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赤羽分科員 公明党の
赤羽一嘉でございます。
本日は、限られた三十分間という時間でございますが、
文部科学行政につきまして、何点かに関しましての御
質問をさせていただきたいと思います。
冒頭、本日の午前中に発生をいたしましたJR福知山線の脱線事故で亡くなられました数多くの
皆様方にまず御冥福を申し上げさせていただきますとともに、御遺族の
皆様方、また多数の負傷者の
皆様方に心からお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。
それでは
質問に入らせていただきますが、ちょっと順番を変えさせていただきまして、邦楽、和楽器教育について、まず冒頭
質問をさせていただきたいと思います。
先日、読売新聞に、東京都の教育
委員会が、二〇〇七年から、まず都立高校で、新教科として
日本の伝統文化という教育を開始しようということが今検討されているといった報道がございました。そこのねらい、真の国際人たらん者は、自国の伝統文化、芸術ということをよく理解しなければいけない、こういった趣旨というふうに書かれております。私、全くそのとおりであるというふうに思っております。
今、教育基本法の中で愛国心というような議論がございますが、私は、
日本人である以上、自分の国に対して誇りを持つことは当然であると思います。しかし、国の権力を愛すということではなくて、
日本の文化ですとか
日本人という民族性であるとか伝統文化、芸術について理解し、そして誇りを持つ、こういうことが本当は大事なのではないか。そういった側面で、今の
日本の教育が十分なされているのかどうかということが、ぜひ議論されなければいけない観点なのではないかというふうに私は思っています。
私の体験なんですが、私はもう小学校を卒業して三十五年になるんですが、実は、私の小学校五年生のときに担当でついていただいた音楽の茅原先生という先生がいまして、変わった先生でして、小学校の音楽の時間にお琴の実践教育というのをしていただきました。
当時、琴を弾くなんというのは、全くそんなことは考えていないというか、琴というのは見たこともないしさわったこともない。小学校五年生ぐらいの餓鬼大将連中ですと、ピアノなんかもう弾けない、何となく楽器に疎遠なときに、今さら琴なんてというふうに思いながらも、初めて見る琴、そして初めて聞く琴の本当の音色というものに多くの男友達も大変魅了されて、一時間や二時間習うと案外簡単に弾ける楽器でありまして、私も、「さくらさくら」とか「六段」とかを小学校六年生まで習いました。
実は、その先生、それから三十数年間、私は音信不通だったんですが、茅原先生はいろいろな場で、学校でそういった和楽器教育を実践しながら、
海外にも小学校の演奏団を率いて出ていたりとか、大変な活躍をされて、「教育流 邦楽狂師 一代記」という、教育流というのは、どこどこ流という流派じゃなくて、まさに教育流という流派に立った教育をしたいんだということで本を著されておりまして、去年実は私もいただいたんです。
感動的に、七十ページに、私が小学校六年生のときに、東京都の連合合奏会で、六年生代表で、日比谷公会堂で、私はなぜかコントラバスを弾いて、余り
記憶がないんですが、こういった写真なんかの記事も出ておりまして、昔のことを思い出しながら、今、この推進方に取り組みをさせていただいているわけです。
私がこれを一生懸命やりたいと思ったのは、私は、大学を卒業いたしまして、三井物産という商社で勤務しまして
海外に行きました。
海外に出ると
日本人としてのアイデンティティーというものをすごく考えさせられまして、まさに、自分が
日本人でありながら
日本のことがわからない、
日本のことを知らないということを非常に恥じ入りながら、
海外に出て改めて
日本の歴史を勉強したりとか、いろいろなことがありました。
ただ、本当に一点すごく救われたのは、小学校五年、六年のときに琴を習ったことで、お琴のまねごとができる。まねごとをするだけでも、
海外で非常に
日本の文化を伝える役に立つことができたし、自分としても
日本人としての誇りというかアイデンティティーを持つことができた。
こういったことを話しますと、ああ、いいな、琴も弾くことができるのか、もちろんそんなにうまくないんですが、そういうことを学ぶことができたのか、うらやましいな、こう言われる同僚議員もたくさんいます。
日本の教育において邦楽教育というのはどうなのかなということをちょっと勉強させていただきますと、いろいろな方の働きかけで、実は、和楽器教育については学習指導要領に、三年前ですか、入っているんです。
まず
確認したいのは、小学校の学習指導要領じゃなくて中学校の学習指導要領に入っているんですね。楽器というのは、小学校からそして中学校という、順序というかステップアップすることの方が僕は普通なのではないかというふうにも思いますし、実は教育者の皆さんでも、小学校から教えさせていただきたい、こういったことがあるんですが、その点、なぜなのかということが
一つ。
もう
一つ、学習指導要領というのは非常にシンプルでして、三年間で少なくとも
一つ以上の楽器を用いること、こういう表記になっているんです。それだけなんです。中学校の三年間で少なくとも
一つ以上の楽器を用いること、こういう学習指導要領になっていまして、これはどういう意味なのか。何を、どんなことをガイドしているのか。太鼓を一回たたけばこの指導要領を満たすのかというような話になりまして、常識的に考えると、
一つ以上の楽器を、習得するとまではいかなくても、そこそこ学ぶことができる、こういった意味なのかなというふうにも思います。
この
現状の学習指導要領について今私が取り上げました二点、なぜ小学校に入っていないのかということと、もう一点は、中学校の学習指導要領の
現状、三年間で少なくとも
一つ以上の楽器を用いることというのはどんなことを求めている、その真意は何ぞや。この二点について御答弁をいただきたいと思います。