ってきている。しかし、職がないから収入がないということですね。それだけではない。
高齢化に伴いまして、退職者の方々の割合というものもふえているのが現状です。
被用者がふえている。これについては、ちょっときょうは資料を用意させていただきました。配られているでしょうか。
私、地元北海道なんですけれ
ども、北海道新聞という地元の新聞の二月の二十八日の一面トップを飾ってしまったんですが、「規制緩和で「加入逃れ」」、皆保険
制度というものが崩れ去っているという記事の内容なんですね。ここでトラック業界がどうのこうのというつもりは全くないんですけれ
ども、業者が
社会保険に加入をしていない、あるいは、この不況の御時世で、加入というのが従業員の選択制になっているんだけれ
ども、所得が実際に減るということで加入をしていないという状況がここに載せられているわけなんです。
これは、別にトラック業界だけではないと思いますね。ほかの業界でも同じようなことをして、例えば法の目をくぐって加入逃れ、あるいは未加入というような状況に今陥ってしまっていて、
国民皆年金
制度というものも既に崩れておりますけれ
ども、
国民皆保険
制度というものも今崩れ去っていってしまっている。現在の
国保のこの脆弱な財政基盤というものは、このような現状が原因になっているのではないかと思います。
この
国保という
制度自体が、このような
高齢化の波と産業構造の変化にまともに直撃の影響を受けてしまうという体質を持っているんですけれ
ども、一方で、
国保というものは、
国民年金と同じように、
国民にとっても最後の医療のとりでにもなっているわけなんです。しかしながら、その
国保がこのような不安定な構造を持つ
制度になってしまっている。今回の法改正は、残念ながら、ここにメスを入れるものでも何でもないんですね。
今のこの
国民皆保険
制度、これをどういうふうに維持していって、
国民全体が公平で公正な医療を受けられる体制というものをつくっていかなければいけないか、これは私
たちの大きな
責任だと思っていますし、最後のとりでであるこの
国民保険、
国保というものは、やはりこれは、
国民年金と同じように、しっかりと国が守っていかなければいけない
制度であろうというふうに考えておりますけれ
ども、
大臣、この点について、どのように
国保についてお考えでしょうか。
〔北川
委員長代理退席、
委員長着席〕